※この記事の数字は、2026年9月に集計の誤りを直したうえで取り直したものです。経緯は末尾の「この記事の検証方法」に書いています。
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この記事の結論
- 2026年9月2日、当サイトが記事化している欧州株の配当性向を同じ日に一斉取得しました。データが取得できた241社のうち、配当性向100%超は13社です
- 100%を超えると、その年の利益より多くの配当を払っていることになります。13社は全体の約5.4%で、多数派ではありませんがゼロでもありません
- 13社中9社は利回り4%超で、テイラー・ウィンピーは9.23%です。高利回りの銘柄を探すほど、この13社のどれかに当たりやすくなります
- 配当性向が100%を超えていても、ただちに問題があるとは限りません。この記事は数字がそうなっている会社を数えたものであって、個々の会社の是非を判定したものではありません
高配当株を探すとき、多くの人は利回りの高さから見ていくと思います。ただ、利回りの隣には配当性向というもう一つの数字が並んでいます。配当性向は「1株あたり配当 ÷ 1株あたり利益」で計算する数字で、100%を超えると、その年の利益より多くの金額を配当として払っていることになります。
当サイトでは記事にしない銘柄の基準の記事で、配当性向100%超を見送りの基準の一つに挙げています。ただ、実際に何社がその基準に触れているのかは、これまで数えたことがありませんでした。そこで今回、2026年9月2日に当サイトが記事化している欧州株の配当性向を同じ日に一斉取得し、100%を超えている会社を数えてみました。
実測結果:241社中13社が「利益より多く配って」いた
配当性向のデータが取得できたのは241社です。これを3段階に分けると、次のようになりました。
| 配当性向 | 社数 |
|---|---|
| 80%以下 | 213社 |
| 80〜100%(利益の大半を配っている) | 15社 |
| 100%超(利益より多く配っている) | 13社 |
100%を超えているのは13社で、241社に対して約5.4%です。多数派ではありませんが、ゼロでもありません。20社に1社の割合で、利益より多くの配当を払っている会社が混ざっているというのが、今回数えてみた実態です。
100%を超えている13社
その13社を、配当性向が高い順に並べると次のとおりです。
| 配当性向 | 利回り | 会社 | 業種 |
|---|---|---|---|
| 2,600% | 2.45% | スウォッチ | 時計 |
| 222% | 5.48% | アビバ | 保険 |
| 188% | 4.87% | コロプラスト | 医療機器 |
| 118% | 5.17% | エネル | 電力 |
| 114% | 2.94% | アコー | ホテル・宿泊 |
| 113% | 7.29% | カルフール | スーパーマーケット |
| 111% | 5.46% | トリグ | 損害保険 |
| 108% | 9.23% | テイラー・ウィンピー | 住宅建設 |
| 107% | 3.91% | ネスレ | 食品・飲料 |
| 104% | 5.32% | エンジー | 電力・エネルギー |
| 103% | 4.25% | レキットベンキーザー | 家庭用品・ヘルスケア |
| 103% | 4.09% | スイスコム | 通信 |
| 101% | 1.15% | VATグループ | 半導体製造装置部品 |
表の一番上、スウォッチの2,600%だけは他の12社と桁がまったく違います。同じ日に取得した実績PERも1,054倍という水準で、他社と並べて比較できる状態にはありません。数値は取得元の表示のままここに載せていますが、なぜこの数字になっているのかは、この記事では推測しません。2位のアビバの222%は、利益の2倍以上にあたる配当を払っている計算です。一番低いVATグループでも101%で、利益をわずかに超えています。配当性向が100%を超えていても、それだけで問題があると決まるわけではありません。一時的な損失で利益が小さくなった年や、特別配当を出した年にもこうした数字は起こります。この記事は、あくまで数字がそうなっている会社を数えたものであって、個々の会社の是非を判定したものではありません。
高利回りを探すほど、この13社に当たりやすい
