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欧州株を1銘柄だけ持つならどう選ぶか|264銘柄の実測から考える【2026年】

欧州株を1銘柄だけ持つならどう選ぶか|264銘柄の実測から考える【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 欧州株を最初の1銘柄だけ持つなら、会社を選ぶ前に「国」と「金額」でほとんど決まってしまうというのが、264銘柄を実測して見えてきた実感です
  • 手数料の最低額はフランス2.20ユーロからデンマーク38.50クローネまで開きがあり、配当の現地源泉税もフランス10%からスイス35%まで差があります。会社の良し悪しを見る前に、国だけで結果が変わります
  • PERが低い・利回りが高いといった数字は業種で決まっていることが多く、それだけで割安・割高を判断するのは危ういと思います
  • 筆者自身はポルトガル在住でIBKRの口座から欧州株ETFを中心に保有しており、個別株の1銘柄目は「知っている会社」から入ってよいと考えています

欧州株に興味を持って調べ始めると、最初にぶつかる問いはたいてい同じです。「まず1銘柄だけ持つとしたら、何を基準に選べばいいのか」。PER、配当利回り、配当性向。比較できる数字はいくらでも見つかりますが、数字を並べるだけでは、たいてい決まりません。

当サイトでは2026年9月2〜3日に、独・仏・瑞・英・伊・西・丁の7取引所に上場する264銘柄を対象に、PER・配当利回り・浮動株比率・手数料・配当税などをまとめて実測しました。この記事では、その結果をもとに「1銘柄をどう選ぶか」という順番を、筆者の考えとして整理します。先に結論を言うと、最初の1銘柄は、会社の中身を見る前に「国」と「金額」でほとんど決まってしまうというのが実感です。

目次

順番①:国で、コストと税金が先に決まる

欧州株は、会社を選ぶ前に、その会社が上場している国(取引所)を選ぶ必要があります。そしてこの「国」の時点で、コストと税金にはっきりした差がついてしまいます。

まず手数料です。今回実測した範囲では、最低手数料はフランスの2.20ユーロがもっとも軽く、スイスの5.50フラン、デンマークの38.50クローネがもっとも重い部類でした。同じ金額を買っても、どの国の取引所で買うかによって、手数料の負担率は数倍変わってきます。

配当にかかる現地源泉税にも差があります。フランスは日本との租税条約の限度である10%ですが、ドイツは26.375%です。ドイツの場合、条約限度を超える11.375%分は、日本の確定申告における外国税額控除の対象になりません。スイスはさらに重く35%で、条約限度を超える25%分はスイスの税務当局へ自分で還付請求する必要があります。手続きの手間まで含めると、国による差は数字以上に大きいと感じます。

現地の最低手数料(片道)配当の現地源泉税
フランス2.20ユーロ(今回実測した範囲で最も軽い)10%(日本との租税条約の限度)
ドイツ26.375%(超過11.375%は日本の外国税額控除の対象外)
スイス5.50フラン(重い部類)35%(超過25%はスイス当局へ直接還付請求)
デンマーク38.50クローネ(今回実測した範囲で最も重い)
2026年9月2〜3日、当サイトが実測した範囲での最低手数料・配当の現地源泉税(―は今回未確認)

会社の決算を1つも読んでいない段階で、すでにこれだけの差がついています。順番としては、まず自分がどの国の株を買うのかを先に決めておいたほうがよいと思います。

順番②:金額で、買える銘柄が絞られる

国を決めたら、次に効いてくるのが金額です。欧州株は1株から買える銘柄が多いのですが、1株だけ買うと手数料の負担率が跳ね上がります。今回の実測でも、1株だけを買うと片道の手数料負担率が7%を超える銘柄がありました。

手数料の負担を抑えるには、最低手数料をならせるだけのまとまった金額で買う必要があります。目安としては、数万円以上の単位で買えるかどうかが、会社を選ぶより先に来る条件になると思います。逆に言えば、その金額を出せる銘柄まで、最初の候補は自然に絞られることになります。

順番③:ここでようやく会社を見る

国と金額が決まって、ここでようやく会社の中身を見る段階に入ります。ただ、この段階でも数字の読み方には注意が要ると思います。

今回実測した264銘柄のPER中央値は18.18倍でした。国別に見るとフランスが低く、スイスが高い傾向があります。PERが10倍未満だった17社のうち6社は自動車業種でした。PERが低いのは会社が割安だからとは限らず、業種としてPERが低くなりやすいだけ、というケースが少なくないと感じます。

