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この記事の結論
- チューリッヒ空港は航空収入と空港内の商業施設・駐車場・不動産の両方で稼ぐスイスの空港運営会社です
- 魅力の核心:2025年12月期の旅客数は3,260万人で過去最高
- 最大のリスク:予想PERは21.9倍で実績20.2倍を上回る(インド新空港の立ち上げコストが2026年の純利益を押し下げる見込み)
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約45,200円から(推奨ロット3株が目安/1株からでも手数料負担率は約2.42%と軽い)
旅客数3,260万人で過去最高。スイスのチューリッヒ空港を運営するチューリッヒ空港は、着陸料などの航空収入だけでなく、空港内の商業施設・駐車場・不動産からも収益を得ています。会社発表によると、売上の内訳は航空系が約52%、非航空系が約48%と、ほぼ半々の構造になっています。
一方で、株価は1年で-7.93%下落し、予想PERは実績20.2倍に対し21.9倍と、市場は先行きの利益をやや慎重に見ています。空港運営という同じ立ち位置の銘柄としては、フラポート(フランクフルト空港・独)やアエナ(空港・西)が比較対象としてよく挙げられます。
航空収入と非航空収入の2本柱を持つチューリッヒ空港の「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
チューリッヒ空港株の基本データ(2026年8月23日時点)
| 株価 | 227.60スイスフラン(1株 約45,200円) |
| 52週レンジ | 212.80〜266.60フラン |
| 時価総額 | 約70億フラン |
| PER | 約20.2倍(予想 約21.9倍) |
| 配当利回り | 約3.73%(1株配当 8.5スイスフラン) |
| 上場市場 | SIXスイス証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | -7.93% |
チューリッヒ空港株を買うメリット
旅客数3,260万人で過去最高、売上高は前年比+4%の13億6,000万フラン
会社発表によると、2025年12月期の旅客数は3,260万人で過去最高を記録しました。売上高は前年比+4%の13億6,000万フラン、EBITDAは同+4%の7億6,200万フラン(利益率56%)、純利益は同+6%の3億4,600万フランでした。
投資家にとっては、旅客数という空港ビジネスの土台部分が過去最高を更新したことは、業績の裏付けとして分かりやすい材料です。
売上は航空系52%・非航空系48%の2本立て、商業施設や不動産でも稼ぐ
会社発表によると、売上の内訳は航空系が7億900万フラン(約52%)、非航空系が6億5,200万フラン(約48%)です。非航空系の内訳は商業施設・駐車場が2億7,700万フラン、不動産が1億9,800万フラン、サービスが5,200万フランとなっています。
投資家にとっては、飛行機の発着数だけに収益が依存しているわけではなく、空港という立地を生かした商業・不動産事業がほぼ半分を稼いでいる、という収益構造の分散が確認できるということです。
敷地内複合施設「ザ・サークル」は49社入居・5,000人超・稼働率90%
会社発表によると、空港敷地内の複合施設「ザ・サークル」には49社が入居し、5,000人超が働き、稼働率は90%とされています。
投資家にとっては、空港の敷地そのものをオフィス・商業・カンファレンス機能を持つ街として開発し、非航空収入の柱に育てていることを示す具体例です。
1株配当8.50フラン、前年の5.70フランから増配
1株配当は8.50フランで、報道によると前年の5.70フランから増配したとされています。配当性向は38.10%です。
投資家にとっては、旅客数の回復・増加を背景に配当も増額されている、という株主還元の実績が確認できるということです。
チューリッヒ空港株を買うデメリット・リスク
インドのノイダ空港の立ち上げコストが2026年の純利益を押し下げる見込み
会社発表によると、インドのノイダ空港の開業と初期の運営投資が、2026年の純利益を押し下げる要因になるとされています。
投資家にとっては、海外展開に伴う先行投資が、短期的には利益の重しになるということです。金額は当サイトで確認できていないため、本文では触れません。
予想PERは21.9倍で実績20.2倍を上回る、市場は減益を織り込む
実績PERは約20.2倍である一方、予想PERは約21.9倍です。
投資家にとっては、予想PERが実績PERを上回っているということは、市場が今後の利益をこれまでより低く見積もっていることを意味します。上のインド新空港の立ち上げコストと整合する数字だということです。
株価は1年で-7.93%、旅客数に収益が左右される構造
株価は1年で-7.93%下落しました。空港の収益は旅客数に連動する構造のため、感染症・戦争・景気後退など、旅行需要が落ちる事態に弱いという特性を持っています。
投資家にとっては、業績が好調な局面が続いていても、旅客数を左右する外部要因が起きれば収益が急変し得る、という構造的なリスクを前提に持っておく必要があるということです。
チューリッヒ空港はどんな会社か
チューリッヒ空港は、スイスのチューリッヒ空港を所有・運営する会社です。着陸料などの航空収入に加え、空港内の商業施設・駐車場・不動産からも収益を得ています。
会社発表によると、2025年12月期の売上高は13億6,000万フラン(前年比+4%)、EBITDAは7億6,200万フラン(同+4%、利益率56%)、純利益は3億4,600万フラン(同+6%)でした。旅客数は3,260万人(同+4.2%)で過去最高を記録しています(出典:チューリッヒ空港公式 https://newsroom.flughafen-zuerich.ch/en/zurich-airport-ltd-financial-year-2025/)。
会社の年次報告によると、売上の内訳は航空系が7億900万フラン(約52%)、非航空系が6億5,200万フラン(約48%)です(出典:チューリッヒ空港 年次報告 https://report.flughafen-zuerich.ch/2025/hyr/en/finanzielleentwicklung)。
