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この記事の結論
- 証券会社が破綻しても、分別管理の原則により資産がそのまま消えるわけではありません(金融商品取引法第43条の2)
- 分別管理が万一機能しなかった場合の備えが、日本投資者保護基金による1顧客あたり1,000万円の補償です
- サクソバンク証券は同基金に加入していることを、同社の開示情報で確認しました(2026年8月28日)
- ただし、外国株式が補償の対象にどこまで含まれるかは、当サイトでは確認できていません
日本語のニュースやSNSではあまり見かけない「サクソバンク証券」に、大切な資産を預けて大丈夫なのか。欧州株や外国株の個別銘柄に興味を持った人が、口座開設の前に必ず立ち止まる問いだと思います。結論を先に言うと、証券会社が破綻しても、預けた資産がそのまま消えるわけではありません。これは「大丈夫です」という気休めではなく、法律に基づく制度の話です。
この記事では、①証券会社に資産を預けるときの法律上の原則(分別管理)、②それでも万一に備える日本投資者保護基金の仕組み、③サクソバンク証券がその基金に実際に加入しているかどうか、の順に、一次情報だけを根拠に整理します。あわせて、当サイトが確認できなかったこと——外国株式が補償の対象にどこまで含まれるか——も、隠さずに書きます。安心を売るための記事ではなく、制度を正しく知るための記事です。
証券会社が破綻しても、資産が消えるわけではない理由(分別管理の原則)
金融商品取引法第43条の2により、金融商品取引業者は顧客から預かった金銭・有価証券を自社の資産と分別して管理する義務を負います(出典:金融庁「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/kinyushohin/04a.html)。金銭は信託銀行等に信託保全し、有価証券は自社の資産とは区別して管理することが、法律で義務づけられています。
つまり、証券会社が経営破綻しても、顧客から預かった資産は、その会社の債権者への弁済に充てられる対象にはなりません。分別管理が正しく行われている限り、顧客の資産は証券会社自身の資産とは別物として扱われ、破綻後の手続きを経て顧客に返還されるのが原則です。「証券会社が潰れたら株も消える」という不安は、この分別管理の原則が知られていないところから生まれていることが多いと思います。
それでも分別管理が失敗したときの備え:日本投資者保護基金と1,000万円
分別管理は法律上の義務ですが、事務処理のミスや不正などにより、万一正しく機能しなかった場合に備える仕組みも用意されています。それが日本投資者保護基金です。金融庁によると、日本投資者保護基金は一般顧客1人あたり1,000万円を上限に補償します(出典:金融庁「投資者保護」https://www.fsa.go.jp/ordinary/tousi_hogo/index.html、金融庁「投資者保護基金について」https://www.fsa.go.jp/ordinary/tousi_hogo/hogokikin.pdf(PDF))。補償の対象は「一般顧客」で、適格機関投資家(銀行等)や国・地方公共団体などは対象外です。
ここで整理しておきたいのは、投資者保護基金は「分別管理が失敗した場合の最後の砦」だということです。分別管理が正しく行われていれば、そもそも基金の出番はなく、顧客資産は全額返還されるのが制度の建てつけです。基金の1,000万円という上限は、分別管理という一線目の防御が破れたときの、二線目の備えとして理解するのが正確だと思います。
サクソバンク証券は投資者保護基金に加入している(同社の開示で確認)
では、サクソバンク証券はこの基金に加入しているのでしょうか。同社の開示情報ページを確認すると、金融商品取引業者として関東財務局長(金商)第239号の登録を受けており、加入する自主規制団体等として日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会の名前が並んでいます(出典:https://www.home.saxo/ja-jp/legal/disclosed-information/saxo-disclosed-information、2026年8月28日確認)。日本投資者保護基金に加入していることは、同社自身の開示情報で確認できました。
比較として、日本から欧州株を含む外国株に投資できるもう一社、インタラクティブ・ブローカーズ証券(IBKR日本法人)も同基金に加入しています(出典:https://www.interactivebrokers.co.jp/jp/general/security-investor-protection.php)。両社を並べると、次のとおりです。
| 項目 | サクソバンク証券 | インタラクティブ・ブローカーズ証券 |
