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この記事の結論
- スイスコムはスイス政府が過半の株式を持つ、スイス最大の通信会社です
- 魅力の核心:配当利回り4.13%
- 最大のリスク:配当性向は100%前後とされ、利益の大半を配当に回す水準です
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約124,900円から(推奨ロット2株が目安/1株からでも手数料負担率は約0.87%と軽い)
スイスコムは、スイス政府が過半の株式を保有するスイス最大の通信会社です。配当利回りは4.13%という水準にありながら、配当性向は100%前後とされ、利益の大半を配当に回しています。同じ通信セクターのドイツテレコムやオレンジと並べて語られることが多い銘柄ですが、政府が過半を持つという点はこの2社にはない特徴です。
2026年上半期の業績を見ると、EBITDAaL(リース後EBITDA)は前年同期比+3.3%、純利益は+6.9%の増益でした。国内では成熟した通信市場を守りながら、イタリアでは合併したボーダフォン・イタリアとファストウェブの統合を進めています。配当の魅力と、それを支える収益構造を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
スイスコム株の基本データ(2026年8月22日時点)
| 株価 | 629.00スイスフラン(1株 約124,900円) |
| 52週レンジ | 545.00 〜 727.00スイスフラン |
| 時価総額 | 約326億スイスフラン |
| PER | 約24.8倍(予想 約21.3倍) |
| 配当利回り | 約4.13%(1株配当 26スイスフラン) |
| 上場市場 | SIXスイス証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | +6.16% |
配当利回り4.13%という水準|スイスコム株の魅力
配当利回り4.13%、1株配当26スイスフラン
2026年8月22日時点の株価629.00スイスフランに対し、1株配当は26スイスフラン、表面利回りは4.13%です。
投資家にとっては、通信インフラという安定した収益基盤を背景に、配当という形で株主還元を受け取れる水準にある、ということです。
2026年上半期はEBITDAaL+3.3%、純利益+6.9%の増益
会社発表によると、2026年上半期のEBITDAaL(リース後EBITDA)は25億5,700万スイスフランで前年同期比+3.3%、純利益は6億6,800万スイスフランで+6.9%の増益でした。営業フリーキャッシュフローも調整ベースで+21.6%の12億200万スイスフランです(出典:スイスコム公式IR)。
投資家にとっては、成熟した国内通信市場にあっても、収益とキャッシュフローの両方が着実に伸びていることを示す数字です。
イタリア統合のコスト削減、目標3億ユーロに対し上半期で1億6,600万ユーロ(55%)を実現
会社発表によると、イタリアで2026年1月1日に法的統合したボーダフォン・イタリアとファストウェブについて、3億ユーロのコスト削減目標に対し上半期で1億6,600万ユーロ(約55%)を実現しています。
投資家にとっては、大型統合案件が計画に対して具体的に進捗していることを確認できる材料です。
1株からでも手数料負担率は約0.87%と軽い
サクソバンク証券クラシックの手数料(約定金額の0.132%、最低5.5スイスフラン)で計算すると、1株(約124,900円)を買う場合の手数料負担率は約0.87%です。
投資家にとっては、株価が高めの欧州株にありがちな「1株買いだと手数料負けする」問題が、スイスコムでは比較的軽いということです。
配当性向100%前後という水準|先に知っておきたいリスク
配当性向は100%前後とされ、情報源によって90%〜106%の幅がある
スイスコムの配当性向は、情報源によって約90%〜106%と幅があり、100%前後とされています。
投資家にとっては、利益の大半、あるいはそれ以上を配当に回している水準だということです。業績が落ち込んだ場合、現在の配当水準を維持するのが難しくなる可能性があります。
イタリア買収は借入で調達、統合の成否が今後を左右する
イタリアでのボーダフォン・イタリアとファストウェブの統合は、借入で資金を賄っています。法的統合は2026年1月1日に完了し、コスト削減も計画どおり進んでいますが、統合作業自体はこれからも続きます。
投資家にとっては、統合がうまくいかない場合には借入負担だけが残るリスクがある、ということです。
スイスの配当源泉税は35%で欧州最重量級
スイスの配当源泉税は35%です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%分は還付対象ですが、スイス税務当局(ESTV)へ直接請求する必要があります。
投資家にとっては、配当利回り4.13%という数字がそのまま手取りになるわけではなく、税負担を差し引いた実質利回りで考える必要がある、ということです。
スイスコムはスイス政府が過半を持つ通信会社
スイスコムはスイス最大の通信会社で、スイス政府が過半の株式を保有しています。国内では固定・移動体通信、ブロードバンド、テレビサービスを提供し、イタリアでも通信事業を展開しています。
直近の決算では、2026年上半期のEBITDAaL(リース後EBITDA)は25億5,700万スイスフラン(前年同期比+3.3%)、純利益は6億6,800万スイスフラン(同+6.9%)、営業フリーキャッシュフローは調整ベースで12億200万スイスフラン(同+21.6%)でした(出典:スイスコム公式IR https://www.swisscom.ch/en/about/news/2026/08/06-report-q2-2026.html)。
