※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。
この記事の結論
- 経費率が最も低いのはVGK(0.06%)。欧州株ETFの中では突出して安い
- 最も広く分散するのもVGK(約1,233銘柄)。FEZは50銘柄と対極的に集中している
- ETFは一般に日本の大手ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)でも購入できる。取扱いの有無は各社の公式サイトでご確認ください
- ただしETFでは個別企業を選べない。特定の企業に投資したいなら個別株が必要
「欧州ETF おすすめ」「ヨーロッパETF ランキング」で検索すると、多くの情報が個別株の話とごちゃまぜになっています。当サイトは普段、サクソバンク証券を使った欧州の個別株投資を中心に扱っていますが、ETFに関しては話が別です。欧州株ETFは米国市場に上場しているものが多く、日本の大手ネット証券でも一般に取引できます。この事実を隠さずお伝えするのが、この記事の出発点です。
この記事では、欧州全体・ユーロ圏に投資する4本(VGK・FEZ・EZU・IEV)と、特定の国に集中投資する4本(EWG・EWU・EWQ・EWL)、合わせて8本のETFを経費率・連動指数・構成銘柄数で比較します。分配金利回りや過去のリターン、上位構成銘柄のウェイト、純資産総額は出典によって数値が食い違うため、本記事では扱いません。
あわせて、ETFと個別株をどう使い分けるべきかも整理します。「欧州株に広く分散したい」のか「特定の企業に投資したい」のかで、選ぶべき道具はまったく変わります。
欧州株ETF8本の比較表
まずは8本を一覧で比較します。国別4本はいずれもiShares運用で、経費率はそろって0.50%です。
| ティッカー | 正式名称 | 経費率 | 連動指数 | 構成銘柄数 |
|---|---|---|---|---|
| VGK | Vanguard FTSE Europe ETF | 0.06% | FTSE Developed Europe All Cap Index | 約1,233銘柄 |
| FEZ | SPDR EURO STOXX 50 ETF | 0.29% | EURO STOXX 50 Index | 50銘柄 |
| EZU | iShares MSCI Eurozone ETF | 0.50% | MSCI EMU Index | 約235銘柄 |
| IEV | iShares Europe ETF | 0.60% | S&P Europe 350 Index | 約377銘柄 |
| EWG | iShares MSCI Germany ETF | 0.50% | MSCI Germany Index | — |
| EWU | iShares MSCI United Kingdom ETF | 0.50% | MSCI United Kingdom Index | — |
| EWQ | iShares MSCI France ETF | 0.50% | MSCI France Index | — |
| EWL | iShares MSCI Switzerland ETF | 0.50% | MSCI Switzerland 25-50 Index | — |
※経費率は2026年8月時点で確認した値です。最新の数値は各運用会社の公式サイトでご確認ください
なお上位構成銘柄のウェイト(%)と純資産総額(AUM)は、調査した複数の情報源で数値が食い違ったため、本記事では掲載していません。構成銘柄数・連動指数・経費率という、比較的ぶれにくい事実だけを整理しています。
欧州全体に投資する4本
まず、欧州全体またはユーロ圏に広く投資する4本です。なお、どのETFもASML(オランダの半導体製造装置大手)が上位に入る傾向があります。
VGK:経費率0.06%で最も広く分散
Vanguard FTSE Europe ETFは、経費率0.06%と8本の中で最も低コストです。FTSE Developed Europe All Cap Indexに連動し、構成銘柄数は約1,233銘柄と圧倒的に多く、対象範囲もユーロ圏に限らずイギリス・スイスを含む欧州先進国全体に及びます。銘柄数が多い分、1銘柄あたりの比重はごく小さくなります。
FEZ:EURO STOXX 50の50銘柄に集中
SPDR EURO STOXX 50 ETFは、経費率0.29%でEURO STOXX 50 Indexに連動します。構成銘柄数は50と、VGKとは対極的に集中しています。EURO STOXX 50はユーロ圏限定の指数のため、スイス・イギリスの企業は対象外です。指数の詳しい中身はユーロストックス50の解説記事で整理しています。
EZU:ユーロ圏約235銘柄に分散
