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実績PERと予想PERを全部比べた|254社中220社が増益見込み【2026年】

実績PERと予想PERを全部比べた|254社中220社が増益見込み【2026年】

※この記事の数字は、2026年9月に集計の誤りを直したうえで取り直したものです。経緯は末尾の「この記事の検証方法」に書いています。

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 2026年9月2日、当サイトが記事化している欧州株について実績PERと予想PER(アナリスト予想にもとづくforward PE)を同じ日に一斉に取得しました。両方が取得できた254社のうち220社は、予想PERが実績PERより低い——つまり来期の増益が見込まれています
  • 差の中央値は22.4%(実績PERより予想PERが22.4%低い)です
  • フォノビア(住宅賃貸)は実績PER4.4倍ですが、予想PERは10.2倍。倍以上に跳ね上がります。クレピエール(商業用不動産)も7.9倍→13.1倍と同じ動きです。低PERの正体が「見かけ」だったと、予想PERを並べると分かります
  • 逆にバーバリー(ラグジュアリー)は182.6倍→27.9倍、ザルツギッター(鉄鋼)は53.0倍→10.1倍。実績PERが高いからといって外すと、市場の見方とずれます
  • 予想PERはアナリストの予想にもとづく数字であって、確定した事実ではありません。この記事は「市場がいまどう見ているか」の記録であり、将来を保証するものではありません

当サイトでは以前、欧州株のPERを同じ日に全部調べた記事で、実績PERの分布を書きました。ただ、実績PERは過去12か月の利益をもとにした数字です。株価が織り込んでいるのは、むしろこれからの利益だとよく言われます。それを見るための数字が、予想PER(forward PE)です。

予想PERは、アナリストが見積もった来期の利益をもとに計算されたPERです。予想PERが実績PERより低ければ、市場は来期の増益を見込んでいるということになります。逆に予想PERが実績PERより高ければ、減益を見込んでいるということです。

そこで今回、当サイトが記事化している欧州株について、2026年9月2日に実績PERと予想PERを同じ日で一斉に取得しました。両方が取得できたのは254社です。この254社を並べてみると、割安×高配当のスクリーニング記事で触れた「低PERの罠」の中身が、数字で見えてきました。

目次

全体像:254社中220社が「来期は増益」と見られている

まず全体の内訳です。実績PERと予想PERの両方が取得できた254社を、予想PERが実績PERより低いか高いかで分けると、次のようになりました。

社数
予想PER < 実績PER(増益が見込まれている)220社
予想PER > 実績PER(減益が見込まれている)34社
2026年9月2日、当サイトが機械的に取得。254社

254社のうち220社、割合にして9割近くは、予想PERのほうが実績PERより低く出ています。差の中央値は22.4%(実績PERより予想PERが22.4%低い)でした。市場全体としては、当サイトが取り上げてきた欧州株について、来期の増益を見込んでいる会社のほうが多い、というのがこの内訳から読み取れることだと思います。

予想PERが大きく下がる会社――増益の見込みが大きい上位10社

実績PERから予想PERへの下がり幅が大きい順に10社を並べました。

順位会社(国・業種)実績PER→予想PER
1バーバリー(英・ラグジュアリー)182.6倍→27.9倍+554%
2ザルツギッター(独・鉄鋼)53.0倍→10.1倍+424%
3ツァランド(独・ファッションEC)65.6倍→14.3倍+360%
4ダイムラートラック(独・商用車)32.0倍→8.3倍+285%
5アビバ(英・保険)40.4倍→11.2倍+260%
6アルストム(仏・鉄道車両・信号)26.4倍→9.5倍+177%
7インフィニオン(独・半導体)61.1倍→22.4倍+173%
8マークス・アンド・スペンサー(英・小売)31.3倍→11.7倍+167%
9フォルクスワーゲン(独・自動車)7.3倍→2.9倍+149%
10シムライズ(独・香料・美容成分)52.5倍→22.2倍+136%
2026年9月2日、当サイトが機械的に取得。下がり幅が大きい順

ラグジュアリーのバーバリー、鉄鋼のザルツギッター、商用車のダイムラートラックなど、業績が振れやすい業種が目立ちます。実績PERだけを見ればバーバリーは182.6倍、ザルツギッターは53.0倍とかなり高く見えますが、予想PERではどちらも10倍台まで下がっています。実績だけを見て「割高だから外す」と判断すると、市場がいま何を織り込んでいるかとはずれてしまう、ということだと思います。なぜアナリストがこの水準の増益を見込んでいるのか、個々の理由まで当サイトでは確認していません。あくまで数字として、そう見込まれているという事実だけをお伝えします。

