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この記事の結論
- ABBは、配電や電化の製品、モーターとドライブ、工場やプラントの自動化システムを世界に供給するスイスの電機大手です
- 魅力の核心:受注高は368億ドルで前年比+17%まで拡大しています
- 最大のリスク:PERは約35.57倍と高水準です
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約15,800円から(推奨ロット6株が目安/1株だと手数料負担率は約6.91%と重く、6株単位が前提)
2023年5月23日、ABBはニューヨーク証券取引所(NYSE)の上場を廃止しました。受注高は368億ドル、前年比+17%まで拡大しています。ABBは、配電や電化の製品、モーターとドライブ、工場やプラントの自動化システムを手がけるスイスの電機大手です。会社発表によると、2025年12月期の売上高は332億2,000万ドルで前年比+8.62%の増収、純利益は前年の39億3,500万ドルから47億3,400万ドルまで伸びました。
一方で、株価は1年で+45.85%上昇し、PERは約35.57倍まで買われています。配当利回りは1.18%と低く、スイスの源泉税35%を踏まえると配当目当てで持つ銘柄でもありません。
同業種の対比先としては、電機大手のシーメンス(独)や産業機器のシュナイダーエレクトリック(仏)がしばしば挙げられます。ABBの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
ABB株の基本データ(2026年8月24日時点)
| 株価 | 79.58スイスフラン(1株 約15,800円) |
| 52週レンジ | 52.66〜89.14フラン |
| 時価総額 | 約1,418.9億フラン |
| PER | 約35.57倍(予想 約20.92倍) |
| 配当利回り | 1.18%(1株配当 0.94スイスフラン) |
| 上場市場 | SIXスイス証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | +45.85% |
本記事の円換算は1スイスフラン=198.25円(ECB参照レート、2026年8月24日時点)で計算しています。
受注高368億ドル・前年比+17%という事実|ABB株の魅力
売上高332億2,000万ドルで前年比+8.62%の増収、純利益は47億3,400万ドルに拡大(会社発表)
会社発表によると、2025年12月期の売上高は332億2,000万ドルで前年比+8.62%の増収でした。営業利益は59億1,000万ドル、純利益は前年の39億3,500万ドルから47億3,400万ドルに拡大し、EPSは2.12ドルから2.59ドルに伸びています。直近12か月(2026年6月末まで)では売上高357億5,200万ドル、純利益50億3,600万ドル、EPS2.75ドルとなっています。
投資家にとっては、増収と増益が実績ベースで確認できる、ということです(今後の業績を保証するものではありません)。
受注高368億ドルで前年比+17%、2026年第2四半期も受注120億ドルで拡大が続く(報道・会社発表)
報道によると、2025年通期の受注高は368億ドルで前年比+17%、営業EBITAは60億4,700万ドルで利益率19.0%でした。会社発表によると、2026年第2四半期の受注高は120億ドル(可比ベースで前年同期比+28%)、売上高95億ドル(同+12%)、営業EBITA利益率20.2%と、受注の拡大が続いています(出典:ABB公式 https://new.abb.com/news/detail/137496/q2-2026-results )。
投資家にとっては、直近1年だけでなく足元の四半期でも受注が積み上がっている事実を確認できる、ということです。
配当は2021年の0.80フランから2026年は0.94フランまで6年連続で増配(実測)
実測によると、1株配当は2021年0.800フラン→2022年0.820フラン→2023年0.840フラン→2024年0.870フラン→2025年0.900フラン→2026年0.940フランと6年連続で増えています。
投資家にとっては、金額は小さくても増配が継続している事実を確認できる、ということです(表面利回り自体は1.18%と低めです)。
従業員11万2,700人、1883年創業という規模と歴史(実測)
実測によると、ABBの従業員は11万2,700人、創業は1883年です。配電や電化の製品、モーターとドライブ、工場やプラントの自動化システムを世界に供給しています。
投資家にとっては、長い歴史を持つ大手電機メーカーとしての事業基盤を確認できる、ということです。
PER35.57倍と源泉税35%|先に知っておきたいリスク
PERは実績約35.57倍、予想約20.92倍で高い部類(実測)
