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この記事の結論
- サシール(Sacyr)は高速道路や病院を建設し、その後の運営権(コンセッション)も持つスペインのインフラ企業です
- 魅力の核心:会社発表によるとEBITDAの91%を運営権(コンセッション)事業が占め、収益が安定しやすい構造です
- 最大のリスク:1株買いの手数料負担率は128.21%と極めて重く、まとめ買いが前提になります
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約796円から(推奨ロット150株が目安/1株だと手数料負担率は約128.21%と重く、150株単位が前提)
高速道路や病院を建設し、完成後もその運営権(コンセッション)を長期にわたって持ち続ける——それがスペインのインフラ企業サシール(Sacyr)です。建設会社でありながら、会社発表によるとEBITDAの91%を運営権事業が占めています。景気の波に左右されやすい建設受注とは対照的に、道路の通行料や病院の運営委託料といった安定収入が収益の柱になっている構造です。
2026年上半期は増収+9.0%、EBITDAも同+9.0%と足並みをそろえて伸びました。会社発表によると、コンセッション資産の評価額も46億100万ユーロで前年から+16%に増えています。
一方で、1株単位での購入は手数料負担が極めて重いという注意点もあります。株価・業績・買い方の順に見ていきます。
サシール株の基本データ(2026年8月23日時点)
| 株価 | 4.29ユーロ(1株 約796円) |
| 52週レンジ | 3.452〜4.952ユーロ |
| 時価総額 | 約34億ユーロ |
| PER | 約25.4倍(予想 約19.8倍) |
| 配当利回り | 3.50%(1株配当 0.15ユーロ) |
| 上場市場 | マドリード証券取引所(BME) |
| 1年の株価騰落 | +14.34% |
サシール株を買うメリット
会社発表によるとEBITDAの91%を運営権(コンセッション)事業が占め、収益が安定しやすい
サシールは高速道路や病院などのインフラを建設するだけでなく、完成後の運営権(コンセッション)も長期で保有しています。会社発表によると、この運営権事業がEBITDAの91%を占めています。
投資家にとっては、建設事業のように受注の波で業績が大きく上下するのではなく、通行料や運営委託料といった継続的な収入が収益の大半を支えている、ということです。
2026年上半期は増収+9.0%、EBITDAも同+9.0%
2026年上半期の売上高は24億3,700万ユーロ(前年同期比+9.0%)、EBITDAは7億800万ユーロ(同+9.0%)でした(出典:サシール公式 https://sacyr.com/en/-/sacyr-publica-resultados-primer-semestre-2026)。
投資家にとっては、売上とEBITDAが同じ伸び率で増えており、増収が利益の希薄化を伴わずにそのまま利益成長につながっている、ということです。
コンセッション資産の評価額は46億100万ユーロで前年から+16%(会社発表)
会社発表によると、サシールが保有する運営権(コンセッション)資産の評価額は46億100万ユーロで、前年から+16%増えています。
投資家にとっては、収益の柱である運営権事業そのものの資産価値も拡大しているということで、将来の収益基盤が積み上がっている材料になります。
1年で株価+14.34%上昇
2026年8月23日時点の株価は4.29ユーロで、1年間では+14.34%の上昇となっています。52週レンジは3.452〜4.952ユーロです。
投資家にとっては、安定した収益構造が株価の実数値としても評価されてきていることが確認できる、ということです。
サシール株を買うデメリット・リスク
純利益+157%はコロンビアの資産売却益込み、実力ベースの伸びは+45.0%にとどまる
2026年上半期の純利益は7,800万ユーロで前年同期比+157%と報じられていますが、これはコロンビアの資産売却による一時的な利益を含んでいます。この一時益を除いた実測の直近12ヶ月の純利益の伸びは+45.0%です。
投資家にとっては、見出しの数字だけを見ると成長率を過大評価してしまう可能性があり、一時的な要因を割り引いた実力ベースの伸び率で見る必要がある、ということです。
実績PERは25.4倍、予想19.8倍とのギャップは期待の先行
実績PERは約25.4倍である一方、予想PERは約19.8倍です。
投資家にとっては、市場がすでに来期以降の増益を織り込んで株価を評価しているということです。実際の増益ペースがこの期待に届かない場合、株価が調整する余地があります。
1株買いの手数料負担率は128.21%と極めて重く、150株単位が前提
サシール株は1株約796円と安価ですが、サクソバンク証券の最低手数料(5.5ユーロ=約1,021円)との関係で、1株だけの購入では手数料負担率が128.21%にもなります。
投資家にとっては、1株単位での購入は事実上成立せず、150株単位(約11万9,500円)でのまとめ買いが前提になる、ということです。
スペインの配当源泉税は19%、条約の限度税率5%の適用は証券会社の手続き次第
スペインの現地源泉税は19%です。日西租税条約(2021年発効)の限度税率は5%とされていますが、適用は証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認する必要があります。
投資家にとっては、条約の限度税率がそのまま自動適用されるわけではなく、確認を怠ると本来より多く源泉徴収されたままになる可能性がある、ということです。
サシールはどんな会社か
サシールは、高速道路や病院などのインフラを建設し、完成後もその運営権(コンセッション)を長期にわたって持ち続けるスペインの企業です。会社発表によると、この運営権事業がEBITDAの91%を占めており、建設受注の増減に左右されにくい収益構造になっています。
直近の決算では、2026年上半期の売上高は24億3,700万ユーロ(前年同期比+9.0%)、EBITDAは7億800万ユーロ(同+9.0%)でした(出典:サシール公式 https://sacyr.com/en/-/sacyr-publica-resultados-primer-semestre-2026)。純利益は7,800万ユーロで前年同期比+157%と報じられていますが、これはコロンビアの資産売却による一時的な利益を含んでおり、この一時益を除いた実測の直近12ヶ月の純利益の伸びは+45.0%です。会社発表によると、運営権(コンセッション)資産の評価額も46億100万ユーロで前年から+16%に増えています。
