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この記事の結論
- ヴァンシは日本の関西国際空港・大阪国際(伊丹)空港・神戸空港を44年間運営するフランス企業です
- 魅力の核心:受注残高は過去最高の768億ユーロ
- 最大のリスク:株価は1年で−7.23%
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約2万2,100円から(推奨ロット3株が目安/1株でも手数料負担率は約1.84%と軽い)
関西国際空港・大阪国際(伊丹)空港・神戸空港——この3空港を2016年から44年間運営しているのが、フランスの建設・インフラ大手ヴァンシです。日本の空の玄関口の一部が、フランス企業の手で運営されているという事実は、意外と知られていません。
ヴァンシは建設・空港や高速道路のコンセッション運営・エネルギー事業を手がける会社で、受注残高は過去最高の768億ユーロ(活動量の約15ヶ月分)に達しています。上半期の新規受注額も344億ユーロ(前年同期比+8%)と積み上がっています。
建設・空港運営・高速道路・エネルギーという複数の事業を持つこの会社の「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
ヴァンシ株の基本データ(2026年8月22日時点)
| 株価 | 119.30ユーロ(1株 約2万2,100円) |
| 52週レンジ | 112.40 〜 143.15ユーロ |
| 時価総額 | 約661億ユーロ |
| PER | 約13.2倍(予想 約12.5倍) |
| 配当利回り | 約4.19%(1株配当 5ユーロ) |
| 上場市場 | ユーロネクスト・パリ |
| 1年の株価騰落 | −7.23% |
ヴァンシ株を買うメリット
受注残高は過去最高の768億ユーロ、上半期新規受注は+8%の344億ユーロ
ヴァンシの受注残高は過去最高の768億ユーロで、活動量の約15ヶ月分に相当します。上半期の新規受注額は344億ユーロで、前年同期比+8%でした(出典:ヴァンシ公式発表)。
投資家にとっては、今後1年以上分の仕事量がすでに手元に積み上がっているということで、業績の見通しが立てやすい状態にあることを示す数字です。
日本の関西国際空港・伊丹空港・神戸空港を2016年から44年間運営
ヴァンシは2016年から関西国際空港・大阪国際(伊丹)空港・神戸空港のコンセッション運営を44年間受託しています。
投資家にとっては、日本という自分たちに馴染みのある市場の空港インフラが、この会社の長期の収益源の一つになっているということです。
上半期純利益は+9.6%の21億ユーロ、EBITDAも+4.5%の64億ユーロ
2026年上半期の売上高は356億ユーロ(前年同期比+2.1%)、EBITDAは64億ユーロ(同+4.5%)、純利益は21億ユーロ(同+9.6%)でした(出典:ヴァンシ公式発表)。
投資家にとっては、売上の伸び以上に利益が伸びているということで、収益性が改善している状態にあることを示す数字です。
配当利回り4.19%、1株配当5ユーロ
1株配当は5.00ユーロで、表面利回りは4.19%です。エネルギー関連事業(Energy Solutions)の売上も+7%と伸びており、利益率も改善しています(出典:ヴァンシ公式発表)。
投資家にとっては、配当そのものの水準に加えて、それを支える事業の一角が伸びている状態にあるということです。
ヴァンシ株を買うデメリット・リスク
株価は1年で−7.23%
2026年8月22日時点の株価は119.30ユーロで、1年間では−7.23%の下落となっています。52週レンジは112.40〜143.15ユーロで、現在値はレンジの下寄りにあります。
投資家にとっては、受注残高や利益が伸びている一方で、株価そのものはこの1年で評価を下げているという事実は把握しておく必要がある、ということです。
空港・高速道路の交通量は燃料価格・天候・地政学リスクに左右されやすい
ヴァンシの収益源である空港・高速道路のコンセッション事業は、燃料価格・天候・地政学リスクの影響を受けやすいという性質があります。会社発表によると、関西国際空港などの旅客数は地政学的な緊張で伸びが鈍る局面もあるとされています。
投資家にとっては、受注残高という「確定した仕事量」とは別に、実際の交通量・旅客数は外部環境次第で変動しうるという前提を持っておく必要がある、ということです。
配当源泉税10%でも日本側課税を経た実質利回りは3.01%
フランスの配当源泉税は日仏租税条約の限度税率10%で、ドイツ(26.375%)やスイス(35%)と比べれば有利です。ただし日本側でさらに現地源泉後の金額に20.315%が課税されるため、外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約3.01%まで下がります。
投資家にとっては、表面利回り4.19%をそのまま手取りと考えることはできず、実質的な水準は3%台前半になるということです。
ヴァンシはどんな会社か
ヴァンシはフランスの建設・インフラ大手で、建設・空港や高速道路のコンセッション運営・エネルギー事業を手がけています。なかでも日本との接点として大きいのが、2016年から関西国際空港・大阪国際(伊丹)空港・神戸空港のコンセッション運営を44年間受託していることです。
