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PER10倍未満の欧州株を全部集めた|17社の顔ぶれが偏っている【2026年】

PER10倍未満の欧州株を全部集めた|17社の顔ぶれが偏っている【2026年】

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この記事の結論

  • 2026年9月3日、今回実測した264銘柄のうち、PERが10倍未満だったのは17社(6.4%)でした
  • 17社中6社が自動車・部品、3社が金融、2社が不動産です。業種の顔ぶれがはっきり偏っています
  • 低PERの理由は業種によって異なり、業績の振れ・会計上のズレ・もともとの低評価という3種類に分けられると考えられます
  • いずれも「割安だから買い」という話ではなく、その業種の性格を反映した数字だと考えたほうがよさそうです

「PERが低い銘柄を探せば割安株が見つかる」という考え方は、投資の入り口としてよく聞きます。ただ、実際に低PERの銘柄を並べてみると、業種がかなり偏っていることに気づきます。安いのではなく、そもそもPERが低くなりやすい業種に集中しているだけかもしれません。

そこで今回は、同じ日に一斉取得したPERデータから、PER10倍未満の銘柄だけを抜き出して、その顔ぶれを見てみました。何倍だったかという数字よりも、どんな業種が並ぶのかに焦点を当てた記事です。

目次

264銘柄のうちPER10倍未満はたった17社(6.4%)

今回実測した264銘柄のうち、PERが算出できて10倍を下回っていたのは17社でした。全体に占める割合は6.4%です。低い順に並べると、次のようになりました。

PER会社利回り業種
2.86倍エールフランスKLM無配航空
4.39倍フォノビア6.67%住宅賃貸(不動産)
5.81倍BMW7.29%自動車
7.32倍フォルクスワーゲン7.03%自動車
7.93倍クレピエール4.98%商業用不動産
8.29倍ブッツィ1.80%セメント
8.31倍ルノー7.69%自動車
8.77倍ゲスタンプ西2.25%自動車部品
8.82倍メルセデス・ベンツ7.50%自動車
8.83倍CIEオートモーティブ西3.02%自動車部品
8.94倍BNPパリバ4.79%銀行
9.05倍スカンジナビアン・トバコ・グループ6.14%たばこ
9.14倍レプソル西3.93%石油・エネルギー
9.60倍JDスポーツ1.50%スポーツ用品小売
9.68倍ソシエテ・ジェネラル2.40%銀行
9.77倍ミュンヘン再保険4.58%再保険
9.91倍エッファージュ4.51%建設・インフラ
2026年9月3日、今回実測した264銘柄より抽出。全体のPER中央値は18.18倍

全体のPER中央値である18.18倍と比べると、17社の水準がどれだけ低いかが分かります。ただ、この17社を眺めていて気になったのは、数字そのものより「誰が並んでいるか」でした。

17社の顔ぶれは偏っている——自動車6社、金融3社、不動産2社

17社の業種を数えると、自動車・部品が6社(BMW・フォルクスワーゲン・ルノー・メルセデス・ベンツ・ゲスタンプ・CIEオートモーティブ)で、17社のほぼ3分の1を占めています。国別では仏6・独5・西3・伊1・英1・丁1と、フランスとドイツに集中しています。

次に多いのが金融の3社(BNPパリバ・ソシエテ・ジェネラル・ミュンヘン再保険)、そして不動産の2社(フォノビア・クレピエール)です。この5業種だけで17社中11社を占めていて、残りの6社もそれぞれ別々の業種に散らばっています。同じ業種の会社が意図せずまとまって並ぶこと自体が、低PERが個々の会社の事情というより業種の性格であることを示していると思います。

なお、エールフランスKLMの2.86倍は17社の中でも突出して低い数字です。無配で、他の16社ともPERの水準が離れています。当サイトはこの水準になっている理由までは確認できていないため、数字の提示にとどめます。

低PERの3つの読み方

17社の顔ぶれを業種ごとに見ていくと、低PERになる理由は大きく3つに分けられると思います。どれも「割安の証拠」ではなく、その業種特有の事情として読んだほうがよさそうです。

1つめは、業績の振れが大きい業種です。自動車や航空、素材のように利益が景気サイクルで大きく上下する業種は、利益がピークに近いときほどPERは低く見えます。分母の利益が大きくなるほどPERは下がるためです。今回並んだ自動車6社や航空1社は、この読み方に当てはまる可能性があります。当サイトが業種別に実測したところ、自動車・部品のPER中央値は12.93倍で8業種のうち最も低い水準でした。個別の銘柄が安いというより、業種ごとの水準がそもそも低いということだと思います。

2つめは、会計上の利益が実力とずれやすい業種です。不動産はその代表で、保有不動産の評価益が利益に計上されるため、他の業種と同じ物差しでPERを比べにくい面があります。実際、フォノビアとクレピエールの予想PERを実測した記事では、フォノビアが10.2倍、クレピエールが13.1倍と、実績PERの倍近くまで跳ね上がる結果になっています。予想PERはアナリストの見通しにもとづく数字で、その見通しは外れることもあるため参考程度に見る必要がありますが、実績PERだけを見ていると評価益の影響を見落としやすいことが分かります。不動産のPERの読み方は別記事でも詳しく扱っています。

3つめは、もともと株価に低い評価がついている業種です。銀行はこの典型で、貸し倒れのリスクが将来的な利益の下振れとして株価にあらかじめ織り込まれているという見方があります。業種別の実測では銀行のPER中央値は13.42倍で、自動車に次いで低い水準でした。BNPパリバやソシエテ・ジェネラルのPERが低いのも、業種全体に共通するこうした見方の延長にあると考えられます。

3つとも、根っこにあるのは「その業種が抱えている性質」であって、会社が市場から見過ごされているという話ではありません。低PERの銘柄を見つけたときは、どの理由に当てはまりそうかを一度考えたほうがよいと思います。

まとめ:低PERは業種の性格として読む

  • 今回実測した264銘柄のうち、PER10倍未満は17社(6.4%)
  • 17社中6社が自動車・部品、3社が金融、2社が不動産——業種がはっきり偏っている
  • 低PERの理由は業績の振れ・会計上のズレ・もともとの低評価の3種類に分けられる
  • どの理由も「割安だから買い」を意味するものではない

PERが低い銘柄を探すと、同じ業種ばかりが並びます。数字が低い理由を業種の性格から見ておくと、判断がしやすくなると思います。

この記事の検証方法

  • PER・配当利回りは、2026年9月3日に株価データサイト(stockanalysis.com)から同じ日に一斉取得しました
  • 対象は今回実測した264銘柄です。赤字などでPERが算出されない銘柄は集計から除外しています
  • PERが10倍を下回っていたのは17社でした。全体のPER中央値18.18倍は別記事の集計によるものです
  • フォノビア・クレピエールの予想PERは予想PERを実測した別記事の集計によるもので、この記事単独の集計ではありません。予想PERはアナリストの見通しにもとづく数字であり、実際の結果とは異なる場合があります
  • この記事の業種分類は当サイトが独自に付けたもので、公式の産業分類とは異なる場合があります
  • この記事の数値は今回実測した264銘柄に限った集計であり、欧州市場全体を代表するものではありません
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載のPER・配当利回りは2026年9月3日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が割安・割高であることを示すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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