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この記事の結論
- スナム(Snam)はイタリアのガス輸送網を運営する規制インフラ会社です
- 魅力の核心:配当利回り5.18%で、2030年まで年4%の増配方針を掲げています(会社発表)
- 最大のリスク:純利益は前年同期比−2.3%(EBITDAは増えても新規資産の減価償却・金融費用の増加が圧迫)
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約1,075円から(推奨ロット100株が目安/1株だと手数料負担率は約95%と重く、100株単位が前提)
配当利回り5.18%、しかも2030年まで年4%の増配方針を掲げる会社が、日本の主要ネット証券では扱われていません。イタリアのガス輸送網を運営するスナム(Snam)です。
会社発表によると、2026年上半期はEBITDAが前年同期比+5.4%、収益の多くを支える規制資産ベース(RAB)は288億ユーロに達しています。規制で守られた事業でありながら、LNG(液化天然ガス)事業は前年比+84%の増収と、成長分野も育っています。
一方で、EBITDAが伸びているのに純利益は−2.3%と減少しました。何が起きているのか、株価・配当・買い方の順に見ていきます。
スナム株の基本データ(2026年8月22日時点)
| 株価 | 5.79ユーロ(1株 約1,075円) |
| 52週レンジ | 4.97 〜 6.87ユーロ |
| 時価総額 | 約196億ユーロ |
| PER | 約17.6倍(予想 約13.5倍) |
| 配当利回り | 約5.18%(1株配当 0.3ユーロ) |
| 上場市場 | イタリア証券取引所(ミラノ) |
| 1年の株価騰落 | +10.04% |
スナム株を買うメリット
配当利回り5.18%、2030年まで年4%の増配方針(会社発表)
2026年8月22日時点の表面利回りは5.18%(1株配当0.3ユーロ)です。会社発表によると、2030年まで年4%の増配方針を掲げています。
投資家にとっては、現時点の利回りが高いだけでなく、複数年にわたる増配計画がすでに示されている、ということです。
規制資産ベース(RAB)は288億ユーロ、収益の多くが規制で守られる事業構造
会社発表によると、スナムの規制資産ベース(RAB)は288億ユーロです。ガス輸送インフラという事業の性質上、収益の多くは規制当局が認めた枠組みの中で決まります。
投資家にとっては、業績が景気の波に直接左右されにくい収益構造がある、ということです。
LNG事業の収益は前年比+84%
会社発表によると、2026年上半期のLNG(液化天然ガス)事業の収益は1億4,000万ユーロで、前年比+84%でした。
投資家にとっては、規制収益が中心の事業のなかで、成長率の高い分野が育っていることを示す数字です。
EBITDAは前年同期比+5.4%、稼ぐ力は着実に拡大
2026年上半期のEBITDAは15億7,200万ユーロで、前年同期比+5.4%でした。売上高も20億2,600万ユーロ(同+6.3%)と伸びています(出典:会社発表)。
投資家にとっては、事業そのものの「稼ぐ力」は拡大が続いている、ということです(ただし後述のとおり、純利益はこれと逆に減少しています)。
スナム株を買うデメリット・リスク
純利益は前年同期比−2.3%、EBITDA増でも最終利益は減った理由
2026年上半期の純利益は7億3,300万ユーロで、前年同期比−2.3%でした。EBITDAが+5.4%で増えているにもかかわらず、純利益は減少しています。会社発表によると、要因は新規資産の減価償却の増加・金融費用の増加・税負担です。
投資家にとっては、事業の「稼ぐ力」が伸びていても、それがそのまま最終利益の増加につながっていない、という点を理解しておく必要があります。設備投資を積み増している局面では、この構造がしばらく続く可能性があります。
設備投資は16億1,300万ユーロ(+43.8%)、投資負担は重い
2026年上半期の設備投資は16億1,300万ユーロで、前年同期比+43.8%でした。
投資家にとっては、規制資産を積み増す投資が積極化している局面であり、これが前述の減価償却・金融費用の増加、ひいては純利益の圧迫につながっている、ということです。
1株買いの手数料負担率は94.99%、100株単位が前提
サクソバンク証券クラシックの手数料(約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ=約1,021円)で計算すると、1株(約1,075円)を買う場合の手数料負担率は94.99%に達します。100株(約10万7,500円)であれば負担率は約0.95%まで下がります。
投資家にとっては、この銘柄を1株単位で買うことは実質的に選択肢にならず、100株単位でのまとめ買いが前提になる、ということです。
イタリアの配当源泉税は最大26%、適用税率は証券会社の手続き次第
イタリアの配当源泉税は最大26%とされ、日伊租税条約を適用できる場合は15%とされています。ただし、実際にどちらの税率が適用されるかは証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認してください。
投資家にとっては、配当利回り5.18%という数字がそのまま手取りになるとは限らない、ということです。日本側ではさらに20.315%が課税されます。
スナム(Snam)はどんな会社か
スナムは、イタリアのガス輸送網を運営する会社です。収益の多くは、規制当局が事業報酬を認める「規制資産ベース(RAB)」型の仕組みで決まります。会社発表によると、RABは288億ユーロです。同じイタリアで規制インフラ事業を営む企業には、送電網を運営するテルナがあります。ガスと電力という違いはありますが、どちらも規制で収益が守られる構造を持つ点は共通しています。