今回の実測で一番の実用価値だと思うのは、この点です。13社中9社は利回りが4%を超えており、テイラー・ウィンピーにいたっては9.23%です。1.15%のVATグループや2.45%のスウォッチのような例外もありますが、大半は利回りの高い銘柄に偏っています。
これは考えてみれば当然のことかもしれません。配当利回りは「配当額 ÷ 株価」で決まる数字で、利益に対して配当が大きいほど利回りも高く出やすくなります。つまり、高い利回りを基準に銘柄を絞り込むほど、配当性向が100%を超えている会社に当たる確率も上がるということです。利回りの高さだけを見て選ぶのではなく、その隣にある配当性向もあわせて確認しておくと、見落としを減らせると思います。
業種はばらけている、知っている会社でも例外ではない
13社の業種を見ると、保険が2社(アビバ、トリグ)、電力系も2社(エネル、エンジー)、小売系も2社(カルフール、レキットベンキーザー)と重なりはあるものの、残りは食品・医療機器・時計・ホテル・住宅建設・通信・半導体部品と、業種はかなりばらけています。特定の業種だけの問題ではないというのが、13社を並べてみた印象です。
もう一つ感じるのは、誰もが知っている大企業も、この13社に入っているという点です。食品大手のネスレは107%、フランスの小売大手カルフールは113%でした。どちらも世界的に名前の知られた会社ですが、配当性向という数字だけを見れば、100%を超えている13社の一角です。「有名だから安心」ということと、配当性向が100%を超えているかどうかは、別の話だと思います。
なお、表の中でスウォッチの2,600%だけは、前述のとおり他社と比較できる水準にありません。13社の中の1社として数には含めていますが、残り12社と同じ物差しで並べて語れる数字ではない、という点は改めて記しておきます。
まとめ:配当性向は利回りの隣にある数字
- 2026年9月2日に同じ日で実測した結果、配当性向100%超は241社中13社(約5.4%)
- 13社中9社は利回り4%超で、テイラー・ウィンピーは9.23%。高利回りを探すほど当たりやすい
- 業種は保険・電力・小売・食品・医療機器・時計・ホテル・通信・半導体部品と幅広く、特定の業種に偏った問題ではない
- ネスレ・カルフールのような大企業も含まれ、有名かどうかと配当性向は別の話
- 配当性向100%超がただちに問題とは限らない。一時的な損失や特別配当でも起こる。この記事は数字がそうなっている会社を数えたものであって、個々の会社の是非を判定したものではない
配当性向は、利回りの隣に並んで表示されていることが多い数字です。見る習慣をつけておくと、あとで驚くことが減ると思います。
この記事の検証方法
- 配当性向・配当利回りは、2026年9月2日に株価データサイトから機械的に取得しました
- この記事は公開後に訂正しています。当初の集計は実測スクリプトの対象範囲が限られており、初期に取り上げた銘柄が抜けていました。加えて、カンマ区切りの数値(例:1,054.38)を正しく読み取れない不具合もありました。2026年9月2日に両方を修正のうえ、初期銘柄を含めて266銘柄を同じ日に取り直し、そのうち配当性向のデータが取得できた241社を今回の集計対象としています
- 配当性向のデータが取得できたのは241社です。データが取得できない銘柄は集計から除外しています
- 配当性向=1株あたり配当 ÷ 1株あたり利益です。100%を超えると、その年の利益より多くの配当を払っていることになります
- この記事の数値は当サイトが取り上げた銘柄に限った集計であり、欧州市場全体を代表するものではありません
- 配当性向が100%を超えていても、ただちに問題があるとは限りません。一時的な損失で利益が小さくなった年や、特別配当を出した年にも起こります。この記事は「数字がそうなっている会社を数えた」ものであって、個々の会社の是非を判定したものではありません
- 本記事は、掲載した13社が今後減配することを予測・示唆するものではありません
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の配当性向・配当利回りは2026年9月2日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が今後減配することを予測・示唆するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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