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ポートフォリオの欧州比率をどう決めるか|3つの基準点と筆者の考え【2026年】

ポートフォリオの欧州比率をどう決めるか|3つの基準点と筆者の考え【2026年】

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この記事の結論

  • 「欧州は何%がおすすめ」という正解の数字はこの記事には出てきません。かわりに、比率を決めるための3つの基準点を渡します
  • 基準点1は時価総額どおり(オルカンの実測で9.3%)、基準点2は欧州内の配分の目安(STOXX600の実測)、基準点3は生活費の通貨との距離です
  • 比率そのものより、自分が年1回点検できる銘柄数で上限を決めるほうが実務的だと思います
  • 筆者はポルトガル在住で生活費がユーロのため欧州比率が高い設計にしていますが、日本在住の読者がそのまま真似る形ではありません

オルカンだけで欧州株は足りるのかという記事で、オルカンの中身を月次レポートで実測しました。アメリカが63.1%を占め、上位10か国に入る欧州は4か国・合計9.3%しかありません。「足すなら、いくら足せばいいのか」。この記事はその続きです。

先に結論を言ってしまうと、この記事に「欧州は◯%がおすすめ」という答えは出てきません。人によって生活の通貨も、株式投資に割ける手間も、すでに持っている資産の構成も違うので、万人に通用する一つの数字は存在しないと筆者は考えています。かわりにここで渡したいのは、比率を決めるときに手がかりにできる3つの基準点と、比率そのものより先に決めておくべき考え方です。

目次

基準点1:時価総額どおり――「何もしない」を選ぶと9.3%になる

最初の基準点は、いちばん判断の余地がない数字です。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の月次レポート(2026年7月31日時点)によると、組入上位10か国のうち欧州はイギリス3.2%・フランス2.1%・スイス2.1%・ドイツ1.9%の4か国・合計9.3%でした。これは世界の株式市場の時価総額をそのまま反映した比率で、オルカンを保有している人は、意識していなくてもすでにこの水準の欧州株を持っていることになります。

つまり「何も足さない」を選べば、欧州比率は自動的に9.3%前後になります。ここから比率をずらすということは、時価総額という市場の集合知に対して自分の判断を上乗せする行為です。上乗せするなら、その理由を自分の言葉にできることが最低条件だと思います。理由がないまま比率だけをいじると、あとで「なぜこの数字にしたのか」を自分自身に説明できなくなります。

基準点2:欧州の中でどう配分するか――STOXX600が示す目安

「欧州全体でいくら」が決まったとして、次に出てくる問いは「欧州の中でどの国にどれだけ」です。ここで参考になるのが、欧州の主要600社で構成されるSTOXX Europe 600指数の国別構成比率です。

基準点内容数字
基準点1時価総額どおり(オルカンの実測)欧州4か国計 9.3%
基準点2欧州内の配分(STOXX600の実測)英22.3%・仏16.6%・瑞14.9%・独14.1%
基準点3生活費の通貨との距離数字ではなく「円で暮らすか」で決まる
基準点1・2はいずれも実測値、基準点3は考え方の軸(本文参照)

イギリスとフランスだけで4割近くを占め、スイス・ドイツを足した上位4か国で欧州の7割近くに達します。欧州株のセクター勢力図の記事で書いたとおり、業種で見てもこの4か国に主要企業が偏っている構図です。「欧州株を足す」と決めたあと、無計画に国を選ぶより、この配分を目安に「イギリスとフランスは厚め、それ以外は薄め」といった大枠を先に決めておくと、個別株を選ぶときの軸がぶれにくくなります。

基準点3:生活との距離――円で暮らすなら外貨比率はどこまで

3つ目の基準点は、数字ではなく自分の生活との距離です。日本にお住まいで生活費が円建てなら、資産に占める外貨(ユーロ・ポンド・スイスフランなど)の比率を上げるほど、円高局面での資産評価額の目減りを体感しやすくなります。これは損失そのものではなく「感じ方」の問題ですが、比率を無理に上げすぎると、為替が動くたびに資産全体が気になってしまい、長く持ち続けること自体が難しくなります。

