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この記事の結論
- モンクレール株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はミラノのみ)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約9,020円)
- 最低手数料の関係で10株以上のまとめ買いが目安(1株買いの手数料負担率は約11.2%)
- 最大の注意点:NISA不可+イタリアの配当源泉税は最大26%(条約適用なら15%、実質利回りは概算1.7〜1.9%)
ダウンジャケットで知られるイタリアのラグジュアリーブランドモンクレール(Moncler S.p.A./ティッカー:MONC)。2026年上半期はグループ全体で為替一定ベース9%の増収でしたが、第2四半期は欧州の売上が8%減少し、成長率は5%まで鈍化しました。傘下のストーンアイランドは11%増収と本体ブランドより高い伸びを見せています。
この記事では株価・業績・買い方を解説します。1株約9,020円と、当サイトで扱う欧州ラグジュアリー株のなかでは比較的入りやすい価格帯です。
モンクレール株の基本データ(2026年8月時点)
| 株価 | 49.07ユーロ(1株 約9,020円) |
| 52週レンジ | 45.46 〜 59.40ユーロ |
| 時価総額 | 約133億ユーロ |
| PER | 約20.9倍 |
| 配当利回り | 約2.85%(現地源泉税を考慮すると実質は概算1.7〜1.9%程度) |
| 上場市場 | イタリア証券取引所(ミラノ) |
2026年上半期の業績:ストーンアイランドが牽引、欧州は反落
グループ全体は増収も、第1四半期から急減速
モンクレール・グループの2026年上半期(1〜6月)売上高は12億8,990万ユーロで、前年同期の12億2,570万ユーロから為替一定ベースで9%増(実質ベースでは5%増)となりました。ただし内訳を見ると、第1四半期の+12%から第2四半期は+5%へ大きく鈍化しています。
モンクレール本体とストーンアイランドで明暗
グループはモンクレール本体と、2020年に約11億5,000万ユーロで買収したストーンアイランドの2ブランド体制です。上半期の伸び率には差があります。
| ブランド | 上半期売上高 | 伸び率(cFX) | 第2四半期の伸び率 |
|---|---|---|---|
| モンクレール本体 | 10億8,960万ユーロ | +9% | +3%に鈍化 |
| ストーンアイランド | 2億30万ユーロ | +11% | +11%を維持 |
ストーンアイランドはDTC(直営)売上が+15%と特に強く、アジアの売上は+25%(6,040万ユーロ)、南北アメリカは+35%(1,420万ユーロ)という高い伸びを記録しました。本体ブランドより小さい事業ですが、成長率では上回っています。
欧州が8%減収、アジアが下支え
第2四半期の失速の主因は欧州(EMEA)の落ち込みです。同地域の売上は前年同期比8%減の1億1,120万ユーロとなりました。会社側はアジアからの観光客需要の弱さと、オンライン販売チャネルの不振を理由に挙げています。
一方、南北アメリカはDTC(直営店)の好調を背景に第2四半期で+4%(5,190万ユーロ)と底堅く推移しました。モンクレール本体のアジア(APAC・日本・韓国)売上も第2四半期は為替一定ベースで+12%となり、なかでも中国と韓国が牽引役になっています。欧州の需要減をアジア・米州が補う構図が上半期の実態です。
直営店比率は85.6%、収益性は改善
モンクレール本体のDTC(直営)売上高は9億3,320万ユーロ(+10%)で、ブランド売上全体の85.6%を直営チャネルが占めています。2026年6月末時点の直営店舗数は298店舗で、第2四半期に3店舗が純増(メキシコ・モンテレー、カナダ・バンクーバー、大阪・関西空港)しました。
収益性は改善しています。グループのEBITは2億4,540万ユーロ(利益率19.0%、前年の18.3%から上昇)、純利益は1億6,470万ユーロ(利益率12.8%)、粗利率は77.2%(前年76.9%)まで上昇しました。直営比率の高さが利益率を押し上げる構造は、後述する高い株価水準(PER約20.9倍)を支える要素のひとつです。
なお、2026年4月にはケリング傘下のボッテガ・ヴェネタを率いていたレオ・ロンゴーネ氏が新CEOに就任しました。今回が就任後初めての決算発表で、同氏は「最重要顧客(VIC)とのより直接的で頻度の高い関係構築に明確な機会がある」とコメントしています。具体的な戦略転換はまだ示されていませんが、今後の方針は注目材料です。
結論:モンクレール株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 必要資金の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 1株 約9,020円〜 | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
モンクレールが上場しているのはイタリア証券取引所(ミラノ)で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。米国預託証券(ADR、ティッカー:MONRY)はありますが、これは取引所ではなくOTC(店頭市場)で取引される銘柄です。楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しており、ADR経由でも買えません。この仕組みは当サイトで扱う欧州株に共通するもので、詳しくはなぜSBI・楽天では欧州株が買えないのかで解説しています。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
2026年8月14日時点の株価は49.07ユーロ。ユーロ円レート(約183.9円)で換算すると1株あたり約9,020円で、当サイトで扱う欧州ラグジュアリー株のなかではエルメスやリシュモンより単価が低く、入りやすい水準です。
イタリア株のサクソバンク手数料は0.132%、最低5.50ユーロ(約1,010円)です。約定金額が小さいと最低手数料の負担率が跳ね上がります。