直近の決算では、2026年上半期の売上高は20億2,600万ユーロ(前年同期比+6.3%)、EBITDAは15億7,200万ユーロ(同+5.4%)でした。一方で純利益は7億3,300万ユーロ(同−2.3%)と、EBITDAの伸びとは逆方向でした。会社発表によると、新規資産の減価償却の増加・金融費用の増加・税負担が純利益を圧迫した要因です。会社はLNG(液化天然ガス)事業も伸ばしており、同事業の収益は前年比+84%でした。
配当と税金
スナムの1株配当は0.3ユーロ、表面利回りは約5.18%です。会社発表によると、2030年まで年4%の増配方針を掲げています(出典:スナム公式 https://www.snam.it/en/investor-relations/investing-in-snam/dividend.html)。
イタリアの現地源泉税は、最大26%とされ、日伊租税条約を適用できる場合は15%とされています。ただし、実際にどちらの税率が適用されるかは証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認してください。日本側では、現地源泉後の金額にさらに20.315%が課税されます。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月22日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
スナム株の日本からの買い方
スナムの上場市場はイタリア証券取引所(ミラノ)のみで、ティッカーは「SRG」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:SNMRY)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | スナム株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「SRG」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約1,075円 | 1,021円 | 約94.99% |
| 100株 | 約10万7,500円 | 1,021円 | 約0.95% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ(約1,021円)です。1株だと手数料負担率は約94.99%と極めて重く、実質的に100株単位のまとめ買いが前提になります。
スナム株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 配当利回りを重視する人 | 表面利回り5.18%で、2030年まで年4%の増配方針 |
| イタリアの規制インフラに分散投資したい人 | RABは288億ユーロで、収益の多くが規制で守られる |
| 100株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.95%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 少額の1株投資をしたい人 | 手数料負担率が約94.99%に達する |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 会社全体の増益トレンドを求める人 | 純利益は前年同期比−2.3% |
よくある質問
スナム株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がイタリア証券取引所(ミラノ)のみのためです。米国預託証券(SNMRY)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約1,075円から購入できます。ただし手数料負担率は1株で約94.99%に達するため、100株単位(約10万7,500円)でのまとめ買いが目安です。
配当にかかる税金はどうなりますか?
イタリアの現地源泉税は最大26%とされ、日伊租税条約を適用できる場合は15%とされています。ただし実際にどちらが適用されるかは証券会社の手続き次第のため、口座開設時に確認してください。日本側ではさらに20.315%が課税されます。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
EBITDAが増えたのに純利益が減ったのはなぜですか?
会社発表によると、2026年上半期はEBITDAが前年同期比+5.4%で増えた一方、純利益は−2.3%でした。理由は新規資産の減価償却の増加・金融費用の増加・税負担です。設備投資(同+43.8%)を積み増している局面のため、稼ぐ力の伸びがそのまま最終利益の増加にはつながっていません。
まとめ
- メリット:配当利回り5.18%で2030年まで年4%の増配方針/規制資産ベース(RAB)288億ユーロで収益の多くが規制で守られる/LNG事業の収益は前年比+84%
- デメリット:純利益は前年同期比−2.3%(EBITDA+5.4%との乖離)/設備投資は+43.8%で投資負担が重い/1株買いの手数料負担率は94.99%
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約1,075円から。100株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.95%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月22日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はスナム(Snam)社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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