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バーキン、ケリー。手に入れるのに順番待ちが必要なバッグで知られるエルメス(Hermès/ティッカー:RMS)は、世界のラグジュアリーブランドのなかでも別格の位置にあります。
その株もまた、簡単には手に入りません。1株あたり約29万5,000円という価格に加えて、SBI証券にも楽天証券にも取扱いがないからです。
この記事では、エルメス株の買い方を、手数料・税金・必要資金の実数字で解説します。あわせて、株価が1年で23%下がっているのに、なぜPERは37倍もあるのかという点も整理します。
結論:エルメス株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 必要資金の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 1株 約29万5,000円〜 | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
エルメスの株主になりたいなら、選択肢は①に絞られます。
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
理由1:ユーロネクスト・パリにしか上場していない
エルメスが上場しているのはユーロネクスト・パリで、ティッカーは「RMS」です。ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
理由2:米国ADR(HESAY・HESAF)はOTC銘柄
米国預託証券(ADR)は存在しますが、取引所ではなくOTC(店頭市場)で取引される銘柄です。
楽天証券は米国株について、OTC市場の銘柄は「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。ADR経由という抜け道も使えません。
同じ構造で、LVMH、ネスレ、ラインメタルも国内ネット証券では買えません。米国市場に上場していない欧州企業には、一貫してこの壁があります。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
サクソバンク証券はユーロネクスト・パリに直接つないでいる数少ない国内証券です。外国株の取扱いは11,000銘柄以上、うち欧州株は1,700銘柄以上あります。
株価と基本データ
2026年8月13日時点の株価は1,603.00ユーロ。同時点のユーロ円レート(約183.7円)で換算すると、1株あたり約29万5,000円です。
- 52週レンジ:1,465.50ユーロ 〜 2,300.00ユーロ
- 時価総額:約1,689億ユーロ
- PER:約37倍
- 過去1年の騰落率:約−23%
52週高値2,300.00ユーロから約30%下、安値1,465.50ユーロに近い水準です。
手数料:株価が高いぶん、負担率はむしろ小さい
| ステージ | 手数料率 | 最低手数料 |
|---|---|---|
| クラシック(初期) | 0.088% | 2.20ユーロ |
| プラチナ | 0.055% | 2.20ユーロ |
| VIP | 0.033% | 2.20ユーロ |
1株買った場合の手数料は約400円(2.20ユーロ)。約定金額29万5,000円に対する負担率は約0.14%です。
ここはネスレと対照的です。ネスレは1株1万5,500円と安い代わりに最低手数料が5.50スイスフランと高く、1株買うと負担率が約7%にもなりました。
株価が高い銘柄ほど、最低手数料の影響を受けにくい。エルメスは入り口の金額こそ大きいものの、コスト効率という点では素直な銘柄です。
買うまでの流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「RMS」で検索し、株数を指定して発注
方法②:CFDで値幅だけを狙う
IG証券などが提供する株式CFDなら、29万円を用意しなくてもエルメスの値動きに対して取引できます。レバレッジもかけられます。
ただしCFDは差金決済であり、株主にはなれません。ポジションを持ち越すと金利相当のコストが日々発生するため、長期保有には向きません。
エルメスはLVMHと何が違うのか
同じフランスのラグジュアリー企業でも、両社の性格はかなり異なります。
| エルメス | LVMH | |
|---|---|---|
| 構造 | 単一ブランド中心 | 75以上のブランドの集合体 |
| 時価総額 | 約1,689億ユーロ | 約2,314億ユーロ |
| PER | 約37倍 | 約21倍 |
| 販売戦略 | 生産量を絞り、値引きをしない | 幅広い価格帯とブランドを展開 |
エルメスは1837年に馬具工房として創業し、職人が1つの製品を最初から最後まで仕上げる製法を続けてきました。生産量を意図的に絞ることで希少性を保ち、値引きをしないという方針を貫いています。
この「作れる数が決まっている」構造が、需要が落ちても価格を維持できる強さになっています。市場がエルメスにLVMHの1.8倍近いPERを与えているのは、この価格決定力を評価しているからだと考えられます。
裏を返せば、その期待が剥がれたときの下落幅も大きくなります。
1年で23%下落。今の水準をどう見るか
エルメスの株価は過去1年で約23%下落しました。高値2,300.00ユーロから見れば約30%安い水準です。
背景にはラグジュアリー業界全体の逆風があります。中国市場の需要減速で、LVMHをはじめとする各社の株価が調整局面に入りました。
ここで注意したいのは、30%下がってもなおPERは約37倍という点です。LVMHの約21倍と比べれば、まだ高い評価が残っています。
「高値から30%下がった」ことと「割安になった」ことは同じではありません。エルメスの価格決定力が今後も続くと考えるかどうかが、判断の分かれ目になります。
買う前に知っておくべき3つの注意点
注意1:NISAは使えない
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となり、利益には約20.315%が課税されます。29万円を超える単価だけに、この差は小さくありません。
注意2:配当は期待しない銘柄
フランス株の配当課税は、日仏租税条約により源泉地国の限度税率が一般に10%と定められており、スイス(35%)やドイツ(26.375%)と比べて有利です。
ただしエルメスの配当利回りは低水準で、配当を目的に持つ銘柄ではありません。税制が有利であることの恩恵も限定的です。値上がり益を狙う株だと理解しておいてください。
なお実際に何%が源泉徴収されるかは証券会社の租税条約手続きの扱いによって変わるため、口座開設時に確認してください。
注意3:1株の単価が大きく、分散しにくい
1株約29万5,000円という単価は、少額での積み立てや分散を難しくします。1株買った時点で、ポートフォリオのなかでかなりの比重を占めることになります。
加えてユーロ建てなので、株価と為替の2つの変動を同時に抱えます。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月13日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
※下のチャートは米国ADR(HESAF・米ドル建て)です。パリ上場の原株とほぼ同じ値動きをしますが、表示通貨が異なります。
まとめ
- エルメスはユーロネクスト・パリ上場。米国ADRはOTC銘柄で、楽天証券は新規買付を受け付けていない
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢
- 必要資金は1株あたり約29万5,000円。手数料は約400円(負担率0.14%)と軽い
- 株価は1年で約23%下落し、高値からは約30%安い水準
- それでもPERは約37倍とLVMHの1.8倍近く。「下がった=割安」ではない
- NISAは使えず、配当も期待できない。値上がり益を狙う銘柄
店頭で順番待ちをしなくても、株なら注文した瞬間に「持ち主」になれます。ただしその入り口は、日本の大手証券には用意されていません。
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月13日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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