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イギリス株は売買しやすい|浮動株97.6%という実測の意味【2026年】

イギリス株は売買しやすい|浮動株97.6%という実測の意味【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • 2026年9月2〜3日に実測したイギリス株44社の浮動株比率は中央値97.6%で、当サイトが調べた7か国のうち最も高い数値でした
  • 配当は年2回に分けて支払う慣行があり、権利落ちの回数は平均2.09回と7か国で最多です。欧州株では珍しい形です
  • 業種は小売・外食が7社と目立ち、公益4社・保険3社と続きます。医薬・ラグジュアリー・自動車といった浮動株比率が低くなりやすい業種は少なめです
  • ロンドン市場の株価はペンス表示のため、実際の金額と100倍ずれて見えることがあります。売買前に必ず確認したい点です

欧州株をいくつも見ていくと、国ごとに数字の顔つきが違うことに気づきます。イギリス株を見ていて特に目を引いたのが、浮動株比率の高さと、配当を年2回に分ける慣行でした。どちらも、他の欧州の国とは少し性格が違います。

そこで、2026年9月2〜3日にイギリス株44社を対象に、PER・配当利回り・浮動株比率・配当の増加率などをまとめて実測し直しました。この記事では、その結果からイギリス株という市場の性格を見ていきます。

目次

浮動株比率97.6%は7か国で最も高い——実測データで見る市場の性格

まず、今回実測した44社の主な指標をまとめます。

指標イギリス7か国での位置
PER中央値22.33倍2番目に高い(最高はスイス25.97倍)
配当利回り中央値2.73%中位
配当性向中央値55%中位
浮動株比率97.6%最も高い
配当の年平均増加率18.0%2番目に高い
2026年9月2〜3日、イギリス株44社を対象に機械的に実測

とりわけ目立つのが浮動株比率97.6%という数字です。浮動株比率とは、発行済み株式のうち市場で自由に売買できる株式の割合を指します。当サイトが取り上げている7か国のなかで、イギリスがもっとも高い比率になりました。欧州株の浮動株比率を国別に実測した記事では、7か国全体の比較を扱っていますので、あわせてご覧ください。

浮動株比率が高いということは、それだけ機関投資家や個人投資家が自由に売買できる株式が多く、創業家などが大株主として支配を続けている会社が少ないということだと考えられます。ただし、これはあくまで数字から見える傾向であって、なぜイギリスでこの比率が高くなっているのか、明確な理由まではこの記事だけでは断定できません。

配当は年2回が慣行——欧州では珍しい仕組み

イギリス株のもうひとつの特徴が、配当の支払われ方です。イギリス企業の多くは、決算期の途中で支払う「中間配当」と、決算確定後に支払う「期末配当」の2回に分けて配当を出す慣行があります。当サイトが集計した権利落ちの回数を見ると、イギリスは平均2.09回で、7か国のなかで最も多くなっています。

フランスやドイツ、イタリアなど大陸欧州の企業は年1回の配当が主流のため、年2回という頻度はイギリスならではの慣行だと言えそうです。権利落ちの月を見ると、イギリスは4月が最多で17社が集中しています。独仏伊で多い5月とは時期がずれる形になっており、保有する銘柄の顔ぶれによって、配当が入ってくるタイミングも変わってくることになります。

業種は小売・外食が目立つ——ほかの国との違い

業種構成にもイギリスらしさが表れています。今回対象とした44社のうち、小売・外食が7社ともっとも多く、公益4社、保険3社と続きます。小売・外食株を対象に実測した別記事でも、13社のうち8社がイギリス企業という結果でした。イギリスの小売・外食セクターの厚みがうかがえます。

浮動株比率の高さも、この業種構成と無縁ではないかもしれません。業種別に浮動株比率を実測した別記事では、浮動株比率が低くなりやすい業種として医薬・ラグジュアリー・自動車が挙がっています。いずれも創業家や政府が大株主として残りやすい業種です。イギリスにはこの3業種が少なく、小売・外食や公益といった業種が多いことが、結果として浮動株比率の高さにつながっている可能性はあると思いますが、これも観察の域を出るものではありません。

増配・減配・手数料——数字で見るもうひとつの顔

配当の伸び方にも特徴があります。「4年連続増配」を実測した別記事では、対象51社のうち、イギリス企業は11社でイタリアと並んで最多でした。バンズル・インターテック・ハルマ・セバーン・トレント・ユナイテッド・ユーティリティーズなどが含まれます。配当の年平均増加率も18.0%と7か国で2番目に高い水準でした。