※スウォッチ(実績PER1,054倍・予想PER30.9倍)は他社と桁が違い、比較の意味を持たないためこの表から外しています。

予想PERが上がる会社――減益の見込みが大きい上位10社

逆に、予想PERが実績PERより上がる、つまり来期の減益が見込まれている会社の上位10社です。

順位会社(国・業種)実績PER→予想PER
1フォノビア(独・住宅賃貸)4.4倍→10.2倍−57%
2イージージェット(英・格安航空)12.4倍→21.6倍−42%
3クレピエール(仏・商業用不動産)7.9倍→13.1倍−40%
4バヴァリアン・ノルディック(丁・ワクチン)11.4倍→18.9倍−40%
5BMW(独・自動車)5.8倍→8.4倍−31%
6RWE(独・電力)12.8倍→18.5倍−31%
7テイラー・ウィンピー(英・住宅建設)11.8倍→15.4倍−23%
8レキットベンキーザー(英・家庭用品)11.7倍→15.0倍−22%
9ロビ(西・医薬品・受託製造)16.5倍→20.5倍−19%
10ブルクハルト・コンプレッション(瑞・往復動圧縮機)15.5倍→19.0倍−19%
2026年9月2日、当サイトが機械的に取得。上がり幅が大きい順

この10社のうち、フォノビア・クレピエール・テイラー・ウィンピーの3社が、不動産か住宅建設です。BMWも入っており、どちらも業績が振れやすい業種だと思います。それ以外は航空・電力・ワクチン・家庭用品など、業種はばらばらです。ここでも、なぜ減益が見込まれているのかという個々の理由の推測は避け、数字だけをお伝えします。

フォノビアとクレピエールの実績PERは、予想PERと並べると見え方が変わる

当サイトでは以前、割安×高配当のスクリーニング記事で「フォノビアのPERは不動産の評価益による見かけの低PERではないか」と書きました。今回の実測が、その根拠になっています。

フォノビアは実績PER4.4倍ですが、予想PERは10.2倍です。倍以上に跳ね上がります。実績PERの計算に使う利益には、保有物件の評価益が混ざることがあり、来期の実力ベースの利益で見ると、市場は4.4倍という数字よりずっと高い水準で評価している、ということです。同じことがクレピエール(7.9倍→13.1倍)でも起きています。不動産の低PERは、この2社を見るかぎり「見かけ」であることが多い、というのがここまでの実測から言えることだと思います。

BMWも実績PER5.8倍から予想PER8.4倍に上がっています。以前自動車株の記事で「自動車の低PERは業績の振れを映している」と書きましたが、今回の実測でもその見方とつながる動きだと思います。

逆のパターンもあります。バーバリー(182.6倍→27.9倍)やザルツギッター(53.0倍→10.1倍)のように、実績PERが高くても予想PERが低い会社です。実績だけを見て「高いから外す」と判断すると、市場の見方とずれてしまいます。実績PERと予想PERは、片方だけでは足りない、2つで1組の数字なのだと思います。

ここで繰り返しておきたいのですが、予想PERはアナリストの予想にもとづく数字であって、確定した事実ではありません。予想は外れることがあります。今回の実測は「2026年9月2日時点で市場がどう見ているか」の記録であり、フォノビアやバーバリーの来期の利益が実際にその通りになると保証するものではありません。

まとめ:PERは1つではなく2つある

  • 2026年9月2日の実測で、実績PERと予想PERの両方が取れた254社中220社は来期の増益が見込まれている。差の中央値は22.4%
  • フォノビア(4.4倍→10.2倍)・クレピエール(7.9倍→13.1倍)・BMW(5.8倍→8.4倍)のように、実績PERの低い理由が業界特有の会計要因や業績の振れにある会社は、予想PERと並べると「見かけ」だったと分かる
  • バーバリー(182.6倍→27.9倍)・ザルツギッター(53.0倍→10.1倍)のように、実績PERが高くても予想PERが低い会社がある。実績だけで外すと市場の見方とずれる
  • 予想PERはアナリストの予想であり、確定した事実ではない。当たる・外れるは1年後にしか分からない

PERは1つの数字ではなく、実績と予想の2つがあります。両方を並べるだけで、その会社が「安い」のか「安く見えているだけ」なのかが分かりやすくなると思います。今回の実測が、その見方の一つの土台になれば嬉しいです。

この記事の検証方法

  • 実績PER・予想PER(forward PE)は、2026年9月2日に株価データサイトから機械的に取得しました。取り直しの対象は266銘柄です
  • この記事は公開後に見直したものです。最初に取得した集計には、当サイトが初期に取り上げた銘柄が含まれていませんでした。その分を含めて266銘柄で取り直したのが、この記事の数字です
  • 実績PERは過去12か月の利益、予想PERはアナリスト予想の利益をもとに計算されたものです。予想PERが実績PERより低ければ来期の増益、高ければ来期の減益が見込まれていることを意味します
  • 両方が取得できたのは254社です。どちらか一方でも取得できない銘柄は集計から除外しています
  • 【最重要】予想PERはアナリストの予想にもとづく数字であって、確定した事実ではありません。予想は外れることがあります。この記事は「2026年9月2日時点で市場がどう見ているか」を示すものであり、将来の株価や業績を保証するものではありません
  • この記事の数値は当サイトが取り上げた銘柄に限った集計であり、欧州市場全体を代表するものではありません
  • 個別銘柄について、増益・減益が見込まれる理由の推測は行っていません。取得した数値のみをお伝えしています
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の実績PER・予想PERは2026年9月2日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動や業績予想の修正により変更される場合があります。予想PERはアナリストの予想にもとづく数字であり、確定した事実ではありません。特定の銘柄が割安・割高であることを示すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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