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この記事の結論
- FLSmidthは鉱山で鉱石を砕いたり選別したりする設備を作るデンマークの会社です(1882年創業、2025年にセメント事業を売却し鉱山機械専業になりました)
- 魅力の核心:EBITA利益率は9.8%(前年6.0%から改善、2024年12月期)
- 最大のリスク:純利益は10億3,000万クローネから800万クローネへ急減し、配当も8.00クローネから4.00クローネへ半減しました
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約14,500円から(推奨ロット10株が目安/1株だと手数料負担率は約6.60%と重く、10株単位が前提)
143年続いたセメント事業を売却し、鉱山機械に事業を絞った会社です。FLSmidthは1882年創業のデンマーク企業で、鉱山で鉱石を砕いたり選別したりする設備を手がけてきました。長く併走してきたセメント設備事業を2025年10月31日に売却し、鉱山機械専業へと姿を変えています。株価は1年で+42.74%上昇し、52週高値619.50クローネに迫る583.50クローネで推移しています。
ただし、直近通期の純利益は800万クローネで、前年の10億3,000万クローネから大きく落ち込みました。要因はセメント事業売却に伴う7億0,600万クローネの損失と、デンマークの繰延税金資産の評価減6億0,000万クローネで、合計約13億クローネの特別要因によるものとされています。配当も1株8.00クローネから4.00クローネへ半分に減らされました。株価の上昇と業績の落ち込みという対照的な数字を、本記事では順に見ていきます。
鉱山機械の同業としては、イギリスのウィアー・グループやスイスのブヘルがしばしば比較対象になります。FLSmidthの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
FLSmidth株の基本データ(2026年8月23日時点)
| 株価 | 583.50デンマーククローネ(1株 約14,500円) |
| 52週レンジ | 387.60〜619.50クローネ |
| 時価総額 | 約314.2億クローネ |
| PER | 約20.77倍(予想 約17.91倍) |
| 配当利回り | 0.69%(1株配当 4.00デンマーククローネ) |
| 上場市場 | ナスダック・コペンハーゲン証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | +42.74% |
FLSmidth株を買うメリット
143年続いたセメント事業を売却し、鉱山機械専業へ(2025年10月31日完了)
会社発表によると、FLSmidthは長年手がけてきたセメント設備事業の売却を2025年10月31日に完了し、鉱山機械に事業を絞りました。1882年の創業以来143年続いてきた事業の一つを手放す、大きな決断です。
投資家にとっては、複数事業を並行させる会社ではなく、鉱山機械という一つの領域に経営資源を集中させた会社として、この先の業績を見ていくことになる、という意味を持ちます。
EBITA利益率9.8%、前年6.0%から改善(2024年12月期)
会社発表によると、2024年12月期の売上高は202億クローネ超、EBITAは19億8,000万クローネで、利益率は9.8%と前年の6.0%から改善しました。
投資家にとっては、売上に対してどれだけ利益を残せているかという収益効率の指標が、前年から改善方向にあったことを確認できる材料です。
2026年12月期はEBITA利益率15.5〜16.5%を計画(会社発表)
会社発表によると、2026年12月期の見通しは有機成長率−1〜+4%、EBITA利益率15.5〜16.5%とされています。
投資家にとっては、セメント事業を切り離した後の鉱山機械専業の会社として、会社自身がどの水準の収益性を目指しているかを示す数字です。あくまで会社が示す計画であり、実現を保証するものではありません。
FLSmidth株を買うデメリット・リスク
純利益は10億3,000万クローネから800万クローネへ急減(特別損失計約13億クローネ)
会社発表によると、直近通期の純利益は800万クローネで、前年の10億3,000万クローネから大きく減りました。要因はセメント事業売却に伴う7億0,600万クローネの損失と、デンマークの繰延税金資産の評価減6億0,000万クローネで、合計約13億クローネの特別要因とされています。
投資家にとっては、事業構造を変えるタイミングでは、一時的な損失が利益を大きく圧迫し得るという事実をそのまま受け止める必要がある、ということです。
配当は8.00クローネから4.00クローネへ半減、利回りは0.69%と低水準
1株配当は4.00クローネで、前年の8.00クローネから半分に減らされました。会社発表によると、利益が少なかったことが理由とされています。実測の表面利回りは約0.69%にとどまり、高配当を目的に買う銘柄ではありません。
投資家にとっては、配当は利益の水準に応じて増減し得るものであり、前年の配当額をそのまま将来の水準として見込むべきではない、ということです。
株価は1年で+42.74%上昇も、純利益は急減という食い違い
株価は1年で+42.74%上昇し、52週高値619.50クローネに迫る583.50クローネと高値圏で推移しています。これに対して純利益は前述のとおり10億3,000万クローネから800万クローネへ急減しており、株価の上昇と業績の落ち込みが同時に起きています。
投資家にとっては、株価の上昇がセメント事業売却後の将来性への期待によるものなのか、直近の利益水準に見合ったものなのかを、この食い違いを踏まえて自分自身で判断する必要がある、ということです(将来の株価を予測するものではありません)。
機器(Products)受注は28%減少
会社発表によると、機器(Products)の受注が28%減ったとされています。鉱山会社が大型の設備投資をためらっている状況が背景にあると報じられています。前期(2024年12月期)の受注高全体も191億クローネと前年比−10%でした。
投資家にとっては、鉱山機械という業種が、顧客である鉱山会社の設備投資意欲に業績を左右されやすいことを示す数字です。受注が今後戻るかどうかは、当サイトでは予測しません。
FLSmidthはどんな会社か
FLSmidthは、鉱山で鉱石を砕いたり選別したりする設備を作るデンマークの会社です。1882年創業で、長くセメント設備事業も手がけていましたが、2025年10月31日に売却を完了し、鉱山機械専業となりました(出典:FLSmidth公式 https://fls.com/en/announcements/2026/flsmidth-2025-annual-report-solid-performance-provides-strong-foundation-for-the-next-phase-focused-on-accelerating-growth)。
