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この記事の結論
- カンパリ株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はミラノのみ)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約1,095円)
- 最低手数料の関係で100株単位のまとめ買いが目安(それでも比例手数料には切り替わらない)
- 最大の注意点:1株買いの手数料負担率は92%と極端に重い(NISA不可でもある)
カンパリ・ソーダやアペロールで知られるイタリアの酒類大手カンパリ(Davide Campari-Milano N.V./ティッカー:CPR)。株価は過去1年で約8.7%下落していますが、2026年上半期の売上高はオーガニックベースで増収と、業績自体は底堅く推移しています。
この記事ではカンパリ株の株価・業績・買い方を解説します。1株1,000円程度で買える銘柄ですが、株価が安いからこそ手数料の負担率が突出して重いという、この銘柄特有の注意点を実数字で示します。同じ酒類大手のペルノ・リカールとあわせて、当サイトで扱う酒類株のひとつです。
カンパリ株の基本データ(2026年8月時点)
| 株価 | 5.96ユーロ(1株 約1,095円) |
| 52週レンジ | 5.27 〜 6.83ユーロ |
| 時価総額 | 約71.4億ユーロ |
| PER | 約26.5倍 |
| 配当利回り | 約1.68%(年1回・1株0.10ユーロ) |
| 上場市場 | イタリア証券取引所(ミラノ) |
2026年8月13日終値ベース、ユーロ円レート約183.7円で換算しています。PER約26.5倍は、後述する欧州飲料セクター平均と比べても相応に高い水準です。
業績:上半期はオーガニック増収+2.7%、非中核ブランドの整理を継続
2026年上半期:報告ベースは減収も、オーガニックでは増収
カンパリの2026年上半期(1〜6月)決算は、売上高が報告ベースで前年比1.0%減の15億1,000万ユーロとなりました。ただし、これはブランド売却と為替の影響によるもので、オーガニックベース(既存事業・為替一定)では2.7%の増収です。調整後EBITは報告ベースで1.8%増の3億5,800万ユーロ、オーガニックベースでは8.5%増となり、EBITマージンは130ベーシスポイント拡大しました。調整後EBITDAは4億3,000万ユーロ(+0.8%)です。
報告ベースの純利益は1億2,900万ユーロと、前年同期の2億600万ユーロから減少しました。ただし、ブランド売却に伴う一時的な要因を除いた調整後純利益は4.7%増の2億2,600万ユーロで、事業の実力ベースでは伸びています。会社側は通期のオーガニック増収見通し(約3%)を再確認し、EBITマージンの見通しは引き上げました。米国の関税影響見積もりも、従来の約3,000万ユーロから約2,000万ユーロへ下方修正しています。
アペロール好調、一方でウイスキー・ラム部門は苦戦
売上高の49%を占めるアペリティフ部門(House of Aperitifs)はオーガニックで4%増。主力のアペロールは3.3%増、カンパリ本体ブランドも2.3%増と好調です。テキーラのエスポロンは8.2%増と、部門の中で最も高い伸びを見せています。
一方で、売上高の12%を占めるウイスキー・ラム部門(House of Whiskey and Rum)は上半期で6%減と苦戦しています。主力のワイルドターキー(バーボン)は米国のコントロール州ベースで2.3%減、フレーバー系の「アメリカンホニー」は7.4%減と落ち込みが目立ちます。会社側は米国ウイスキー市場全体の需要鈍化を理由に挙げているほか、ラッセルズ・リザーブでは供給制約も響きました。
地域別:北米は堅調、欧州はドイツが重し
| 地域 | 売上構成比 | 上半期オーガニック成長率 |
|---|---|---|
| 北米 | 36%(5億4,700万ユーロ) | +2.6%(うち米国単体 +1.5%) |
| 欧州 | 46%(6億9,800万ユーロ) | +1.9%(イタリア +1.4%、ドイツ −2.7%) |
北米では、アペロールとエスポロンがオンプレミス(飲食店向け)需要を中心に牽引しました。欧州は英国が成長を牽引した一方、ドイツは消費者心理の低迷で2.7%減と重しになっています。
「少数の大きな賭け」戦略、非中核ブランドの売却を継続
カンパリは「fewer bigger bets(少数の大きな賭け)」を掲げ、主力ブランドへの集中と非中核ブランドの整理を進めています。2026年に入り、テキーラのカボ・ワボとコニャックのビスキー・デュブーシェをアイルランドのCobblestone Brandsへ売却すると発表(2026年10月クローズ予定)。これに先立ち、アヴェルナ、ゼッダ・ピラス、通販のタンニコなど一連のブランド・事業売却も完了しており、売却総額の累計は2億1,000万ユーロを超えています。この整理の影響で、2026年通期の売上高は約7,000万ユーロ、EBITは約3,000万ユーロ押し下げられる見込みです。
結論:カンパリ株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 現実的な必要資金 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 約10万9,500円〜(100株単位が目安) | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
カンパリが上場しているのはイタリア証券取引所(ミラノ)です。米国預託証券はOTC銘柄で、楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。大手ネット証券で欧州株が買えない理由の全体像はなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで解説しています。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
2026年8月13日時点の株価は5.96ユーロ。ユーロ円レート(約183.7円)で換算すると1株あたり約1,095円です。
株価は安いが、手数料の壁が非常に大きい
