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この記事の結論
- ゲベリットは、日本のシャワートイレメーカーと世界で競合するスイスの配管最大手です
- 魅力の核心はEBITDA利益率30.9%——見えない配管でも高い価格決定力を持っています
- 最大のリスクはスイスの配当源泉税35%。表面利回り2.23%が実質約1.15%まで下がります
- 買うなら、SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約115,100円から(推奨ロット2株が目安/1株でも負担率約0.95%と軽い)
トイレや洗面台の裏側、壁の中に隠れている配管——そこで営業利益率30%超を稼いでいる会社があります。給排水の配管システムとシャワートイレ「アクアクリーン」を手がけるゲベリット(Geberit/ティッカー:GEBN)は、欧州の建物ではほぼ標準規格となっている一方、日本ではほとんど知られていません。
2026年上半期はEBITDA利益率30.9%、直近12ヶ月の純利益は前年比+6.4%。目に見えない配管という分野で、なぜこれほどの利益率が出せるのか。この記事では株価・配当・業績の数字から、ゲベリットという銘柄の魅力とリスクの両方を整理したうえで、日本から買う方法まで解説します。
ゲベリット株の基本データ(2026年8月21日時点)
| 株価 | 579.60スイスフラン(1株 約115,100円) |
| 52週レンジ | 490.40 〜 659.80スイスフラン |
| 時価総額 | 約185億スイスフラン |
| PER | 約30.3倍(予想 約28.4倍) |
| 配当利回り | 約2.23%(1株配当 12.9スイスフラン) |
| 上場市場 | SIXスイス証券取引所 |
| 過去1年の騰落率 | −5.5% |
ゲベリット株を買うメリット
EBITDA利益率30.9%——壁の裏の配管でも稼ぐ価格決定力
2026年上半期のEBITDA利益率は30.9%でした。売上高17億1,100万スイスフラン(現地通貨ベース+5.9%)に対し、EBITDAは5億2,900万スイスフラン(+3.0%)です。
一般的な建材・設備メーカーと比べて大幅に高い水準です。目に見えない配管という、他社との差別化がしにくいはずの分野で、ゲベリットは規格・品質面での高いシェアを背景に価格決定力を維持していることがうかがえます。
純利益6億2,290万スイスフラン、前年比+6.4%の増益
直近12ヶ月の純利益は6億2,290万スイスフラン(前年比+6.4%)。配当性向は68%です。
増収に加えて増益が伴っている点は、単なる規模拡大ではなく収益性を維持したまま成長していることを示しています。配当性向68%は利益の3分の2程度を配当に回している水準で、極端な無理をした配当ではありません。
現地通貨ベースで+5.9%の増収——欧州建築インフラとしての底堅い需要
2026年上半期の売上高は現地通貨ベースで+5.9%の増収でした。ゲベリットの配管システムは欧州の建物においてほぼ標準規格となっており、新築だけでなく改修工事でも需要が発生します。
「壁の中の配管」は景気に左右される内装・意匠系の建材とは異なり、建物が存在する限り一定の更新需要が発生し続ける性質を持ちます。この現地通貨ベースの伸びは、そうした底堅い需要を反映した数字と言えます。
52週安値490.40スイスフランから、直近は+18%程度の水準
52週レンジは490.40〜659.80スイスフラン。直近の株価579.60スイスフランは、52週安値からは+18%程度の水準にあります(52週高値からは−12%)。
ただし過去1年間の騰落率で見ると−5.5%とマイナスです。安値圏からは戻しているものの、1年単位ではまだ下落分を取り戻せていない、という両面の事実として押さえておいてください。
ゲベリット株を買うデメリット・リスク
PER約30.3倍(予想28.4倍)——割安感のないバリュエーション
現在のPERは約30.3倍(予想約28.4倍)です。増収増益が続いているとはいえ、割安と言える水準ではありません。
高いEBITDA利益率や底堅い需要はすでにある程度株価に織り込まれている可能性があり、「業績が良いから割安」という単純な構図では判断できない銘柄です。
スイスの配当源泉税35%——表面利回り2.23%が実質約1.15%に
表面上の配当利回りは2.23%ですが、スイスは配当に対して35%を源泉徴収します。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%分は、スイス税務当局(ESTV)へ直接還付請求しないと戻ってきません。
何も手続きをしない場合、日本側の課税(20.315%)まで含めると実質利回りは約1.15%まで下がります。詳しい計算は後述の「配当と税金」で解説します。
スイスフラン高が業績の逆風に——現地+5.9%増収がCHF建てでは+2.8%に圧縮
2026年上半期、現地通貨ベースの伸び(+5.9%)に対し、決算通貨であるスイスフラン建ての伸びは+2.8%にとどまりました。差の大部分はフラン高による目減りです。
スイスフランは有事に買われる「安全通貨」とされ、フラン高局面ではゲベリットのようなスイスフラン建て決算企業の業績が圧縮されます。株価と為替、2つの変動を同時に抱えることになります。
NISA不可——サクソバンク証券の利益には20.315%課税
ゲベリット株を買えるサクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引になり、値上がり益・配当ともに約20.315%が課税されます。
NISAの非課税枠で保有したい場合は、成長投資枠で欧州株を扱えるIB証券という選択肢もありますが、取扱銘柄や手続きはサクソバンク証券とは異なります。
ゲベリットはどんな会社か
ゲベリットは、建物の壁の裏側に配置される給排水の配管システムと、温水洗浄便座にあたるシャワートイレ「アクアクリーン」を手がける、欧州最大手の衛生設備・配管メーカーです。目に見えない部分の設備ながら、欧州の建物における配管システムで高いシェアを持っています。「アクアクリーン」ブランドでは、日本メーカーが強いシャワートイレの分野で、欧州における存在感を持っています(ただし同社の事業の中心はあくまで壁の裏の配管システムで、シャワートイレはその一部という位置づけです)。
2026年上半期の決算
| 指標 | 2026年上半期 |
|---|---|
