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この記事の結論
- サクソバンク証券クラシック口座の公式手数料を使い、取引所別・約定金額別の負担率を一覧にしました
- 片道の手数料負担を1%未満に抑えたいなら、目安は約定金額10万円前後です(全取引所共通)
- 最も安いのはパリ(最低2.20ユーロ)、最も重いのはスイス(最低5.50フラン)で、同じ「欧州株」でも取引所によって最大1.8倍の差があります
- 手数料は変更されることがあるため、発注前に必ずサクソバンク証券の公式手数料表で最新の数値を確認してください
「欧州株は手数料が高そう」という声をよく見かけます。実際には取引所ごとに料率も最低手数料も異なり、いくらから買えば手数料負担が軽くなるのかを一言で説明するのは簡単ではありません。当サイトでもサクソバンク証券の評判記事や証券会社比較記事で手数料には触れてきましたが、「金額別の早見表」としてまとめたことはありませんでした。
この記事では、サクソバンク証券クラシック口座の公式手数料をもとに、約定金額を3万円から100万円まで動かしたときに手数料が何%を占めるかを取引所ごとに計算し、表にしました。結論を先に言うと、片道1%を切りたいなら約10万円が全取引所に共通する目安です。以下、計算の前提から順に説明します。
計算の前提:クラシック口座の公式手数料とECB参照レート
この記事の数値は、すべて次の前提で計算しています。
- サクソバンク証券のクラシック口座の公式手数料(当サイト実測の料率)を使用
- 円換算はECB(欧州中央銀行)参照レート2026年8月27日(1ユーロ185.61円・1ポンド216.48円・1フラン197.96円・1クローネ24.83円)
- 手数料は「約定金額×料率」と「最低手数料」の高いほう、つまり max(約定金額×料率、最低手数料)で計算
まず、取引所ごとの料率と最低手数料を整理します。
| 取引所 | 料率 | 最低手数料 | 円換算の目安 |
|---|---|---|---|
| フランクフルト(独) | 0.088% | 3.30ユーロ | 約613円 |
| パリ(仏) | 0.088% | 2.20ユーロ | 約408円 |
| ロンドン(英) | 0.088% | 3.30ポンド | 約714円 |
| ミラノ(伊) | 0.132% | 5.50ユーロ | 約1,021円 |
| マドリード(西) | 0.132% | 5.50ユーロ | 約1,021円 |
| スイス | 0.132% | 5.50フラン | 約1,089円 |
| コペンハーゲン(丁) | 0.132% | 38.50クローネ | 約956円 |
料率だけを見るとフランクフルト・パリ・ロンドンが0.088%で並んでいますが、最低手数料はパリが2.20ユーロと最も低く、ミラノ・マドリード・スイスは5.50(ユーロ/フラン)と高めです。約定金額が小さいほど、この最低手数料の差がそのまま負担率の差になります。
約定金額別の負担率早見表(片道)
表1の料率と最低手数料を使い、約定金額を3万円・5万円・10万円・30万円・50万円・100万円と動かして、手数料が約定金額に占める割合(片道)を計算したのが次の表です。
| 取引所 | 3万円 | 5万円 | 10万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フランクフルト(独) | 2.04% | 1.23% | 0.61% | 0.20% | 0.12% | 0.09% |
| パリ(仏) | 1.36% | 0.82% | 0.41% | 0.14% | 0.09% | 0.09% |
| ロンドン(英) | 2.38% | 1.43% | 0.71% | 0.24% | 0.14% | 0.09% |
| ミラノ(伊) | 3.40% | 2.04% | 1.02% | 0.34% | 0.20% | 0.13% |
| マドリード(西) | 3.40% | 2.04% | 1.02% | 0.34% | 0.20% | 0.13% |
| スイス | 3.63% | 2.18% | 1.09% | 0.36% | 0.22% | 0.13% |
| コペンハーゲン(丁) | 3.19% | 1.91% | 0.96% | 0.32% | 0.19% | 0.13% |
この表から読み取れることを、3つにまとめます。
- 片道の手数料負担を1%未満に抑えたいなら、目安は約10万円です。10万円の列を見ると、フランクフルトが0.61%、パリが0.41%、重めのスイスでも1.09%と、ほぼすべての取引所で1%前後かそれ以下に収まります
- 売るときにも同じ手数料がかかります。この表は片道の数字なので、実際に負担する手数料は買付と売却の2回分です。10万円を1回売買すると、往復では表の数字のおおむね2倍が目安になります
