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欧州株はETFと個別株どちらで買うか|手間・手数料・NISAで分かれる【2026年】

欧州株はETFと個別株どちらで買うか|手間・手数料・NISAで分かれる【2026年】

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この記事の結論

  • 迷ったらETF。少額から始められ、NISAで買えるものがあり、手間もかからないためです
  • 個別株に進む条件は3つ。1銘柄10万円以上を出せる/年1回・春集中の配当を受け入れられる/決算を年に数回は見る気がある、です
  • 「個別株のほうが儲かる」「ETFのほうが安全」という断定はできません。納得感と楽しさは、合理性ではなく好みの問題だと思います

欧州株に投資すると決めたとして、次に迷うのが「ETFで買うか、個別株で買うか」です。日本からだと、この2つは経路からして別物です。ETFはSBI証券や楽天証券など普段使っている証券会社でそのまま買えますが、欧州の個別株を買うにはサクソバンク証券という別の口座が必要になります。入り口が違う以上、どちらを選ぶかは早めに決めておいたほうが動きやすいと思います。

この記事では、①買える場所と制度、②コスト、③配当のかたち、④手間と納得感、という4つの判断軸で両者を比べます。結論を先に言うと、多くの人にとってはETFで十分というのが筆者の意見です。そのうえで、個別株に進む価値がある人の条件も具体的に示します。

目次

判断軸1:買える場所と制度で、入り口がまったく違う

まず押さえておきたいのが、そもそも取扱いのある証券会社が違うという事実です。

欧州ETF(米国上場)欧州の個別株
買える証券会社SBI証券・楽天証券・マネックス証券などサクソバンク証券(SBI証券などでは買えない)
NISA成長投資枠で買えるものがある(証券会社の取扱いによる)サクソバンク証券はNISA非対応
通貨米ドル建て現地通貨建て(ユーロ・ポンド・スイスフランなど)

ETFはあくまで米国に上場している商品を買う形なので、普段使っている証券口座の成長投資枠でそのまま扱える場合があります。一方、欧州の個別株は現地の取引所に直接アクセスする必要があり、日本からはサクソバンク証券がほぼ唯一の入り口です。そしてサクソバンク証券の口座はNISA非対応なので、個別株を選んだ時点で税制優遇の外に出ることになります。NISAでの扱いを詳しく整理した記事もあわせてご覧ください。通貨も、ETFはドル建てで完結しますが、個別株は買う国ごとにユーロやポンド、スイスフランと変わり、為替の管理対象が増える点も違いです。

判断軸2:コストは「経費率」か「売買手数料」か

コストのかかり方も構造が違います。ETF(VGKの例)は経費率0.06%が保有している間ずっとかかります。金額は小さくても、持っている限り毎年発生する固定費です。対して個別株は経費率こそゼロですが、売買のたびに手数料がかかり、しかも最低手数料が設定されています。サクソバンク証券の公式手数料表によると、フランクフルト市場は最低3.30ユーロ(約613円)、スイスの取引所は最低5.50フラン(約1,089円)です(ECB参照レート2026年8月27日換算)。

この最低手数料は、買う金額が小さいほど負担率が跳ね上がります。スイス株を例に試算してみます。

購入金額最低手数料(スイス)手数料の負担率
3万円約1,089円3.63%
10万円約1,089円1.09%
30万円約1,089円0.36%
サクソバンク証券の最低手数料5.50フラン(約1,089円、ECB参照レート2026年8月27日換算)を各購入金額で割った試算

3万円で買うと手数料だけで3.63%が消えますが、10万円まで金額を増やせば負担率は1%程度まで下がります。1銘柄あたり10万円未満の少額では、個別株は手数料負けしやすいというのが、この試算から見える実態です。まとまった金額を出せるかどうかが、ETFと個別株の分かれ目のひとつになります。

手数料の負担が気になる方は、まずETFで欧州比率を作り、まとまった資金ができてから個別株を検討するのが現実的だと思います。日本の証券会社では買えない欧州の個別株は、サクソバンク証券が実質的な入り口になります。