会社発表によると、空港敷地内の複合施設「ザ・サークル」には49社が入居し、5,000人超が働き、稼働率は90%とされています。また、報道によると、チューリッヒ空港はブラジルで4空港を保有するほか、インドのデリー近郊で新設のノイダ国際空港の運営権(コンセッション)を持ち、合計で5か国9空港に関わっているとされています。個別の空港ごとの収益や旅客数は当サイトで確認できていません。
同じ空港運営の会社としては、フラポート(フランクフルト空港・独)やアエナ(空港・西)がしばしば比較対象になります。
配当と税金
チューリッヒ空港の1株配当は8.50フラン、表面利回りは約3.73%です。
スイスの現地源泉税は35%で、欧州でも最重量級です。日瑞租税条約の限度税率は10%とされており、これを超える25%分はスイス税務当局(ESTV)へ直接請求する必要があります。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合、現地源泉税35%で計算した税引き後の実質利回りの目安は約1.93%です(計算式:3.73% ×(1−0.35)× 0.79685)。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月23日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
チューリッヒ空港株の日本からの買い方
チューリッヒ空港の上場市場はSIXスイス証券取引所のみで、ティッカーは「FHZN」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:FLGZY/UZAPF)も存在しますが、これらはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | チューリッヒ空港株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- スイスフランに両替する
- ティッカー「FHZN」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約45,200円 | 1,092円 | 約2.42% |
| 3株 | 約135,500円 | 1,092円 | 約0.81% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5スイスフラン(約1,092円)です。1株からでも手数料負担率は約2.42%と軽く、推奨ロットの3株(約135,500円)でまとめると負担率は約0.81%まで下がります。
チューリッヒ空港株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 空港という実物資産に投資したい人 | 航空収入と商業・不動産収入の2本立てで稼ぐ構造 |
| 配当を重視したい人 | 配当利回り約3.73%、前年から増配 |
| 3株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.81%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 短期の値動きを避けたい人 | 株価は1年で-7.93%、旅客数に収益が左右される構造 |
| インド新空港のコスト負担を懸念する人 | 2026年の純利益を押し下げる要因になる見込み |
よくある質問
チューリッヒ空港株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がSIXスイス証券取引所のみのためです。米国預託証券(FLGZY/UZAPF)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約45,200円から購入できます。手数料負担率は1株でも約2.42%と軽いですが、推奨ロットの3株(約135,500円)でまとめると負担率は約0.81%まで下がります。
配当にかかる税金はどうなりますか?
スイスの現地源泉税は35%です。日瑞租税条約の限度税率は10%とされており、これを超える25%分はスイス税務当局(ESTV)へ直接請求する必要があります。これに加えて日本側でさらに20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約1.93%です。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
ADR(FLGZY/UZAPF)とチューリッヒ空港株(FHZN)の違いは何ですか?
FLGZY・UZAPFは米国のOTC市場でのみ取引される預託証券で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。本記事で扱うFHZNはSIXスイス証券取引所に上場する原株で、日本からはサクソバンク証券などでこちらを直接購入することになります。
まとめ
- メリット:旅客数3,260万人で過去最高/売上は航空系52%・非航空系48%の2本立て/1株配当8.50フランで前年から増配
- デメリット:インドのノイダ空港の立ち上げコストが2026年の純利益を押し下げる見込み/予想PER21.9倍が実績20.2倍を上回る/旅客数に収益が左右される構造(株価は1年で-7.93%)
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約45,200円から。3株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.81%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月23日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はチューリッヒ空港社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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