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この記事の結論
- ズルツァーは、石油・ガス、水処理、発電、化学のプラントで使うポンプや混合機を作り、その保守と分離技術も手がけるスイスの機械メーカーです
- 魅力の核心:会社発表によると、保守事業(Services)のEBITDA利益率は18.3%で、部門別で過去最高です
- 最大のリスク:大株主のRenova(Viktor Vekselberg氏)は米国の制裁対象(SDNリスト)に指定されています
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約31,200円から(推奨ロット3株が目安/1株だと手数料負担率は約3.50%とやや重い)
保守事業のEBITDA利益率18.3%は過去最高。ズルツァーは、石油・ガス、水処理、発電、化学のプラントで使うポンプや混合機を作り、その保守と分離技術も手がけるスイスの機械メーカーです。会社発表によると、2025年通期のServices(保守)部門のEBITDA利益率は18.3%で、前年の16.8%から上昇しました。
一方で、この会社は大株主をめぐる問題も抱えています。報道によると、大株主のRenova Holding(Viktor Vekselberg氏側)は米国の制裁対象(SDNリスト)に指定されており、2026年6月には持株比率が63%から48.83%に下がりました。
同業種の対比先としては、食品加工機械のGEA(独)や機械メーカーのクノールブレムゼ(独)がしばしば挙げられます。ズルツァーの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
ズルツァー株の基本データ(2026年8月24日時点)
| 株価 | 157.30スイスフラン(1株 約31,200円) |
| 52週レンジ | 121.60〜180.60フラン |
| 時価総額 | 約52.6億フラン |
| PER | 約17.49倍(予想 約15.20倍) |
| 配当利回り | 3.02%(1株配当 4.75フラン) |
| 上場市場 | SIXスイス証券取引所 |
| 1年の株価騰落 | +1.37% |
保守利益率18.3%という事実|ズルツァー株の魅力
保守事業(Services)のEBITDA利益率は18.3%で、部門別で過去最高(会社発表)
会社発表によると、2025年通期のServices(保守)部門のEBITDA利益率は18.3%で、前年の16.8%から上昇し、Flow(ポンプ)13.3%・Chemtech(分離技術)13.7%を含む部門別で最も高い水準になりました。
投資家にとっては、設備の販売だけでなく保守という継続的な収益源が、他の部門より高い利益率で稼げているという事実を確認できる材料です(今後の水準を保証するものではありません)。
1株配当は2022年の3.500フランから2026年の4.750フランへ、5期のうち4期で増加
実測の配当履歴によると、1株配当は2022年3.500フラン→2023年3.500フラン→2024年3.750フラン→2025年4.250フラン→2026年4.750フランと推移し、直近は2026年4月17日が権利落ち日でした。表面利回りは株価157.30フランに対し約3.02%です。
投資家にとっては、直近5期のうち4期で増配が実施されてきたという実績を、配当の推移を見る材料の一つとして確認できるということです(今後の増配を保証するものではありません)。
2026年上半期のEBITDAは2億5,870万フランで前年同期比+9.7%、マージン15.5%
会社発表によると、2026年上半期の売上高は16億7,260万フランで前年同期比+1.0%、EBITDAは2億5,870万フランで前年同期比+9.7%、マージンは15.5%でした。
投資家にとっては、売上の伸びが小さい中でもEBITDAの伸びと利益率の改善が確認できる、ということです(下半期の水準を保証するものではありません)。
2025年通期の受注高は37億5,100万フラン(有機ベース+2.1%)
会社発表によると、2025年通期の受注高は37億5,100万フランで、有機ベースで前年比+2.1%でした。同期のEBITDAは5億5,600万フランでマージン15.6%となり、前年から+140bp改善しています。
投資家にとっては、受注という先行指標が有機ベースでプラスを維持していた時期があったという事実を確認できます。ただし2026年上半期の受注高は前年同期比−3.9%であり、直近の傾向は別に確認する必要があります(詳しくは次節)。
持株比率48.83%という数字|先に知っておきたいリスク
大株主Renova(Viktor Vekselberg氏)の持株比率が63%から48.83%に低下、背景に米国制裁
報道によると、2026年6月にズルツァーは大株主のRenova Holdingから発行済み株式の約15%にあたる500万株を買い戻し、Viktor Vekselberg氏側の持株比率は63%から48.83%に低下しました。米国財務省OFACは2022年4月6日にVekselberg氏とRenovaグループを制裁対象(SDNリスト)に指定しています。この買い戻しは、米国の制裁対象になることを避ける目的と報じられています。会社は米国当局と連携していると述べ、2026年6月時点で米国当局から正式な連絡は受けていないとしています。
投資家にとっては、大株主の持株比率や制裁指定という事実関係を把握したうえで判断する必要がある、ということです(当サイトでは今後どうなるかについての見通しは述べません)。
2026年上半期の受注高は前年同期比−3.9%
会社発表によると、2026年上半期の受注高は前年同期比−3.9%でした。同期の売上高は16億7,260万フラン(+1.0%)、EBITDAは2億5,870万フラン(+9.7%・マージン15.5%)と伸びていますが、受注は減少しています。
投資家にとっては、受注は将来の売上の先行指標にあたるため、直近の減少傾向を踏まえておく必要がある、ということです(今後の受注動向を当サイトで予測するものではありません)。
Chemtech(分離技術)部門は売上−13.6%・受注−12.5%
会社発表によると、2025年通期のChemtech(分離技術)部門は売上高−13.6%、受注−12.5%となりました。EBITDA利益率も13.7%と前年の15.7%から低下しています。会社は、中国における過剰生産と投資の低迷を理由に挙げています。
投資家にとっては、3つの事業部門のうち少なくとも1つが明確に縮小しているという事実を、全体の成長ペースを見るときの材料として踏まえておく必要がある、ということです。
スイスの配当源泉税は35%で欧州最重量級
スイス株の配当源泉税率は35%です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%は、日本の外国税額控除の対象外となり、取り戻すにはスイス税務当局(ESTV)へ直接請求する必要があります。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
投資家にとっては、配当利回り3.02%という表面の数字だけでなく、税引き後にどれだけ手元に残るかを確認しておく必要がある、ということです。
ズルツァーは石油・ガスや水処理向けのポンプで稼ぐ会社
