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この記事の結論
- VATグループは半導体を作る装置に組み込む真空バルブを作るスイスの会社です
- 魅力の核心:株価は1年で+122.36%上昇しました
- 最大のリスク:PERは約87.50倍と割高で、株価が2.2倍になった一方、直近12か月の売上は−2.2%、純利益は−7.11%と減っています
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約120,000円から(推奨ロット2株が目安/1株からでも手数料負担率は約0.91%と軽い)
株価は1年で+122.36%。半導体を製造する装置に組み込む真空バルブを作るスイスの会社、VATグループの株価が大きく上昇しています。ただし、この上昇の裏側には確認しておくべき点があります。
報道によると、直近通期の売上高は10億7,400万フラン(前年比+14%)でしたが、直近12か月ベースでは売上高が前年比−2.2%、純利益が−7.11%と減少に転じています。PERは約87.50倍で、実績の利益水準に対して株価はかなり高い位置にあります。同じ半導体セクターの銘柄としては、インフィニオンが比較対象としてよく挙げられます。
株価が1年で2.2倍になったVATグループの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
VATグループ株の基本データ(2026年8月23日時点)
| 株価 | 604.60スイスフラン(1株 約120,000円) |
| 52週レンジ | 257.50〜727.20フラン |
| 時価総額 | 約181.2億フラン |
| PER | 約87.50倍(予想 約44.43倍) |
| 配当利回り | 1.16%(1株配当 7スイスフラン) |
| 上場市場 | SIXスイス証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | +122.36% |
VATグループ株を買うメリット
株価は1年で+122.36%上昇(実測)
2026年8月23日時点の株価は604.60フランで、1年前と比べて+122.36%上昇しました。52週レンジは257.50〜727.20フランです。
投資家にとっては、直近1年でこの銘柄が大きく買われてきたという事実を示す数字です。
受注残高3億0,430万フラン、受注は堅調とされる(報道)
報道によると、直近通期の受注高は10億3,300万フラン、受注残高は3億0,430万フランでした。売上高は10億7,400万フラン(前年比+14%)でした(出典:VATグループ公式 https://www.vatgroup.com/news/vat-medienmitteilung-zum-jahresabschluss-2025)。
投資家にとっては、直近12か月ベースの売上・純利益が減少している一方で、受注そのものは積み上がっていることを確認できる材料です。
1株配当は7.00フラン、前期の6.25フランから増配(報道)
報道によると、1株配当は7.00スイスフランで、前期の6.25フランから増配されました。特別配当は含まれていません。表面利回りは約1.16%です。
投資家にとっては、株価が急騰する局面でも配当自体は増額されてきたことを確認できる材料です。ただし、配当性向は101.11%と高い水準にあり、これはデメリットで詳しく見ます。
VATグループ株を買うデメリット・リスク
PERは約87.50倍、予想でも約44.43倍と高水準
2026年8月23日時点のPERは約87.50倍、予想PERも約44.43倍です(実測)。
投資家にとっては、利益水準に対して株価がかなり高い位置にあることを示す数字です。
株価は52週で257.50〜727.20フラン、直近12か月の売上・純利益は減少
52週レンジは257.50〜727.20フランで、1年で株価が2.8倍の幅で動いています。値動きが極めて大きい銘柄です。加えて、実測ベースで直近12か月の売上高は前年比−2.2%、純利益は−7.11%と減少しています。株価は同じ期間で+122.36%上昇しており、業績と株価の動きが一致していません。報道によると、これは供給網の問題で出荷のタイミングがずれたことが背景とされ、受注自体は強い状態が続いているとされています。
投資家にとっては、値動きの大きさと、株価の上昇と直近の業績が逆方向に動いているという事実を、まず確認しておく必要があります。
配当性向は101.11%、利益より多い額を配当
1株配当は7.00スイスフラン、表面利回りは約1.16%です。配当性向は101.11%で、直近の利益を上回る額を配当に回しています。
投資家にとっては、今の配当水準が今の利益では賄いきれておらず、業績が悪化した場合には減配の余地が大きいことを意味する数字です。
中国向けが売上の約32%、半導体の設備投資は循環する事業
報道によると、中国向けの売上は全体の約32%を占めるとされ、米国の対中輸出規制の影響を受けうるとされています。また、半導体の設備投資は好不況の波がある循環的な事業です。
投資家にとっては、特定地域への売上集中と、業界特有の循環性の両方を意識しておくべきリスクです。
VATグループはどんな会社か
VATグループは、半導体を作る装置に組み込む真空バルブを作るスイスの会社です。ディスプレイや太陽電池の製造装置向け、産業用途にも真空バルブを供給しています。
直近通期の売上高は10億7,400万フラン(前年比+14%)、純利益は2億1,430万フラン、受注高は10億3,300万フラン、受注残高は3億0,430万フランでした(出典:VATグループ公式 https://www.vatgroup.com/news/vat-medienmitteilung-zum-jahresabschluss-2025)。一方で、直近12か月ベースでは売上高が前年比−2.2%、純利益が−7.11%と減少に転じています。報道によると、これは供給網の問題で出荷のタイミングがずれたためとされ、受注自体は強い状態が続いているとされています。
