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この記事の結論
- イタルガスはイタリアでガスを各家庭に届ける配給網を運営する会社です
- 魅力の核心:実測の表面利回り約5.01%
- 最大のリスク:会社発表によると、増収+31.72%の大半は買収(2i Rete Gas)によるもので、買収を除いた自力の成長は+4.2%程度
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約1,621円から(推奨ロット80株が目安/1株だと手数料負担率は約63.00%と重く、80株単位が前提)
実測の表面利回り約5.01%。イタリアで各家庭にガスを届ける配給網を運営するイタルガスは、規制当局ARERA(アレーラ)が料金を決める安定した事業を土台に、高い配当利回りを維持しています。会社発表によると、直近12ヶ月の売上は前年比+31.72%と大きく伸びていますが、これは2025年4月1日に完了した買収「2i Rete Gas」によるところが大きく、買収を除いた自力の成長は+4.2%程度とされます。
同じガス配給・インフラの会社としては、イタリア国内のスナム(ガス輸送)やテルナ(送電)がしばしば比較対象になります。
規制インフラという安定した事業と、大型買収による拡大を両方持つイタルガスの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
イタルガス株の基本データ(2026年8月23日時点)
| 株価 | 8.73ユーロ(1株 約1,621円) |
| 52週レンジ | 7.37〜11.30ユーロ |
| 時価総額 | 約88億ユーロ |
| PER | 約12.7倍(予想 約11.4倍) |
| 配当利回り | 4.93%(1株配当 0.43ユーロ) |
| 上場市場 | イタリア証券取引所(ミラノ) |
| 1年の株価騰落 | +14.77% |
イタルガス株を買うメリット
実測の表面利回り約5.01%、1株配当0.43ユーロ
実測の表面利回りは約5.01%、1株配当は0.43ユーロです。
投資家にとっては、規制インフラという事業の安定性を背景に、配当そのものを目的に保有する選択肢になり得る水準だということです。
規制資産(RAB)は2024年の約100億ユーロから2025年に約157億ユーロへ拡大(会社発表)
会社発表によると、イタリアのガス配給の料金は規制当局ARERA(アレーラ)が決める仕組みです。会社が投資した設備の総額(規制資産=RAB)に応じて認められる収益が決まる構造で、規制資産は2024年の約100億ユーロから2025年に約157億ユーロへ拡大しました(買収分を含む)。
投資家にとっては、投資を増やすほど将来認められる収益の土台が広がる仕組みが、実際の数字として確認できるということです。
2024年12月期の調整後純利益は5億660万ユーロ、前年比+15.2%(会社発表)
イタルガスの2024年12月期は、調整後の営業収益が17億7,880万ユーロ(前年比+0.2%)、調整後純利益が5億660万ユーロ(前年比+15.2%)でした(出典:イタルガス公式 https://www.italgas.it/en/press-releases-price-sensitive/italgas-consolidated-results-as-at-31-december-2024-approved/)。
投資家にとっては、営業収益の伸びがわずかな年でも、利益面では二桁の伸びを確保できていたことを示す数字です。
配当性向は62.56%、前年から増配(会社発表)
会社発表によると、イタルガスの配当は前年から増加しました。配当性向は62.56%です。
投資家にとっては、利益に対する配当支払いの割合が62.56%にとどまっている、という事実を確認できる数字です。
イタルガス株を買うデメリット・リスク
増収+31.72%の大半は買収によるもので、自力の成長は+4.2%程度(会社発表)
実測では直近12ヶ月の売上は前年比+31.72%と大きく伸びています。ただし会社発表によると、これは2025年4月1日に完了した買収「2i Rete Gas」が主因であり、買収を除いた自力の成長は+4.2%程度とされます。
投資家にとっては、見出しの増収率をそのまま自力の成長として受け取ってはいけない、ということです。買収を除いた実態の成長ペースは、見出しの数字よりもずっと緩やかです。
買収した2i Rete Gasの統合がうまくいかなければ、期待した収益が出ない可能性がある
会社発表によると、直近の増収の大半は2i Rete Gasの買収によるものです。買収した事業の統合がうまくいかなければ、期待した収益が出ない可能性がある点は見過ごせません。
投資家にとっては、今回の業績拡大が「もとからの事業の強さ」ではなく「買収してきた資産をどれだけうまく運営できるか」という、これからの実行力にかかっているということです。
料金は規制当局ARERAが決める仕組み、規制の見直し次第で収益が変わる
イタルガスのガス配給料金は、規制当局ARERA(アレーラ)が規制資産(RAB)に応じて決める仕組みです。この仕組みは、投資を増やすと将来の収益が増えるというメリットになる一方で、規制の見直し次第で収益が変わるという裏返しのリスクでもあります。
投資家にとっては、収益の土台そのものが会社の努力だけでなく、規制当局の判断次第で有利にも不利にも動き得るということです。
1株買いの手数料負担率は63.00%、80株単位が前提
サクソバンク証券クラシックの手数料は約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ(約1,021円)です。1株(約1,621円)だけを買うと、手数料負担率は約63.00%にのぼります。
投資家にとっては、1株単位での購入はほぼ意味をなさず、80株単位(約12万9,700円)でのまとめ買いが前提になる、ということです。
イタルガスはどんな会社か
イタルガスは、イタリア国内でガスの配給網(各家庭までガスを届けるパイプライン)を運営する会社です。ギリシャでも事業を持っています。料金は規制当局ARERA(アレーラ)が決める仕組みで、会社が投資した設備の総額(規制資産=RAB)に応じて認められる収益が決まります。
