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この記事の結論
- この記事は、当サイトの記事に繰り返し出てくる欧州株の用語15語を1ページに集めたリファレンスです
- 各語は、定義・当サイトでの実例や注意点・詳しく解説した記事へのリンクをセットで並べています
- 読んでいる記事で用語につまずいたら、このページに戻って確認していただければと思います
欧州株について書いていると、「GBX」「ADR」「UCITS」といった、日本の個別株投資ではあまり見かけない略語がどうしても増えます。当サイトの記事を読み進めるたびに用語で立ち止まるのは本意ではないので、この記事に定義と注意点をまとめておくことにしました。
収録したのは次の15語です。「通貨と表示」「買える場所の制度」「配当と税」「株式の種類」の4つにまとめて並べています。気になる語から読んでいただいて構いません。
- 通貨と表示:GBX(ペンス)/ERM II/ECB参照レート
- 買える場所の制度:ADR(米国預託証券)/OTC(店頭市場)/UCITS ETF/KID・PRIIPs規則
- 配当と税:現地源泉税/租税条約の限度税率/外国税額控除/権利落ち日/特別配当/配当性向
- 株式の種類:参加証券(Participation Certificate)/A株・B株・優先株
通貨と表示:見慣れない単位でつまずかないために
GBX(ペンス)
ロンドン証券取引所に上場する株の株価表示単位です。100GBX=1ポンドで、株価は多くの場合ペンス単位で表示されます。たとえば「1,542.00」という株価表示を見たら、それは1,542.00ポンドではなく15.42ポンドという意味です。桁を1つ間違えると評価額が100倍ずれるので、ロンドン株を見るときは最初に確認しておきたい点です。詳しくは欧州株の為替リスクを4通貨別に解説した記事で扱っています。
ERM II
デンマーククローネをユーロにほぼ固定するための為替相場メカニズムです。デンマーク株に投資すると、通貨がユーロと違うクローネであることに気づきにくいのですが、ERM IIの枠組みによって対ユーロでの変動幅は小さく抑えられています。ユーロ圏そのものではない、という点だけ押さえておけば十分です。
ECB参照レート
欧州中央銀行(ECB)が中欧時間16:00に毎営業日公表する、ユーロと各通貨の参照為替レートです。当サイトで円換算の数字を出すときは、このレートを基準にしています。証券会社の実際の両替レートには為替手数料が上乗せされるため、ECB参照レートそのままの数字にはならない点は留意してください。
買える場所の制度:日本の証券会社で買えるかどうかを決める線
ADR(米国預託証券)
欧州企業の株式を米ドル建てで取引できるようにした証券です。原株とほぼ同じ値動きをしますが、まれに需給の偏りで乖離することがあります。ここで注意したいのは、OTC(店頭市場)にしか上場していないADRは、SBI証券・楽天証券・マネックス証券では買えないという点です。これは当サイトが繰り返し扱っているテーマで、詳しくはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかをまとめた記事で解説しています。
OTC(店頭市場)
NYSEやNASDAQのような取引所を介さない、米国の取引形態です。多くの欧州企業のADRは、このOTC市場でのみ取引されています。楽天証券は公式に「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しており、SBI証券・マネックス証券も同様の扱いです。ADRを見かけたときは、それがOTC上場かどうかを先に確認する必要があります。
UCITS ETF
EUの規制(UCITS指令)に沿って組成された投資信託・ETFです。アイルランド籍のものが多く、欧州の個人投資家にとっては主要な選択肢になっています。当サイトが確認した範囲では、日本の証券会社にUCITS ETFの取り扱いはありません。日本から欧州株の分散投資をしたい場合は、米国上場の欧州ETFを使うのが現実的な代替になります。この違いはVGKとVEURの違いを比較した記事で具体的に扱っています。
KID/PRIIPs規則
KID(Key Information Document)は、EUの個人投資家向けに作成が義務づけられている商品説明書類で、PRIIPs規則がその根拠になっている規制です。KIDが用意されていない米国籍のETFは、EU在住者が原則として新規に買えません。筆者がポルトガル在住でありながら米国上場ETFではなくVEURのような欧州上場ETFを保有しているのは、このKID・PRIIPs規則が理由の一つです。
