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PER15倍以下×利回り3%以上の欧州株|54社が残り、独が3位に【2026年】

PER15倍以下×利回り3%以上の欧州株|54社が残り、独が3位に【2026年】

※この記事の数字は、2026年9月に集計の誤りを直したうえで取り直したものです。経緯は末尾の「この記事の検証方法」に書いています。

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 2026年9月2日、実績PER15倍以下×配当利回り3%以上×配当性向80%以下の3条件で絞り込むと54社が残りました
  • イタリア13社・フランス11社・ドイツ11社が上位で、南欧3か国(伊・仏・西)で32社、54社の59%を占めます
  • 業種は金融19社・公益エネルギー7社を合わせて26社、48%です
  • 利回り上位には特別配当・不動産の評価益・業績の振れという3種類の落とし穴が混ざっています。これは推奨リストではありません

以前、欧州株のPERを同じ日に全部調べた記事高配当だけで組むことの是非を考えた記事で、それぞれ単独でPERと配当利回りの分布を見てきました。今回は一歩進めて、「割安」と「高配当」を同時に満たす銘柄を実際に絞り込むと、どんな顔ぶれが残るのかを見てみます。2026年9月2日、当サイトが記事化している欧州株の実績PER・配当利回り・配当性向を同じ日に一斉に取得し、次の3つの条件で絞りました。

  • ①実績PERが15倍以下(今回実測した266銘柄のうち359件の実測で中央値は18.18倍でした)
  • ②配当利回りが3%以上(249件の実測で中央値は2.75%でした)
  • ③配当性向が80%以下(利益を超えて配当していないこと)

③の配当性向について補足します。当サイトは、配当性向が100%を超えている銘柄については記事化そのものを見送る基準を持っています。今回の80%以下という条件は、それよりもう一段厳しい水準です。

結果、54社が残りました。先に断っておきたいのですが、この記事は「この54社を買えばよい」という推奨リストではありません。3つの数字の条件を機械的に通過しただけで、各社の事業内容、財務の中身、業界の見通しは一切見ていません。以下で見ていくとおり、条件を通過した銘柄の中には、数字だけでは見えない事情を抱えたものが少なくありません。

目次

3条件を通過した54社——国別ではイタリアが最多、ドイツが3位に

まず、54社を国別に分けるとこうなりました。

社数
イタリア13社
フランス11社
ドイツ11社
スペイン8社
イギリス5社
スイス4社
デンマーク2社
2026年9月2日、当サイトが機械的に取得。3条件を通過した54社の内訳

南欧3か国(イタリア・フランス・スペイン)だけで32社、54社の59%を占めます。ただし公開当初の集計で「7割」としていたのは誤りで、正しくはドイツが11社入り、フランスと並ぶ3位になります。ドイツ勢の多くはBMW・メルセデス・ベンツ・フォルクスワーゲンといった自動車株で、これらが当初の集計から抜けていたことが「南欧7割」というずれた結論につながっていました。南欧に偏る傾向自体は残りますが、45社の記事で書いた比率はそのまま使えません。

業種にも偏りがある——金融と公益で48%

国だけでなく、業種で見ても偏りは明らかです。

業種社数
金融(銀行・保険・資産運用)19社
公益・エネルギー7社
その他28社
2026年9月2日、当サイトが機械的に取得。業種分類は当サイトの整理によるもので、公式分類(GICS等)ではありません

金融(銀行・保険・資産運用)と公益・エネルギーを合わせると26社、54社の48%を占めます。当サイトはこれまで銀行株や公益株を取り上げた記事の中で、「割安×高配当を探すと、必ずこの2業種に行き着く」と書いてきましたが、今回取り直した実測でもこの傾向自体は変わりませんでした。

利回りが高い順に見ると——上位12社

54社を全部並べても読みにくいので、利回りが高い順に上位12社だけを表にしました。

順位会社業種利回りPER配当性向
1ダネルム家庭用品小売8.01%11.32倍60%
2ルノー自動車7.69%8.31倍66%
3メルセデス・ベンツ自動車7.50%8.82倍66%
4BMW自動車7.29%5.81倍42%
5フォルクスワーゲン自動車7.03%7.32倍50%
6フォノビア住宅賃貸(不動産)6.67%4.39倍27%
7インペリアル・ブランズたばこ6.52%11.74倍74%
8スカンジナビアン・トバコ・グループたばこ(葉巻)6.14%9.05倍56%
9ナトゥルジー西ガス・電力5.98%13.00倍48%
10バンコBPM銀行5.97%12.60倍79%
11プロセグール西警備・現金輸送5.82%12.49倍77%
12インテーザ・サンパオロ銀行5.65%11.99倍68%
2026年9月2日、当サイトが機械的に取得。54社中、利回りが高い順の上位12社