報道によると、日本法人VAT Japanが羽田(東京)に拠点を持ち、販売・物流・サービスを担っているとされています(出典:同社の拠点一覧 https://www.vatgroup.com/about-vat-group/our-locations)。
同じ半導体セクターの銘柄としては、インフィニオンが比較対象として挙げられます。
配当と税金
VATグループの1株配当は7.00スイスフラン、表面利回りは約1.16%です。報道によると前期の6.25フランから増配されており、配当性向は101.11%です。
スイスの現地源泉税は35%で、欧州最重量級です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%分は、スイス税務当局ESTVへ直接請求する必要があります。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合、現地源泉税35%で計算した税引き後の実質利回りの目安は約0.60%です(計算式:1.16%×(1−0.35)×0.79685)。表面利回りが約1.16%と低いため、VATグループは配当を主な目的として買う銘柄ではありません。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月23日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
VATグループ株の日本からの買い方
VATグループの上場市場はSIXスイス証券取引所のみで、ティッカーは「VACN」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:VACNY/VTTGF)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | VATグループ株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- スイスフランに両替する
- ティッカー「VACN」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約120,000円 | 1,092円 | 約0.91% |
| 2株 | 約240,000円 | 1,092円 | 0.45% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5スイスフラン(約1,092円)です。1株からでも手数料負担率は約0.91%と軽く、無理に大きなロットでまとめる必要はありません。推奨ロットの目安は2株(約240,000円)で、負担率は約0.45%まで下がります。
VATグループ株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 値動きの大きさをチャンスと捉えられる人 | 1年で株価は+122.36%上昇、52週で2.8倍の値幅 |
| 受注残の積み上がりに注目したい人 | 受注残高は3億0,430万フランで、受注は堅調とされる |
| 増配傾向を確認したい人 | 1株配当は前期6.25フランから7.00フランに増配 |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 割高なPERを避けたい人 | PERは約87.50倍 |
| 業績と株価のねじれを避けたい人 | 直近12か月の売上−2.2%・純利益−7.11%に対し株価は+122.36% |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
よくある質問
VATグループ株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がSIXスイス証券取引所のみのためです。米国預託証券(VACNY/VTTGF)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約120,000円から購入できます。1株からでも手数料負担率は約0.91%と軽いため、まとまった株数を用意しなくても購入しやすい水準です。推奨ロットの目安は2株(約240,000円)です。
配当にかかる税金はどうなりますか?
スイスの現地源泉税は35%です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%分は、スイス税務当局ESTVへ直接請求する必要があります。これに加えて日本側でさらに20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約0.60%です。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
ADR(VACNY/VTTGF)とVATグループ株(VACN)の違いは何ですか?
VACNY/VTTGFは米国のOTC市場でのみ取引される預託証券で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。本記事で扱うVACNはSIXスイス証券取引所に上場する原株で、日本からはサクソバンク証券などでこちらを直接購入することになります。
まとめ
- メリット:株価は1年で+122.36%上昇/受注残高3億0,430万フランで受注は堅調とされる/1株配当は前期6.25フランから7.00フランに増配
- デメリット:PERは約87.50倍と高水準/直近12か月の売上は−2.2%、純利益は−7.11%と株価の上昇と逆行/配当性向101.11%で利益より多い額を配当
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約120,000円から。1株からでも手数料負担率は約0.91%と軽く、推奨ロットは2株
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月23日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はVATグループ社の公表資料および報道に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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