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この記事の結論
- 10万円は、欧州の個別株で片道の手数料負担率が約1%に収まる最小ラインです
- 使い道は、米国上場ETF(選択肢A)か個別株1銘柄(選択肢B)の2つ。5万円ずつに分けて両方はやらないほうがよいと思います
- 筆者の意見:唯一の投資資金ならA、積立の土台がある上乗せならBが良い経験になると思います
- どちらを選ぶにしても、なくなっても生活が変わらない額かどうかは始める前に確認しておきたいところです
サクソバンク証券で欧州の個別株を買うと、手数料は「約定金額×料率」と「最低手数料」の高いほうがかかります。手数料の負担率を取引所別に計算した記事で見たとおり、約定金額が小さいほど負担率は跳ね上がり、片道の負担を1%前後まで抑えたい場合の目安は約定金額10万円前後です。
つまり、欧州株投資の最初の一歩を10万円にそろえておくと、手数料に足を引っ張られにくいということです。この記事では、その10万円を何に使うかを、ETF(選択肢A)と個別株1銘柄(選択肢B)に分けて考えます。結論を先に言うと、10万円はどちらか一方に絞って使うのがよいというのが筆者の意見です。
なぜ10万円なのか:手数料負担率が片道1%に収まる最小ライン
サクソバンク証券クラシック口座の公式手数料をもとに、約定金額を5万円と10万円で比べると、負担率の差がはっきり見えます。
| 取引所 | 5万円 | 10万円 |
|---|---|---|
| フランクフルト(独) | 1.23% | 0.61% |
| パリ(仏) | 0.82% | 0.41% |
| ロンドン(英) | 1.43% | 0.71% |
| ミラノ・マドリード(伊・西) | 2.04% | 1.02% |
| スイス | 2.18% | 1.09% |
10万円の欄では、どの取引所も片道1%前後かそれ以下に収まります。5万円まで金額を落とすと、フランクフルトやパリでも1%を超え、スイスでは2%を超えます。10万円という金額そのものに特別な意味があるわけではなく、手数料という固定費の重さが、この金額を境に軽くなるというだけのことです。
選択肢はふたつ:ETFで足すか、個別株1銘柄を選ぶか
10万円をどう使うかには、大きく2つの選択肢があります。
| 選択肢A:ETF | 選択肢B:個別株1銘柄 | |
|---|---|---|
| 買える証券会社 | SBI証券など(米国上場ETF) | サクソバンク証券 |
| 分散 | 1本で約1,200銘柄 | 自分で選んだ1社だけ |
| コスト | 経費率0.06%(年率) | 片道の手数料負担率は10万円で約0.4〜1.1% |
| 得られるもの | 欧州株比率をまとめて作る「部品」 | 企業を1社選び、決算を追う「学習の道具」 |
選択肢Aは、米国上場の欧州ETF(VGKなど)を10万円分。SBI証券などで買え、約1,200銘柄に一度に分散でき、経費率は年率0.06%です。選択肢Bは、欧州の個別株を1銘柄、10万円分。日本からはサクソバンク証券がほぼ唯一の窓口で、企業を1社選ぶ経験ができます。
どちらも間違いではありません。ただし性格ははっきり違います。Aは資産形成の部品、Bは学習の道具だというのが筆者の理解です。Aは選んだ瞬間に欧州株比率が完成し、あとは基本的に持ち続けるだけです。Bは選んでからが本番で、決算を追い、保有を続けるかどうかを自分で判断していく必要があります。
10万円で「両方」はやらない
ここで気をつけたいのが、10万円を5万円ずつに分けて「ETFも個別株も」とやってしまうことです。一見公平に見えますが、上の表のとおり、個別株側の手数料負担率は10万円のときのほぼ2倍に跳ね上がります。フランクフルトなら0.61%が1.23%に、スイスなら1.09%が2.18%に、それぞれ倍増します。ETF側は5万円でも分散の効果自体は変わりませんが、そもそも10万円が「片道1%に収まる最小ライン」である以上、割ってしまえばその意味を自分で手放すことになります。
最初の10万円は、AかBかどちらか一方に使うのがよいと思います。両方を試したくなる気持ちは分かりますが、それは10万円がもう1セットできてからでも遅くありません。
Bを選ぶなら、そのあとの順路
選択肢Bを選ぶ場合、次に悩むのは「どの1社にするか」だと思います。この記事で特定の銘柄を挙げることはしません。当サイトが記事にしない銘柄の条件で書いた基準を裏返せば、選ぶときの目安になります。
買ったあとは、決算のたびに一喜一憂するのではなく、年1回だけ確認したい5項目を目安に見直すくらいでちょうどよいと思います。決算そのものの読み方に不安がある方は、欧州企業の決算の読み方を先に読んでおくと、数字に振り回されにくくなります。
筆者ならこうする
筆者の意見を述べます。最初の10万円が、その人にとって唯一の投資資金であるなら、Aのほうがよいと思います。1本で欧州株比率が完成し、あとに悩みが残らないからです。すでにオルカンなどの積立が土台としてあり、その上に足す10万円であれば、Bを選んで企業を1社選ぶ経験を積むのも良い選択だと思います。土台がある上での上乗せなら、選んだ1社が思うように動かなくても、資産全体への影響は限定的だからです。
どちらを選ぶにしても、その10万円が、なくなっても生活が変わらない額かどうかは、始める前に自分で確かめておきたいところです。
まとめ:最初の10万円は、どちらか一方に
- 10万円は、欧州の個別株で片道の手数料負担率が約1%に収まる最小ライン
- 選択肢はETF(資産形成の部品)と個別株1銘柄(学習の道具)の2つ
- 5万円ずつに分けると、個別株側の手数料負担率はほぼ倍になる
- 唯一の資金ならETF、積立の土台がある上乗せなら個別株1銘柄が良い経験になる、というのが筆者の意見
- なくなっても生活が変わらない額かどうかを、始める前に確認する
最初の10万円をどちらに使うか決まれば、次に何をすればよいかは自然と見えてくると思います。
この記事の検証方法
- 手数料の負担率は、サクソバンク証券クラシック口座の公式手数料表をもとに、「欧州株の手数料はいくらから割に合うか」の記事と同じ計算方法で当サイトが算出しています。円換算はECB(欧州中央銀行)参照レート2026年8月27日時点です
- 米国上場の欧州ETFの経費率・分散銘柄数は、ETF提供会社が公表する資料(2026年8月時点)を出典としています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETF(VEUR)を中心に保有しています(本記事で扱うETFやサクソバンク証券クラシック口座を筆者自身が使用しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の手数料率・経費率・為替レートは本文記載の各時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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