判断軸3:配当のかたち、年4回か年1回・春集中か

受け取り方の頻度も対照的です。ETF(VGK)は年4回の分配があります。米国株に近い感覚で、配当が年間を通じて分散して入ってきます。一方、欧州の個別株は年1回払いが多数派です。今回実測した欧州株201銘柄のうち119社が年1回払いで、全体の約6割を占めました(2026年8月28日時点、直近12か月の権利落ち履歴を集計)。ドイツとスイスは、実測した全社が年1回払いという結果でした。しかも権利落ちの時期は4〜6月に集中しており、年間を通じて均等に入ってくるわけではありません。

手取りには現地の源泉税の差も効きます。個別株は国ごとに10〜35%と幅があり、ETFは商品の籍によって税率が変わります。税の詳細はこの記事では深入りせず、配当税を国別に比較した記事に譲ります。ここでのポイントは、配当を受け取るタイミングと頻度そのものが、ETFと個別株で構造的に違うということです。

判断軸4:手間と納得感は、合理性ではなく好みの問題

ETFは銘柄選びも決算確認も不要です。買ってしまえばあとは基本的に放っておけます。ただしその代わり、中身の1社1社はどうしても薄くなります。VGKで最大の構成銘柄であるASMLでも、比率は4.83%にとどまります(2026年8月時点)。「この会社を持っている」という実感を得るには、少々物足りない薄さです。

個別株は逆に、決算を読む手間がかかります。四半期や通期の発表を確認し、業績や配当方針の変化を自分で追う必要があります。その手間と引き換えに得られるのが、「この会社を選んで持っている」という納得感と、企業を選ぶ楽しさです。ただし、ここは正直に書いておきたいのですが、これは合理性の問題ではなく好みの問題だと思います。同じ利回りでも、指数の一部として薄く持つのと、自分で選んだ一社として持つのとでは、感じ方がまったく違います。どちらが優れているという話ではなく、どちらが自分に合うかという話です。

筆者自身は、欧州ETF(VEUR)を土台にしたうえで、欧州の個別株を数銘柄だけ持つという形をとっています。土台はETFに任せ、その上に「選びたい会社」だけを個別で足す。手間を最小限にしながら納得感も残すなら、こういう組み合わせ方もあると思います。

まとめ:迷ったらETF、個別株は条件がそろってから

  • 迷ったらETF。少額から始められる・NISAで買えるものがある・手間がかからない、という3条件がそろっているためです
  • 個別株に進む条件は3つです。①1銘柄10万円以上を出せること、②年1回・春集中の配当を受け入れられること、③決算を年に数回は見る気があること
  • この3条件がそろわないうちは、無理に個別株に進む必要はないと思います
  • 実際には、ETFを土台にしながら選びたい会社だけ個別で持つ、という両方持ちの形が多くなるはずです
  • 「個別株のほうが儲かる」「ETFのほうが安全」とは言い切れません。最後に効くのは、納得感と楽しさという好みの部分です

どちらか一方を選ばなければいけないわけではありません。まずはETFで欧州株の比率を作り、条件がそろったところで個別株を少しずつ足していく。そのくらいの構え方で十分だと思います。

この記事の検証方法

  • ETFの経費率・分配回数・構成比率(ASMLの比率含む)は、VGKの運用会社公式ページ(2026年8月時点)を出典としています
  • サクソバンク証券の売買手数料は公式手数料表から確認し、ユーロ・スイスフランの円換算はECB参照レート(2026年8月27日)を使っています
  • 欧州株の配当支払回数(201銘柄・年1回が119社)は、2026年8月28日時点で直近12か月の権利落ち履歴を実測した当サイト独自の集計です。当サイトが記事化した銘柄が対象で、欧州市場全体を代表するものではありません
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州ETF(VEUR)を土台に、欧州の個別株を数銘柄だけ保有しています

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の経費率・手数料・配当データは本文記載の各時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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