イタリア株の手数料は0.132%、最低5.50ユーロ(約1,010円)。カンパリは1株あたりの単価がわずか5.96ユーロと極めて低いため、1株買いだと手数料負担率は約92%にもなります。1株買った瞬間に投資額の9割以上が手数料で消える計算です。
まとめ買いをしても、この銘柄は事情が特殊です。100株(約596ユーロ、約10万9,500円)を買っても、0.132%の比例手数料はわずか0.79ユーロにしかならず、依然として最低手数料5.50ユーロが適用されます。負担率は約0.92%まで下がりますが、これは手数料が「定率」に切り替わったからではなく、固定額の最低手数料を多くの株数で割っているだけです。比例手数料(0.132%)が最低手数料5.50ユーロを上回るのは、購入額にして約4,167ユーロ(約76万5,000円、株数にしておよそ700株)を超えてからです。この銘柄は100株単位どころか、まとまった資金を用意しないと手数料負けしやすい典型例と言えます。
他の証券会社との比較は欧州株が買えるネット証券の比較記事もあわせてご覧ください。1株あたりの単価が低い欧州株を他にも知りたい方は1株1万円以下で買える欧州株まとめも参考になります。
配当はどうなっているのか
カンパリは年1回、1株あたり0.10ユーロの配当を出しています(2026年4月20日権利落ち、4月22日支払い)。前年(1株0.065ユーロ)からの増配で、株価5.96ユーロに対する表面利回りは約1.68%です。100株保有した場合の年間配当は10ユーロ(約1,840円)にとどまり、酒類株の中でも高配当を狙う銘柄ではありません。
イタリアの配当源泉税率は、証券会社の租税条約手続きの扱いによって実際の手取りが変わり、本記事執筆時点で確定的な数字を確認できていません。日本側では現地源泉後の金額にさらに20.315%が課税される点は他の欧州株と共通です。正確な税率・還付手続きの要否は、発注前にサクソバンク証券に直接確認することを強くおすすめします。国別の配当税の全体像は欧州株の配当税を国別に比較した記事で整理しています。
買う前に知っておくべきこと
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となり、利益には約20.315%が課税されます。
ユーロ建てなので為替の影響も受けます。株価と為替、2つの変動を同時に抱えることになります。
最大の注意点は、ここまで解説した手数料負けのリスクです。株価が安いこと自体は少額投資家にとって魅力に見えますが、まとまった株数・資金を用意できない場合、手数料だけで投資額の大半が消えてしまいます。この銘柄を買うなら、最低でも100株単位(約10万9,500円〜)、できれば手数料が定率化する700株超のロットを意識するのが現実的です。少額から欧州株を始めたい場合は、1株1万円以下で買える欧州株まとめで他の選択肢も比較してみてください。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月13日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
よくある質問
1株あたりの手数料負担が重いのはなぜですか?
イタリア株の最低手数料5.50ユーロに対して、カンパリの株価が5.96ユーロと極端に低いためです。1株買いでは手数料負担率が約92%に達します。しかも100株買っても比例手数料(0.132%)は最低手数料の5.50ユーロを下回るため、依然として固定の5.50ユーロが適用されます。手数料が真に定率化するのは購入額が約4,167ユーロ(約700株)を超えてからで、株価水準の割に必要資金が大きくなりやすい銘柄です。
まとめ買いすべきですか?
この銘柄に関しては強くおすすめします。1株や10株といった少額購入では手数料負担率が数%〜90%超まで跳ね上がり、株価の値動きだけでは到底カバーできません。最低でも100株単位(約10万9,500円〜、負担率約0.92%)、余裕があれば手数料が完全に定率化する700株超(約76万5,000円〜)を目安にすると、手数料負けのリスクを大きく減らせます。
カンパリとペルノ・リカール、どちらがいいですか?
両社とも欧州の酒類大手ですが、状況は異なります。ペルノ・リカールは中国・米国の落ち込みで52週高値から大きく下落し、通期売上も減収見通しです。一方カンパリは株価こそ1年で約8.7%下落していますが、2026年上半期はオーガニックベースで2.7%の増収と、業績自体は底堅く推移しています。ただしPERは約26.5倍とペルノ・リカール(約12.1倍)より割高な水準にあり、株価には相応の成長期待がすでに織り込まれている点には注意が必要です。
まとめ
- カンパリはイタリア証券取引所(ミラノ)上場。米国ADRはOTC銘柄で楽天証券は新規買付不可
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。株価は5.96ユーロ(約1,095円)
- 2026年上半期はオーガニックベースで2.7%増収、調整後EBITは8.5%増(オーガニック)。アペロール・エスポロンが牽引する一方、ウイスキー・ラム部門は6%減
- 非中核ブランドの売却(「fewer bigger bets」戦略)を継続中。売却総額は累計2億1,000万ユーロ超
- 1株買いの手数料負担率は約92%。100株買っても最低手数料が適用され続けるため、まとまった資金での購入が前提の銘柄
- 配当利回りは約1.68%(1株0.10ユーロ)。イタリアの配当源泉税率は証券会社に要確認
- NISAは使えない
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 100株単位でまとめ買いできる | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月14日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はカンパリ・グループの公表資料(2026年上半期決算発表等)に基づく概算です。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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