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欧州株のPERを同じ日に全部調べた|中央値17.74倍、国で10倍差【2026年】

欧州株のPERを同じ日に全部調べた|中央値17.74倍、国で10倍差【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 2026年8月29日、当サイトが記事化している欧州株のPER・配当利回りを同じ日に一斉に取得しました。PERが算出できた205銘柄の中央値は17.74倍です
  • 国別の中央値は最安のフランス14.92倍から最高のスイス25.52倍まで、10倍以上の差があります。この差の正体は国そのものではなく、その国に多い業種です
  • 低PER・高PERにはそれぞれ「評価益が混ざる型」「業績が振れる型」「成長期待の型」「利益が一時的に落ち込んだ型」があり、数字だけでは判断できません
  • 配当利回りが取得できた198社のうち、6%以上はわずか10社です

「欧州株は米国株より割安」とはよく言われます。当サイトでも欧州株はなぜ米国株より安いのかという記事で、STOXX Europe 600とS&P500の予想PERを比較しました。ただ、あの記事の数字は指数全体の話です。当サイトが実際に取り上げてきた個別の欧州株、一社一社のPERがどう分布しているのかは、まだ見せていませんでした。

そこで今回、当サイトが記事化している欧州株について、2026年8月29日に株価データサイト(stockanalysis.com)からPER・予想PER・配当利回りを機械的に取得しました。個別銘柄の記事は執筆日が8月18日から28日までばらばらで、それぞれの記事に書かれたPERを並べても横並びの比較にはなりません。同じ日に取り直したのは、この記事のためです。他所にはない、当サイトだけの実測データだと思っています。

目次

全体像:PERが取れた205銘柄、中央値は17.74倍

まず全体の分布です。取得を試みた銘柄のうち、赤字などでPERが算出できない銘柄を除くと、205銘柄でPERを取得できました。この205銘柄の中央値は17.74倍です。分布を6段階に分けると次のようになります。

PER社数
10倍未満12社
10〜15倍57社
15〜20倍52社
20〜30倍57社
30〜50倍21社
50倍以上6社
2026年8月29日、当サイトが機械的に取得。205銘柄

最も厚いのは10〜15倍と20〜30倍で、それぞれ57社ずつ。10倍未満の12社と50倍以上の6社は、どちらも全体から見れば少数派です。「欧州株は総じて割安」という単純な話ではなく、大半は10〜30倍のレンジに収まっているというのが、この分布から読み取れる実態です。

国別で見ると10倍以上の差がある——正体は業種構成

この記事の目玉が、国別の中央値です。当サイトが取り上げている7か国について、PERの中央値を計算するとこうなりました。

中央値PER社数
フランス14.92倍29社
イタリア14.97倍31社
スペイン15.43倍25社
デンマーク16.98倍15社
ドイツ19.50倍33社
イギリス20.49倍40社
スイス25.52倍32社
2026年8月29日、当サイトが機械的に取得

最も低いフランスの14.92倍と最も高いスイスの25.52倍では、10倍以上の差があります。ここで「フランス株は割安、スイス株は割高」と早合点したくなりますが、それは違うと思います。

理由は次の業種別の中央値を見ると分かります。国の差の正体は、国そのものではなく、その国に多い業種の差です。スイスには医薬・ヘルスケアや精密機械が厚く、フランスやイタリアには銀行・保険や公益が厚い。国別の中央値は、実質的には「その国の産業構成を反映した数字」だというのが、このデータから見える読み方です。欧州株のセクター勢力図の記事で書いた、国ごとの産業の偏りとつながる話です。

業種別で見ると、銀行14.57倍から医薬23.96倍まで

業種別の中央値も計算しました。ここでいう業種分類は、当サイトが各記事の業種表記から機械的に分類したものであり、GICSなどの公式な業種分類ではありません。あくまで当サイトの整理としてお読みください。

業種中央値PER社数
銀行・保険・金融14.57倍30社
公益・エネルギー15.14倍15社
食品・飲料・たばこ16.13倍11社
小売・消費16.16倍13社
素材・化学16.25倍11社
資本財・機械18.16倍24社
IT・通信・メディア19.03倍12社
医薬・ヘルスケア23.96倍16社
業種分類は当サイトが記事の業種表記から機械的に分類。公式分類(GICS等)ではありません