逆に、生活費そのものが外貨建ての人や、すでに複数通貨で資産を分けている人は、この制約が弱まります。為替ヘッジをどう考えるかは欧州株に為替ヘッジは要るのかという記事で整理しましたが、根っこにあるのは同じ問いです。「自分の生活は、どの通貨で回っているか」。この距離感を無視して比率だけを決めると、数字の上では合理的でも、日々の資産管理が心理的にきつくなります。

比率より「管理できる銘柄数」で考える

3つの基準点を並べても、それでもなお「結局何%か」を決めきれない人が多いはずです。そこで筆者が実務的だと考えているのは、比率ではなく「自分が管理できる銘柄数」を先に決めるという順番です。

欧州株を足す理由は人によって違います。配当を現金で受け取りたい人、業種を実業寄りに分散したい人、米国一極集中への不安を薄めたい人。欧州株がなぜ米国株より割安なのかという記事で書いた予想PERの差のような構造的な理由に納得して足す人もいるでしょう。理由が違えば、適した足し方も変わります。ETFで比率だけ調整するのか、個別株で企業を選ぶのかはETFと個別株どちらで買うかの記事で判断軸を整理しています。

ただ、どの理由であっても、個別株で足す場合には共通の上限があります。それは年1回の点検で確認したい項目を、自分が実際にこなせる銘柄数です。決算や配当の変化を年1回でも確認する気力がある銘柄数を超えて増やすと、結局は「持っているだけで見ていない」状態になります。比率を先に決めて銘柄数があとからついてくるのではなく、管理できる銘柄数を先に決めて、結果として比率が決まるくらいの順番のほうが、長く続けるうえでは実務的だと思います。

筆者の実例:ポルトガル在住だから欧州比率が高い

参考までに、筆者自身の比率がどう決まっているかを書いておきます。筆者はポルトガル在住で、生活費そのものがユーロ建てです。基準点3で書いた「生活との距離」がほぼゼロなので、資産に占める欧州比率は、日本在住の一般的な投資家より意図的に高い設計にしています。証券口座もインタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)を使い、欧州のETF(VEUR)を中心に、個別株を管理できる範囲で組み合わせています。

これは「筆者が欧州比率を高くしているから、読者も同じ比率にすべき」という話ではまったくありません。生活費が円建ての方にとっては、基準点3の条件がそもそも違います。筆者の比率は、筆者の生活の通貨に合わせた結果であり、日本在住の読者がそのまま真似る形ではない、という点は誤解のないように書いておきます。

個別株で足すと決めた場合、日本からはサクソバンク証券がほぼ唯一の入り口になります。SBI証券・楽天証券・マネックス証券は欧州の現地市場を取り扱っていないためです。

まとめ:比率は「説明できるか」で決める

  • 基準点1(時価総額どおり):何もしなければ欧州比率は9.3%前後(オルカンの実測、2026年7月31日時点)
  • 基準点2(欧州内の配分):STOXX600の実測では英22.3%・仏16.6%・瑞14.9%・独14.1%が目安になる
  • 基準点3(生活との距離):生活費が円建てなら外貨比率の上げすぎに注意、外貨建てなら制約は弱まる
  • 比率より、自分が年1回点検できる銘柄数で上限を決めるほうが実務的
  • 筆者はポルトガル在住・生活費ユーロのため欧州比率が高いが、日本在住の読者がそのまま真似る形ではない

比率に正解はなく、その比率を説明できるかが唯一のチェックだと思います。

この記事の検証方法

  • オルカンの国別構成比率(基準点1)は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の月次レポート(2026年7月31日時点)を出典としています
  • STOXX Europe 600の国別構成比率(基準点2)はWikipedia掲載の目安を出典としています
  • サクソバンク証券の取扱銘柄数・SBI証券などの取扱範囲は各社の公式サイトで確認した情報です
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の商品を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の構成比率・銘柄数・手数料は本文記載の各時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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