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この記事の結論
- EMSケミーは自動車の部品に使われる高性能ポリアミド(樹脂)を作るスイスの会社です
- 魅力の核心:1株配当は16.00→17.25→18.40フランと3年連続で増えています
- 最大のリスク:売上高は前年比−5.8%と減少しています
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約154,100円から(推奨ロット2株が目安/1株からでも手数料負担率は約0.71%と軽い)
株価は1年で+24.34%。スイスの化学会社、EMSケミーは、自動車部品に使われる高性能ポリアミド(樹脂)を作っています。報道によると、直近の売上高は19億5,000万フランで、前年比−5.8%と減りました。
一方で、1株配当は16.00フラン→17.25フラン→18.40フランと3年連続で増配しています。同じ化学セクターの銘柄としては、総合化学のBASFや建設用化学品のシーカが比較対象としてよく挙げられます。
売上が減る中でも配当を増やし続けるEMSケミーの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
EMSケミー株の基本データ(2026年8月23日時点)
| 株価 | 776.50スイスフラン(1株 約154,100円) |
| 52週レンジ | 530.00〜839.50フラン |
| 時価総額 | 約181.6億フラン |
| PER | 約38.93倍(予想 約36.13倍) |
| 配当利回り | 2.37%(1株配当18.4スイスフラン) |
| 上場市場 | SIXスイス証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | +24.34% |
※配当利回り2.37%(1株配当18.40フラン)には、報道によると特別配当3.75フランが含まれるとされています。この特別配当は毎年出るとは限りません。
EMSケミー株を買うメリット
1株配当18.40フランは3年連続増配、配当性向は86.49%
EMSケミーの1株配当は18.40スイスフラン(2026年8月11日権利落ち)で、前年の17.25フラン、その前の16.00フランから3年連続で増配しています。実測の表面利回りは2.37%、配当性向は86.49%です。報道によると、この18.40フランには通常配当14.65フランに加えて特別配当3.75フランが含まれるとされ、この特別配当は毎年出るとは限りません。
投資家にとっては、通常配当だけを見ても増配傾向にあることは確認できる一方、表面利回り2.37%をそのまま将来も期待できる水準と見るのは禁物だということです。
自動車の樹脂部品で存在感、高性能ポリマー事業が売上の大半
EMSケミーは自動車部品に使われる高性能ポリアミド(樹脂)を作るスイスの会社です。報道によると、事業の中心である高性能ポリマー事業が売上の大半を占めています。接着剤やシーラント、エアバッグの点火装置なども手がけています。
投資家にとっては、特定の樹脂技術に強みを持つ専業メーカーとして、自動車部品という需要の大きい分野に軸足を置いていることを意味します。
予想PERは36.13倍で実績38.93倍を下回り、市場は増益を織り込む
実績PERは約38.93倍である一方、予想PERは約36.13倍です。
投資家にとっては、予想PERが実績PERを下回っているということは、市場が今後の利益をこれまでより高く見積もっていることを意味します。ただし、実績・予想とも30倍を超える水準であることに変わりはありません。
EMSケミー株を買うデメリット・リスク
売上高は前年比−5.8%、産業景気・地政学・スイスフラン高が背景
報道によると、EMSケミーの直近通期の売上高は19億5,000万フランで、前年比−5.8%でした。営業利益(EBIT)は5億6,700万フラン、純利益は4億6,700万フランです(出典:報道および同社アニュアルレポート)。報道によると、売上減少の背景は産業景気の弱さ、地政学的な環境、スイスフラン高とされています。
投資家にとっては、化学セクターの需要環境が全般に弱含んでいる中で、EMSケミーも例外ではないという事実を確認しておく必要があります。
配当利回り2.37%には特別配当が含まれる、報道によると毎年出るとは限らない
実測の表面利回りは2.37%(1株配当18.40スイスフラン)ですが、報道によるとこの金額には通常配当14.65フランに加えて特別配当3.75フランが含まれるとされています。特別配当は毎年出るとは限らないため、来期以降も同じ利回り水準が続くとは限りません。
投資家にとっては、2.37%という数字をそのまま「毎年の利回り」として期待するのではなく、通常配当ベースでの水準を意識しておく必要があるということです。
スイスの源泉税35%、利回りが高くないぶん重さが効く
スイスの現地源泉税は35%で、欧州最重量級です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%分は、スイス税務当局ESTVへ直接請求する必要があります。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
投資家にとっては、EMSケミーの表面利回りが2.37%と高くない分、この源泉税の重さが手取りに占める割合として相対的に効いてくるということです。
実績PER38.93倍・株価は1年+24.34%で52週高値圏、1株約154,100円と高額
2026年8月23日時点の株価は776.50フランで、52週レンジは530.00〜839.50フランです。1年間では+24.34%上昇しており、52週高値839.50フランに近い水準にあります。PERは約38.93倍です。また、1株が約154,100円と欧州株の中でも高額で、まとまった資金が必要になります。自動車生産の動向に業績が左右される事業でもあります。
投資家にとっては、株価がすでに1年で大きく上昇し、52週高値に近い水準にあることを踏まえたうえで検討する必要があるということです。
EMSケミーはどんな会社か
EMSケミーは、自動車部品に使われる高性能ポリアミド(樹脂)を作るスイスの化学会社です。接着剤やシーラント、エアバッグの点火装置なども手がけています。
直近の決算では、報道によると売上高は19億5,000万フラン(前年比−5.8%)、営業利益(EBIT)は5億6,700万フラン、純利益は4億6,700万フランでした(出典:報道および同社アニュアルレポート https://www.ems-group.com/)。報道によると、高性能ポリマー事業が売上の大半を占め、特殊化学品事業は規模が小さいとされています。