直近通期の純利益は800万クローネで、前年の10億3,000万クローネから大きく減りました。要因はセメント事業売却に伴う7億0,600万クローネの損失と、デンマークの繰延税金資産の評価減6億0,000万クローネで、合計約13億クローネの特別要因とされています。
前期(2024年12月期)は、売上高202億クローネ超、EBITA19億8,000万クローネ(利益率9.8%、前年6.0%から改善)、純利益10億3,000万クローネ、受注高191億クローネ(前年比−10%)でした(出典:FLSmidth公式 https://fls.com/en/announcements/2025/flsmidth-2024-annual-report-improved-profitability-and-solid-progress-on-key-transformation-efforts)。会社発表によると、2026年12月期の見通しは有機成長率−1〜+4%、EBITA利益率15.5〜16.5%とされています。
鉱山機械の同業としては、イギリスのウィアー・グループやスイスのブヘルがしばしば比較対象になります。事業構成・地域展開・収益性はそれぞれ異なります。
配当と税金
FLSmidthの1株配当は4.00デンマーククローネで、実測の表面利回りは約0.69%(配当性向14.11%)です。会社発表によると、前年は8.00クローネでしたが、利益が少なかったため半分に減らされました。配当方針は純利益の30〜50%とされており、特別配当は含まれません。
デンマークの配当源泉税率は当サイトでは未確認です。口座開設時および配当受取前に、必ず証券会社にご確認ください。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。現地源泉税率が未確定のため、税引き後の実質利回りはここでは計算していません。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月23日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
FLSmidth株の日本からの買い方
FLSmidthの上場市場はナスダック・コペンハーゲン証券取引所のみで、ティッカーは「FLS」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:FLIDY/FLIDF)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダック本体にも上場していません。
| 証券会社 | FLSmidth株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- デンマーククローネに両替する
- ティッカー「FLS」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約14,500円 | 956円 | 約6.60% |
| 10株 | 約144,900円 | 956円 | 約0.66% |
手数料は約定金額の0.132%、最低38.5デンマーククローネ(約956円)です。1株だと手数料負担率は約6.60%と重く、現実的には10株単位(約14万4,900円)でのまとめ買いが前提になります。10株まとめると負担率は約0.66%まで下がります。
FLSmidth株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 鉱山機械セクターの動向に関心がある人 | 鉱山向け設備を専業で手がけるデンマーク企業 |
| 事業構造の転換に注目したい人 | セメント事業売却を完了し鉱山機械へ集中、2026年12月期はEBITA利益率15.5〜16.5%を計画 |
| 10株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が約0.66%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 高い配当利回りを狙いたい人 | 利回りは0.69%と低水準で、配当も8.00→4.00クローネへ半減している |
| 直近の大幅な減益を懸念する人 | 純利益は10億3,000万クローネから800万クローネへ急減している |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
よくある質問
FLSmidth株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がナスダック・コペンハーゲン証券取引所のみのためです。米国預託証券(FLIDY/FLIDF)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約14,500円から購入できます。ただし手数料負担率は1株で約6.60%と重いため、10株単位(約14万4,900円)でのまとめ買いが前提です。
配当利回りは何%ですか?減配していますか?
実測の表面利回りは約0.69%です。1株配当は前年の8.00クローネから4.00クローネへ半分に減らされています。会社発表によると、利益が少なかったことが理由とされています。高配当を目的に買う銘柄ではありません。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
米国ADR(FLIDY/FLIDF)との違いは何ですか?
米国ADR(FLIDY/FLIDF)はOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダック本体にも上場していません。原株とほぼ同じ値動きをすることが期待されますが、表示通貨が米ドルである点が異なります。またOTC銘柄のため、日本の主要ネット証券(SBI・楽天・マネックス)では取り扱われていません。
まとめ
- メリット:セメント事業売却を完了し鉱山機械専業へ(2025年10月31日)/EBITA利益率9.8%、前年6.0%から改善(2024年12月期)/2026年12月期はEBITA利益率15.5〜16.5%を計画
- デメリット:純利益は10億3,000万クローネから800万クローネへ急減(特別損失計約13億クローネ)/配当は8.00→4.00クローネへ半減し利回りは0.69%/株価は1年で+42.74%上昇も業績は急減という食い違い
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約14,500円から。10株単位のまとめ買いで手数料負担率は約0.66%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月23日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はFLSmidthの公表資料および報道に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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