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この記事の結論
- スイス再保険株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はSIXスイス証券取引所のみ)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約2万6,970円)
- 最低手数料の関係で10株単位のまとめ買いが目安(1株だと負担率約4.0%、10株なら約0.40%)
- 最大の注意点:NISA不可+スイスの配当源泉税35%(表面利回り約4.6%は実質約2.4%まで低下)
ミュンヘン再保険と並ぶ世界最大級の再保険会社スイス再保険(Swiss Re AG/ティッカー:SREN)。2026年上期(1〜6月)の純利益は28億ドルで、前年同期比+9%。自然災害による損失が四半期の市場想定を大きく下回ったことが追い風になりました。
この記事では株価・業績・買い方を、同じ再保険会社であるミュンヘン再保険との比較も交えて解説します。
スイス再保険株の基本データ(2026年8月時点)
| 株価 | 138.05スイスフラン(1株 約2万6,970円) |
| 52週レンジ | 114.05 〜 155.30スイスフラン |
| 時価総額 | 約403億スイスフラン |
| PER | 約10.6倍(2026年12月期予想) |
| 配当利回り | 約4.6%(税引き後は約2.4%) |
| 上場市場 | SIXスイス証券取引所 |
2026年上期、純利益28億ドルで前年同期比+9%
スイス再保険の2026年上期(1〜6月)純利益は28億ドル(前年同期比+9%)、ROEは22.7%(前年同期は23.0%)でした。会社は通期の純利益目標「45億ドル」を据え置いており、上期だけで目標の62.2%に到達する順調な進捗です。グループ全体の保険サービス結果は35億ドルと、前年同期から5億ドル積み上がりました。
好調の主因は自然災害による損失の少なさです。第2四半期の大型自然災害損失は市場想定を3億9,100万ドル下回りました。主力の損害保険再保険(P&C再保険)部門は純利益14億ドル(前年同期比+18%)、コンバインドレシオは76.7%(前年同期は81.1%)と大幅に改善しています。同部門の大型自然災害損失は1億6,900万ドル、大型人為災害損失は1億2,900万ドルで、通期目標「コンバインドレシオ85%未満」に対して余裕のある水準です。
法人保険(Corporate Solutions)部門も純利益4億9,000万ドル(前年同期比+14%)、コンバインドレシオ86.1%(前年同期は88.2%)と改善しました。同部門の大型自然災害損失は3,100万ドルで、4月に米テキサス州を襲った竜巻と暴風「フェルン」が主因です。大型人為災害損失は8,100万ドルでした。生命・医療保険再保険(L&H Re)部門も純利益10億ドル(前年同期の8億6,500万ドルから約+15.6%)と伸びており、3部門すべてが業績を押し上げる形になりました。
株主還元にも積極的です。2026年4月の株主総会で、2025年度配当は前年比+9%の1株8.00米ドルへの増配が承認されました。あわせて最大15億ドルの自社株買いプログラム(2026年3月開始、年内完了予定)を実施中で、うち5億ドルは毎年継続する自社株買い枠です。2026年7月末時点でプログラムの約60%を消化済みと公表されています。
結論:スイス再保険株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 必要資金の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 1株 約2万6,970円〜 | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
スイス再保険が上場しているのはSIXスイス証券取引所で、ティッカーは「SREN」です。米国預託証券はOTC銘柄で、楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。この構造はなぜSBI・楽天では欧州株が買えないのかで解説した銘柄すべてに共通する理由です。
保険業界に限れば、アリアンツやチューリッヒ保険も国内ネット証券では買えません。再保険会社の同業にはミュンヘン再保険があります。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
2026年8月13日終値時点の株価は138.05スイスフラン。フラン円レート(約195.4円)で換算すると1株あたり約2万6,970円です。52週高値155.30フランからは約11%下、52週安値114.05フランからは約21%上という水準にあります。
SIX上場銘柄のSaxo手数料は0.132%(最低5.50スイスフラン)。1株買いでは手数料が最低額に張り付くため負担率は約4.0%(約1,075円)に達しますが、10株(約26万9,700円)単位でまとめて買えば負担率は約0.40%まで下がります。1株だけで買うのは割高なので、10株単位でのまとめ買いが現実的です。
