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この記事の結論
- フェラガモ株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はイタリア証券取引所・ミラノのみ)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約1,780円)
- 最低手数料の関係で100株単位のまとめ買いが目安
- 最大の注意点:1株買いだと手数料負担率は約57%にもなる(100株なら約0.57%)
イタリアの高級靴・レザーブランドサルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo S.p.A./ティッカー:SFER)の株価は、過去1年で約117%上昇しました。当サイトで扱った欧州株のなかでも際立った上昇率です。
2026年上半期の決算では、実際に営業利益・純利益ともに黒字転換しました。ただし牽引したのは北米のみで、欧州・アジア太平洋は依然マイナスです。この記事ではフェラガモ株の株価・業績・買い方を、都合の悪い数字も含めて整理します。
フェラガモ株の基本データ(2026年8月時点)
| 株価 | 9.71ユーロ(1株 約1,780円) |
| 52週レンジ | 4.38 〜 11.21ユーロ |
| 時価総額 | 約15.7億ユーロ |
| PER | 約166倍(前期実績ベース。純利益がごく僅かなため参考値/予想PERは約84倍) |
| 配当利回り | 約1.0%(2025年12月期分、0.10ユーロ/株) |
| 上場市場 | イタリア証券取引所(ミラノ) |
PERが3桁に達している点は率直に注意が必要です。直近12カ月のEPSは0.06ユーロとごく小さく、この銘柄のPERは「割高かどうか」を測る指標としてはほとんど意味を持ちません。株価が反映しているのは目先の利益水準ではなく、再建計画への期待だと理解してください。
2026年上半期は黒字転換、ただし北米頼み
フェラガモの2026年1〜6月期(上半期)の連結売上高は4億6,800万ユーロで、実勢為替ベースでは前年同期比1.3%減でしたが、為替の影響を除いた恒常為替ベースでは1.9%増でした。第2四半期(4〜6月)だけを見ると売上高2億5,900万ユーロ、実勢為替ベースで2.4%増、恒常為替ベースでは4.6%増と、四半期単独では増収に転じています。
収益性の改善はより明確です。売上総利益率は69.2%(前年同期67.7%)、EBITDA率は19.2%(同15.3%)まで上昇しました。営業利益(EBIT)は2,100万ユーロで、前年同期の調整後営業損失300万ユーロから黒字転換。純利益も150万ユーロと、前年同期の調整後純損失1,600万ユーロから黒字転換しています。直営店(DTC)チャネルは上半期で恒常為替ベース6.1%増(第2四半期は6.6%増)と、卸売の弱さを補う形で成長を牽引しました。
ただし地域別に見ると回復は北米に偏っています。北米は恒常為替ベースで15.4%増(実勢為替ベースでも9.7%増)とDTC・卸売とも二桁成長、中南米も6.8%増でした。一方でEMEA(欧州・中東・アフリカ)は恒常為替ベースで8.6%減、アジア太平洋は3.0%減と、いずれも卸売の弱さを引きずってマイナスのままです。日本も1.0%減でした。
この上半期の黒字転換だけを見て「業績が完全に立ち直った」と判断するのは早計です。2025年12月期の通期は最終赤字(減損込みで4,900万ユーロの純損失、調整後でも300万ユーロの純損失)で、通期売上高も9億7,700万ユーロと前年比5.7%減でした。EBITDA率も17.0%と前年の20.8%から低下しています。ケリングやバーバリーと同じく、「再建の途中」段階であり、通期での黒字定着はまだ確認できていません。なお財務体質自体は健全で、純有利子負債はマイナス(実質無借金)、ネットキャッシュは1億4,400万ユーロのプラスを維持しています。
結論:フェラガモ株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 現実的な必要資金 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 約17万8,000円〜(100株単位が目安) | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
フェラガモが上場しているのはイタリア証券取引所(ミラノ)です。米国預託証券はOTC銘柄で、楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
2026年8月13日時点の株価は9.71ユーロ。ユーロ円レート(約183.7円)で換算すると1株あたり約1,780円です。
株価は安いが、手数料の壁は依然として大きい
