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この記事の結論
- ロールス・ロイス株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はロンドンのみ)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約3,280円)
- 最低手数料の関係で100株単位のまとめ買いが目安(1株買いだと手数料負担率は約21.6%)
- 最大の注意点:NISA不可+現地源泉税は原則なしとされるが証券会社ごとに要確認
先に大事な注意点から。この記事の「ロールス・ロイス」は、高級車のロールス・ロイス・モーターズではありません。
車のロールス・ロイスは1998年からBMW傘下で、株式は非公開です。一方、この記事で扱うロールス・ロイス・ホールディングス(Rolls-Royce Holdings plc/ティッカー:RR)は、大型旅客機用ジェットエンジンを主力とする別会社で、ロンドン証券取引所に上場しています。同じ名前ですが、まったく別の事業・別の会社です。
2026年上半期(1〜6月)決算では、営業利益が前年同期比+46%と急拡大し、会社は通期の業績見通しを上方修正しました。この記事では株価・業績・買い方を解説します。
ロールス・ロイス株の基本データ(2026年8月13日時点)
| 株価 | 1,525.00ペンス(1株 約3,280円) |
| 52週レンジ | 990.00 〜 1,586.00ペンス |
| 時価総額 | 約1,283億ポンド |
| PER | 約42.7倍 |
| 配当利回り | 実績ベース約0.62%(直近12ヶ月の実支払配当9.5ペンス÷株価) |
| 上場市場 | ロンドン証券取引所 |
2026年上半期、営業利益は前年同期比+46%
2026年7月30日発表の上半期(1〜6月)決算では、売上高が112億7,900万ポンド(前年同期は90億5,700万ポンド、約+25%)、営業利益は25億3,400万ポンド(前年同期17億3,300万ポンド、+46%)となり、営業利益率は19.1%から22.5%に改善しました。フリーキャッシュフローも19億6,400万ポンド(前年同期15億8,200万ポンド、+24%)に伸びています。
この結果を受けて会社は通期の基礎営業利益見通しを47億〜49億ポンド(従来は40億〜42億ポンド)、フリーキャッシュフロー見通しを38億〜40億ポンド(従来は36億〜38億ポンド)に上方修正しました。
主力の民間航空機エンジン部門(Civil Aerospace)は売上高が29%増の61億8,600万ポンド、営業利益は31%増の15億6,700万ポンド(営業利益率25.3%)。大型エンジンの飛行時間はコロナ前(2019年)比113%(前年同期比+4%)まで回復し、アフターマーケット(整備・部品)収益の改善が効いています。
防衛部門(Defence)は売上高17%増の24億8,400万ポンド、営業利益は57%増の5億2,200万ポンド(営業利益率21.0%)。受注残高は175億ポンド(年間売上高の3年分超)に達しており、英国・オーストラリアの原子力潜水艦向け原子炉(AUKUS計画)の製造拠点拡張も進んでいます。
電力システム部門(Power Systems)は売上高28%増の26億400万ポンド、営業利益は72%増の5億2,800万ポンド(営業利益率20.3%)と3部門で最も高い伸び率です。データセンター向け発電エンジンの需要拡大が主因とされています。あわせて、次世代小型モジュール炉(SMR)事業では、英国政府から優先技術に選定されたほか、2026年にはスウェーデン・チェコの電力会社とも供給契約を結んでいます。
PERは約42.7倍と、この規模の企業としては高水準です。業績の急回復とガイダンス上方修正を市場が好感し、すでに相応の期待が株価に織り込まれています。
結論:ロールス・ロイス株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 現実的な必要資金 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 約33万円〜(100株単位が目安) | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
ロールス・ロイス・ホールディングスが上場しているのはロンドン証券取引所で、ティッカーは「RR」です。ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。同じ英国の防衛関連株であるBAEシステムズや、航空機エンジンで競合するサフラン・MTUエアロエンジンズと同様、米国市場には上場していません。
米国預託証券として「RYCEY」がありますが、これはOTC(店頭市場)の中でもPink Sheetsと呼ばれる区分で取引されています。楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しており、RYCEY経由でも買えません。
なお、冒頭の通り、高級車の「ロールス・ロイス・モーターズ」はBMW傘下の非上場企業で、そもそもどの証券会社でも株式を買うことはできません。混同しないよう注意してください。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
株価はポンドではなく「ペンス」表示
