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この記事の結論
- インフィニオン株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はフランクフルトのみ)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約1万1,490円)
- 最低手数料の関係で10株単位のまとめ買いが目安
- 最大の注意点:NISA不可+ドイツの配当源泉税26.375%(配当利回りは低く実質約0.33%)
欧州最大級の半導体メーカーインフィニオン(Infineon Technologies AG/ティッカー:IFX)の株価は、過去1年で約70%上昇しました。背景にあるのは、データセンター向けAI電源半導体事業の急拡大です。2026年度(2025年10月〜2026年9月期)第3四半期の売上高は41億7,200万ユーロと四半期として過去最高を更新し、AI向け電源事業の売上高は2025年度の7億ユーロから2026年度は16億ユーロ超へ拡大する見通しです。
この記事では株価・業績・買い方を解説します。シュナイダーエレクトリックやヴェスタスと同じく、電化・AIインフラ需要の恩恵を受けている欧州株のひとつです。
インフィニオン株の基本データ(2026年8月時点)
| 株価 | 62.50ユーロ(1株 約1万1,490円) |
| 52週レンジ | 30.82 〜 88.83ユーロ |
| 時価総額 | 約820億ユーロ |
| PER | 実績 約68.6倍/予想 約24.9倍 |
| 配当利回り | 約0.56%(税引き後は約0.33%) |
| 1株当たり配当金 | 0.35ユーロ(2025年度・前年から据え置き) |
| 上場市場 | フランクフルト証券取引所(Xetra) |
| 過去1年の騰落率 | 約+70% |
実績PERが68.6倍と予想PER24.9倍で大きく開いている点に注目してください。市場は現時点の利益ではなく、AI向け需要で急回復する見通しの利益を織り込んでいるということです。詳しくは次の章で解説します。
AI向け電源半導体が牽引、四半期売上は過去最高を更新
インフィニオンの2026年度第3四半期(2026年4〜6月期)決算は、売上高41億7,200万ユーロ(前年同期比+13%、前四半期比+9.4%)と、四半期として過去最高を記録しました。セグメント利益は7億9,700万ユーロ、利益率19.1%(前四半期比+2.0ポイント)まで改善しています。
| 部門 | 売上高 | 前年同期比 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| パワー&センサー・システムズ(AI電源含む) | 14億4,200万ユーロ | +34% | 24.9% |
| オートモーティブ | 19億3,200万ユーロ | +3% | 18.4% |
牽引役は、データセンター向けのAI電源半導体(AIサーバーの電力供給・変換を担う部品)を扱うパワー&センサー・システムズ部門で、前年同期比34%増収と際立っています。会社側はAI向け電源事業の売上高について、2025年度の7億ユーロから2026年度は16億ユーロ超へと2倍以上に拡大し、2027年度には25億ユーロ超に達する見通しを示しています。主力の車載半導体を扱うオートモーティブ部門は前年同期比3%増と緩やかな回復にとどまっており、現在の成長のほとんどがAI関連需要によるものという構図です。
会社側は2026年度(2025年10月〜2026年9月期)通期の売上高見通しを約163億ユーロ(前年度比約11%増)、セグメント利益率を約20%に引き上げました。続く第4四半期(2026年7〜9月期)は売上高約47億ユーロ(前四半期比+13%)、利益率約23%とさらなる加速を見込んでいます。
半導体セクターは需要サイクルの波が大きく、好況期と在庫調整による低迷期を繰り返す業種です。実際、直近52週の株価は30.82〜88.83ユーロと2.9倍近い値幅で推移しており、この急回復も裏を返せば直前まで大きな調整局面にあったことを示しています。この点は後述の「買う前に知っておくべきこと」で改めて整理します。
結論:インフィニオン株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 現実的な必要資金 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 約11万5,000円〜(10株単位が目安) | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
インフィニオンが上場しているのはフランクフルト証券取引所(Xetra)で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。米国預託証券「IFNNY」はOTC(店頭市場)銘柄で、楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。SBI証券・マネックス証券も同様に、米国市場に上場していない銘柄は基本的に取り扱っていません。仕組みの詳細はなぜSBI・楽天では欧州株が買えないのかで解説しています。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
サクソバンク証券のドイツ株(Xetra)の手数料は0.088%、最低3.30ユーロ(約607円)です。約定金額が小さいと最低額が適用されるため、少額購入は手数料負担率が高くなります。