実績PERは約35.57倍、予想PERは約20.92倍です(実測)。当サイトの掲載銘柄の中でも高い部類にあります。当サイトではこの差の理由までは分析しておらず、割高かどうかの判断もしていません。
投資家にとっては、実績PERが高水準にある事実を、自分自身の判断材料として確認しておく必要がある、ということです。
株価は1年で+45.85%上昇し、52週高値89.14フランに近い水準(実測)
株価は79.58フランで、1年の株価騰落は+45.85%です(実測)。52週高値89.14フランのすぐ下という水準にあります。
投資家にとっては、業績の伸びに加えて株価もすでに大きく上昇した後の水準にあるという事実を踏まえておく必要がある、ということです(将来の株価を予測するものではありません)。
配当利回りは約1.18%と低く、スイスの源泉税35%を踏まえると配当目的の銘柄ではない(実測)
配当利回りは約1.18%です。加えてスイスの現地源泉税は35%と欧州で最も重く、税引き後の目安はさらに下がります。
投資家にとっては、増配自体は続いているものの、配当を目的にこの銘柄を選ぶと期待とずれる可能性がある、ということです。
決算は米ドル建て、株価と配当はスイスフラン建てという通貨のズレ(会社発表)
ABBは米ドル建てで業績を報告していますが、株価と配当はスイスフラン建てです。売上高や純利益はドル、株価や1株配当はフランと、参照する数字によって通貨が異なります。
投資家にとっては、業績と株価・配当を見比べるときに通貨の違いを意識する必要がある、ということです。本記事でも金額には必ず通貨を明記しています。
ABBは配電・電化と工場自動化で稼ぐ会社
ABBは、配電や電化の製品、モーターとドライブ、工場やプラントの自動化システムを世界に供給するスイスの電機大手です。stockanalysis.comの会社概要(実測)によると、事業部門はElectrification(電化)・Motion(モーション)・Automation(オートメーション)の3部門で構成され、従業員は11万2,700人、創業は1883年です。
会社発表によると、ABBはロボティクス部門を100%スピンオフして単独上場させる計画を公表しており、2026年の年次株主総会での決議と2026年第2四半期の取引開始を予定していました(出典:ABB公式 https://new.abb.com/news/detail/125281/abb-plans-to-spin-off-its-robotics-division-as-a-separately-listed-company )。ただし、2026年8月24日時点で、当サイトでは分離上場の完了を確認できていません。
報道によると、2026年7月にはABBが英Rotorkを1株503ペンス・総額約55億ドルで買収すると発表しました。買収が完了したかどうかは当サイトで確認できていません。
また報道によると、20億ドル規模の自社株買いプログラムも承認されています。
同業種の対比先としては、電機大手のシーメンス(独)や産業機器のシュナイダーエレクトリック(仏)がしばしば挙げられます。国・事業内容・配当方針は銘柄ごとに異なります。
1株配当0.94スイスフランと、スイスの源泉税35%
ABBの1株配当は0.94スイスフラン、直近は2026年3月23日権利落ちでした。実測の表面利回りは約1.18%です。1株配当は2021年0.800フラン→2022年0.820フラン→2023年0.840フラン→2024年0.870フラン→2025年0.900フラン→2026年0.940フランと6年連続で増えています。年1回の配当です。
スイス株の配当源泉税率は35%で、欧州で最も重い水準です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%は、日本の外国税額控除の対象外となり、取り戻すにはスイス税務当局(ESTV)へ直接請求する必要があります。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合の税引き後の目安は0.61%です(1.18%×(1−0.35)×0.79685で計算)。
チャートで今の株価水準を見る
本記事の株価は2026年8月24日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
日本から買う方法と、1株あたりの手数料負担率6.91%
ABBの上場市場はSIXスイス証券取引所(ティッカー:ABBN)です。かつては米国預託証券(ADR、ティッカー:ABBNY)がニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しており、日本の証券会社からも比較的買いやすい銘柄でした。しかし会社発表によると、ABBのADRは2023年5月23日にNYSEの上場を廃止し、OTC市場のLevel I ADR(ABBNY)に移行しました。理由はSIXスイス証券取引所の上場で資本市場へのアクセスは足りており、複数上場の必要性が下がったためと説明されています。2024年6月にはForm 15Fを提出し、米国での報告義務も停止しました(出典:ABB公式 https://global.abb/group/en/investors/nyse-delisting )。