配当利回りも同じです。業種別に見ると、保険が4.58%、医薬品が1.71%と、約3倍の差がついています。利回りが高い会社を見つけたときも、それが会社固有の強みなのか、業種としてもともと利回りが高いだけなのか、切り分けて見たほうがよいと思います。PER・利回り・配当性向・浮動株比率。どれか1つの数字だけでは、良い会社かどうかは決まらないというのが実測してみた感想です。

順番④:持ち続けられるか

数字を確認したあとに残るのは、その銘柄を持ち続けられるかどうかという問いだと思います。

欧州株の配当は、年1回・春に支払われる会社が多数派です。今回実測した264銘柄のうち、配当を年4回に分けて支払う会社はわずか5社でした。配当の権利落ちも4〜5月に集中しています。日本株のように四半期ごとに配当が入ってくる感覚とは違い、入金の間隔が空くことになります。

決算の開示頻度も会社によって差があります。年2回しか決算を出さない会社もあり、英語の開示を年に何回開く気があるかは、最初に自分に聞いておいたほうがよい問いだと思います。無配の会社も264社中17社あり、そのうち9社はデンマーク企業でした。配当を目的に持つなら、この点もあわせて確認しておきたいところです。

筆者ならどうするか

ここまでの順番を踏まえたうえで、筆者ならどうするかを書きます。

最初の1銘柄は、「知っている会社」から選んでよいと思っています。数字だけで最適な1社を探そうとすると、たいてい決まりません。それよりも、続けられるかどうかのほうが、最初は効くと感じています。

ただし、「知っている会社」には落とし穴があります。日本人になじみのある欧州ブランドの多くは、実は上場していないか、今回対象とした7取引所の外にあります。たとえばレゴやイケアは、この7取引所では買えません。知っている名前がそのまま買えるとは限らない、というのは先に知っておいたほうがよい点だと思います。

筆者自身はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に持っています。個別株から入ったわけではありません。この経験から考えると、「まずETFで市場ごと持ち、気になった会社を1社足す」という順番のほうが、素直なやり方だと思っています。1銘柄だけで市場全体を代表させようとするより、土台を先に作ってから1社を足すほうが、無理がないと感じています。

まとめ:会社より先に、国と金額を決める

  • 最初の1銘柄は、会社を選ぶ前に「国」と「金額」でほとんど決まる
  • 手数料はフランス2.20ユーロ〜デンマーク38.50クローネ、配当税はフランス10%〜スイス35%まで、国だけで差がつく
  • 1株だけ買うと手数料負担率が跳ね上がることがある。数万円以上のまとまった単位で買えるかが先
  • PER・利回りは業種で決まっていることが多く、数字1つだけで会社の良し悪しは決まらない
  • 配当は年1回・春が多数派で、決算も年2回の会社がある。持ち続けられるかを最後に確認する

筆者としては、最初の1銘柄を「知っている会社」から選んでよいと思っています。ただ、知っている名前がこの7取引所で買えるとは限らないという点だけは、先に確認しておいたほうがよいと思います。

この記事の検証方法

  • PER・配当利回り・浮動株比率・手数料・配当税などの数値は、2026年9月2〜3日に独・仏・瑞・英・伊・西・丁の7取引所に上場する264銘柄を対象として機械的に実測しました
  • 本文で挙げた手数料・配当の現地源泉税は、今回実測できた国に限った結果であり、7か国すべてを網羅した比較ではありません
  • PER10倍未満17社・うち自動車6社、配当利回りの業種別数値(保険4.58%・医薬1.71%)、配当年4回の5社、無配17社(うちデンマーク9社)は、いずれも同じ264銘柄の実測結果にもとづきます
  • この記事は特定の銘柄の購入を勧めるものではなく、選び方の順番を整理したものです
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載のPER・配当利回り・手数料・配当税などは2026年9月2〜3日時点で当サイトが実測した情報にもとづいており、市場の変動や制度変更により変わる場合があります。特定の銘柄が割安・割高であることを示すものではありません。手数料・税金の扱いは証券会社や制度によって異なるため、実際の取引前にご自身でご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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