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この記事の結論
- アリストンは、電気温水器やガス給湯器、ヒートポンプを作るイタリアの給湯・暖房機器メーカーです
- 魅力の核心:会社発表によると、2026年上半期の調整後EBITは前年同期比+11.5%でした
- 最大のリスク:2024年12月期の純利益はロシア子会社接収の影響で250万ユーロまで落ち込みました(2025年は1億3,240万ユーロまで回復)
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約704円から(推奨ロット100株が目安/1株だと手数料負担率は約145.04%と重く、100株単位が前提)
2024年にロシア子会社を接収され純利益が250万ユーロまで落ちた会社が、2025年には1億3,240万ユーロまで戻しました。アリストンは、電気温水器やガス給湯器、ヒートポンプを作り、Ariston・Elco・Wolf・ATAGなどのブランドで世界に売るイタリアの給湯・暖房機器メーカーです。
2024年4月、ロシア当局が同社のロシア子会社を接収してガスプロム傘下企業に移管したことに伴う損失計上で、その年の純利益は250万ユーロまで落ち込みました。会社発表によると、2025年12月期の純利益は1億3,240万ユーロまで回復し、2026年上半期の調整後EBITも前年同期比+11.5%と伸びています。
同業種の対比先としては、家電のデロンギ(伊)や衛生設備のゲベリット(瑞)がしばしば挙げられます。アリストンの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
アリストン株の基本データ(2026年8月25日時点)
| 株価 | 3.792ユーロ(1株 約704円) |
| 52週レンジ | 3.084〜5.715ユーロ |
| 時価総額 | 約13.0億ユーロ |
| PER | 約12.64倍(予想 約10.05倍) |
| 配当利回り | 2.64%(1株配当0.1ユーロ) |
| 上場市場 | イタリア証券取引所(ミラノ) |
| 1年の株価騰落 | −19.53% |
調整後EBIT+11.5%という事実|アリストン株の魅力
純利益は2024年の250万ユーロから2025年12月期は1億3,240万ユーロへ回復(EPS0.36ユーロ)
会社発表によると、アリストンの2024年12月期の純利益は250万ユーロ(EPS0.01ユーロ)でしたが、2025年12月期には1億3,240万ユーロ(EPS0.36ユーロ)まで回復しました。2024年の落ち込みは、同年4月にロシア当局が同社のロシア子会社を接収し、ガスプロム傘下企業に移管したことに伴う損失計上が理由です。報道によると、この措置は2025年3月に取り消されたとされています。
投資家にとっては、一時的な特殊要因で大きく落ち込んだ利益が、翌期には通常の水準に戻ったという事実を確認できるということです(今後同様の事態が起きないことを保証するものではありません)。
2026年上半期の売上高は13億4,730万ユーロで前年同期比+4.3%、調整後純利益は4,180万ユーロで+8.2%
会社発表によると、2026年上半期の売上高は13億4,730万ユーロで前年同期比+4.3%、調整後純利益は4,180万ユーロで同+8.2%でした。
投資家にとっては、直近の半期でも増収増益が続いているという事実を確認できる材料です(下半期の水準を保証するものではありません)。
2026年上半期の調整後EBITは7,350万ユーロで前年同期比+11.5%、マージン5.5%
会社発表によると、2026年上半期の調整後EBITは7,350万ユーロで、前年同期の6,590万ユーロから増加し、マージンは5.1%から5.5%に改善しました。会社発表によると、欧州、とくにドイツのヒートポンプ需要が業績を支えているとされています。
投資家にとっては、利益率そのものが改善傾向にあるという事実を確認できます(今後の利益率水準を保証するものではありません)。
2026年通期見通しは為替一定ベースで+1〜4%の増収、調整後EBITマージン7〜8%
会社発表によると、2026年通期の見通しは為替一定ベースで+1〜4%の増収、調整後EBITマージンは7〜8%とされています。加えて報道によると、2026年7月1日にはRielloの買収を完了しています(買収金額は確認できていません)。
投資家にとっては、会社自身が示す通期の増収レンジと利益率目標を確認できる材料です(達成を保証するものではありません)。
−19.53%という1年の下落|先に知っておきたいリスク
事業を置く国の政治的な判断で資産を失った実績|2024年のロシア子会社接収
会社発表によると、2024年4月27日にロシア当局はアリストンのロシア子会社を接収し、ガスプロム傘下企業に移管しました。これに伴う損失計上により、2024年12月期の純利益は250万ユーロまで落ち込みました。報道によると、この措置は2025年3月に取り消されたとされています。
投資家にとっては、事業を置く国の政治的な判断によって資産が失われることが、実際に起きた事実として確認できるということです(同様の事態が今後起きないことを当サイトで保証するものではありません)。
営業利益率は5.57%(2025年12月期実測)と薄い
実測によると、2025年12月期の営業利益率は5.57%でした。売上高27億4,700万ユーロに対し、営業利益は1億5,310万ユーロです。
投資家にとっては、給湯・暖房機器という設備事業の利益率がそれほど高くないという事実を、他業種の銘柄と比べる材料として確認しておく必要があるということです。
株価は1年で−19.53%、52週高値5.715ユーロから大きく下落
実測によると、アリストン株は1年で−19.53%となり、52週高値5.715ユーロからは大きく下がっています。報道によると、2026年第1四半期の売上が市場予想を下回ったこと、中東情勢と為替の逆風が株価下落の理由として挙げられています。
投資家にとっては、直近1年で株価が大きく調整した銘柄であるという事実を踏まえておく必要があるということです(当サイトでは今後の株価水準を予測しません)。
1株の手数料負担率は約145.04%、100株単位が前提
アリストン株は1株3.792ユーロ(約704円)に対し、サクソバンク証券クラシックの最低手数料は5.50ユーロ(約1,021円)で、1株だけ買うと手数料負担率は約145.04%になります。
投資家にとっては、1株単位ではなく100株単位(約70,400円、負担率1.45%)を前提に検討する必要があるということです。
アリストンは電気温水器とヒートポンプで稼ぐ会社