直近の決算では、2024年12月期の調整後営業収益は17億7,880万ユーロ(前年比+0.2%)、調整後純利益は5億660万ユーロ(前年比+15.2%)でした(出典:イタルガス公式 https://www.italgas.it/en/press-releases-price-sensitive/italgas-consolidated-results-as-at-31-december-2024-approved/)。
会社発表によると、2025年4月1日には「2i Rete Gas」の買収が完了しました。実測では直近12ヶ月の売上は前年比+31.72%と大きく伸びていますが、買収を除いた自力の成長は+4.2%程度とされます。あわせて、規制資産(RAB)は2024年の約100億ユーロから2025年に約157億ユーロへ拡大しました(買収分を含む)。
同じイタリアの規制インフラ会社としては、ガス輸送を担うスナムや、送電を担うテルナがしばしば比較対象になります。国内の規制インフラを軸にする点は共通していますが、事業領域や配当利回りは会社ごとに異なります。
配当と税金
イタルガスの1株配当は0.43ユーロ、表面利回りは4.93%です。
イタリアの現地源泉税は最大26%とされ、日伊租税条約を適用できる場合は15%とされています。ただし実際にどちらが適用されるかは証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認してください。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
現地源泉税率が口座開設時の手続き内容によって変わるため、税引き後の実質利回りはここでは計算していません。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月23日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
イタルガス株の日本からの買い方
イタルガスの上場市場はイタリア証券取引所(ミラノ)のみで、ティッカーは「IG」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:ITGGF)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | イタルガス株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「IG」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約1,621円 | 1,021円 | 約63.00% |
| 80株 | 約12万9,700円 | 1,021円 | 約0.79% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ(約1,021円)です。1株だと手数料負担率は約63.00%と重く、現実的には80株単位のまとめ買いが前提になります。80株まとめると負担率は約0.79%まで下がります。
イタルガス株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 高い配当利回りを狙いたい人 | 実測の表面利回りは約5.01% |
| 規制インフラ株に投資したい人 | 料金は規制当局ARERAが決め、投資額に応じて収益が決まる仕組み |
| 80株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.79%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 少額の1株買いをしたい人 | 手数料負担率が約63.00%と重い |
| 買収による業績のブレを避けたい人 | 増収+31.72%の大半は買収によるもので、買収を除いた自力の成長は+4.2%程度 |
よくある質問
イタルガス株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がイタリア証券取引所(ミラノ)のみのためです。米国預託証券(ITGGF)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約1,621円から購入できます。ただし手数料負担率は1株で約63.00%と重いため、80株単位(約12万9,700円)でのまとめ買いが前提です。
配当にかかる税金はどうなりますか?
イタリアの現地源泉税は最大26%とされ、日伊租税条約を適用できる場合は15%とされています。ただし実際にどちらが適用されるかは証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認してください。これに加えて日本側でさらに20.315%が課税されます。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
ADR(ITGGF)とイタルガス株(IG)の違いは何ですか?
ITGGFは米国のOTC市場でのみ取引される預託証券で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。本記事で扱うIGはイタリア証券取引所(ミラノ)に上場する原株で、日本からはサクソバンク証券などでこちらを直接購入することになります。
まとめ
- メリット:実測の表面利回り約5.01%/規制資産(RAB)は2024年の約100億ユーロから2025年に約157億ユーロへ拡大/2024年12月期の調整後純利益は前年比+15.2%
- デメリット:増収+31.72%の大半は買収によるもので自力の成長は+4.2%程度/買収した2i Rete Gasの統合がうまくいかなければ期待した収益が出ない可能性/1株買いの手数料負担率は63.00%と重い
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約1,621円から。80株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.79%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月23日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はイタルガス社の公表資料または報道に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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