|---|---|---|
| 登録番号 | 関東財務局長(金商)第239号 | 関東財務局長(金商)第187号 |
| 日本投資者保護基金 | 加入 | 加入 |
| 補償上限 | 1顧客あたり1,000万円 | 1顧客あたり1,000万円 |
| 金銭の信託保全先(公式記載) | 日証金信託銀行 | 当サイトでは確認できず |
| 有価証券の分別管理の詳細 | 公式ページでは確認できず | 当サイトでは確認できず |
登録番号も、加入する基金も、両社に大きな違いはありません。少なくとも「日本投資者保護基金に加入しているか」という一点では、サクソバンク証券は制度上の土台を満たしていると言えます。
外国株式は補償の対象になるのか|確認できたこととできなかったこと
ここまでは、はっきり確認できた事実です。ここからは、当サイトが調べても確認できなかったことを正直に書きます。
サクソバンク証券の「お客様資産の保全」ページには、次のように書かれています。「お客様からお預かりしている取引証拠金につきましては、信託財産として日証金信託銀行に預け入れることで保全しております」(出典:https://www.home.saxo/ja-jp/legal/protection-of-clients-funds/saxo-protection-of-clients-funds、2026年8月28日確認)。
このページに書かれているのは、取引証拠金という金銭の信託保全についてです。株式などの有価証券をどのような方法で分別管理しているか、海外の保管機関(カストディアン)を使っているとすればどこか、といった記載は、当サイトでは見つけられませんでした。
日本の証券会社が扱う外国株式は、一般に海外の保管機関に預けられるとされています(カストディ業務についての一般的な説明として、金融庁 https://www.fsa.go.jp/frtc/nenpou/2005/02.pdf(PDF))。ただし、日本投資者保護基金の補償が外国株式にどこまで及ぶのかについては、当サイトでは確認できませんでした。国内で保管される国内株式と、海外の保管機関を経由する外国株式とで、制度の適用のされ方が同じとは限らないと考えています。この点が気になる方は、口座開設の前にサクソバンク証券および日本投資者保護基金に、直接問い合わせることをお勧めします。
まとめ:制度としてどうなっているかを知ったうえで、資産の置き方を決める
- 証券会社が破綻しても、分別管理の原則により資産がそのまま消えるわけではありません(金融商品取引法第43条の2)
- 分別管理が万一機能しなかった場合の備えが、日本投資者保護基金による1顧客あたり1,000万円の補償です
- サクソバンク証券は同基金に加入していることを、同社の開示情報で確認しました(2026年8月28日)
- ただし、外国株式が補償の対象にどこまで含まれるかは、当サイトでは確認できていません
1,000万円という上限を大きく超える資産を1社に置く場合は、その一部を別の証券会社に分けることも、選択肢の一つとして考えていいと思います。制度を正しく知ったうえで、自分に合った資産の置き方を選んでいただければと思います。
この記事の検証方法
- サクソバンク証券の登録番号・加入団体は、同社の開示情報ページ(2026年8月28日確認)を出典としています
- サクソバンク証券の資産保全に関する記載は、同社の「お客様資産の保全」ページ(2026年8月28日確認)を出典としています
- 日本投資者保護基金の補償上限・対象者は、金融庁の公式ページおよびPDF資料を出典としています
- インタラクティブ・ブローカーズ証券の登録番号・基金加入は、同社公式サイトを出典としています
- 外国株式の補償範囲について、当サイトが独自に確認できた一次情報はありません。本文中に記載したとおり「確認できていない」事実として扱っています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(サクソバンク証券の口座を筆者自身が保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買や特定の証券会社の利用を推奨するものではありません。記載の制度・登録番号・補償内容は本文記載の各時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。特に、外国株式に対する投資者保護基金の補償範囲について当サイトが確認できていない点は本文のとおりです。制度の詳細は、必ず金融庁および各証券会社の公式情報でご自身にてご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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