※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。
この記事の結論
- 当サイトがこれまで実測してきた配当利回り・配当性向・実績PER・予想PER・配当の増え方・株式数の前年比という6つの数字を、判断の基準として一枚の表にまとめました
- どれか1つだけを見ると、必ず何かを見落とします。利回りだけを見れば配当性向100%超の会社に、PERだけを見れば業種の違いに、増加率だけを見ればECBの配当自粛からの反動に気づけません
- 並べる順番はもらえる額(利回り・配当性向)→ 安さ(実績PER・予想PER)→ これまでの推移(増加率・株数)です
- この6つは候補を絞る道具であって、選ぶ道具ではありません。数字を通ったあとに、その会社が何をしているのかを見る必要があります
当サイトでは買う前に確かめる10項目という記事で、1銘柄あたり15分でできる確認の手順をまとめました。ただ、あの記事は「どこを見るか」という手順の話です。実際に数字を見たとき、それが高いのか低いのか、何社中の何社なのかという「ものさし」がないと、10項目を確認しても判断のしようがありません。
そこで今回は、当サイトが第26波から第29波にかけて実測してきた6つの数字を1つの記事にまとめ直しました。それぞれ別記事で実測した数字を、判断の基準として並べ直したのがこの記事です。
買う前に見る6つの数字——当サイトの実測水準
まず、6つの数字と、当サイトが実測した全体の水準を一覧にしました。
| 見る数字 | 全体の水準(実測) | どう考えるか |
|---|---|---|
| 1. 配当利回り | 中央値2.75% | 4%超は64社。高いほど注意が要ります |
| 2. 配当性向 | 100%超13社、80〜100%15社 | 80%を超えると余裕が小さい位置です |
| 3. 実績PER | 中央値18.18倍 | 10倍未満は17社、30倍超は42社。業種で水準が違います |
| 4. 予想PER | — | 実績PERと並べます。254社中220社が増益見込みです |
| 5. 配当の増え方 | 年平均の中央値8.45% | マイナスも39社あります。起点の年に何があったかを見ます |
| 6. 発行済株式数の前年比 | — | 90社が減少、41社が増加。増えていると1株の取り分が薄まります |
この6つは、株価データサイトの1銘柄のページと、配当・統計の2ページを見れば揃います。1銘柄あたり15分というのが買う前に確かめる10項目で確認した目安です。ここから先は、それぞれの数字を単独で見たときに、何を見落としやすいかを実測データで見ていきます。
1つの数字だけでは判断できない
6つの数字はそれぞれ単独でも意味がありますが、1つだけを見て判断すると、当サイトの実測では次のようなことが起きていました。
利回りだけを見ると、配当性向を実測した記事で数えた、利益より多く配っている13社に当たりやすくなります。この13社のうち9社は利回りが4%を超えていました。高い利回りを探すほど、この13社のどれかに近づいていく形です。
PERだけを見ると、PER10倍未満を実測した記事で書いたとおり、低PERは会社の実力というより業種が決めている面があります。特に不動産は、保有不動産の評価益が利益に計上されるため、実績PERが実力より低く見えやすい業種です。数字だけを見ると「割安」と早合点しますが、その正体は業種の性格だったというのが実測から見えたことです。
増加率だけを見ると、配当の増加率を実測した記事で書いたとおり、上位が銀行で占められる理由に気づけません。ECBは2020年3月から欧州の銀行に配当の自粛を求め、この要請は2021年9月まで続きました。銀行の増加率が高いのは、経営が特に良いからではなく、自粛が明けた直後の低い水準を起点にしているからという側面があります。
配当だけを見ると、株式数を実測した記事で分かった、配当を増やしながら株数も増えている会社を見落とします。BPERバンカとカルフールは、配当の増え方が大きい会社としても取り上げましたが、同時に株数も増えていました。1株あたりの取り分がどれだけ増えているかは、配当額の増加率だけでは見えてきません。
4つとも、数字そのものが間違っているわけではありません。1つの数字だけを切り取って判断すると、必ず何かを見落とすというのが、当サイトが6つの実測を通して見えてきたことです。
並べる順番——もらえる額、安さ、これまでの推移
6つを一度に見ようとすると情報量が多くなるので、当サイトでは次の順番で並べるようにしています。