| 売上高 | 17億1,100万スイスフラン(現地通貨ベース+5.9%、スイスフラン建て+2.8%) |
| EBITDA | 5億2,900万スイスフラン(+3.0%) |
| EBITDA利益率 | 30.9% |
直近12ヶ月の純利益は6億2,290万スイスフラン(+6.4%)、配当性向は68%です。(出典:ゲベリット公式IR資料)
配当と税金
ゲベリットの1株当たり配当金は12.9スイスフランで、表面上の配当利回りは約2.23%です。ただし日本の投資家にとって重要なのは、ここから引かれる税金です。
スイスは配当に対して35%を源泉徴収します。これは欧州でも最も重い部類です。日本とスイスの租税条約が定める限度税率は10%なので、差額の25%は本来払う必要のない税金ですが、スイス税務当局(ESTV)へ直接還付請求しないと戻ってきません。日本の外国税額控除で取り戻せるのは条約限度の10%分までです。
配当を100として、還付請求などの手続きをしない場合の概算です。
- 配当 100
- スイスで35%源泉徴収 → 65
- 日本でさらに20.315%課税(現地源泉後の金額に対して) → 約51.8
表面利回り2.23%が、実質では約1.15%まで下がります。他国の欧州株との比較は欧州株の配当税を国別に比較した記事で詳しく解説しています。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月21日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
ゲベリット株の日本からの買い方
ゲベリットが上場しているのはSIXスイス証券取引所のみで、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。米国預託証券(ADR)として「GBERY」がありますが、取引所ではなくOTC(店頭市場)での取引です。楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しており、ADR経由でも買えません。
| 証券会社 | ゲベリット株の取り扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 買えない |
| 楽天証券 | × 買えない(OTCのADRも新規買付不可) |
| マネックス証券 | × 買えない |
| サクソバンク証券 | ◎ 現物で買える |
詳しい仕組みはなぜSBI・楽天では欧州株が買えないのかで解説しています。
買うまでの流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設完了を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- スイスフランに両替する
- ティッカー「GEBN」で検索し、株数を指定して発注
サクソバンク証券のスイス株の手数料は0.132%、最低5.5スイスフラン(約1,092円)です。約定金額が小さくても最低額がかかるため、少額購入は不利になります。
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約115,100円 | 1,092円 | 0.95% |
| 2株 | 約230,100円 | 1,092円 | 0.47% |
ゲベリットは1株の株価が高いため、1株からでも手数料負担率は約0.95%と軽く、無理にまとめ買いしなくても不利になりにくい銘柄です。それでも、負担率をさらに下げたい場合は2株単位を目安にしてください。
ゲベリット株はどんな人に向くか
| 向く人 | 向かない人 |
|---|---|
| 欧州の建材・インフラ関連に分散投資したい人 | NISAで非課税運用したい人 |
| 高い利益率で稼ぐ銘柄を探している人 | 為替変動(スイスフラン)を避けたい人 |
| 為替込みで長期保有できる人 | 短期の値動きだけを取りたい人 |
よくある質問
ゲベリット株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場はSIXスイス証券取引所のみで、米国預託証券(GBERY)もOTC(店頭市場)の銘柄のため、楽天証券など主要ネット証券では新規買付を受け付けていません。
最低いくらから買えますか?
サクソバンク証券なら1株 約115,100円から購入できます。手数料負担率を抑えたい場合は2株単位(約23万円)が目安です。
配当にかかる税金はどのくらいですか?
スイスの源泉税35%と日本の課税20.315%が二重にかかり、表面利回り2.23%は実質約1.15%まで下がります。条約限度税率(10%)を超える分は、スイス税務当局(ESTV)への還付請求が必要です。
NISAで持つことはできますか?
できません。サクソバンク証券はNISAに対応しておらず、特定口座または一般口座での取引になります。
米国ADR(GBERY)でも買えますか?
買えません。GBERYはニューヨーク証券取引所やナスダックではなく、OTC(店頭市場)で取引される銘柄です。楽天証券はOTC市場の銘柄について新規の買付けを受け付けておらず、他の大手ネット証券でも同様の扱いとなるケースがほとんどです。
まとめ
メリット
- EBITDA利益率30.9%——目に見えない配管でも高い価格決定力
- 直近12ヶ月の純利益は6億2,290万スイスフラン(+6.4%)の増益
- 現地通貨ベースで+5.9%の増収、欧州建築の標準インフラとしての底堅い需要
デメリット・リスク
- PER約30.3倍で割安感はない
- スイスの配当源泉税35%で実質利回りは約1.15%まで低下
- NISA不可。サクソバンク証券の利益には約20.315%が課税される
買うなら、SBI・楽天・マネックスでは買えないためサクソバンク証券で1株 約115,100円から。負担率を抑えたい場合は2株単位が目安です。
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月21日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はゲベリット社の公表資料に基づきます。税額の計算は概算であり、実際の課税関係は個々の状況により異なります。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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