iShares MSCI Eurozone ETFは、経費率0.50%でMSCI EMU Indexに連動し、約235銘柄で構成されます。FEZと同じくユーロ圏限定のため、スイス・イギリスは含まれません。ユーロ圏の中でもFEZより広い銘柄数でカバーしたい場合の選択肢になります。
IEV:S&P Europe 350種、ユーロ圏外も含む
iShares Europe ETFは、経費率0.60%と4本の中では最も高めですが、S&P Europe 350 Indexに連動し約377銘柄で構成されます。VGKと同様、ユーロ圏に限らずイギリス・スイスも対象に含みます。欧州株全体のカバー範囲という観点では、STOXX Europe 600の解説記事もあわせて参考にしてください。
特定の国に集中投資する4本
次に、特定の国に絞って投資する4本です。いずれもiShares運用で経費率は0.50%とそろっており、連動指数の対象国だけが異なります。
EWG:ドイツに集中投資
iShares MSCI Germany ETFは、MSCI Germany Indexに連動し、ドイツ企業だけに投資できます。ドイツの主要企業はDAXの解説記事、個別株を直接買う場合はドイツ株の買い方で整理しています。
EWU:イギリスに集中投資
iShares MSCI United Kingdom ETFは、MSCI United Kingdom Indexに連動し、イギリス企業だけに投資できます。イギリスの代表的な指数についてはFTSE100の解説記事、個別株を直接買う場合はイギリス株の買い方で整理しています。
EWQ:フランスに集中投資
iShares MSCI France ETFは、MSCI France Indexに連動し、フランス企業だけに投資できます。フランスの主要企業はCAC40の解説記事、個別株を直接買う場合はフランス株の買い方で整理しています。
EWL:スイスに集中投資
iShares MSCI Switzerland ETFは、MSCI Switzerland 25-50 Indexに連動し、スイス企業だけに投資できます。個別株を直接買う場合はスイス株の買い方で整理しています。
ここまでの8本があれば、欧州全体・ユーロ圏・特定の国という単位での分散投資はひととおりカバーできます。ただし、これらのETFで選べるのは「国」や「指数」までで、「この企業に投資したい」という個別の選択はできません。たとえばラインメタルの防衛需要やエルメスのブランド力に賭けたい場合は、ETFではなく個別株を選ぶ必要があります。個別株は現地の証券取引所に上場しているため、サクソバンク証券など欧州の現地取引所に対応した証券会社の口座が必要になります。
ETFと個別株、どちらを選ぶべきか
ここが本記事でいちばん伝えたいことです。ETFと個別株は、どちらが上ということではなく、そもそも目的が違う道具です。
- ETF=欧州全体・特定国に広く薄く投資する道具。VGKなら約1,233銘柄に分散できますが、その分1銘柄あたりの比重はごく小さくなります。個別企業は選べません。
- 個別株=特定の企業に賭ける道具。「ラインメタルの防衛需要」「エルメスのブランド力」のように、狙った企業の成長にそのまま投資できます。ただし現地の証券取引所に上場しているため、サクソバンク証券などの口座が必要です。
正直にお伝えすると、欧州ETFは一般に日本のSBI証券・楽天証券・マネックス証券でも取引できます。取扱いの有無は各社の公式サイトでご確認ください。当サイトは普段、サクソバンク証券を使った個別株投資を案内していますが、ETFに関しては大手ネット証券が現実的な選択肢になる場面が多いはずです。
「まず欧州株全体に広く投資したい」ならETF、「特定の企業の成長に賭けたい」なら個別株、という基準で考えると選びやすくなります。個別株を選ぶ場合の証券会社の比較は証券会社の比較記事、投資全体のメリット・デメリットはこちらの入門記事で整理しています。
ETFを買う前に知っておくべき3つの注意点
分配金の税金構造が複雑
これらのETFは米国に上場しているため、分配金には投資先企業が所在する国の源泉税に加え、米国の源泉税、さらに日本の税金が関わる可能性があり、構造が複雑です。二重課税の調整が必要になる場合がありますが、具体的な税率は投資先や状況によって変わるため、本記事では断定しません。詳しくは確定申告と外国税額控除の解説記事で整理しています。
為替リスクが二重に効く
これらのETFはドル建てです。投資先はユーロ・ポンド・フラン建ての欧州企業ですが、ETF自体はドルで取引されるため、ユーロ・ポンド・フランの動きとドル円の動きが二重に効く構造になっています。詳しくは為替リスクの解説記事で整理しています。
経費率は毎年かかるコスト
経費率は一度きりの手数料ではなく、保有している間ずっと毎年かかり続けるコストです。上の比較表で見たとおり、VGKの0.06%とIEVの0.60%では10倍の差があります。差はわずかに見えても、長期保有ほど累積の差は大きくなります。
よくある質問
欧州ETFのおすすめはどれですか?