日本との接点もあります。報道によると、日本法人EMS-CHEMIE (Japan) Ltd.が東京と大阪に拠点を持ち、また日本の化学会社との合弁会社で高性能ポリアミドの原料を製造しているとされています。
同じ化学セクターの銘柄としては、総合化学のBASFや建設用化学品のシーカが比較対象として挙げられます。
配当と税金
EMSケミーの1株配当は18.40スイスフラン、実測の表面利回りは2.37%です。報道によると、この金額には通常配当14.65フランに加えて特別配当3.75フランが含まれるとされ、特別配当は毎年出るとは限りません。配当性向は86.49%です。前年は17.25フラン、その前は16.00フランで、3年連続の増配です。
スイスの現地源泉税は35%で、欧州最重量級です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%分は、スイス税務当局ESTVへ直接請求する必要があります。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合、現地源泉税35%で計算した税引き後の実質利回りの目安は約1.23%です(計算式:2.37%×(1−0.35)×0.79685)。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月23日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
EMSケミー株の日本からの買い方
EMSケミーの上場市場はSIXスイス証券取引所のみで、ティッカーは「EMSN」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:EMSHF)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | EMSケミー株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- スイスフランに両替する
- ティッカー「EMSN」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約154,100円 | 1,092円 | 約0.71% |
| 2株 | 約308,300円 | 1,092円 | 約0.35% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5スイスフラン(約1,092円)です。1株からでも手数料負担率は約0.71%と軽く、無理に大きなロットでまとめる必要はありません。推奨ロットの目安は2株(約308,300円)で、負担率は約0.35%まで下がります。
EMSケミー株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 配当の増配傾向に注目したい人 | 1株配当は16.00→17.25→18.40フランと3年連続増配 |
| 自動車部品の樹脂技術に投資したい人 | 高性能ポリアミド樹脂で自動車部品向けに存在感 |
| 1株からでも手数料負担を抑えたい人 | 1株の手数料負担率は約0.71%と軽い |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 表面利回りをそのまま期待したい人 | 利回り2.37%には報道によると特別配当が含まれ、毎年出るとは限らない |
| 売上の減少を避けたい人 | 直近の売上高は前年比−5.8% |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
よくある質問
EMSケミー株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がSIXスイス証券取引所のみのためです。米国預託証券(EMSHF)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約154,100円から購入できます。1株からでも手数料負担率は約0.71%と軽いため、まとまった株数を用意しなくても購入しやすい水準です。推奨ロットの目安は2株(約308,300円)です。
配当にかかる税金はどうなりますか?
スイスの現地源泉税は35%です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%分は、スイス税務当局ESTVへ直接請求する必要があります。これに加えて日本側でさらに20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約1.23%です。なお、表面利回り2.37%(1株配当18.40フラン)には、報道によると特別配当3.75フランが含まれるとされ、毎年出るとは限りません。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
ADR(EMSHF)とEMSケミー株(EMSN)の違いは何ですか?
EMSHFは米国のOTC市場でのみ取引される預託証券で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。本記事で扱うEMSNはSIXスイス証券取引所に上場する原株で、日本からはサクソバンク証券などでこちらを直接購入することになります。
まとめ
- メリット:1株配当は16.00→17.25→18.40フランと3年連続増配/自動車部品の樹脂技術で存在感/予想PERは36.13倍で実績38.93倍を下回り市場は増益を織り込む
- デメリット:売上高は前年比−5.8%/利回り2.37%には報道によると特別配当が含まれ毎年出るとは限らない/スイスの源泉税35%は利回りの低さに対して重く、株価は1年+24.34%で52週高値圏・PERは約38.93倍
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約154,100円から。1株からでも手数料負担率は約0.71%と軽く、推奨ロットは2株
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月23日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はEMSケミー社の公表資料および報道に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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