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この記事の結論
- 欧州の半導体株は、買える窓口が銘柄によってはっきり分かれています
- ASMLとSTマイクロエレクトロニクスは、NASDAQ・NYSEに直接上場しているのでSBI証券などでそのまま買えます
- インフィニオン・アイクストロン・ソイテックなどは欧州取引所のみの上場で、日本からはサクソバンク証券が入り口になります
- ASMインターナショナルとBESIはアムステルダム上場のみで、サクソバンクで買えるかは当サイトで確認できていません
欧州株のセクター勢力図を実測した記事では、欧州はテクノロジー業種が薄く、工業や銀行が厚いという構造をお伝えしました。ただし、その中に例外があります。半導体の「製造装置」だけは、欧州が世界の急所を握っている分野です。最先端の半導体をつくるための装置は、事実上ごく少数の企業しか作れず、その中心にオランダのASMLがいます。
「ASMLに関心があるけれど、日本の証券口座で買えるのか分からない」「インフィニオンやアイクストロンという名前は聞くけれど、どこで買えるのか」。この記事では、欧州の半導体関連株を買える窓口ごとに3つのグループに仕分けし、地図として整理します。買えると断定できない銘柄については、断定せずそのまま「未確認」と書きます。
ASMLの規模感——なぜこの銘柄から地図を始めるのか
ASMLホールディング(オランダ)は、半導体の微細化に欠かせないEUV(極端紫外線)露光装置を独占的に供給する企業として知られています。時価総額は6,681億ドル(2026年8月時点)とされ、これは欧州株のセクター勢力図の記事で確認した欧州企業の時価総額でも最上位クラスの数字です。ネスレやLVMHといった消費財の巨人と並んで、半導体製造装置という一見地味な分野の企業が欧州最大級の規模を持っている。これが、この記事を半導体という切り口で書く理由です。
ただし、ASMLという1銘柄だけを見ていると、欧州の半導体エコシステムの全体像は見えません。装置を作る会社の周りには、素材・部品・検査を担う会社が連なっており、そのすべてが同じ場所で買えるわけではないからです。
地図で見る:3グループの買える窓口
上場先を実測した結果が、この表です(2026年8月28日にstockanalysis.comの検索で確認)。
| グループ | 銘柄 | 上場 | 買える窓口 |
|---|---|---|---|
| A | ASML | NASDAQ(ASML)+アムステルダム | SBI証券などで直接買える |
| STマイクロエレクトロニクス | NYSE(STM)+パリ | ||
| B | インフィニオン | フランクフルト(XETR:IFX) | サクソバンク証券の対象取引所 |
| アイクストロン | フランクフルト(XETR:AIXA) | ||
| ソイテック | パリ(EPA:SOI) | ||
| イエノプティック | フランクフルト(独) | ||
| VATグループ | スイス(瑞) | ||
| C | ASMインターナショナル | アムステルダム(AMS:ASM) | サクソバンクで買えるか未確認 |
| BESI | アムステルダム(AMS:BESI) |
グループAの2社は、日本の証券会社が普段から取り扱っている米国市場に直接上場しているので、特別な口座を作らなくても買えます。グループB・Cは、日本の主要ネット証券が取り扱っていない欧州の現地取引所が上場先です。SBI証券・楽天証券・マネックス証券では欧州株が買えない理由で書いたとおり、この2グループには別の入り口が要ります。
グループB:サクソバンク証券圏の主役たち
グループBは、ASMLの周辺にいる装置・材料メーカーです。インフィニオン(独)はパワー半導体・車載半導体の大手とされる企業で、アイクストロン(独)は化合物半導体の製造装置を手がけます。どちらも当サイトにはまだ個別記事がなく、ここでは事業内容の紹介にとどめます。ソイテック(仏)はSOIウエハーを扱う企業で、フランス株のため、チャートを確認する際はADR表記との違いに注意が必要です。
このグループには、当サイトですでに個別記事を出している銘柄も含まれます。イエノプティックは、ASMLに光学モジュールを25年以上供給しているとされる企業で、イエノプティックの記事で買い方を解説しています。VATグループは半導体製造装置で使われる真空バルブを手がけるスイス企業で、こちらもVATグループの記事で扱っています。
