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この記事の結論
- MTUエアロエンジンズは航空機エンジンの製造・整備(OEM・MRO)を手がける会社。日本ではANA・ソラシドエアの整備契約を持ち、住友商事とはエンジンリース事業でも提携しています
- 魅力の核心:受注残高304億ユーロ(前年同期比+3%)
- 最大のリスク:株価は1年で−7.17%。航空機エンジン市場は地政学リスクの影響を受けやすい業界です
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約6万5,400円から(推奨ロット1株が目安/1株からでも手数料負担率は約0.94%と軽い)
日本の航空会社とこの会社を結びつけて考える人は少ないかもしれません。しかし、ANA・ソラシドエアのジェットエンジン整備を担い、住友商事とはエンジンリース事業でも提携しているのが、ドイツのMTUエアロエンジンズです。
会社発表によると、2026年上半期時点の受注残高は304億ユーロ(前年同期比+3%)に達しました。A320neo向けギアード・ターボファン・エンジンなどの需要が堅調で、旅客機が飛び続ける限り整備需要も途切れないのが、このビジネスの強みです。
航空機エンジンの製造から整備(MRO)まで手がけるMTUエアロエンジンズの「今」を、業績・配当・買い方の順に見ていきます。
MTUエアロエンジンズ株の基本データ(2026年8月22日時点)
| 株価 | 352.40ユーロ(1株 約6万5,400円) |
| 52週レンジ | 265.20 〜 404.80ユーロ |
| 時価総額 | 約190億ユーロ |
| PER | 約20.4倍(予想 約17.8倍) |
| 配当利回り | 約1.02%(1株配当 3.6ユーロ) |
| 上場市場 | フランクフルト証券取引所(Xetra) |
| 1年の株価騰落 | −7.17% |
受注残高304億ユーロという先々の需要|MTUエアロエンジンズ株の魅力
受注残高304億ユーロ、前年同期比+3%で高水準
会社発表によると、2026年上半期時点の受注残高は304億ユーロ(前年同期比+3%)です。A320neo向けギアード・ターボファン・エンジンなどの需要が堅調に推移しています。
投資家にとっては、今後複数年にわたる収益の下支えとなる需要が、すでに手元に積み上がっているという意味です。
上半期の調整後売上高は前年比+13%
2026年上半期の調整後売上高は47億ユーロ(前年同期比+13%)でした(出典:MTU公式IR)。
投資家にとっては、受注残高の積み上がりが、実際の売上の伸びとしてすでに表れ始めているという意味です。
フリーキャッシュフローは前年比+39%、通期目標を上方修正(会社発表)
会社発表によると、フリーキャッシュフローは2億9,400万ユーロ(前年同期比+39%)となり、通期のキャッシュ転換率目標を50〜60%に上方修正しました。
投資家にとっては、稼いだ利益がキャッシュとして裏付けられており、事業投資や配当の原資が積み上がっているという意味です。
日本のANA・ソラシドエアの整備契約、住友商事とのリース事業
MTUエアロエンジンズは日本国内でも、ANA・ソラシドエアのジェットエンジン整備契約を持ち、住友商事とはエンジンリース事業で提携しています。
投資家にとっては、日本の航空会社の運航を実際に支えている企業であり、決して縁遠い会社ではないという意味です。
株価−7.17%と、地政学リスクにさらされる業界|先に知っておきたいリスク
株価は1年で−7.17%
2026年8月22日時点の株価は352.40ユーロで、1年間では−7.17%の下落となっています。52週レンジは265.20〜404.80ユーロです。
投資家にとっては、受注残高が高水準にある一方で、株価はこの1年で下落しているという事実を、まず押さえておく必要があります。
航空機エンジン市場は地政学・景気循環リスクの影響を受けやすい
航空機エンジン市場は、地政学リスクや景気循環の影響を受けやすい業界です。
投資家にとっては、受注残高が現時点で積み上がっていても、地政学的な要因や航空需要の急変によって、受注・納入計画が変動する可能性を織り込んでおく必要があります。
PERは実績20.4倍、予想17.8倍と増益期待が織り込み済み
実績PERは約20.4倍である一方、予想PERは約17.8倍です。
投資家にとっては、市場がすでに今後の増益を織り込んで株価を評価しているということです。実際の増益ペースがこの期待に届かない場合、株価が調整する余地があります。
配当利回りは約1.02%と控えめ、源泉税26.375%のうち11.375%は控除対象外
配当利回りは約1.02%(1株配当3.6ユーロ)と高くありません。さらにドイツの配当源泉税は26.375%で、日独租税条約の限度税率15%を超える11.375%分は日本の外国税額控除の対象外です。
投資家にとっては、配当を主目的に持つ銘柄ではなく、利回り面でのメリットは限定的だと理解しておく必要がある、ということです。
MTUエアロエンジンズは航空機エンジンの製造・整備で稼ぐ会社
MTUエアロエンジンズは、航空機エンジンの製造・整備(OEM・MRO)を手がけるドイツ企業です。
日本ではANA・ソラシドエアのジェットエンジン整備契約を持ち、住友商事とはエンジンリース事業で提携しています。航空機エンジンの分野では、フランスのサフランも同業のエンジンメーカーとして知られています。