ロンドン市場の株価は、多くの銘柄でペンス(GBX。1ポンド=100ペンス)で表示されます。ロールス・ロイスの株価は「1,525.00」ですが、これは1,525ペンス=15.25ポンドという意味です。ポンドだと思って発注すると、想定の100倍の金額になってしまうので注意してください。
2026年8月13日時点で15.25ポンド。ポンド円レート(約215円)で換算すると、1株あたり約3,280円です。52週高値1,586ペンスからは約4%下の水準ですが、52週安値990ペンスからは約54%上の高値圏にあります。
手数料:ロンドン株はポンド建て最低手数料
サクソバンク証券のロンドン株は、クラシックで手数料率0.088%、最低手数料3.30ポンド(約710円)です。1株15.25ポンド(約3,280円)で買うと、実際にかかる手数料は0.088%換算の1.34ポンドではなく最低手数料の3.30ポンドとなり、負担率は約21.6%にもなります。ロールス・ロイスは必ずまとめ買いが必要な銘柄で、目安として100株(約1,525ポンド、約32.8万円)まで買うと手数料はやはり最低の3.30ポンドで済み、負担率は約0.2%まで下がります。
配当利回りは低め。増配途上にある
ロールス・ロイスは経営危機だった2020〜2021年に配当を停止し、2024年12月期の期末配当(6.0ペンス、2025年6月支払)で復配しました。2025年12月期は中間4.5ペンス+期末5.0ペンス=合計9.5ペンスを支払い済みです。現在の株価(1,525ペンス)に対する実績利回りは約0.62%にとどまります。
ただし、2026年12月期の中間配当は6.0ペンス(前年同期の中間配当4.5ペンスから+33%)に増配されており(2026年9月18日支払予定)、直近の増配ペースを反映した予想ベースの利回りは0.7%台まで上がります。業績回復に伴って配当も回復途上にある銘柄と捉えるのが実態に近いです。イギリスには配当への現地源泉税が原則ないとされていますが、この点は証券会社によって手続きが異なるため、口座開設時に確認してください。
買う前に知っておくべきこと
サクソバンク証券はNISAに対応していません。ポンド建てなので、株価・為替に加えてペンス表記の見間違いにも注意が必要です。また、防衛関連事業(AUKUS原子力潜水艦向け原子炉など)を含むため、安全保障政策や各国の防衛予算の変化が株価に影響しうる点は、ラインメタルなど他の防衛関連株と共通のリスクです。航空機エンジン事業についても、燃料費・原材料費の変動や新規受注・アフターマーケット契約の動向で業績が変動しやすい点は押さえておいてください。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月13日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
※下のチャートは米国ADR(RYCEY・米ドル建て)です。ロンドン上場の原株とほぼ同じ値動きをしますが、表示通貨が異なります。
よくある質問
高級車のロールス・ロイスとは別なのですか?
はい、まったくの別会社です。高級車の「ロールス・ロイス・モーターズ」は1998年からBMW傘下にあり、株式は非公開です。本記事の「ロールス・ロイス・ホールディングス(ティッカー:RR)」は、大型旅客機用ジェットエンジンを主力に、防衛・電力システム事業も手がける上場企業で、ロンドン証券取引所に上場しています。事業内容も資本関係も無関係です。
PERが42倍台と高いのはなぜですか?
2026年上半期は営業利益が前年同期比+46%、フリーキャッシュフローも+24%と急拡大し、会社は通期の業績見通しを上方修正しました。この急回復と今後の成長期待がすでに株価に織り込まれているため、PERは高水準になっています。今後の決算で利益成長が鈍化した場合、株価が調整するリスクがある点には注意が必要です。
配当利回りが低いのはなぜですか?
ロールス・ロイスは経営危機だった2020〜2021年に配当を停止し、2025年に復配したばかりで、実績利回りは約0.62%と低水準です。ただし2026年の中間配当は前年同期比+33%に増配されており、業績回復に伴って配当も回復途上にある段階です。高配当を狙う銘柄ではなく、業績回復・成長を狙う銘柄と捉えるのが実態に近いです。
まとめ
- 車のロールス・ロイスとは別会社。この銘柄は航空機エンジン・防衛・電力システムを手がける「ロールス・ロイス・ホールディングス」
- ロンドン上場。米国ADR(RYCEY)はOTC(Pink Sheets)で楽天証券は新規買付不可
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。1株約3,280円だがまとめ買いが必須
- 2026年上半期は売上高+25%、営業利益+46%で通期見通しを上方修正。防衛部門・電力システム部門も2桁増収
- PERは約42.7倍と高水準。配当利回りは実績ベース約0.62%と低いが増配途上
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 100株単位でまとめ買いできる | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月14日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はロールス・ロイス・ホールディングス社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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