※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。
この記事の結論
- 2026年9月3日、対象とした欧州株264銘柄のうち、配当を出していない会社は17社(6.4%)でした
- 17社のうち9社がデンマーク企業です。うち医療・バイオ系が4社、補聴器のデマントを合わせると5社が広い意味でのヘルスケア関連です
- 無配の中身を見ると、成長投資・自社株買いへの移行・業績が苦しい時期という3つの型に分かれると考えられます
- この3つを見分けるには、株数の増減と予想PERを並べて見るとよいと思います
当サイトでは以前、無配の欧州株はなぜ配当を出さないのかという記事で、無配になる理由を3つの型に整理しました。あの記事は「理由」の整理が中心で、実際に何社あるのかという数はあまり触れていませんでした。この記事はその裏づけとして、実際に何社が無配なのかを数えた実測です。
2026年9月3日時点で、これまで記事化してきた欧州株264銘柄を対象に、配当の有無を1社ずつ確認しました。結果、無配だったのは17社です。まずはその内訳から見ていきます。
264社中17社が無配(6.4%)——実際に数えてみた実測データ
264銘柄のうち、配当を出していないのはこの17社でした。国の内訳はデンマーク9・イギリス2・イタリア2・ドイツ2・フランス2です。
| 会社 | 国 | 業種 |
|---|---|---|
| バークレー・グループ | 英 | 住宅建設 |
| ノボネシス | 丁 | バイオ酵素 |
| アンブ | 丁 | 医療機器 |
| NKT | 丁 | 電力ケーブル |
| ALKアベロ | 丁 | アレルギー治療薬 |
| ペア・オースレフ | 丁 | 建設 |
| ネットカンパニー | 丁 | ITサービス |
| バヴァリアン・ノルディック | 丁 | ワクチン |
| デマント | 丁 | 補聴器 |
| オーステッド | 丁 | 電力(洋上風力) |
| サフィロ | 伊 | アイウェア |
| フェラガモ | 伊 | ラグジュアリー |
| プーマ | 独 | スポーツ用品 |
| ツァランド | 独 | ファッションEC |
| アルストム | 仏 | 鉄道車両・信号 |
| エールフランスKLM | 仏 | 航空 |
| バーバリー | 英 | ラグジュアリー |
比率にすると264社中17社、6.4%です。数だけ見ると多くはありませんが、国の内訳を見ると、ひとつの国に偏りが出ていることが分かります。
9社がデンマーク——医療・バイオに偏る無配銘柄
17社のうち9社がデンマーク企業でした。今回実測したデンマーク株のうち、無配の会社がかなりの割合を占めていることになります。中身を見ると、ノボネシス・アンブ・ALKアベロ・バヴァリアン・ノルディックの4社が医療・バイオ系で、これに補聴器メーカーのデマントを加えると、9社中5社が広い意味でのヘルスケア関連です。
この偏りは、業種の性格と関係があると考えられます。当サイトが業種別に配当性向を実測した別記事によると、医薬・ヘルスケアの配当性向は44%で、集計した業種の中で最も低い結果でした。稼いだ利益を配当に回す割合が低く、研究開発に回す業種だということです。デンマークの無配銘柄に医療・バイオ系が多いのは、この業種の性格が極端な形で出たものだと読めます。
もう1社、触れておきたいのが洋上風力のオーステッドです。当サイトが配当の連続増配を実測した別記事では、デンマークの洋上風力企業は4年連続で増配している会社として登場していました。ところが今回の実測では、オーステッドは2025年分の権利落ちが確認できず、無配の扱いになっています。何があったのか、当サイトでは理由まで確認していません。ここでは「増配が続いていた会社が、今回の実測では無配として出てきた」という事実だけをお伝えします。
無配には3つの型がある
17社を眺めていると、無配の中身が一様ではないことに気づきます。配当がないという結果は同じでも、そこに至る背景は分かれると考えられます。大きく3つの型に整理してみます。
- 成長に回している型——ツァランド(独・ファッションEC)、ネットカンパニー(丁・ITサービス)、ALKアベロ(丁・アレルギー治療薬)のように、事業を広げる局面の会社が含まれます。配当より事業への再投資を優先していると見られる顔ぶれです
- 自社株買いに移した型——バークレー・グループ(英・住宅建設)は、当サイトの記録では配当を取りやめ、自社株買いへ還元の形を移した会社です。自社株買いを実測した別記事でも、バークレー・グループは前年比−6.78%と株数を大きく減らしていました。無配だからといって株主還元をしていないとは限らない、という一例です