ここで一つ、混同しやすい点を整理しておきます。ASMLの露光装置には、カールツァイスグループが光学系を協業で供給しているとされます。ただし、この露光光学系を手がけているのは非上場側のカールツァイスAGであり、株式市場に上場しているわけではありません。「カールツァイス」という名前を見て株を探しても、半導体向けの露光光学系という事業そのものは買えない、という点は正直に書いておきます。
グループBの銘柄は、いずれも日本からはサクソバンク証券がほぼ唯一の入り口です。SBI証券・楽天証券・マネックス証券は、フランクフルトやパリ、スイスの現地市場を取り扱っていません。
グループC:ASMインターナショナルとBESIは「未確認」の正直な整理
ASMインターナショナルとBESI(ベー・エー・セミコンダクター・インダストリーズ)は、どちらもアムステルダム証券取引所のみに上場しており、米国にはOTC市場のADRしかありません。ADRはOTC(店頭市場)扱いのため、NASDAQ・NYSEに直接上場しているASMLやSTマイクロエレクトロニクスとは条件が異なります。NYSE・NASDAQ直接上場ではないので、SBI証券などでは買えません。ここまでは断定できます。
問題は、サクソバンク証券で買えるかどうかです。当サイトが確認したサクソバンク証券の公式手数料表には、対象となる取引所が並んでいますが、アムステルダム証券取引所はその一覧には入っていませんでした。ただし、手数料表に載っていないことが、ただちに「取り扱いがない」ことを意味するとは限りません。取り扱いはあっても手数料表に反映されていない可能性もあり、当サイトではその点を確認しきれていません。
正直に書きます。ASMインターナショナルとBESIがサクソバンク証券で買えるとは、当サイトでは書けません。同時に、買えないとも断定できません。ASMLやインフィニオンのように「ここで買える」と言い切れる銘柄と、この2銘柄は同じ土俵で扱わないほうが誠実だと考え、あえて別グループにしました。
まとめ:ASMLだけならSBI、その先はサクソバンク
- グループA(ASML・STマイクロエレクトロニクス)はNASDAQ・NYSEに直接上場しており、SBI証券などでそのまま買えます
- グループB(インフィニオン・アイクストロン・ソイテック・イエノプティック・VATグループ)は欧州現地取引所のみの上場で、サクソバンク証券が入り口です
- グループC(ASMインターナショナル・BESI)はアムステルダム上場のみ。SBI等では買えませんが、サクソバンクで買えるかは当サイトで確認できていません
- ASMLの露光光学系にかかわるカールツァイスは、その部分が非上場側の会社のため、株としては買えません
「ASMLが買いたい」だけなら、SBI証券などで足ります。欧州口座が必要になるのは、インフィニオンやアイクストロン、あるいはイエノプティックやVATグループのような、装置の周辺を支える企業まで選びたくなってからです。地図の全体を知ったうえで、どこまで足を伸ばすかを決めていただければと思います。
この記事の検証方法
- ASML・STマイクロエレクトロニクス・インフィニオン・アイクストロン・ソイテック・ASMインターナショナル・BESIの上場先は、2026年8月28日にstockanalysis.comの検索結果で確認しました
- ASMLの時価総額(6,681億ドル)は、欧州株のセクター勢力図の記事で確認した2026年8月時点の数値を、そのまま再掲しています
- サクソバンク証券の対象取引所は公式手数料表を出典としています。アムステルダム証券取引所が一覧に含まれていない点は確認できましたが、それ以外の取り扱い有無までは確認できていません
- インフィニオン・アイクストロン・ソイテック・ASMインターナショナル・BESIの業績数値は、当サイトに個別記事がないため本文では扱っていません
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の上場先・時価総額・手数料に関する情報は本文記載の各時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。特に、サクソバンク証券における一部銘柄の取り扱い可否は当サイトで確認できていない旨を本文に記載しています。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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