最も低いのは銀行・保険・金融の14.57倍、最も高いのは医薬・ヘルスケアの23.96倍です。銀行は利益成長への期待が相対的に控えめでPERが低くなりやすく、医薬・ヘルスケアは将来の成長が織り込まれやすい業種です。前段の国別の差と重ねて見ると、フランス・イタリアに銀行が多く、スイスに医薬・ヘルスケアが多いことが、そのまま国別中央値の差になって表れていると分かります。

低PERと高PERにはそれぞれ2つの型がある

両端の銘柄も見てみます。今回の実測でPERが低い順・高い順に5社ずつ並べるとこうなりました。

順位低い順PER
1エールフランスKLM(航空)2.96倍
2フォノビア(住宅賃貸)4.65倍
3クレピエール(商業用不動産)7.91倍
4ルノー(自動車)8.52倍
5レプソル(石油)8.63倍
2026年8月29日、当サイトが機械的に取得
順位高い順PER
1VATグループ(半導体製造装置部品)87.30倍
2ザルトリウス(バイオ製薬用機器)79.87倍
3ツァランド(ファッションEC)65.52倍
4ザルツギッター(鉄鋼)55.07倍
5ベリモ(空調制御機器)52.64倍
2026年8月29日、当サイトが機械的に取得

低PERには2つの型があると思います。ひとつは、フォノビアやクレピエールのような不動産です。不動産会社の利益には保有物件の評価益が混ざることがあり、他の業種と同じ意味でPERを比べられません。この点は欧州の不動産株の記事で詳しく書いています。もうひとつは、エールフランスKLM・ルノー・レプソルのような、業績の振れが大きい業種です。利益がたまたま良い時期に当たると、PERは低く見えます。

高PERにも2つの型があります。VATグループやザルトリウスのような半導体・バイオ関連は、将来の成長が株価にすでに織り込まれている型です。一方、ザルツギッター(鉄鋼)の55.07倍は、成長期待というより利益が一時的に落ち込んだ結果としての高PERです。PERの分母である利益が小さくなれば、株価が変わらなくてもPERは跳ね上がります。同じ「高PER」という数字でも、中身は正反対だということです。

PERという一つの数字だけを見て銘柄を選ぶと、こうした型の違いを取り違えてしまいます。数字の背景にある業種や決算の状況まで見て、初めて意味のある比較になると思います。

配当利回りは中央値2.81%、6%以上はわずか10社

同じ日に、配当利回りも取得しました。有配で利回りが取得できたのは198社で、中央値は2.81%です。分布はこうなりました。

配当利回り社数
2%未満55社
2〜4%85社
4〜6%48社
6%以上10社
有配で利回りが取得できた198社。2026年8月29日に機械的に取得。

最も多いのは2〜4%のレンジで85社。6%以上は198社中10社だけです。「欧州株は高配当」というイメージを持たれることがありますが、実際に数えてみると、6%を超える銘柄は例外的な存在であって、探せばいくらでも見つかるものではありません。高配当株ランキングの記事で紹介している銘柄も、この10社の中から選んでいます。

まとめ:PERは比べるための道具

  • 2026年8月29日に同じ日で実測した結果、PERの中央値は17.74倍(205銘柄)
  • 国別の差(仏14.92倍〜瑞25.52倍)は、その国に多い業種の差が正体
  • 低PERには「不動産の評価益」「業績が振れる業種」の2型、高PERには「成長期待」「利益の一時的な落ち込み」の2型がある
  • 配当利回りの中央値は2.81%。6%以上は198社中10社だけ

PERは比べるための道具であって、答えではないと思います。同じ業種の中で比べて初めて意味が出ます。今回の実測が、その比べ方の一つの土台になれば嬉しいです。

この記事の検証方法

  • PER(実績)・予想PER・配当利回りは、2026年8月29日に株価データサイト(stockanalysis.com)から機械的に取得しました
  • PERが取得できたのは205銘柄です。赤字などでPERが算出されない銘柄は集計から除外しています
  • 配当利回りが取得できたのは198社です。無配の銘柄は集計から除外しています
  • 波ごとに書いた個別記事のPER・配当利回りは執筆日が2026年8月18日〜28日とばらばらで、横並びの比較には使えません。この記事のためだけに、全銘柄を同じ日に取り直しています
  • この記事の数値は当サイトが取り上げた銘柄に限った集計であり、欧州市場全体を代表するものではありません
  • 業種分類は、当サイトが各記事の業種表記から機械的に分類したものです。GICSなどの公式な業種分類ではありません
  • 国別・業種別の中央値は、各グループの銘柄のPERを小さい順に並べた際の中央の値です
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載のPER・配当利回りは2026年8月29日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が割安・割高であることを示すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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