イタリア株の最低手数料は5.50ユーロ(約1,010円)。フェラガモは1株あたりの単価が低いため、1株買いだと手数料負担率は約57%にもなります。同じミラノ上場のカンパリ(手数料負担率約92%)ほどではないものの、当サイトで扱う銘柄のなかでは手数料負担が重い部類に入ります。この銘柄は100株単位以上でのまとめ買いが前提です。100株なら約17万8,000円、手数料負担率は約0.57%まで下がります。
配当は0.10ユーロ、実質利回りは要確認
フェラガモの配当は2025年12月期分として0.10ユーロ/株が2026年5月に支払われました。現在の株価(9.71ユーロ)に対する表面利回りは約1.0%です。この配当水準は据え置きが続いており、2023年支払い分(2022年12月期分)の0.28ユーロから2024年支払い分で0.10ユーロまで減配されたあとの水準です。しかも2025年12月期は通期で最終赤字(純損失4,900万ユーロ)だったにもかかわらず配当自体は維持されており、財務余力(ネットキャッシュ1億4,400万ユーロ)を背景にした支払いです。業績が定着しない限り、この水準が今後も続く保証はありません。
実質利回りはさらに下がります。イタリアの配当源泉税は標準で最大26%ですが、日伊租税条約により個人投資家(議決権株式の25%未満保有)への配当は限度税率15%に軽減される仕組みがあります。ただしサクソバンク証券が実務上どの税率を源泉徴収し、差額の還付手続きがどこまで自動化されているかは確認が取れていません。数字を断定せず、発注前に証券会社へ直接確認することをおすすめします。国別の配当課税の違いは配当税の比較記事でも整理しています。
買う前に知っておくべきこと
サクソバンク証券はNISAに対応していません。ユーロ円の為替変動も損益に影響します。株価水準が低いぶん少額(1株〜数株)で買うほど手数料負担率が跳ね上がるため、まとめ買いが前提になる点は繰り返し強調しておきます。また2025年12月期は最終赤字、2026年上半期の黒字転換も北米頼みで欧州・アジア太平洋は依然マイナスという、再建途上ならではのリスクも残っています。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月13日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
よくある質問
なぜフェラガモ株はこんなに安く買えるのですか?
1株あたりの単価が安いのは、時価総額(約15.7億ユーロ)に対する発行株式数の設定によるもので、企業の実力そのものを示すわけではありません。ただしサクソバンク証券の手数料は取引金額の0.132%か最低5.50ユーロの高い方という仕組みのため、単価が安い銘柄ほど少数株買いの手数料負担率が跳ね上がります。フェラガモは1株買いで約57%にもなるため、まとめ買いが実質的な前提になります。
配当はもらえますか?
もらえます。2025年12月期分として0.10ユーロ/株が2026年5月に支払われており、表面利回りは約1.0%です。ただし2023年支払い分の0.28ユーロから減配された後の水準で、しかも2025年12月期は最終赤字という状況下での配当継続でした。業績が定着するまでは、この水準が保証されたものではない点に注意してください。
業績は本当に回復しているのですか?
2026年上半期は営業利益・純利益とも黒字転換しましたが、牽引したのは北米(恒常為替ベース15.4%増)のみで、欧州は8.6%減、アジア太平洋は3.0%減と依然マイナスです。2025年12月期の通期は最終赤字だったため、上半期の黒字は「反転の兆し」ではありますが、通期を通じた黒字の定着はまだ確認できていません。
まとめ
- フェラガモはイタリア証券取引所(ミラノ)上場。米国ADRはOTC銘柄で楽天証券は新規買付不可
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。1株約1,780円だが手数料負担率が1株買いで約57%と重く、100株単位が前提
- 過去1年で約117%上昇。2026年上半期は営業利益・純利益とも黒字転換したが、牽引は北米のみで欧州・アジア太平洋は依然マイナス
- 2025年12月期は通期で最終赤字(純損失4,900万ユーロ)。通期での黒字定着はまだ未確認
- 配当利回りは約1.0%(0.10ユーロ/株)だが2023年から減配された水準で、実質利回りはイタリアの源泉税の扱い次第(要確認)
- NISAは使えない
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 100株単位でまとめ買いできる | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月14日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値は公表資料に基づく概算です。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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