直近の決算では、2026年上半期の売上高は356億ユーロ(前年同期比+2.1%)、EBITDAは64億ユーロ(同+4.5%)、純利益は21億ユーロ(同+9.6%)でした(出典:ヴァンシ公式発表 https://www.nasdaq.com/press-release/vinci-excellent-financial-performance-first-half-2026-2026-07-29)。受注残高は過去最高の768億ユーロで、活動量の約15ヶ月分に相当し、上半期の新規受注額も344億ユーロ(同+8%)と積み上がっています。エネルギー関連事業(Energy Solutions)の売上も+7%と伸びており、再生可能エネルギー・EV充電インフラへの投資も強化しています。
配当と税金
ヴァンシの1株配当は5.00ユーロ、表面利回りは約4.19%です。
フランスの配当源泉税は日仏租税条約の限度税率10%です。これはドイツ(26.375%)やスイス(35%)と比べて有利な水準です。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約3.01%です(計算式:4.19% ×(1−0.10)× 0.79685)。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月22日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
※下のチャートは米国ADR(ヴァンシ・米ドル建て)です。原株とほぼ同じ値動きをしますが、表示通貨が異なります。
ヴァンシ株の日本からの買い方
ヴァンシの上場市場はユーロネクスト・パリのみで、ティッカーは「DG」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:VCISY)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | ヴァンシ株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「DG」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約2万2,100円 | 408円 | 約1.84% |
| 3株 | 約6万6,400円 | 408円 | 約0.61% |
手数料は約定金額の0.088%、最低2.2ユーロ(約408円)です。1株からでも手数料負担率は約1.84%と軽く済みますが、3株単位のまとめ買いにすると負担率はさらに下がります。
ヴァンシ株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 日本の空港インフラとの接点に関心がある人 | 関西国際空港・伊丹空港・神戸空港を44年間運営 |
| 受注残高という先行指標を重視する人 | 受注残高は過去最高の768億ユーロ |
| 3株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.61%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 株価の短期的な下落を避けたい人 | 1年で株価は−7.23%と下落している |
| 交通量の変動リスクを避けたい人 | 空港・高速道路の収益は燃料価格・天候・地政学リスクに左右されやすい |
よくある質問
ヴァンシ株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がユーロネクスト・パリのみのためです。米国預託証券(VCISY)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約2万2,100円から購入できます。ただし手数料負担率は1株で約1.84%のため、3株単位(約6万6,400円)でのまとめ買いが目安です。
配当にかかる税金はどうなりますか?
フランスの現地源泉税10%に加え、日本側でさらに20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約3.01%です。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
米国ADR(VCISY)との違いは何ですか?
VCISYはヴァンシの米国預託証券で、原株とほぼ同じ値動きをしますが、OTC(店頭市場)でのみ取引され、表示通貨も米ドルです。ニューヨーク証券取引所やナスダックには上場していないため、日本の主要ネット証券では扱われていません。
まとめ
- メリット:受注残高は過去最高の768億ユーロ/日本の関西国際空港・伊丹空港・神戸空港を44年間運営/上半期純利益+9.6%の21億ユーロ
- デメリット:株価は1年で−7.23%/空港・高速道路の交通量は燃料価格・天候・地政学リスクに左右されやすい/配当源泉税10%でも日本側課税を経た実質利回りは3.01%
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約2万2,100円から。3株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.61%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月22日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はヴァンシ社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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