- 業績が苦しい時期の型——バーバリー(英・ラグジュアリー)、フェラガモ(伊・ラグジュアリー)のように、業績が振れやすい局面にある会社です。実績PERと予想PERを比べた別記事によると、バーバリーの実績PERは182.6倍、予想PERは27.9倍でした。実績PERがこれだけ高いのは、直近の利益が大きく落ち込んだ年であることの表れだと読めます
この3つの型は、あくまで数字から読み取れる一般的な傾向としての整理です。1社ごとに無配になった経緯まで当サイトで確認したわけではないので、個別の会社がどの型に当てはまるかは、目安としてご覧ください。
見分けるには株数の増減と予想PERを並べる
3つの型を見分ける手がかりとして、実務的に使えそうなのが株数の増減と予想PERの組み合わせです。株数が減っていれば、自社株買いに回している可能性があります。逆に株数が横ばいで予想PERが実績PERより大きく下がっているなら、業績が一時的に落ち込んでいるだけで、市場は回復を見込んでいると読める場合があります。どちらの動きもなく、事業自体が拡大しているなら、成長投資に回している型に近いと考えられます。
ただし、ここで一つ注意が必要です。予想PERはアナリストの見通しにもとづく数字であって、確定した事実ではありません。予想が外れることもあります。株数の増減は実際に起きた事実として確認できますが、予想PERはあくまで「市場がいまそう見込んでいる」という参考情報として扱うのが妥当だと思います。
まとめ:無配だけを見て外すと、還元の形が違う会社まで一緒に外れる
- 2026年9月3日の実測で、対象264銘柄のうち無配は17社(6.4%)。うち9社がデンマーク企業
- デンマークの無配9社は医療・バイオ系が4社+補聴器のデマントで計5社。業種別実測で医薬・ヘルスケアの配当性向は44%と最も低く、その性格が表れた形
- 無配には成長投資・自社株買いへの移行・業績が苦しい時期という3つの型がある
- 見分けるには株数の増減と予想PERを並べるとよい。ただし予想PERはアナリストの見通しであり確定した事実ではない
配当がないことだけを見て外すと、還元の形が違うだけの会社まで一緒に外れてしまいます。株数がどう動いたかを一度見ておくと、区別がつくと思います。
この記事の検証方法
- 調査日は2026年9月3日です。これまで記事化してきた欧州株264銘柄を対象に、配当の有無を1社ずつ確認しました
- 無配と判定したのは、直近で配当(権利落ち)の記録が確認できなかった17社です
- 各社が無配である個別の理由は、1社ごとには確認していません。「無配には3つの型がある」の分類は、数字から読み取れる一般的な傾向としての整理であり、個々の会社の経営判断を断定するものではありません
- オーステッドについては、別記事(連続増配の実測)で4年連続増配の会社として扱われていましたが、今回の実測では2025年分の権利落ちが確認できませんでした。理由は当サイトでは確認していません
- バークレー・グループの株数の前年比−6.78%、バーバリーの実績PER182.6倍・予想PER27.9倍は、いずれも当サイトの別記事における2026年9月時点の実測値を引用しています
- 医薬・ヘルスケアの配当性向44%は、当サイトが業種別に実測した別記事の数値を引用しています
- 予想PERはアナリストの見通しにもとづく数字であり、確定した事実ではありません。将来の株価や業績を保証するものではありません
- この記事の数値は当サイトが取り上げた銘柄に限った集計であり、欧州市場全体を代表するものではありません
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
あわせて読みたい
- 無配の欧州株はなぜ配当を出さないのか|3つの理由で見分ける【2026年】
- 欧州株の自社株買いを実測|226社中90社が株数を減らした【2026年】
- 実績PERと予想PERを全部比べた|254社中220社が増益見込み【2026年】
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載のデータは2026年9月3日時点で確認した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が割安・割高であること、または投資に適していることを示すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

コメント