一方で、減配していた39社のうちイギリス企業は8社と、ドイツの10社に次いで2番目に多い結果でもありました。増配銘柄が多い一方で減配も一定数あり、一括りにできる市場ではないというのが実測から見える姿です。なお、高利回り銘柄として名前が挙がりやすいダネルムは、直近の利回りが8.01%と高く見えますが、この数字には特別配当が含まれており、通常配当だけで計算すると約5.04%になります。利回りの高さだけを見るのではなく、内訳まで確認したほうがよいと思います。

売買のコスト面では、10万円あたりの片道手数料負担率がイギリス0.71%と、フランス0.41%・ドイツ0.61%に次いで3番目という実測結果でした。浮動株比率が高く売買しやすい市場である一方、手数料負担そのものは大陸欧州の主要国よりやや重い、というのが実際のところです。

売買前に知っておきたい注意点

イギリス株を実際に売買する際に、必ず押さえておきたい点が2つあります。1つ目は株価の表示単位です。ロンドン証券取引所に上場する株式の多くは、株価がペンス(GBX)表示になっています。1ポンド=100ペンスなので、ポンド建てだと勘違いしたまま注文すると、実際の金額と100倍ずれてしまう可能性があります。GBXなど欧州株の用語をまとめた記事でも触れていますが、欧州株の取引でいちばん多い事故のひとつがこのペンス表示の見誤りだと言われています。注文する前に、表示単位が本当にペンスなのかポンドなのか、必ず確認したほうがよいと思います。

2つ目は、チャートツールでの見え方です。TradingViewでは、英国株とフランス株について現地のシンボルをそのまま表示できないケースがあり、米国上場のADR(米国預託証券)を使って値動きを確認する必要があります。銘柄によって株価の絶対水準が現地上場株と異なる場合があるため、見ているチャートがどちらなのかを意識しておく必要があります。

なお、イギリス株の配当にかかる税金の扱いについては、当サイトではまだ確認ができていません。実際の課税関係は口座の種類や証券会社によって変わる部分もあるため、お取引される証券会社に個別にご確認ください。

まとめ:イギリス株は日本や米国に近い感覚の市場

  • 浮動株比率は中央値97.6%で、実測した7か国のうち最も高い
  • 配当は年2回に分ける慣行があり、権利落ちは4月に17社が集中
  • 業種は小売・外食が7社と多く、公益4社・保険3社が続く
  • 売買時はペンス表示TradingViewでのADR表示に注意する
  • 配当課税の扱いは未確認のため、証券会社に確認したうえで判断する

7か国を実測して回ったなかで、筆者が最初の1社を選ぶなら英国株から入ると思います。浮動株が多くて売買しやすいこと、配当が年2回で日本株の感覚に近いこと。この2つは、最初の1社を買うときの心理的なハードルを下げてくれます。ペンス表示だけが唯一の落とし穴で、そこさえ越えれば欧州のなかでは最も入りやすい市場だと思います。

浮動株比率の高さや配当の頻度を見る限り、イギリス株は欧州のなかでは日本や米国の投資感覚に近い市場かもしれません。ただし、ペンス表示だけは慣れないうちは誤解しやすいところなので、注文の前にひと呼吸置いて確認することをおすすめします。

この記事の検証方法

  • PER・配当利回り・浮動株比率などの数値は、2026年9月2〜3日にイギリス株44社を対象として機械的に取得しました
  • 7か国での順位(PER・配当利回り・配当性向・浮動株比率・配当増加率)は、当サイトが同時期に7か国全体を対象に実測した集計にもとづきます
  • 連続増配・減配・配当の増加率・権利落ちの回数と月・小売株の構成比・浮動株比率が低い業種の傾向・手数料負担率は、それぞれ当サイトの別記事での実測結果を引用しています
  • イギリス株の配当にかかる税金の扱いは、当サイトではまだ確認ができていません。実際の課税関係は証券会社にご確認ください
  • 浮動株比率が高い理由については、業種構成との関連が見て取れるという観察にとどまり、断定的な原因分析ではありません
  • この記事の数値は当サイトが対象としたイギリス株に限った集計であり、ロンドン証券取引所の上場企業全体を代表するものではありません
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載のPER・配当利回り・浮動株比率などは2026年9月2〜3日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が割安・割高であることを示すものではありません。配当にかかる税金の扱いについては証券会社に個別にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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