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この記事の結論
- 「どこで買うか」を先に決めると、選べるETFの本数が変わります。日本の大手ネット証券では米国上場と東証上場のものが中心、サクソバンク証券は欧州7取引所を扱うため現地上場のETFも選択肢に入ります
- 個別のETFを見るときは、①どこの国を含むか ②分配金が出るか再投資されるか ③どこの国に籍があるか ④買うときのコストの4つを見れば足りると考えています
- 欧州ETFを選ぶ前に、「欧州ETFだけでよいか」を一度考えたほうがよいと思います。全世界株式との重なりや、個別株との組み合わせという選択肢もあります
- 個別のETFの信託報酬や純資産、構成比率の数値はこの記事では新たに扱いません。すでに実測している既存記事にリンクしています
「欧州ETFを買ってみたい」と思って調べ始めると、候補が多すぎて途中で止まってしまうことがあります。当サイトでも欧州ETFを8本比較した記事やVGKとVEURの違いを扱った記事など、個別のETFを掘り下げた記事はいくつかあります。ただ、そもそも「どういう順番で見ていけば選びやすいか」という手順をまとめた記事がありませんでした。この記事は、その手順に絞って書いています。
先に断っておくと、この記事では特定のETFの信託報酬や純資産、構成比率といった数値は新しく出しません。数値が必要な場面では、当サイトで実際に調べた既存の記事にリンクしています。この記事の役割は、選ぶときに何を見ればよいかの順番を示すことだと考えています。
まず「どこで買うか」で選べる本数が変わる
欧州ETFを選ぶときに、最初に見落とされがちなのが「どの証券会社で買うか」によって選べる本数がまったく違うという点です。ETFの中身を比べる前に、この違いを知っておくと遠回りが減ると思います。
SBI証券や楽天証券といった日本の大手ネット証券で買える欧州ETFは、米国上場のもの(VGKなど)と東証上場のものが中心です。この2つの違いや具体的な銘柄は欧州ETF8本を比較した記事にまとめています。日本語で手続きが完結し、使い慣れた証券口座で買えるのは安心材料だと思います。
一方、サクソバンク証券は欧州7取引所を扱っているため、現地の取引所に上場しているETFも選択肢に入ってきます。日本の大手ネット証券では扱っていない銘柄まで視野に入るぶん、選べる本数そのものが広がります。IB証券(インタラクティブ・ブローカーズ)は成長投資枠でNISAに対応しており、この点は欧州株はNISAで買えるのかを扱った記事で詳しく書きました。
ここで筆者が思うのは、先に口座を決めてからETFを選ぶより、ETFの選択肢を一通り見てから口座を決めるほうが順序として自然だということです。口座を先に決めてしまうと、そこで買える範囲の中でしか選べなくなります。逆に、どんなETFがあるかを先に眺めておけば、自分が欲しいものがどの口座で買えるかが後から見えてきます。
4つだけ見れば足りる
買える口座の候補が見えてきたら、次は個別のETFを見比べる番です。項目を増やすと迷いやすくなるので、筆者は次の4つだけを確認するようにしています。
| 見るもの | なぜ見るのか |
|---|---|
| どこの国を含むか | 「欧州」と言っても、イギリスを含むかどうかで中身が変わります。VGKとVEURの違いを扱った記事で具体的に比較しています |
| 分配金が出るか、再投資されるか | 分配金が出るタイプは、受け取るたびに課税されます。税金が3回引かれる構造を扱った記事で詳しく書きました |
| どこの国に籍があるか | 米国籍かアイルランド籍かで、課税の経路が変わります。こちらも上記の税金の記事で扱っています |
| 買うときのコスト | 手数料に最低額が設定されていることが多く、少額での取引だと負担率が跳ね上がります。取引所別の負担率を早見表にした記事で確認できます |
この4つのうち、最初の2つ(含む国・分配金のタイプ)はETFの中身そのものに関わる部分で、後の2つ(籍・コスト)は保有し続けたときに効いてくる部分です。目論見書や交付書類には他にも多くの項目が並んでいますが、まずこの4つを押さえておけば、候補を絞り込む段階では十分だと考えています。信託報酬や純資産の具体的な数字は銘柄ごとに変わり、この記事で新たに調べ直したものではないため、上の表からそれぞれのリンク先をご確認ください。
「欧州ETFだけでよいか」を先に考える