SBI証券・楽天証券・マネックス証券で買えないOTC上場のADRやUCITS ETFでも、サクソバンク証券であれば欧州の現地取引所を通じて直接買える銘柄があります。「買えると思っていたのに買えなかった」という遠回りを避けたい場合は、先に取扱範囲を確認しておくと安心です。
配当と税:受け取る金額を左右する6語
現地源泉税
配当に対して、企業の所在国でまず差し引かれる税金です。税率は国によって大きく異なり、フランスは10%、ドイツは26.375%、スイスは35%というように幅があります。表面利回りが同じに見えても、手取りは国ごとに変わってきます。国別の実質利回りは欧州株の配当税を国別に比較した記事で整理しています。
租税条約の限度税率
二重課税を防ぐために、日本と各国の間で結ばれた租税条約が定める税率の上限です。ただし、この限度税率が自動的に適用されるとは限りません。証券会社側の手続きによって、条約の恩恵を受けられる国と受けられない国があります。自分が使っている証券会社でどう扱われるかは、条文の解釈ではなく実際の取引結果で確認するのが確実です。
外国税額控除
外国で源泉徴収された税を、日本国内の所得税から差し引ける制度です。適用を受けるには確定申告が必要になります。ドイツやスイスのように源泉税率が高い国の株を保有している場合、この手続きの有無で手取りが変わってきます。申告の具体的な流れは欧州株の確定申告と外国税額控除をまとめた記事で解説しています。
権利落ち日(ex-dividend date)
この日以降に株を買っても、直近に予定されている配当は受け取れない、という基準日です。配当利回りだけを見て購入時期を決めると、権利落ち日をまたいでしまい想定と違う結果になることがあります。配当の実額を確かめたいときは、企業の権利落ち履歴を直接確認するのが確実です。
特別配当
通常の配当に上乗せされる形で、一時的に支払われる配当です。資産売却益などを原資に実施されることが多く、翌年以降も続くとは限りません。当サイトでは、ダネルムやラショナルといった企業でこの特別配当が表示利回りを実力以上に見せているケースを確認しています。利回りの高さだけで判断する前に、その配当が通常配当か特別配当かを見分ける必要があります。
配当性向
企業の利益のうち、どれだけを配当に回しているかを示す割合です。100%を超えている場合、その期の利益より多くを配当として払い出している状態になります。当サイトでは、配当性向が100%を超えている銘柄は原則として記事化を見送る基準にしています。
株式の種類:同じ企業でも銘柄が分かれているケース
参加証券(Participation Certificate)
スイスに見られる、議決権を持たない株式類似の証券です。代表例がシンドラーのSCHPで、議決権のある普通株とは別の銘柄として取引されています。値動きや配当は普通株に近いことが多いですが、議決権がない分だけ性質が異なるので、普通株と混同しないようにする必要があります。
A株/B株・優先株
デンマークやドイツなどでは、同じ企業が議決権や配当の異なる複数の株式種類を発行していることがあります。たとえばシクストには、普通株のSIX2と優先株のSIX3が別銘柄として存在します。証券コードの末尾だけが違うケースもあるため、自分がどちらを買っているのかは注文の前に必ず確認してください。
まとめ:用語につまずいたらこのページに戻ってきてください
- この記事は、当サイトの記事に繰り返し出てくる欧州株の用語15語をまとめたリファレンスです
- 「通貨と表示」「買える場所の制度」「配当と税」「株式の種類」の4つに分けて並べています
- 特にADR・OTC・UCITS ETFの3語は、日本の証券会社で買えるかどうかを直接左右するため、最初に押さえておくことをおすすめします
- 各語の詳細は、本文中のリンク先の記事で個別に解説しています
用語をすべて覚える必要はありません。記事を読んでいて聞き慣れない言葉に出会ったら、このページに戻って確認していただければ、それで十分だと思います。
この記事の検証方法
- 各用語の定義は、当サイトが過去に公開した記事の実測・調査内容と整合させています
- 源泉税率・手続き上の注意点は、各証券会社の公式情報および当サイトの既存記事を出典としています
- 法律・税制については条文の解釈には踏み込まず、詳細は各記事および専門家への確認を前提としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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