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約1万1,490円 | 約607円 | 約5.28% |
| 10株 | 約11万4,940円 | 約607円 | 約0.53% |
| 60株 | 約68万9,600円 | 約607円 | 約0.088%(最低手数料が実質率と一致するライン) |
1株だけ買うと手数料負担率は約5.28%で、配当利回り(税引き後約0.33%)の15年分以上に相当します。最低でも10株(約11万5,000円)単位でまとめて買うのが現実的な目安です。
配当はどうなっているのか:利回りは実質0.33%程度
インフィニオンの1株当たり配当金は0.35ユーロで、前年度から据え置きです。表面利回りは約0.56%と、当サイトで扱う欧州株のなかでもかなり低い部類に入ります。
ドイツの配当源泉税は26.375%です。日独租税条約の限度税率は15%のため、差額の11.375%分は日本の外国税額控除の対象外で、還付を受けるにはドイツ税務当局へ直接請求する必要があります。何も手続きをしない場合の概算は次の通りです。
- 配当 100
- ドイツで26.375%源泉徴収 → 約73.6
- 日本でさらに20.315%課税(現地源泉後の金額に対して) → 約58.7
表面利回り0.56%は、実質では約0.33%まで下がります。もともとの利回り自体が低いため、配当を目的に買う銘柄ではありません。他の欧州株との税率比較は配当税の比較記事もご覧ください。
買う前に知っておくべきこと
サクソバンク証券はNISAに対応していません。NISAで欧州株を持ちたい場合は証券会社の比較記事もあわせてご覧ください。ユーロ建てなので為替の影響も受けます。
最も意識すべきは半導体市況の景気循環性です。直近52週の株価は30.82〜88.83ユーロと約2.9倍の値幅で推移しており、実績PER68.6倍という高い数字も、足元の利益がまだ市況低迷期の水準から回復しきっていないことを反映しています。予想PERが24.9倍まで下がるのは、AI向け電源事業の急拡大によって今後利益が急回復するという前提に立っているためです。この前提が崩れれば、株価の下振れ余地も相応に大きい点は理解しておいてください。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月13日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
よくある質問
AI関連株ならNVIDIAではなく、なぜインフィニオンなのか?
NVIDIAはAIサーバーの頭脳であるGPUを手がけるファブレス企業で、ナスダック上場のためSBI証券・楽天証券でも直接買えます。一方インフィニオンはAIサーバーに電力を供給・変換するパワー半導体を手がける企業で、GPUの「計算」ではなく「電源」という別のレイヤーでAIインフラの恩恵を受けます。同じAI関連株でも、担っている役割が異なる点は理解しておいてください。GPU本体への投資と、電源インフラへの投資は別の切り口の投資判断です。
配当目当てで買ってもいいですか?
おすすめしません。表面利回りが約0.56%とすでに低く、ドイツの配当源泉税を引くと実質では約0.33%まで下がります。インフィニオンは配当ではなく、AI向け需要拡大による業績・株価の成長を狙う銘柄と捉えるのが実態に合っています。
実績PERが68倍と高いですが、割高ではないですか?
実績PERだけを見ると割高に映りますが、予想PERは24.9倍まで下がります。これは、直近まで続いた半導体市況の調整局面で利益が落ち込んでいた分を実績PERがまだ引きずっている一方、市場はAI向け電源事業の急拡大による今後の利益回復を織り込んでいるためです。逆に言えば、その利益回復が計画通りに進まなければ、PERの前提そのものが崩れるリスクがあります。
まとめ
- インフィニオンはフランクフルト上場。米国ADRはOTC銘柄で楽天証券は新規買付不可
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。1株約1万1,490円、10株単位が現実的
- 2026年度第3四半期は売上高41億7,200万ユーロと四半期最高。AI向け電源事業の売上高は2025年度の7億ユーロから2026年度は16億ユーロ超へ倍増
- 実績PER68.6倍・予想PER24.9倍と差が大きく、市場は今後の利益回復を織り込んでいる。半導体市況の景気循環リスクは大きい
- 配当利回り0.56%は独の源泉税26.375%で実質約0.33%まで目減りし、配当目的には不向き
- NISAは使えない
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 10株単位でまとめ買いできる | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月14日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はインフィニオン社の公表資料に基づきます。税額の計算は概算であり、実際の課税関係は個々の状況により異なります。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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