- 1. まず利回りと配当性向を並べます。もらえる額と、その額に無理がないかという余裕を、同時に見ておきます
- 2. 次に実績PERと予想PERを並べます。実績PERが低くても、業種の性格で低く見えているだけの場合があるため、予想PERや同業種の水準とあわせて確認しておくと見え方が変わってきます
- 3. 最後に配当の増え方と株数を見ます。これまでどう増えてきたか、その増加が株数の増加で薄まっていないかを確認します
この順番にしているのは、後になるほど「過去の推移」の話になるからです。もらえる額は今の株価と決算から分かりますが、増え方や株数の動きは、何年か分のデータをさかのぼらないと見えてきません。先に今の数字を確認してから、過去の推移を見るほうが、確認の手間としても無理がないと思います。
どれも「買い」の判定ではない
ここまで6つの数字を並べてきましたが、この6つは、候補を絞る道具であって、選ぶ道具ではありません。「この基準を満たせば買い」という線引きは、当サイトでは設けていません。
6つを並べて明らかにおかしい数字がない会社が見つかったとしても、それはスタート地点です。数字を通ったあとには、当サイトが記事にしない銘柄の基準や決算の読み方で扱ったような、その会社が何をしていて、何で稼いでいるのかという中身の確認が必要になります。6つの数字だけで判断を終わらせず、その先を見ておいたほうが安心だと思います。
まとめ:6つの数字は、無料で見られるものさし
- 当サイトが実測してきた配当利回り・配当性向・実績PER・予想PER・配当の増え方・株式数の前年比の6つを、判断の基準としてまとめました
- 1つの数字だけを見ると、必ず何かを見落とします。利回り、PER、増加率、配当額のそれぞれで、実測から見落としの実例が見つかりました
- 並べる順番はもらえる額→安さ→これまでの推移です
- この6つは候補を絞る道具であって、選ぶ道具ではありません
6つとも、株価データサイトで無料で見られる数字です。買う前に一度並べておくだけで、あとから「見ていれば気づけたのに」と驚くことは減るのではないかと思います。
この記事の検証方法
- この記事は新規の実測を行ったものではなく、当サイトが2026年9月2〜3日にそれぞれ別の記事で実測した数値をまとめ直したものです。各数値の実測日・対象社数は元記事によって異なります
- 配当利回りの中央値2.75%(249社)・実績PERの中央値18.18倍(256社)はPERを実測した記事(2026年9月2日実測)によるものです
- 配当性向100%超13社・80〜100%15社(241社中)、13社中9社が利回り4%超は配当性向を実測した記事(2026年9月2日実測)によるものです
- 実績PER10倍未満17社はPER10倍未満を実測した記事(2026年9月3日実測)によるものです
- 予想PERで254社中220社が増益見込みは実績PERと予想PERを比べた記事(2026年9月2日実測)によるものです
- 配当の年平均増加率の中央値8.45%・マイナス39社は配当の増加率を実測した記事(2026年9月3日実測)によるものです
- 配当利回り4%超は64社は利回りと増加率を重ねた記事(2026年9月3日実測、対象230社)によるものです
- 発行済株式数の前年比で90社が減少・41社が増加は株式数を実測した記事(2026年9月3日実測、226社)によるものです
- 各元記事の対象社数・母集団は記事ごとに異なります。この記事の数値の意味は元記事を参照してください
- 本記事は、6つの数字を満たすことが購入の推奨や将来のリターンを示すものではありません
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
あわせて読みたい
- 欧州株を1銘柄だけ持つならどう選ぶか|264銘柄の実測から考える
- 欧州株を買う前に確かめる10項目|1銘柄15分でできる確認リスト【2026年】
- 欧州株のデータをどう集めているか|実測手順を公開します【2026年】
- 当サイトが記事にしない欧州株の条件|除外した実例で語る銘柄の選び方【2026年】
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の数値は各元記事に記載の実測日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が割安・割高であること、または購入に適していることを示すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

コメント