つまり、かつては米国上場株として日本の証券会社でも買える可能性があった銘柄が、今はOTCのADRでしか米国で取引されていないということです。日本から買うには、SIXスイス証券取引所に上場する原株(ABBN)を扱うサクソバンク証券を使う必要があります。
| 証券会社 | ABB株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- スイスフランに両替する
- ティッカー「ABBN」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約15,800円 | 1,090円 | 約6.91% |
| 6株 | 約94,700円 | 1,090円 | 約1.15% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5スイスフラン(約1,090円)です。1株だと手数料負担率は約6.91%と重く、6株(約94,700円)単位でまとめると約1.15%まで下がります。
ABB株が向く人・向かない人
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 受注拡大の実績を重視する人 | 受注高368億ドルで前年比+17%、2026年第2四半期も受注拡大が続く |
| 増収増益の実績を確認したい人 | 売上高332億2,000万ドルで前年比+8.62%、純利益は47億3,400万ドルに拡大 |
| 増配の継続を重視する人 | 1株配当は2021年0.80フランから2026年0.94フランまで6年連続増配 |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 割安な水準で買いたい人 | PERは約35.57倍で当サイトの掲載銘柄の中でも高い部類 |
| 高い配当利回りを求める人 | 配当利回りは1.18%と低く、スイスの源泉税35%も重い |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
ABB株のよくある質問
ABB株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がSIXスイス証券取引所のみのためです。米国預託証券(ABBNY)はOTC市場でのみ取引されており、2023年5月23日にNYSE上場を廃止しています。楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
チャートのSIX:ABBNと米国のADR(ABBNY)は同じ株ですか?
本記事のチャートはSIXスイス証券取引所に上場する原株(ABBN)です。米国のADR(ABBNY)は2023年5月23日にNYSE上場を廃止し、現在はOTC市場のみで取引されている別の銘柄として扱われます。
ロボティクス部門の分離上場はもう完了しましたか?
会社発表によると、ABBはロボティクス部門を100%スピンオフして単独上場させる計画を公表し、2026年の年次株主総会での決議と2026年第2四半期の取引開始を予定していました。ただし、2026年8月24日時点で当サイトでは分離上場の完了を確認できていません。
Rotork買収は完了しましたか?
報道によると、2026年7月にABBは英Rotorkを1株503ペンス・総額約55億ドルで買収すると発表しました。買収が完了したかどうかは当サイトで確認できていません。
まとめ:稼ぐ力は強いが、今はスイス市場でしか買えない株
- メリット:受注高368億ドルで前年比+17%まで拡大/売上高332億2,000万ドルで前年比+8.62%の増収、純利益は47億3,400万ドルに拡大/1株配当は2021年0.80フランから2026年0.94フランまで6年連続増配
- デメリット:PERは約35.57倍で高い部類、株価は1年で+45.85%上昇し52週高値に近い水準/配当利回りは1.18%と低く、スイスの源泉税35%も欧州最重量級/2023年にNYSE上場を廃止し、米国ではOTCのADR(ABBNY)でしか取引されていない
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約15,800円から。6株まとめると手数料負担率は約1.15%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月24日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はABBの公表資料および報道に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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