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この記事の結論
- ヘンケル株はSBI・楽天・マネックスでは買えない(上場はフランクフルトのみ)
- 現物を買うならサクソバンク証券が現実的(1株 約14,100円)
- 最低手数料の関係で10株単位のまとめ買いが目安(1株だと負担率約4.35%、10株なら約0.44%)
- 最大の注意点:NISA不可+ドイツの配当源泉税26.375%(表面利回り2.73%は実質約1.60%まで低下)
接着剤で世界シェア1位のロックタイト、そしてヘアケアのシュワルツコフ――どちらも日用品として馴染み深いブランドですが、これらを展開するドイツ企業ヘンケル(Henkel/ティッカー:HEN3)は、SBI証券・楽天証券・マネックス証券のいずれでも買うことができません。株価はここ1年で+2.8%とやや地味な動きですが、配当利回り約2.73%・PER約16.0倍という、派手さのない安定感が特徴の銘柄です。
この記事では株価・業績・買い方を解説します。同じドイツの素材・消費財企業にはBASFがありますが、ヘンケルは総合化学品ではなく、接着剤と洗剤・化粧品を中心とした消費財企業という違いがあります。
ヘンケル株の基本データ(2026年8月21日時点)
| 株価 | 75.84ユーロ(1株 約14,100円) |
| 52週レンジ | 61.28 〜 84.20ユーロ |
| 時価総額 | 約291億ユーロ |
| PER | 約16.0倍(予想 約13.1倍) |
| 配当利回り | 約2.73% |
| 1株当たり配当金 | 2.07ユーロ |
| 上場市場 | フランクフルト証券取引所(Xetra) |
| 過去1年の騰落率 | 約+2.8% |
※市場で主に取引されているHEN3は議決権のない優先株です。ヘンケル家が大半を保有する議決権付き普通株「HEN」とは別の銘柄で、HEN3のほうが流動性が高くなっています。
結論:ヘンケル株の買い方は実質2つ
| 方法 | 現物保有 | 現実的な必要資金 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①サクソバンク証券で現物を買う | ◎ できる | 約14万800円〜(10株単位が目安) | 長期で持ちたい人 |
| ②CFDで値幅を狙う | × できない | 数万円〜(レバレッジ) | 短期で売買したい人 |
なぜSBI・楽天・マネックスでは買えないのか
ヘンケルが上場しているのはフランクフルト証券取引所(Xetra)です。米国預託証券「HENKY」はOTC(店頭市場)銘柄で、NYSE・NASDAQには上場していません。楽天証券はOTC市場の銘柄について「新規の買付けは受け付けておりません」と明記しています。この仕組み自体はなぜSBI・楽天では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
方法①:サクソバンク証券で現物を買う
2026年8月21日時点の株価は75.84ユーロ。ユーロ円レート(ECB参照レート 185.66円)で換算すると1株あたり約14,100円です。Xetra上場株の手数料は約定金額の0.088%・最低3.3ユーロ(約613円)のため、1株買いの手数料負担率は約4.35%に達します。10株単位(約14万800円〜)でまとめて買うと負担率は約0.44%まで下がり、現実的な水準になります。
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約14,100円 | 613円 | 4.35% |
| 10株 | 約140,800円 | 613円 | 0.44% |
ヘンケルの業績はどうなっているのか
2026年上半期:売上高103億ユーロ、有機成長は+3.2%
ヘンケルの2026年上半期(1〜6月)売上高は103億ユーロで、前年同期比−0.5%でした。ただし為替の影響を除いた有機成長率は+3.2%とプラスを確保しており、報告ベースの数字が伸び悩んでいるのは為替要因が大きいことがわかります。調整EBIT(特別項目除く営業利益)は16億2,000万ユーロ(前年同期比+0.6%)と、こちらも小幅ながら増益でした。
通期の有機成長見通しを上方修正、ただし為替が売上に−3.9%の影響
会社発表によると、ヘンケルは2026年通期の有機成長見通しを1.0〜3.0%から1.5〜3.5%へ上方修正しました。一方で、米ドル安を中心とした為替の影響により、売上高には−3.9%の押し下げ効果が生じる見込みです。現地通貨ベースの事業自体は改善していても、円換算・ユーロ換算の数字だけを見ると伸びが見えにくくなる点には注意が必要です。
直近12ヶ月の純利益は19億1,000万ユーロ(−8.4%)、配当性向44%
