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この記事の結論
- エア・リキード株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はユーロネクスト・パリのみ、米国ADR「AIQUY」はOTC銘柄)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約31,000円)
- 最低手数料の関係で5株単位のまとめ買いが目安(1株からでも手数料負担率は約1.32%と軽い)
- 最大の注意点:NISA不可+フランスの配当源泉税は限度税率10%(独26.375%・瑞35%より有利)
米国のエア・プロダクツ(Air Products)は日本の証券会社でも買えますが、産業ガスの世界最大手であるエア・リキード(Air Liquide/ティッカー:AI)は、SBI証券にも楽天証券にも見当たりません。
半導体工場から病院まで、酸素・窒素・水素といった「ガス」を供給する130年以上の歴史を持つ企業です。この記事では、株価・業績・買い方を整理します。結論から言うと、1株あたり約31,000円で買えますが、日本の主要ネット証券では取り扱いがありません。
エア・リキード株の基本データ(2026年8月21日時点)
| 株価 | 167.12ユーロ(1株 約31,000円) |
| 52週レンジ | 140.78 〜 182.26ユーロ |
| 時価総額 | 約1,064億ユーロ |
| PER | 約30.1倍(予想 約24.3倍) |
| 配当利回り | 約2.01%(1株配当 3.36ユーロ) |
| 上場市場 | ユーロネクスト・パリ |
| 1年の株価騰落 | −0.6%(ほぼ横ばい) |
結論:エア・リキード株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 必要資金の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 1株 約31,000円〜 | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
エア・リキードの株主になりたいなら、選択肢は①に絞られます。
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
エア・リキードが上場しているのはユーロネクスト・パリ(フランス)で、ティッカーは「AI」です。ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。日本の大手ネット証券が扱う「外国株」は米国市場上場銘柄が中心で、パリの取引所に直接つないでいる国内証券はほとんどありません。
調べると「AIQUY」という米国預託証券(ADR)のティッカーが見つかりますが、これは取引所に上場しておらずOTC(店頭市場)で取引されている銘柄です。楽天証券は米国株の取扱いについて、OTC市場の銘柄は「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。
仕組みの詳しい解説はなぜSBI・楽天では欧州株が買えないのかにまとめています。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
サクソバンク証券はデンマーク発のオンライン証券会社の日本法人で、ユーロネクスト・パリに直接つないでいる数少ない国内証券です。外国株の取扱いは11,000銘柄以上、うち欧州株は1,700銘柄以上あります。
手数料:1株からでも負担率は軽い
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約31,000円 | 408円 | 1.32% |
| 5株 | 約155,100円 | 408円 | 0.26% |
サクソバンク証券クラシック(約定金額の0.088%、最低2.2ユーロ=約408円)で計算すると、1株買いでも手数料負担率は約1.32%と軽く、まとまった株数を狙うなら5株単位で負担率は0.26%まで下がります。
買うまでの流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「AI」で検索し、株数を指定して発注
方法②:CFDで値幅だけを狙う
IG証券などが提供する株式CFDなら、エア・リキードの値動きに対して数万円から取引できます。ただしCFDは差金決済であり、株主にはなれません。ポジションを持ち越すと金利相当のコストが日々発生するため、長期保有には向きません。
エア・リキードはどんな会社か
エア・リキードは酸素・窒素・水素・ヘリウムといった産業ガスの世界最大手で、130年以上の歴史を持ちます。主な供給先は半導体・医療・エネルギーの3分野です。
2026年上半期は売上高140億ユーロ(比較可能ベースで前年比+4.3%)、純利益19億ユーロ(+4.4%)という結果でした。配当性向は62%です。
成長投資も進んでいます。米アリゾナ州に1億6,000万ドル超を投じ、半導体向けガスの製造拠点を建設中(2028年稼働予定)で、半導体産業の需要拡大を取り込む姿勢が見えます。
配当と税金
表面利回りは2.01%(1株配当3.36ユーロ)です。ただし、フランスの配当には日仏租税条約の限度税率10%が現地で源泉徴収され、さらに日本側で20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約1.44%まで下がります。
フランスの源泉税10%は、ドイツ(26.375%)やスイス(35%)と比べると有利な水準です。ただし実際に何%が源泉徴収されるかは、証券会社の租税条約手続きの扱いによって変わります。口座開設時に必ず確認してください。
買う前に知っておくべき3つの注意点
注意1:NISAは使えない
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となり、利益には約20.315%が課税されます。
注意2:配当課税はドイツ・スイス株より有利だが手続き次第
前述の通り、フランスの配当源泉税は限度税率10%と、ドイツの26.375%・スイスの35%より低く設定されています。ただし現地源泉税の適用は証券会社の手続きに左右されるため、事前確認が欠かせません。
注意3:ユーロ建てなので為替が二重に効く
株価が上がっても円高ユーロ安が進めば円ベースの利益は削られ、逆に円安が進めば株価が横ばいでも円ベースでは増えます。株価と為替、2つの変動を同時に抱えることになります。実際、株価自体は直近1年でほぼ横ばい(−0.6%)です。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月21日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
※下のチャートは米国ADR(AIQUY・米ドル建て)です。原株とほぼ同じ値動きをしますが、表示通貨が異なります。
よくある質問
エア・リキード株はなぜSBI証券や楽天証券で買えないのですか?
上場市場がユーロネクスト・パリのみだからです。米国ADR「AIQUY」も存在しますが、これは取引所ではなくOTC(店頭市場)の銘柄で、楽天証券は新規買付けを受け付けていません。パリ市場に直接つないでいるサクソバンク証券であれば購入できます。
エア・リキードとエア・プロダクツ(Air Products)はどう違いますか?
どちらも産業ガス大手ですが、米国のエア・プロダクツはニューヨーク証券取引所に上場しており、日本の証券会社でも購入できます。一方、業界世界最大手であるエア・リキードはユーロネクスト・パリにしか上場していないため、日本の主要ネット証券では取り扱いがありません。同じ業界でも、上場市場の違いだけで買える・買えないが分かれています。
配当はどのくらい期待できますか?
表面利回りは約2.01%(1株配当3.36ユーロ)です。ただしフランスの配当源泉税10%と日本国内の課税20.315%を差し引くと、税引き後の実質利回りの目安は約1.44%になります。
まとめ
- エア・リキードはユーロネクスト・パリ上場。米国ADR(AIQUY)はOTC銘柄で、楽天証券は新規買付を受け付けていない
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。必要資金は1株あたり約31,000円、5株単位なら手数料負担率0.26%
- 2026年上半期は売上高+4.3%、純利益+4.4%。米アリゾナ州で半導体向けガス拠点に1億6,000万ドル超を投資中
- NISAは使えないが、配当課税はドイツ・スイス株より有利(仏の源泉税は限度税率10%)
- 株価は1年でほぼ横ばい(−0.6%)。PERは約30.1倍(予想約24.3倍)
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 1株単位でも問題なく買える | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)のみを出典としています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月21日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はエア・リキード社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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