個別のETFを比べ始める前に、そもそも欧州ETFを持つ必要があるのかを一度考えておいたほうがよいと思います。すでに全世界株式のインデックスファンドを持っている場合、当サイトでオルカンだけで欧州株は足りるのかを扱った記事で見たとおり、上位10銘柄に欧州企業はゼロという中身になっています。つまり、全世界に投資しているつもりでも、欧州の比重はかなり小さいということです。
欧州の比重を意識的に増やしたいと考えたときに出てくるのが、ETFで持つか個別株で持つかという選択です。この2つは手間・手数料・NISAの扱いで分かれるとすでに書きました。「どちらが優れているか」という話ではなく、自分がどれだけ手間をかけられるかで選び方が変わってくると思います。
欧州の比率をどこまで増やすかについては、ポートフォリオの欧州比率をどう決めるかを扱った記事で3つの基準点をまとめています。ETFを選ぶ作業に入る前に、まずどれくらいの比率で持ちたいのかを大まかに決めておくと、候補を絞り込みやすくなるはずです。
個別株と組み合わせるという選び方
ETFと個別株は、どちらか一方を選ばなければならないわけではありません。ETFで全体を持ちつつ、気になる会社だけを個別株として持つという組み方をしている人もいます。全体を薄く広くカバーしながら、興味のある企業だけを厚めに持てるのがこの組み方のよいところだと思います。
この組み合わせを考えるときに参考になるのが、業種による差です。当サイトで業種別に配当利回りを実測した記事によると、欧州株の配当利回りは業種によって2.7倍の差があります(保険4.58%〜医薬1.71%)。ETFはこの業種の差をすべて含んだ状態で、平均として持つことになります。業種ごとの偏りをあえて持ちたい場合は、その業種の個別株を組み合わせる余地が出てきます。
配当を厚くしたいなら個別株、手間を減らしたいならETFという向き不向きはあると思いますが、どちらが良いとは言い切れません。個別株は業種や銘柄を自分で選ぶ手間がかかるぶん、狙った配当水準に近づけやすく、ETFは選ぶ手間がかからないぶん、平均的な水準に落ち着きます。どちらを優先するかは、それぞれの生活スタイルや投資にかけられる時間によって変わってくると思います。
なお、この記事で触れた税金の仕組みは一般的な制度の説明であり、個別の申告については税理士や税務署にご確認ください。
まとめ:ETFの選択肢を見てから口座を選ぶ
- 日本の大手ネット証券で買えるのは米国上場・東証上場のETF、サクソバンク証券は現地上場のETFも選択肢に入る、IB証券は成長投資枠でNISAに対応
- 個別のETFを見るときは①含む国 ②分配金のタイプ ③籍のある国 ④買うときのコストの4つを確認する
- 欧州ETFを選ぶ前に、全世界株式との重なりや個別株との組み合わせも含めて「欧州ETFだけでよいか」を考える
- ETFで全体を持ち、気になる会社だけ個別株で持つという組み方もある。どちらが良いとは言い切れない
ETFは、個別の銘柄を選ばずに済むという選び方ができるのが良いところだと思います。まず何本かの候補を絞り込んで、そのあとで口座を決めるほうが、遠回りが少ないはずです。
この記事の検証方法
- この記事は個別ETFの信託報酬・純資産・構成比率などの数値を新たに実測したものではなく、既存記事の内容をもとに選び方の手順をまとめたものです
- 個別のETFの数値が必要な箇所は、当サイトで実測・調査済みの既存記事(ETF比較、VGKとVEUR、ETFの税金、手数料早見表)にリンクしており、この記事単独で新しい数値は出していません
- 引用した業種別の配当利回り(保険4.58%・医薬1.71%)は業種別に実測した別記事の数値で、調査日は2026年9月3日時点で当該記事の集計を確認しています
- この記事では特定のETFを推奨する意図はなく、どの選び方が優れているかについても断定していません
- 税金に関する記述は一般的な仕組みの説明であり、個別の申告については税理士や税務署にご確認ください
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の内容は一般的な制度・仕組みの説明であり、個別の税務判断については税理士や税務署にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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