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この記事の結論
- エナガスはスペインのガス輸送網を運営し、水素インフラへの転換を進める会社です
- 魅力の核心:配当利回り5.96%
- 最大のリスク:新しい規制の枠組みで規制収入は平均7%程度低下する見込み
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約3,115円から(推奨ロット50株が目安/1株だと手数料負担率は約32.78%と重く、50株単位が前提)
配当利回り5.96%。スペインのガス輸送網をほぼ一手に握るエナガスは、規制インフラ株らしい高い配当利回りを維持しながら、水素インフラへの転換を進めています。会社発表によると、フランスのガス輸送会社テレガの株式31.5%取得はすでに欧州委員会の承認を得ました。
一方で、株価は1年で+25.51%上昇し、52週レンジの上限付近で推移しています。ガスインフラという同じ立ち位置の銘柄としては、イタリアのスナムが比較対象としてよく挙げられます。
規制インフラという安定した事業と、水素という新しい成長領域を両方持つエナガスの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
エナガス株の基本データ(2026年8月22日時点)
| 株価 | 16.78ユーロ(1株 約3,115円) |
| 52週レンジ | 13.00〜17.94ユーロ |
| 時価総額 | 約44億ユーロ |
| PER | 約15.2倍(予想 約17.1倍) |
| 配当利回り | 約5.96%(1株配当 1ユーロ) |
| 上場市場 | マドリード証券取引所(BME) |
| 1年の株価騰落 | +25.51% |
エナガス株を買うメリット
配当利回り5.96%、1株配当1ユーロ
2026年8月22日時点の配当利回りは5.96%、1株配当は1ユーロです。
投資家にとっては、規制インフラという事業の安定性を背景に、配当そのものを目的に保有する選択肢になり得る水準だということです。
1年で株価+25.51%上昇、52週レンジの上限付近で推移
2026年8月22日時点の株価は16.78ユーロで、1年間では+25.51%の上昇となっています。52週レンジは13.00〜17.94ユーロで、現在値はレンジの上寄りにあります。
投資家にとっては、規制インフラ株としては値動きの実数値がはっきりと確認できる状態にある、ということです。
フランスのガス輸送会社テレガの株式31.5%取得が欧州委員会の承認を得た(会社発表)
会社発表によると、エナガスはフランスのガス輸送会社テレガの株式31.5%取得について欧州委員会の承認を得ています。あわせて、スペインのサッガスの持分も追加取得しました。
投資家にとっては、スペイン国内にとどまらない事業の広がりが、実際の手続きとして進んでいることを示す材料です。
2026年通期はEBITDA6億2,000万ユーロ、中核純利益2億3,500万ユーロを目標(会社発表)
会社発表によると、エナガスは2026年通期の目標としてEBITDA6億2,000万ユーロ、中核純利益2億3,500万ユーロを掲げています。
投資家にとっては、規制収入という土台の上に、会社が自ら数値目標を示していること自体が、事業運営の見通しを測る材料になります。
エナガス株を買うデメリット・リスク
新しい規制の枠組みで規制収入は平均7%程度低下する見込み
報道によると、新しい規制の枠組みのもとで、エナガスの規制収入は平均7%程度低下する見込みとされています。
投資家にとっては、規制インフラ株の収益の土台そのものが、規制当局の判断次第で目減りし得るということです。配当の原資に直結する数字だけに、軽視できないリスクです。
水素インフラへの投資は収益化まで年数がかかる
会社発表によると、2026年は水素への投資サイクルが本格的に始まる年としており、スペインとフランスを結ぶ水素パイプライン構想などを進めています。ただし、水素インフラ投資は収益化まで年数がかかる領域です。
投資家にとっては、成長領域として掲げられている水素事業が、目先の配当や利益にすぐには結びつかないという前提を持っておく必要がある、ということです。
PERは実績15.2倍に対し予想17.1倍、市場は利益の伸び悩みを織り込む
実績PERは約15.2倍である一方、予想PERは約17.1倍です。
投資家にとっては、予想PERが実績PERを上回っているということは、市場が今後の利益をこれまでより低く見積もっていることを意味します。規制収入の低下見込みと整合する数字だということです。
1株買いの手数料負担率は32.78%、50株単位が前提
サクソバンク証券クラシックの手数料は約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ(約1,021円)です。1株(約3,115円)だけを買うと、手数料負担率は約32.78%にのぼります。
投資家にとっては、1株単位での購入は現実的でなく、50株単位(約15万5,800円)でのまとめ買いが前提になる、ということです。
エナガスはどんな会社か
エナガスは、スペイン国内のガス輸送網を運営する会社です。パイプラインや貯蔵設備といった規制対象インフラを保有・運営し、規制当局が定める収入によって事業の土台を作っています。近年は水素インフラへの投資にも力を入れています。
直近の決算では、2026年上半期の売上高は4億4,463万ユーロ、EBITDAは3億1,400万ユーロ、純利益は1億2,690万ユーロでした(出典:エナガス公式 https://www.enagas.es/en/press-room/news-room/press-releases/results-first-half-2026/)。