一見、利回りが高いほど魅力的に見えます。ただ、この並びをそのまま受け取ると見誤ると思います。理由を次で説明します。

この表には3つの落とし穴がある

1位ダネルムの8.01%は、特別配当を含んだ数字です。当サイトの実測では、直近1年の配当0.700ポンドのうち0.250ポンドが特別配当で、通常配当だけで計算すると利回りは約5.04%になります。スクリーニングの数字は、この特別配当分を区別してくれません。

6位フォノビアのPER4.39倍は、不動産の評価益による見かけの低PERです。不動産会社の利益には保有物件の評価益が混ざることがあり、他の業種と同じ意味でPERを比べることはできません。実際、フォノビアの予想PERを実績PERと比べた記事の実測では10.2倍まで跳ね上がり、実績PERの倍以上になります。この点は欧州の不動産株の記事でも詳しく書いています。

上位12社のうち3社(メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン)が自動車株であることにも注意が要ると思います。当サイトが業種別にPERを取り直した実測では、自動車のPER中央値は8業種の中で最も低い水準でした。ただしそれは割安の証拠というより、業績の振れが大きく、利益が良い年に市場から低く評価されやすい業種だからだと考えています。利益のピークで低PERに見えているだけの可能性があります。

機械的なスクリーニングは、こうした3種類の罠を必ず拾ってしまうものだと思います。だからこそ、条件を通過したあとに、1社ずつ中身を確かめる作業が要ります。その確かめ方については、当サイトが記事にしない欧州株の条件をまとめた記事で書いています。

まとめ:スクリーニングは候補を減らす道具

  • 2026年9月2日の実測で、PER15倍以下×利回り3%以上×配当性向80%以下の3条件を通過したのは54社
  • 国別ではイタリア・フランス・ドイツが上位で、南欧3か国は59%、業種では金融・公益で48%
  • 利回り上位には特別配当・不動産の評価益・業績の振れという落とし穴が混ざっている
  • この記事は推奨リストではなく、条件を通った顔ぶれとその偏りを示したもの

スクリーニングは候補を減らすための道具であって、選ぶための道具ではないと思います。3つの数字を通っただけの54社から、実際にどれかを選ぶとすれば、そこから先は1社ずつ事業内容や決算を確かめる作業になります。今回取り直した実測が、その最初の絞り込みの一つの目安になれば嬉しいです。

この記事の検証方法

  • 2026年9月2日、当サイトが記事化している欧州株の実績PER・配当利回り・配当性向を同じ日に一斉に取得しました。今回実測した266銘柄が対象です
  • この取り直しは、公開版の集計にあった2つの不具合を修正したうえで行いました。実測スクリプトが波の仕組み以前に書いた初期記事の銘柄を対象外にしており、BMW・メルセデス・ベンツ・フォルクスワーゲン・アリアンツ・インテーザ・サンパオロなどが集計から漏れていたこと、数値の取り込みでカンマ区切りの桁が正しく読めていなかったことの2点です
  • 絞り込みの条件は①実績PERが15倍以下 ②配当利回りが3%以上 ③配当性向が80%以下の3つです
  • この3条件をすべて満たしたのは54社でした
  • この記事は「買うべき銘柄」を推奨するものではありません。3つの数値条件を機械的に通過した銘柄を示しただけで、各社の事業内容・財務の中身・業界の見通しは検証していません
  • 国別・業種別の内訳は、条件を通過した54社を当サイトの分類で集計したものです。業種分類は当サイトの整理によるもので、GICSなどの公式な業種分類ではありません
  • 表中の利回り・PER・配当性向は、いずれも2026年9月2日時点の数値です。ダネルムの利回りには特別配当が含まれており、通常配当だけで計算すると数値は変わります
  • この記事の数値は当サイトが取り上げた銘柄に限った集計であり、欧州市場全体を代表するものではありません
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載のPER・配当利回り・配当性向は2026年9月2日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。本記事に登場する銘柄は3つの数値条件を機械的に通過したものであり、購入を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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