直近12ヶ月の純利益は19億1,000万ユーロで、前年から8.4%減少しています。配当性向は44%で、利益の半分弱を株主還元に回す方針は維持されています。市場で主に取引されるHEN3は議決権のない優先株ですが、その分の流動性の高さが個人投資家にとってのアクセスのしやすさにつながっています。
配当利回り2.73%、独の源泉税でどこまで目減りするか
ヘンケルの1株当たり配当金は2.07ユーロで、現在の株価75.84ユーロに対する配当利回りは約2.73%です。
ただしドイツの配当源泉税は26.375%。日独租税条約の限度税率は15%で、差額の11.375%分は日本の外国税額控除の対象外となり、ドイツ税務当局(BZSt)へ直接還付請求しないと戻ってきません。BZStへの請求は2023年以降電子提出が必須で、請求期限は暦年末から4年以内です。日本側では、現地源泉後の金額にさらに約20.315%が課税されます。
配当を100として、何も手続きをしない場合の概算です。
- 配当 100
- 独で26.375%源泉徴収 → 73.625
- 日本でさらに20.315%課税(現地源泉後の金額に対して) → 約58.7
表面利回り2.73%が、実質では約1.60%程度まで下がります。他国の欧州株との比較は証券会社の比較記事もあわせてご覧ください。
買う前に知っておくべきこと
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座・一般口座での取引となり、利益には約20.315%が課税されます。NISAで持ちたい場合は証券会社の比較記事もあわせてご覧ください。
ユーロ建てのため為替の影響も受けます。前述の通り、2026年通期の売上高には米ドル安を中心とした為替要因で−3.9%の押し下げ効果が見込まれており、現地通貨ベースの業績が改善していても、円換算した数字が振るわないように見える局面がある点は押さえておいてください。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月21日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
よくある質問
米国ADR(HENKY)を楽天証券などで買うことはできますか?
できません。HENKYはOTC(店頭市場)銘柄で、楽天証券はOTC銘柄の新規買付を受け付けていません。他の大手ネット証券も同様の扱いです。現物を持つには、Xetra上場の「HEN3」を直接取り扱うサクソバンク証券などを利用する必要があります。
HEN3とHENの違いは何ですか?
ヘンケルには2種類の株式があります。HEN3は議決権のない優先株で、市場での取引の中心となっており流動性が高い銘柄です。一方HENは議決権付きの普通株で、ヘンケル家が大半を保有しています。本記事で扱っているのはHEN3です。
売上高が前年割れなのに、利益が増えているのはなぜですか?
2026年上半期の売上高は前年同期比−0.5%でしたが、これは主に為替の影響によるものです。為替の影響を除いた有機成長率は+3.2%とプラスで、調整EBITも+0.6%の増益でした。会社は通期の有機成長見通しも1.5〜3.5%へ上方修正しており、事業自体は現地通貨ベースで前進しています。
まとめ
- ヘンケルはフランクフルト上場。米国ADR(HENKY)はOTC銘柄で楽天証券は新規買付不可
- 2026年上半期は売上高が為替影響で−0.5%だが、有機成長率は+3.2%、通期見通しも上方修正
- 直近12ヶ月の純利益は19億1,000万ユーロ(−8.4%)、配当性向44%
- 市場で取引されるHEN3は議決権のない優先株。議決権付き普通株HENより流動性が高い
- 配当利回り約2.73%は独の源泉税26.375%により実質約1.60%程度まで目減りする
- 現物を持つならサクソバンク証券。1株約14,100円だが10株単位が現実的。NISAは使えない
| こんな人は | やり方 |
|---|---|
| 10株単位でまとめ買いできる | サクソバンク証券で現物 |
| NISAの非課税で持ちたい | IB証券という選択肢もある(比較記事へ) |
| 短期の値動きだけ取りたい | CFD(現物保有はできない) |
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を出典としています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月21日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はヘンケル社の公表資料に基づきます。税額の計算は概算であり、実際の課税関係は個々の状況により異なります。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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