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欧州の再エネ関連株の顔ぶれ|発電・風車・送電網の3つの層で見る【2026年】

欧州の再エネ関連株の顔ぶれ|発電・風車・送電網の3つの層で見る【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 「再エネ関連株」とひとくくりにすると誤ります。発電・メーカー・送電網の3つの層で、収益の決まり方がまったく違うからです
  • 層1(発電)は電気の値段に、層2(メーカー)は受注に、層3(送電網・ガス網)は規制で決まる料金に、それぞれ収益が左右されます
  • 安定を求めるなら層3、成長を求めるなら層2という傾向があり、高配当銘柄が多いのは層3です
  • どの層も政策と金利に強く左右されます。テーマで買うのではなく、層を選んでから会社を選ぶほうが迷わないというのが筆者の考えです

EUは気候変動対策として、再生可能エネルギーへの投資を促す規制を段階的に強めています。こうした流れを見て「再エネ関連株を買っておけば恩恵を受けられるのでは」と考える方もいるかもしれません。ですが、この「再エネ関連株」という括り方には注意が必要です。

同じ「再エネに関わる会社」でも、電気をつくって売る会社と、風車やケーブルをつくって納める会社と、電気やガスを運ぶ設備を持つ会社とでは、収益の仕組みがまったく異なります。この記事では、当サイトで個別記事を公開している欧州企業の顔ぶれを使って、この業界を発電・メーカー・送電網の3つの層に分けて整理します。個別の株価や業績の数値は各社の個別記事に譲り、ここでは「どの層に何があり、収益はどう決まるのか」という構造だけを押さえます。

目次

層1:発電する会社|収益は電気の値段で決まる

1つ目の層は、実際に発電所を持って電気をつくり、売る会社です。イベルドローラ(スペイン)は再生可能エネルギー比率の高い電力大手として知られ、エネル(イタリア)やエンデサ(スペイン)、エンジー(フランス)も同じ層に入ります。オーステッド(デンマーク)は洋上風力の専業に転換した会社として知られ、SSE(イギリス)は発電に加えて送配電も手がけています。

この層の収益は、突き詰めれば電気の卸売価格に左右されます。発電した電気を市場で売る以上、電気の値段が上がれば収益は伸びやすく、下がれば圧迫されます。加えて、どのくらいの発電設備を持っているか、燃料費や発電コストをどこまで抑えられるかも収益を左右します。「再エネの会社だから常に有利」というより、電力という商品の値段に業績が連動する会社と捉えるほうが実態に近いと思います。

層2:設備をつくる会社|収益は受注で決まる

2つ目の層は、発電や送電に使う設備そのものをつくって納める会社です。ヴェスタス(デンマーク)は風力タービンのメーカー、プリズミアン(イタリア)とNKT(デンマーク)は高圧電力ケーブルのメーカーです。

この層の収益は受注で決まります。発電会社や送電会社が設備投資を増やせば注文が集まり、投資を抑えれば注文は減ります。受注してから納品・収益化までに時間がかかるため、業績の波は層1・層3より大きくなりがちです。NKTは無配のまま利益を成長投資に回す方針を取っていますが、これは需要の拡大に生産設備を追いつかせようとしている局面にあるためとされています。「成長分野だから配当も出るはず」とは限らない、というのがこの層の特徴です。

層3:運ぶ・つなぐ会社|収益は規制で決まる料金で決まる

3つ目の層は、電気やガスを運ぶ送電網・ガス網を保有し、運営する会社です。テルナ(イタリア)は送電インフラ、レデイア(スペイン)は送電網運営、スナム(イタリア)とエナガス(スペイン)はガスインフラ、A2A(イタリア)は電力・環境サービスを手がけています。

この層は多くが規制産業です。送電網やガス網の利用料金は当局が決める仕組みになっていることが多く、電気の値段が上下しても料金がそのまま変わるわけではありません。その代わり、収益が安定しやすいとされ、当サイトが個別記事で実測した配当利回りでも、テルナ・スナム・エナガス・レデイアはいずれも高配当の部類に入っていました。3つの層をまとめると、次のような整理になります。

役割収益を左右するもの配当の傾向
層1・発電電気をつくって売る電気の卸売価格会社による
層2・メーカー設備をつくって納める受注の増減無配の会社もある
層3・送電網電気・ガスを運ぶ規制で決まる利用料金高配当が多い

安定した値動きと配当を求めるなら層3、値動きは大きくても成長を取りにいくなら層2、という傾向があると筆者は考えています。この違いを知らずに「再エネ関連株」とまとめて選ぶと、自分が求めていたものと違う値動きの会社を持つことになりかねません。

個別に企業を選んで持ちたい場合、日本からはサクソバンク証券がほぼ唯一の入り口です。SBI証券・楽天証券・マネックス証券は欧州の現地市場を取り扱っていないためです。

正直に書くこと|「再エネだから伸びる」ではない

ここまで3つの層を紹介してきましたが、「再エネだから伸びる」という単純な話ではないことも書いておきます。

1つは政策依存です。再エネ関連の会社は、補助金や入札制度など政策の後押しを受けて事業を拡大してきた面があります。制度が変われば収益計画も見直しを迫られます。この政策リスクは、業界内でどれだけ会社を分散しても消えるものではありません。

もう1つは金利です。発電所や送電網は建設に巨額の資金がかかり、多くを借入で賄います。金利が上がれば利払いの負担が増え、新規の投資計画にもブレーキがかかりやすくなります。層1・層3のように大型の設備投資を借入で賄う会社ほど、この影響を受けやすいとされています。

洋上風力に力を入れてきたオーステッドが、事業の一部で厳しい局面を経験したことは複数の報道で広く伝えられています。当サイトは業績の詳細までは確認していないため、ここで断定的なことは書きませんが、「再エネに集中したから安泰」ではないことを示す一例だとは思います。この記事は個別の会社を推奨するものではなく、あくまで顔ぶれと業界構造の地図としてご覧ください。

まとめ:層を選んでから会社を選ぶ

  • 「再エネ関連株」は発電・メーカー・送電網の3層に分かれ、収益の決まり方が違う
  • 層1(発電)は電気の値段、層2(メーカー)は受注、層3(送電網・ガス網)は規制で決まる料金で収益が動く
  • 高配当が多いのは層3。層2は受注の波が大きく、無配の会社もある
  • どの層も政策と金利に強く左右される。「再エネだから伸びる」とは言い切れない
  • まずは自分が求めるのが安定か成長かを決め、層を選んでから会社を選ぶ

テーマで買うのではなく、層を選んでから会社を選ぶほうが迷わないと思います。どの会社がどの層に属するかさえ押さえておけば、値動きの理由も理解しやすくなるはずです。

この記事の検証方法

  • 各社がどの層(発電・メーカー・送電網)に属するかは、各社の事業内容と当サイトの個別記事(各記事の実測時点)を基に分類しています(2026年8月確認)
  • 層3の企業の配当が高い部類に入るという記述は、当サイトが個別記事で実測した配当利回り(各記事の実測時点)を根拠としています。個別の数値は各記事をご覧ください
  • NKTが無配であることは、当サイトの個別記事(実測時点)で確認済みです
  • オーステッドが事業の一部で厳しい局面を経験したことは複数の報道で広く伝えられていますが、当サイトは業績の詳細を確認していないため、本記事では業績の断定はしていません
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の企業を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の企業分類・配当傾向は本文記載の各時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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