直近の決算では、2026年上半期の調整後売上高は47億ユーロ(前年同期比+13%)、調整後EBITは6億9,200万ユーロ(同+5%、利益率14.8%)、調整後純利益は5億200万ユーロ(同+5%)でした(出典:MTU公式IR https://www.mtu.de/newsroom/press/latest-press-releases/press-release-detail/mtu-aero-engines-remains-on-track-with-growth-in-first-half-of-2026-and-raises-free-cash-flow-guidance/)。受注残高は304億ユーロ(前年同期比+3%)で、A320neo向けギアード・ターボファン・エンジンなどの需要が堅調です。会社発表によると、フリーキャッシュフローは2億9,400万ユーロ(同+39%)で、通期のキャッシュ転換率目標を50〜60%に上方修正しています。
1株配当3.6ユーロと、ドイツの源泉税26.375%
MTUエアロエンジンズの1株配当は3.6ユーロ(2025年配当実績)、表面利回りは約1.02%です(出典:MTU公式IR)。
ドイツの現地源泉税は26.375%です。日独租税条約の限度税率15%を超える11.375%分は、日本の外国税額控除の対象外となります。この分の還付を受けるには、ドイツ税務当局(BZSt)へ直接請求する必要があり、2023年以降は電子提出が必須、請求期限は暦年末から4年以内です。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約0.60%です(計算式:1.02% ×(1−0.26375)× 0.79685)。
チャートで今の株価水準を見る
本記事の株価は2026年8月22日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
日本から買う方法と、1株あたりの手数料
MTUエアロエンジンズの上場市場はフランクフルト証券取引所(Xetra)のみで、ティッカーは「MTX」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:MTUAY)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | MTUエアロエンジンズ株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「MTX」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約6万5,400円 | 613円 | 約0.94% |
手数料は約定金額の0.088%、最低3.3ユーロ(約613円)です。MTUエアロエンジンズは1株あたりの約定金額が大きいため、1株からでも手数料負担率は約0.94%と軽く済みます。
MTUエアロエンジンズ株が向く人・向かない人
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 航空機整備(MRO)需要の拡大に投資したい人 | 受注残高304億ユーロで先々の需要が確保されている |
| 日本のANA・ソラシドエアとの接点がある企業に投資したい人 | 整備契約と住友商事とのリース事業がある |
| 1株から少額で始めたい人 | 1株からでも手数料負担率は約0.94%と軽い |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 高い配当利回りを狙う人 | 配当利回りは約1.02%と高くない |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 株価の右肩上がりを求める人 | 1年で−7.17%の下落 |
MTUエアロエンジンズ株のよくある質問
MTUエアロエンジンズ株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がフランクフルト証券取引所(Xetra)のみのためです。米国預託証券(MTUAY)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
受注残高は伸びているのに、なぜ株価は1年で下がっているのですか?
会社発表によると受注残高は304億ユーロ(前年同期比+3%)と高水準ですが、株価は1年で−7.17%下落しています。航空機エンジン市場は地政学リスクや景気循環の影響を受けやすく、受注が積み上がっていても株価がそのまま反応するとは限りません。
日本の航空会社との接点はありますか?
あります。MTUエアロエンジンズはANA・ソラシドエアのジェットエンジン整備契約を持ち、住友商事とはエンジンリース事業で提携しています。日本の航空会社の運航を実際に支えている企業です。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
同業のサフランとは何が違いますか?
サフランはフランスの航空機エンジンメーカーで、MTUエアロエンジンズはドイツの企業です。どちらも航空機エンジンの分野で知られていますが、上場している国・市場が異なります。
まとめ:受注は積み上がっても、株価はまだついてきていない
- メリット:受注残高304億ユーロ(前年同期比+3%)/上半期調整後売上高+13%・フリーキャッシュフロー+39%/日本のANA・ソラシドエアの整備契約と住友商事とのリース事業
- デメリット:株価は1年で−7.17%/航空機エンジン市場は地政学・景気循環リスクの影響を受けやすい/配当利回り約1.02%と源泉税26.375%のうち11.375%は外国税額控除の対象外
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約6万5,400円から。手数料負担率は約0.94%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月22日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はMTUエアロエンジンズ社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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