アリストンは、電気温水器やガス給湯器、ヒートポンプを作り、Ariston・Elco・Wolf・ATAG・Calorex・Brink・NTI・Racold・Chromagen・Thermowatt・Ecoflamなどのブランドで世界に売るイタリアの給湯・暖房機器メーカーです。法人格はオランダのN.V.(法定本社アムステルダム)ですが、事業の本拠はイタリアで、上場市場はイタリア証券取引所(ミラノ、ティッカー:ARIS)です。会社発表によると、40か国以上で事業を展開しています(出典:アリストン公式 https://www.aristongroup.com/en/investors)。
報道によると、2026年第1四半期はアジア太平洋・中東地域の売上が1億0,900万ユーロ(前年比−7.7%)と落ち込み、中東情勢と為替が理由とされています。日本国内での製品販売については、当サイトで確認できていません。
同業種の対比先としては、家電のデロンギ(伊)や衛生設備のゲベリット(瑞)がしばしば挙げられます。国・事業内容・配当方針は銘柄ごとに異なります。
1株配当0.100ユーロと、イタリアの源泉税15〜26%
アリストンの配当は年1回で、権利落ちの実績は2024年5月20日0.170ユーロ→2025年6月23日0.080ユーロ(約53%の減配)→2026年5月18日0.100ユーロ(+25%の増配)と推移しています。表面利回りは株価3.792ユーロに対し約2.64%です。報道によると、会社は配当性向を調整後純利益の約33%としているとされています。
イタリアの配当源泉税率は最大26%とされ、日伊租税条約を適用できる場合は15%です。ただし実際にどちらが適用されるかは証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認してください。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
チャートでARISの今の株価水準を見る
本記事の株価は2026年8月25日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
日本から買う方法と、1株あたりの手数料負担率145.04%
アリストンの上場市場はイタリア証券取引所(ミラノ)のみで、ティッカーは「ARIS」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:ARSTY)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | アリストン株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「ARIS」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約704円 | 1,021円 | 約145.04% |
| 100株 | 約70,400円 | 1,021円 | 約1.45% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.50ユーロ(約1,021円)です。1株だと手数料負担率は約145.04%と重く、100株(約70,400円)まとめると1.45%まで下がります。100株単位を前提に検討してください。
アリストン株が向く人・向かない人
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 業績の回復を数字で確認したい人 | 純利益は2024年の250万ユーロから2025年は1億3,240万ユーロへ回復 |
| 直近の増収増益ペースを重視する人 | 2026年上半期は売上+4.3%、調整後EBIT+11.5% |
| 増配のタイミングを確認したい人 | 2026年5月の配当は0.100ユーロで前回比+25% |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 事業を置く国の政治リスクを避けたい人 | 2024年にロシア子会社が接収された実績がある |
| 1株ずつ少額で買いたい人 | 手数料負担率は約145.04%で、100株単位が前提 |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
アリストン株のよくある質問
アリストン株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がイタリア証券取引所(ミラノ)のみのためです。米国預託証券(ARSTY)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
2024年12月期に純利益が250万ユーロまで落ち込んだのはなぜですか?
2024年4月、ロシア当局がアリストンのロシア子会社を接収し、ガスプロム傘下企業に移管しました。これに伴う損失計上により、2024年12月期の純利益は250万ユーロ(EPS0.01ユーロ)まで落ち込みました。翌2025年12月期の純利益は1億3,240万ユーロまで回復しています。
2024年に接収されたロシア子会社は、今どうなっていますか?
報道によると、2025年3月にこの接収措置は取り消されたとされています。ただし、事業を置く国の政治的な判断で資産が失われることが実際に起きたという事実自体は変わりません。同様の事態が今後起きないことを当サイトで保証するものではありません。
2025年6月の配当はなぜ前回より53%も少なかったのですか?
1株配当は2024年5月20日の0.170ユーロから、2025年6月23日には0.080ユーロへと約53%減りました。この時期は、ロシア子会社接収の影響で2024年12月期の純利益が250万ユーロまで落ち込んだ時期と重なります。その後、2026年5月18日の配当は0.100ユーロへ+25%増えています。
まとめ:政治リスクを乗り越えて利益は回復、株価は下げている
- メリット:純利益は2024年の250万ユーロから2025年は1億3,240万ユーロへ回復/2026年上半期は売上+4.3%、調整後EBIT+11.5%/2026年通期見通しは為替一定ベースで+1〜4%の増収
- デメリット:2024年にロシア子会社が接収された実績がある/営業利益率は5.57%と薄い/株価は1年で−19.53%と大きく下落
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約704円から。ただし1株だと手数料負担率は約145.04%と重く、100株(約70,400円)まとめると1.45%まで下がる
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月25日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はアリストンの公表資料および報道に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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