配当利回り約4.6%は税引き後にいくら残るのか
スイス再保険は2025年度の配当として1株8.00米ドル(前年比+9%増配)を2026年4月に支払っており、フラン換算では約6.30スイスフランでした。現在の株価に対する表面利回りは約4.6%です。
スイスの配当源泉税は35%。日本とスイスの租税条約が定める限度税率は10%なので、差額の25%は本来払う必要のない税金ですが、スイス税務当局へ直接還付請求しないと戻ってきません。配当を100として、何も手続きをしない場合の概算です。
- 配当 100
- スイスで35%源泉徴収 → 65
- 日本でさらに20.315%課税(現地源泉後の金額に対して) → 約51.8
表面利回り約4.6%は、実質では約2.4%まで下がります。他国の欧州株との比較は欧州株の配当税を国別に比較にまとめています。
買う前に知っておくべきこと
サクソバンク証券はNISAに対応していません。PER約10.6倍は、同サイトで扱ったネスレ(約27倍)やアリアンツ(約14.4倍)と比べても低い水準ですが、これは再保険会社特有の業績変動リスクを市場が織り込んでいるためです。2026年上期は自然災害による損失が想定を下回る「平穏な期」でしたが、大型ハリケーンや大地震が発生した年は一転して純利益が大きく落ち込むことがあります。スイスフラン建てなので為替の影響も受けます。同じ再保険会社のミュンヘン再保険とあわせて業種特有の値動きパターンを確認しておくと理解が深まります。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月13日終値時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
よくある質問
スイス再保険とミュンヘン再保険はどう違いますか?
両社は世界の再保険市場を二分する規模を持ち、事業モデルもほぼ共通しています。主な違いはスイス企業かドイツ企業か、通貨がスイスフランかユーロかという点です。2026年上期はスイス再保険が純利益+9%、ミュンヘン再保険が+23.5%といずれも増益で、共通して自然災害損失の少なさが追い風になりました。伸び率の差は各社の再保険引受構成の違いによるもので、1社に集中させず両社に分散する選択肢もあります。
2026年上期の増益は自然災害が少なかっただけですか?
自然災害損失の少なさが追い風になったのは事実で、第2四半期の大型自然災害損失は市場想定を3億9,100万ドル下回りました。ただし法人保険(Corporate Solutions)部門は4月のテキサス州の竜巻と暴風「フェルン」で3,100万ドルの自然災害損失を計上しており、災害がゼロだったわけではありません。生命・医療保険再保険部門の純利益も前年同期比+15.6%と伸びており、自然災害の少なさだけでなく複数部門の底上げが増益に寄与しています。再保険会社の業績は四半期ごとの災害発生状況で大きく変動するため、単期の数字だけで判断せず複数年の平均で評価する視点が必要です。
PERが10倍前後と低く見えるのはなぜですか?
2026年8月13日時点のPERは約10.6倍(2026年12月期予想)。再保険会社は大規模自然災害が発生した年に利益が急減するリスクがあり、市場はこの業績変動リスクを織り込んで保険株全般を低いPERで評価する傾向があります。スイス再保険は2026年上期に純利益+9%を確保しつつ、配当を8.00米ドルへ9%増配し、最大15億ドルの自社株買いも実施しており、株主還元には積極的です。
まとめ
- スイス再保険はSIXスイス証券取引所上場。米国ADRはOTC銘柄で楽天証券は新規買付不可
- 現物を持つならサクソバンク証券が実質的な選択肢。1株約2万6,970円、10株単位なら手数料負担率は約0.40%まで下がる
- 2026年上期の純利益は28億ドルで前年同期比+9%。自然災害損失は市場想定を3億9,100万ドル下回る「平穏な期」だった
- 配当は8.00米ドルへ9%増配。利回り約4.6%はスイスの源泉税35%により実質約2.4%まで低下
- NISAは使えない。大災害が発生した年は業績が大きく落ち込むリスクがある
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 10株単位でまとめ買いできる | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料を中心に確認しています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月14日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はスイス再保険社の公表資料および同社決算発表を報じた各種メディアの報道に基づきます。税額の計算は概算であり、実際の課税関係は個々の状況により異なります。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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