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約9,020円 | 約1,010円 | 約11.2% |
| 10株 | 約9万200円 | 約1,010円 | 約1.12% |
| 30株 | 約27万700円 | 約1,010円 | 約0.37% |
1株だけ買うと手数料負担だけで約11%のマイナスから始まります。配当利回り約2.85%の4年分近くが吹き飛ぶ計算です。10株以上(約9万円〜)のまとめ買いが現実的です。
配当利回り2.85%、実質はイタリアの源泉税次第
モンクレールの1株当たり年間配当金は1.40ユーロ(2026年5月支払い)で、現在の株価に対する表面利回りは約2.85%です。
ここで確認しておきたいのが現地源泉税です。イタリアの配当源泉税は非居住者に対して原則26%ですが、日伊租税条約により限度税率は15%に軽減されると定められています。問題は、サクソバンク証券の取引でこの軽減税率が自動的に適用されるのか、それとも一旦26%が源泉徴収されて超過分をイタリア当局へ還付請求する必要があるのか、当サイトでは未確認という点です。欧州株の配当税を国別に比較した記事で扱ったドイツ・スイスと同様、この部分は口座開設時にサクソバンク証券へ直接確認することをおすすめします。
参考までに、日本側の課税(現地源泉後の金額に対して20.315%)を加味した概算です。
- 軽減税率15%が源泉時点で適用された場合:実質利回りは約1.93%
- 標準税率26%がそのまま源泉徴収された場合:実質利回りは約1.68%(超過分11%はイタリア当局への還付請求で理論上は取り戻せる)
いずれにせよ、表面利回り2.85%がそのまま手取りになるわけではありません。正確な源泉徴収の扱いは証券会社に確認したうえで、配当目当てというより値上がり益も含めた総合判断で検討するのが実態に合っています。
買う前に知っておくべきこと
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引になり、利益には約20.315%が課税されます。
ユーロ建てなので為替の影響を受けます。株価とユーロ円レート、2つの変動を同時に抱えることになります。
業界特有のリスクとして、ラグジュアリーアパレルは中国をはじめとするアジアの個人消費動向や、欧州を訪れる観光客の需要に業績が左右されやすい点が挙げられます。実際、今回の第2四半期の欧州売上減少も「アジアからの観光客需要の弱さ」が主因とされました。またアウターウェアという季節性の強いカテゴリーに軸足を置くため、暖冬など天候要因も業績に影響します。2026年4月に就任した新CEOのもとで戦略転換が進む可能性がある点も、他の欧州株と比べた固有の注目点です。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月14日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
よくある質問
モンクレールとストーンアイランドはどう違いますか?
どちらもモンクレール・グループ傘下のブランドですが別ブランドです。モンクレールはダウンジャケットを中心とするラグジュアリーアウター、ストーンアイランドは技術素材を使ったメンズウェア中心のブランドで、2020年にグループが約11億5,000万ユーロで買収しました。株価・配当はグループ全体(ティッカー:MONC)に対するものです。2026年上半期はストーンアイランドの方が伸び率(+11%)でモンクレール本体(+9%)を上回っています。
欧州で売上が減っているのに、株を買う意味はありますか?
2026年第2四半期の欧州売上は8%減少しましたが、これは主にアジアからの観光客需要の弱さが原因で、モンクレール自体の欧州の地元需要が崩れたわけではありません。同じ四半期にアジア(APAC・日本・韓国)は+12%、南北アメリカは+4%と伸びており、地域間で明暗が分かれている状態です。グループ全体としては上半期を通じて増収・増益率の改善(EBIT利益率19.0%)を維持しています。一時的な逆風なのか構造的な変化なのかは、今後の四半期での欧州の回復度合いを見て判断する必要があります。
モンクレールとフェラガモ、どちらのイタリア株がいいですか?
どちらもイタリア証券取引所(ミラノ)上場ですが性格が異なります。フェラガモは業績が回復途上にありながら株価が大きく上昇した銘柄で値動きが大きく、モンクレールは直営店比率85.6%と高い収益体質を持つ、比較的安定した成長銘柄という位置づけです。値動きの大きさを取るか、収益基盤の安定性を取るかで選び方が変わります。
まとめ
- モンクレールはイタリア証券取引所(ミラノ)上場。米国ADR(MONRY)はOTC銘柄で楽天証券は新規買付不可
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。1株約9,020円で10株以上のまとめ買いが現実的
- 2026年上半期はグループ全体で為替一定ベース9%増収だが、第2四半期は欧州が8%減収となり成長率は5%へ鈍化
- 傘下のストーンアイランドは11%増収とモンクレール本体(第2四半期+3%)を上回るペース
- 直営店比率85.6%、EBIT利益率は19.0%に改善。2026年4月に新CEOが就任
- 配当利回り約2.85%はイタリアの源泉税の扱い次第で実質1.7〜1.9%程度まで下がる見込み。NISAは使えない
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 10株以上でまとめ買いできる | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月14日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はモンクレール・グループの公表資料に基づきます。配当課税の税率・実質利回りの計算は概算であり、実際の課税関係・源泉徴収の扱いは証券会社および税務当局の取扱いにより異なります。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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