同じ「建設+運営権」というビジネスモデルを持つ企業として、スペインのACS(建設・スペイン)や、日本の関西国際空港などを運営するフランスのヴァンシ(建設・フランス)が対比相手として挙げられます。どちらも建設事業に加えて長期の運営権事業を持つ点がサシールと共通しています。
配当と税金
サシールの1株配当は0.15ユーロ、表面利回りは約3.50%です。会社発表によると、現金配当とスクリップ配当(株式による配当)を組み合わせて実施しています。
スペインの現地源泉税は19%です。日西租税条約(2021年発効)の限度税率は5%とされていますが、適用は証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認してください。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
条約の限度税率が適用されず、現地源泉税19%のままで外国税額控除や還付請求もしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約2.26%です(計算式:3.50% ×(1−0.19)× 0.79685)。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月23日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
サシール株の日本からの買い方
サシールの上場市場はマドリード証券取引所(BME)のみで、ティッカーは「SCYR」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:SCYRF)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | サシール株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「SCYR」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約796円 | 1,021円 | 128.21% |
| 150株 | 約11万9,500円 | 1,021円 | 0.85% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ(約1,021円)です。1株だけの購入では手数料負担率が128.21%にもなるため、150株単位(約11万9,500円)でのまとめ買いが前提になります。
サシール株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 景気の波に左右されにくい安定収益を重視する人 | EBITDAの91%を運営権事業が占める |
| 150株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.85%まで下がる |
| 建設・インフラ株を複数比較して分散したい人 | ACSやヴァンシとの比較材料になる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 1株単位の少額投資をしたい人 | 手数料負担率が128.21%と極めて重い |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 見出しの純利益+157%を額面通りに受け取りたい人 | コロンビアの資産売却益込みで、実力ベースは+45.0% |
よくある質問
サシール株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がマドリード証券取引所(BME)のみのためです。米国預託証券(SCYRF)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約796円から購入できます。ただし手数料負担率は1株で128.21%にもなるため、150株単位(約11万9,500円)でのまとめ買いが前提です。
配当にかかる税金はどうなりますか?
スペインの現地源泉税は19%です。日西租税条約の限度税率5%が適用されるかは証券会社の手続き次第のため、口座開設時に確認が必要です。日本側ではさらに20.315%が課税され、条約が適用されない場合の税引き後の実質利回りの目安は約2.26%です。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
米国ADR(SCYRF)とスペイン本国上場の違いは何ですか?
米国ADR(SCYRF)はOTC(店頭市場)のみでの取引で、ニューヨーク証券取引所やナスダックには上場していません。本記事で扱うマドリード証券取引所(BME)上場のSCYRが本国の主上場であり、サクソバンク証券で購入できるのはこちらです。
まとめ
- メリット:会社発表によるとEBITDAの91%を運営権(コンセッション)事業が占め収益が安定しやすい/上半期は増収+9.0%・EBITDAも同+9.0%/コンセッション資産の評価額は前年から+16%
- デメリット:純利益+157%はコロンビアの資産売却益込みで実力ベースは+45.0%/実績PER25.4倍で予想19.8倍との差は期待の先行/1株買いの手数料負担率は128.21%と極めて重く150株単位が前提
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約796円から。150株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.85%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月23日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はサシール社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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