目的によって変わるため一概には言えませんが、経費率の低さと分散の広さで選ぶならVGK(経費率0.06%・約1,233銘柄)が有力な候補です。ユーロ圏の主要企業に絞りたいならFEZ、特定の国に絞りたいなら国別4本、という選び方になります。
欧州ETFはSBI証券で買えますか?
これらのETFは米国に上場しているため、一般に日本の大手ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)でも取引できます。ただし取扱いの有無や条件は証券会社ごとに異なるため、必ず各社の公式サイトでご確認ください。
ETFと個別株、どちらを買うべきですか?
特定の投資法を推奨するものではありませんが、「欧州株全体・特定国に広く分散したい」ならETF、「特定の企業に投資したい」なら個別株、という使い分けが基本的な考え方です。個別株は現地取引所への上場企業のため、サクソバンク証券などの口座が必要になります。
まとめ
- 欧州株ETFは経費率最安がVGK(0.06%)、最も分散が広いのもVGK(約1,233銘柄)
- FEZ・EZUはユーロ圏限定でスイス・イギリスは対象外。VGK・IEVはユーロ圏外も含む
- 国別4本(EWG・EWU・EWQ・EWL)はいずれもiShares運用・経費率0.50%で対象国だけが異なる
- 欧州ETFは一般に日本の大手ネット証券でも取引できる(取扱いは各社の公式サイトで確認)
- ただしETFでは個別企業を選べない。特定企業に投資したいなら個別株+サクソバンク証券などが必要
用途別のおすすめ
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 欧州全体に広く分散投資したい | 経費率が最も低く分散も広いVGKを検討する |
| ユーロ圏の大型株に絞りたい | FEZ(EURO STOXX 50連動・50銘柄)を検討する |
| 特定の国だけに投資したい | EWG・EWU・EWQ・EWLなど国別ETFを検討する |
| 特定の企業に賭けたい(例:ラインメタルの防衛需要) | 個別株+サクソバンク証券などの口座を検討する |
この記事の検証方法
- 各ETFの経費率・連動指数・構成銘柄数は、各運用会社および主要ETF情報サイトで確認した2026年8月時点の値です
- 上位構成銘柄のウェイト(比率)と純資産総額(AUM)は、出典によって数値が食い違うため本記事では掲載していません
- 分配金利回り・過去のリターン・将来見通しは、本記事の対象外としています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
あわせて読みたい
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定のETF・銘柄・証券会社の利用を推奨するものではありません。記載の経費率・連動指数・構成銘柄数は2026年8月17日時点で当サイトが確認した情報に基づいており、変更される場合があります。上位構成銘柄のウェイトや純資産総額、分配金利回り・過去のリターンは出典によって数値が食い違うため本記事には含めていません。各証券会社の取扱商品は変更される可能性があるため、口座開設および取引の前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

コメント