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配当が減っていた欧州株を数えた|230社中39社という実測【2026年】

配当が減っていた欧州株を数えた|230社中39社という実測【2026年】

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この記事の結論

  • 2026年9月3日時点で4年分以上の配当データがそろう欧州株230銘柄を対象に、2021年か2022年を起点として通算の増減を確認したところ、39社(17%)が配当を減らしていました
  • ただし39社のうち35社は今も配当を出しています。無配になったのは4社だけで、「減配=終わり」ではないことが分かります
  • 減らしたあとでも利回りが高い銘柄があります。アビバ5.48%・パーシモン5.22%・BASF4.41%・アデコ4.30%などです
  • 配当をやめて自社株買いに切り替えた例もあります。バークレー・グループがそのケースです

当サイトでは以前、欧州株の減配がどう起きるかを6つの事例で見た記事を書きました。あの記事は「実際にどんな減配が起きたか」を具体的に見せるためのものでしたが、事例だけでは「減配はどのくらいの頻度で起きるのか」という全体像までは分かりません。そこで今回は、配当の増加率を年平均で調べた記事と同じデータを使い、逆側——通算で配当を減らした銘柄がどれだけあったのかを数えました。

対象は、2026年9月3日時点で4年分以上の配当データがそろう230銘柄です。2021年か2022年を起点にし、直近の年の配当合計が起点の年の配当合計より少なければ「減った」に数えています。途中の年で増えた年があっても、通算で減っていればここに含めています。測っているのは直近4〜5年だけで、それより前の期間は対象に含みません。

目次

実測結果——230銘柄中39社(17%)が通算で配当を減らしていた

230銘柄のうち39社が、起点の年より最後の年の配当合計が少なくなっていました。割合にすると17%です。同じデータで「4年連続増配は51社」と数えた記事の、逆側にあたる集計です。

国別の内訳は、ドイツ10・イギリス8・スペイン6・スイス6・イタリア4・フランス3・デンマーク2です。業種別では小売・外食3、保険3、資本財2、医薬2、自動車2、食品1、公益1で、残りは4社に満たない業種に分散しています。特定の国や業種にまとまって集中しているわけではなく、業種はばらけているというのがこの集計から見える印象です。

39社の中には海運の銘柄が2社(D/Sノルデン・マースク)含まれています。海運は運賃の変動が大きい商売で、運輸株をまとめた記事でも振れ幅の大きい領域として扱いました。ここでも同じ傾向が数字に表れていると思います。

減少幅が大きい16社——年平均でどれだけ減ったか

39社のうち、年平均の減少率が大きい順に16社を並べました。あわせて現在の配当利回りも載せています。

年平均会社現在の利回り業種
−53%D/Sノルデン2.19%海運
−52%バイエル0.22%医薬品
−37%パーシモン5.22%住宅建設
−36%ザルツギッター0.36%鉄鋼
−35%アビバ5.48%保険
−33%フェラガモ無配ラグジュアリー
−32%バークレー・グループ無配住宅建設
−32%アントファガスタ0.01%銅鉱山
−26%アデコ4.30%人材サービス
−23%マースク2.19%海運
−21%ケリング1.20%ラグジュアリー
−19%ピアジオ2.87%二輪車・小型商用車
−18%キオン1.57%産業車両・倉庫自動化
−17%アリストン2.80%給湯・暖房機器
−13%BASF4.41%化学
−13%セルネックス西2.92%通信インフラ
2026年9月3日時点、230銘柄中の実測。年平均は起点の年から最後の年までの平均変化率

減少幅そのものは会社ごとに事情が異なり、この記事では個別の理由までは踏み込みません。ここで見せたいのは、減った幅の大きさと、その後の配当や利回りが必ずしも一直線につながっているわけではない、という数字の並びです。

39社のうち35社は今も配当を出している

この記事でいちばん伝えたいのはここです。通算で配当を減らした39社のうち、無配になったのは4社だけで、残りの35社は今も配当を出しています。「減配」という言葉から、配当そのものがなくなってしまうイメージを持たれることがありますが、実際に数えてみると、減らしたあとも配当を続けている会社のほうが圧倒的に多いという結果でした。

減配は、配当という還元の形を続けたまま、その金額を見直した状態と考えたほうが、実態に近いと思います。「減配が起きた=その会社の株主還元は終わり」と早合点しないほうがよさそうです。

減らしたあとでも利回りが高い会社がある

上の表を見ると、減少幅が大きいのに現在の利回りが今も高い銘柄があることに気づきます。アビバ5.48%・パーシモン5.22%・BASF4.41%・アデコ4.30%です。これらはいずれも減配を経験した会社ですが、それでも今の利回りは高い水準にあります。

減らしたあとでこの水準ということは、それ以前の配当はさらに高かったということでもあります。利回りの高さだけを見て「減配していない優良株」と考えるのではなく、その利回りがどういう経緯でできた数字なのかを、一度確認しておいたほうがよいと思います。

自社株買いに移った例もある

表の中のバークレー・グループは、配当をやめて自社株買いに切り替えた会社として当サイトで記録しています。株主還元の手段が配当から自社株買いに移っただけで、還元そのものをやめたわけではありません。

当サイトが自社株買いを実測した記事では、226社中90社が株数を前年比で減らしており、バークレー・グループも株数を前年比6.78%減らしていました。配当という数字だけを見ていると還元が縮小したように見えても、自社株買いという別の形に移っているケースがあるということです。減配イコール株主還元の縮小、とは言い切れないと考えています。

まとめ:減配は珍しいことではない、起きたときの見方を決めておく

  • 230銘柄中39社(17%)が通算で配当を減らしていた(2021〜2022年を起点、2026年9月3日時点)
  • 39社のうち35社は今も配当を出している。無配は4社だけで、減配=終わりではない
  • 減らしたあとでもアビバ5.48%・パーシモン5.22%など利回りが高い銘柄がある
  • バークレー・グループのように、配当から自社株買いに移った例もある

減配は、今回数えた範囲だけでも230銘柄中39社に起きています。決して珍しい出来事ではありません。減配が起きたときに慌てて手放すか、続けて保有するかを、あらかじめ自分の中で決めておけば、実際にその場面が来たときも落ち着いて判断できるのではないかと思います。

この記事の検証方法

  • 調査日は2026年9月3日です。4年分以上の配当データがそろう230銘柄を対象にしています
  • 起点は銘柄ごとに2021年か2022年で、測っているのは直近4〜5年です。それより前の期間は対象に含みません
  • 「減った」とは、起点の年の配当合計より最後の年(2026年時点の直近の年)の配当合計が少ないことと定義しました。途中の年で増えた年があっても、通算で減っていればここに含めています
  • 該当したのは39社(17%)で、そのうち35社は今も配当を出しており、無配になったのは4社です
  • 減少幅の順位(16社)は、起点の年から最後の年までの年平均の変化率で並べています
  • 現在の配当利回りは、この記事の集計時点のものです。日々の株価で変動するため、参照した日のものとお読みください
  • 個別企業がなぜ配当を減らしたかという理由については、本記事では扱っていません。数値の提示にとどめています
  • この記事の数値は今回対象とした230銘柄に限った集計であり、欧州市場全体を代表するものではありません
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の配当・利回りのデータは2026年9月3日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が割安・割高であること、または今後の配当方針を示すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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