ズルツァーはスイスの機械メーカーで、石油・ガス、水処理、発電、化学のプラントで使うポンプや混合機を作り、その保守と分離技術も手がけています。上場市場はSIXスイス証券取引所(ティッカー:SUN)で、時価総額は約52.6億フランです。
会社発表によると、2026年通期の見通しは有機受注成長1〜5%、有機売上成長2〜5%、EBITDA利益率約16.5%とされています(出典:ズルツァー公式 https://www.sulzer.com/en/shared/news/260226-robust-sales-and-record-profitability)。
日本との接点としては、環境省の「循環経済パートナーシップ」の会員一覧にSulzer Japan Limitedが掲載されています(出典:環境省 https://j4ce.env.go.jp/en/member/296/)。日本法人の事業規模や従業員数、拠点数については当サイトで確認できていません。
同業種の対比先としては、食品加工機械のGEA(独)や機械メーカーのクノールブレムゼ(独)がしばしば挙げられます。国・事業内容・配当方針は銘柄ごとに異なります。
1株配当4.75フランと、スイスの源泉税35%
ズルツァーの1株配当は4.750フラン、実測の表面利回りは約3.02%です。配当履歴は2022年3.500フラン→2023年3.500フラン→2024年3.750フラン→2025年4.250フラン→2026年4.750フランと推移し、直近は2026年4月17日が権利落ち日でした。
スイス株の配当源泉税率は35%です。日瑞租税条約の限度税率10%を超える25%は、日本の外国税額控除の対象外となり、取り戻すにはスイス税務当局(ESTV)へ直接請求する必要があります。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
外国税額控除や現地還付請求をしない場合の税引き後の目安は1.56%です(3.02%×(1−0.35)×0.79685で計算)。
チャートでSUNの今の株価水準を見る
本記事の株価は2026年8月24日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
日本から買う方法と、1株あたりの手数料負担率3.50%
ズルツァーの上場市場はSIXスイス証券取引所のみで、ティッカーは「SUN」です。米国預託証券(ADR、ティッカー:SULZF)も存在しますが、これはOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | ズルツァー株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- スイスフランに両替する
- ティッカー「SUN」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約31,200円 | 1,090円 | 約3.50% |
| 3株 | 約93,600円 | 1,090円 | 約1.17% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5スイスフラン(約1,090円)です。1株だと手数料負担率は約3.50%とやや重く、3株(約93,600円)まとめると1.17%まで下がります。
ズルツァー株が向く人・向かない人
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 保守事業の高い利益率を重視する人 | Services部門のEBITDA利益率は18.3%で部門別で過去最高 |
| 増配の推移を確認したい人 | 1株配当は2022年3.500フランから2026年4.750フランへ推移 |
| 直近の実額で業績を確認したい人 | 2026年上半期のEBITDAは前年同期比+9.7% |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| 大株主や制裁関連のニュースを避けたい人 | 大株主Renova(Viktor Vekselberg氏)は米国の制裁対象(SDNリスト)に指定 |
| 高い配当源泉税を避けたい人 | スイスの配当源泉税は35%で欧州最重量級 |
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
ズルツァー株のよくある質問
ズルツァー株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がSIXスイス証券取引所のみのためです。米国預託証券(SULZF)はOTC市場のみの扱いで、楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
大株主のRenovaやViktor Vekselberg氏をめぐる米国制裁は、株を買う上でどんな意味がありますか?
2026年6月、ズルツァーは大株主のRenova Holdingから発行済み株式の約15%にあたる500万株を買い戻し、Viktor Vekselberg氏側の持株比率は63%から48.83%に低下しました。米国財務省OFACは2022年4月6日にVekselberg氏とRenovaグループを制裁対象(SDNリスト)に指定しています。会社は米国当局と連携していると説明し、2026年6月時点で米国当局から正式な連絡は受けていないとしています(出典:報道)。当サイトでは、これが今後どうなるかについての見通しは述べません。
2026年上半期の受注高が−3.9%というのは、今後の業績にどう影響しますか?
会社発表によると、2026年上半期の受注高は前年同期比−3.9%でした。受注は将来の売上の先行指標にあたりますが、今後の業績がどうなるかを当サイトで予測するものではありません。
米国ADR(SULZF)と原株(SUN)は同じ銘柄ですか?
米国ADR(SULZF)はOTC(店頭市場)でのみ取引されており、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。SIXスイス証券取引所に上場する原株(SUN)とは別の銘柄として扱われます。
まとめ:保守事業は過去最高益、大株主には制裁の事実
- メリット:Services(保守)部門のEBITDA利益率は18.3%で部門別で過去最高/1株配当は2022年3.500フランから2026年4.750フランへ推移/2026年上半期のEBITDAは前年同期比+9.7%
- デメリット:大株主Renova(Viktor Vekselberg氏)は米国の制裁対象(SDNリスト)に指定/2026年上半期の受注高は前年同期比−3.9%/スイスの配当源泉税は35%で欧州最重量級
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約31,200円から。3株まとめると手数料負担率は1.17%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の銘柄を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月24日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はズルツァーの公表資料および報道に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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