イタリアでは、会社発表によると2026年1月1日にボーダフォン・イタリアとファストウェブを法的に統合し、3億ユーロのコスト削減目標に対して上半期で1億6,600万ユーロを実現しています。会社発表による2026年通期ガイダンスは、売上高147億〜149億スイスフラン、EBITDAaL 50億〜51億スイスフランで据え置かれています。
1株配当26スイスフランと、スイスの源泉税35%
スイスコムの1株配当は26スイスフラン、表面利回りは約4.13%です。
スイスの現地源泉税は35%で、欧州の中でも最も重い部類に入ります。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%分は、日本の外国税額控除の対象外です。この分の還付を受けるには、スイス税務当局(ESTV)へ直接請求する必要があります。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約2.14%です(計算式:4.13% ×(1−0.35)× 0.79685)。
チャートで今の株価水準を見る
本記事の株価は2026年8月22日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
日本から買う方法と、1株あたりの手数料
スイスコムの上場市場はSIXスイス証券取引所のみで、ティッカーは「SCMN」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:SCMWY)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | スイスコム株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- スイスフランに両替する
- ティッカー「SCMN」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約124,900円 | 1,092円 | 約0.87% |
| 2株 | 約249,700円 | 1,092円 | 約0.44% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5スイスフラン(約1,092円)です。1株からでも手数料負担率は約0.87%と軽く済みますが、2株単位のまとめ買いにすると負担率はさらに下がります。
スイスコム株が向く人・向かない人
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 安定した配当収入を重視する人 | 配当利回り4.13%で通信インフラという事業基盤 |
| 1株からでも手数料負けを避けたい人 | 1株買いでも手数料負担率は約0.87%と軽い |
| 2株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.44%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 配当の高い継続性を重視する人 | 配当性向は100%前後とされ、業績次第で維持が難しくなりうる |
| 配当税の負担を軽くしたい人 | スイスの配当源泉税は35%と欧州最重量級 |
スイスコム株のよくある質問
配当性向100%前後という水準は何を意味しますか?
スイスコムの配当性向は、情報源によって約90%〜106%と幅がありますが、100%前後とされています。利益の大半、あるいはそれ以上を配当に回している水準で、業績が落ち込んだ場合には現在の配当水準を維持するのが難しくなる可能性があります。
イタリア統合にはどんなリスクがありますか?
ボーダフォン・イタリアとファストウェブの統合は、借入で資金を賄っています。法的統合は2026年1月1日に完了し、コスト削減も計画どおり進んでいますが、統合作業自体はこれからも続きます。統合がうまくいかない場合には借入負担だけが残るリスクがあります。
配当にかかる税金はどうなりますか?
スイスの現地源泉税35%に加え、日本側でさらに20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約2.14%です。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
米国ADR(SCMWY)と何が違いますか?
SCMWYはOTC(店頭市場)でのみ取引される預託証券で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。原株(SIX:SCMN)とは別の証券であり、日本の主要ネット証券では取り扱いがない点は共通しています。
まとめ:高い配当と、それを支える配当性向100%という水準
- メリット:配当利回り4.13%(1株配当26スイスフラン)/2026年上半期はEBITDAaL+3.3%・純利益+6.9%の増益/イタリア統合のコスト削減は目標3億ユーロに対し上半期で1億6,600万ユーロ(55%)を実現
- デメリット:配当性向は100%前後とされ、情報源によって90%〜106%の幅がある/イタリア買収は借入で調達、統合の成否が今後を左右する/スイスの配当源泉税は35%で欧州最重量級
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約124,900円から。2株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.44%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月22日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はスイスコム社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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