- 配当と比べると、手数料の重さが具体的に見えます。表面利回り5%の銘柄を10万円分買った場合、年間配当は税引き前で5,000円です。片道の手数料はフランクフルトで約610円、スイスで約1,090円ですから、初年度の配当のおよそ14〜22%に相当する計算になります。少額の取引ほど、手数料が配当を目減りさせる比率は大きくなります
逆に、3万円のような少額取引だと、フランクフルトでも2.04%、スイスでは3.63%まで負担率が上がります。1株1万円以下で買える欧州株の記事でも触れましたが、株価が安い銘柄をごく少額だけ買うと、手数料の比率はどうしても重くなります。
最低手数料が「効かなくなる」金額はどこか
表2を見ると、約定金額が大きくなるほど負担率は下がり続けるわけではなく、ある金額を超えると料率どおりの数字でほぼ横ばいになります。これは、手数料が「約定金額×料率」と「最低手数料」の高いほうで決まるため、約定金額が一定額を超えると最低手数料の側が上回らなくなり、以降は料率だけで手数料が決まるようになるからです。取引所ごとに、その境目となる約定金額を計算すると次のとおりです。
| 取引所 | 約定金額の目安 |
|---|---|
| パリ(仏) | 約46万円 |
| フランクフルト(独) | 約70万円 |
| コペンハーゲン(丁) | 約72万円 |
| ミラノ・マドリード | 約77万円 |
| ロンドン(英) | 約81万円 |
| スイス | 約82万円 |
誤解のないように補足します。この表は「ここまで買えば得」という目標額ではありません。あくまで「これ以上約定金額を増やしても、手数料の負担率はそれ以上は下がらなくなる」という計算上の境目を示したものです。表2のとおり、10万円の時点ですでに負担率は1%前後まで下がっているので、無理にこの金額まで1回の取引をまとめる必要はありません。分散を優先して複数回に分けて買うか、まとめて買うかは、手数料以外の判断も含めて決めることです。
取引所によって最大1.8倍の差がある
表2を横に見ると、同じ約定金額でも取引所によって負担率がはっきり違うことが分かります。たとえば10万円の欄では、最も軽いパリが0.41%、最も重いスイスが1.09%で、その差は約2.7倍です。100万円の欄まで金額を上げても、パリ・フランクフルト・ロンドンが0.09%であるのに対し、ミラノ・マドリード・スイスは0.13%と、約1.4〜1.8倍の開きが残ります。「欧州株」とひとくくりにしても、どの取引所に上場している銘柄を買うかで手数料の重さは変わるということです。
同じ企業が複数の取引所に重複上場しているケースもあるため、買う前にどの取引所経由の注文になるかを確認する価値はあります。また、この記事の数値はあくまで2026年8月27日時点でサクソバンク証券が公表している料率とECB参照レートにもとづくものです。手数料も為替レートも変わりうるので、実際に発注する前には必ず公式の手数料表で最新の数値を確認してください。
まとめ:手数料は「条件のひとつ」として金額を決める材料に
- 片道の手数料負担を1%未満に抑えたいなら、目安は約定金額10万円前後(全取引所共通)
- 売るときも同じ手数料がかかるため、実際の負担は往復で考える
- 表面利回り5%・約定10万円なら、片道の手数料は初年度配当のおよそ14〜22%に相当する
- 最も安いのはパリ、最も重いのはスイスやミラノ・マドリードで、取引所によって最大1.8倍前後の差がある
- 表3の金額は「これ以上増やしても負担率は下がらない」境目であり、そこまで買う目標額ではない
- 手数料は変更されることがあるため、発注前に公式の手数料表で最新を確認する
手数料の安さだけで買う理由を決める必要はありませんが、知らずに少額取引を繰り返すと、負担率が想像以上に重くなることもあります。この早見表を、銘柄選びとあわせて金額を決めるときの目安に使っていただければと思います。
この記事の検証方法
- 各取引所の料率・最低手数料はサクソバンク証券クラシック口座の公式手数料表を出典としています
- 円換算に用いた為替レートはECB(欧州中央銀行)の参照レート(2026年8月27日時点)です
- 負担率は手数料=max(約定金額×料率、最低手数料)の式で当サイトが独自に計算したものです
- 配当と手数料を比較した数値は、表面利回り5%・約定金額10万円という仮の条件で当サイトが試算したものであり、特定銘柄の実績ではありません
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事で扱うサクソバンク証券クラシック口座を筆者自身が使用しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の手数料率・最低手数料・為替レート・円換算額は本文記載の時点で確認した情報にもとづく試算であり、実際の金額や将来の手数料水準を保証するものではありません。手数料は変更される場合がありますので、発注前に必ず証券会社の公式情報をご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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