会社発表によると、2026年は水素への投資サイクルが本格的に始まる年としており、スペインとフランスを結ぶ水素パイプライン構想を進めています。あわせて、フランスのガス輸送会社テレガの株式31.5%取得が欧州委員会の承認を得たほか、スペインのサッガスの持分も追加取得しました。2026年通期はEBITDA6億2,000万ユーロ、中核純利益2億3,500万ユーロを目標としています。
同じガスインフラの会社としては、イタリアのスナムがしばしば比較対象になります。国内の規制インフラを軸にする点は共通していますが、規制の枠組みや配当利回りは国ごとに異なります。
配当と税金
エナガスの1株配当は1ユーロ、表面利回りは約5.96%です。
スペインの現地源泉税は19%です。日西租税条約(2021年発効)の限度税率は5%とされていますが、適用は証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認してください。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合、現地源泉税19%で計算した税引き後の実質利回りの目安は約3.85%です(計算式:5.96% ×(1−0.19)× 0.79685)。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月22日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
エナガス株の日本からの買い方
エナガスの上場市場はマドリード証券取引所(BME)のみで、ティッカーは「ENG」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:ENGGY)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | エナガス株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「ENG」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約3,115円 | 1,021円 | 約32.78% |
| 50株 | 約15万5,800円 | 1,021円 | 約0.66% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ(約1,021円)です。1株だと手数料負担率は約32.78%と重く、現実的には50株単位のまとめ買いが前提になります。50株まとめると負担率は約0.66%まで下がります。
エナガス株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 高い配当利回りを狙いたい人 | 配当利回りは約5.96% |
| 規制インフラ・水素関連に投資したい人 | ガス輸送網を軸に水素インフラへの転換を進めている |
| 50株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.66%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 少額の1株買いをしたい人 | 手数料負担率が約32.78%と重い |
| 規制収入の変動を避けたい人 | 新規制で規制収入は平均7%程度低下する見込み |
よくある質問
エナガス株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がマドリード証券取引所(BME)のみのためです。米国預託証券(ENGGY)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約3,115円から購入できます。ただし手数料負担率は1株で約32.78%と重いため、50株単位(約15万5,800円)でのまとめ買いが前提です。
配当にかかる税金はどうなりますか?
スペインの現地源泉税は19%です(日西租税条約の限度税率5%の適用は証券会社の手続き次第)。これに加えて日本側でさらに20.315%が課税されます。外国税額控除や現地還付請求をしない場合、税引き後の実質利回りの目安は約3.85%です。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
ADR(ENGGY)とエナガス株(ENG)の違いは何ですか?
ENGGYは米国のOTC市場でのみ取引される預託証券で、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。本記事で扱うENGはマドリード証券取引所に上場する原株で、日本からはサクソバンク証券などでこちらを直接購入することになります。
まとめ
- メリット:配当利回り5.96%/1年で株価+25.51%上昇/フランスのテレガ株式31.5%取得が欧州委員会の承認を得た
- デメリット:新規制で規制収入は平均7%程度低下する見込み/水素インフラ投資は収益化まで年数がかかる/1株買いの手数料負担率は32.78%と重い
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約3,115円から。50株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.66%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月22日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はエナガス社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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