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この記事の結論
- ヘラはイタリア北中部で電力・ガス・水道・廃棄物処理をまとめて手がける総合公益企業です
- 魅力の核心:22年連続配当、利回り4.19%
- 最大のリスク:規制当局ARERAの料金見直し次第で収益が変わる(売上高−16.2%はエネルギー価格の正常化によるもので、事業縮小ではありません)
- 買うなら:SBI・楽天・マネックスでは買えない→サクソバンク証券で1株 約718円から(推奨ロット200株が目安/1株だと手数料負担率は約142.19%と極めて重く、200株単位が前提)
22年連続で配当を実施。イタリア北中部で電力・ガス・水道・廃棄物処理をまとめて手がける総合公益企業ヘラは、地味に見えて配当の継続性という点では際立った実績を持つ会社です。会社発表によると、2024年12月期は売上高が前年比−16.2%減った一方で、純利益は+31.8%増えました。
売上が減って利益が増える、というと違和感を持つ方もいるかもしれません。理由は本文で丁寧に説明しますが、結論だけ先に言うと事業が縮んだわけではありません。エネルギー価格が高騰局面から正常化したことで、仕入れて売る金額そのものが小さくなっただけで、規制で守られたネットワーク事業の利益はむしろ安定して増えています。
同業種の対比相手としては、送電のテルナやガス輸送のスナムが挙げられます。ヘラの「今」を、株価・業績・買い方の順に見ていきます。
ヘラ株の基本データ(2026年8月23日時点)
| 株価 | 3.868ユーロ(1株 約718円) |
| 52週レンジ | 3.584〜4.450ユーロ |
| 時価総額 | 約57億ユーロ |
| PER | 約12.1倍(予想 約11.9倍) |
| 配当利回り | 4.14%(1株配当 0.16ユーロ) |
| 上場市場 | イタリア証券取引所(ミラノ) |
| 1年の株価騰落 | +4.20% |
為替レートは1ユーロ=185.66円(ECB参照レート、2026年8月23日時点)で円換算しています。
ヘラ株を買うメリット
売上−16.2%減でも純利益+31.8%増、EBITDAも+6.2%増
会社発表によると、ヘラの2024年12月期は売上高130億4,000万ユーロ(前年比−16.2%)だった一方、EBITDAは15億8,760万ユーロ(同+6.2%)、純利益は4億6,430万ユーロ(同+31.8%)でした。
投資家にとっては、売上高だけを見て事業が悪化したと判断するのは早計だということです。エネルギーの仕入れ・販売の両方の単価が下がったことによる見た目の減収であり、規制で守られたネットワーク事業の利益は安定して伸びています。数字の中身までセットで確認する必要がある会社だということです。
22年連続配当、実測利回りは約4.19%(配当性向45.42%)
会社発表によると、ヘラは22年連続で配当を実施しており、直近は1株0.16ユーロへの増配を提案したとされています。実測の表面利回りは約4.19%(配当性向45.42%)です。本記事の基本データ(8月23日時点の株価で計算)では4.14%になります。
投資家にとっては、22年という継続年数そのものが、景気やエネルギー価格の波を経ても配当を止めなかった実績を示しています。配当性向にも余裕があり、急に配当を絞らなければならない水準ではありません。
EBITDAに占める規制ネットワーク事業の比率は32%から38%へ上昇
報道によると、ヘラのEBITDAに占める規制ネットワーク事業の比率は32%から38%へ高まっています。
投資家にとっては、エネルギー価格の変動を受けにくい収益構造へと少しずつ移りつつあることを意味します。売上高が価格要因で上下しやすい会社であっても、利益の土台自体は規制収入という安定した部分の比重が増えているということです。
フリーキャッシュフロー7億6,100万ユーロ、前年比+87%
報道によると、ヘラのフリーキャッシュフローは7億6,100万ユーロで、前年比+87%となりました。
投資家にとっては、利益計算上の数字だけでなく、実際に手元に残る現金が大きく増えていることを確認できる材料です。配当の原資という意味でも、心強い数字だと言えます。
ヘラ株を買うデメリット・リスク
規制当局ARERAの料金見直し次第で収益が変わる
ヘラの電力・ガス料金は、イタリアの規制当局ARERA(アレーラ)が定期的に見直しを行います(出典:https://www.arera.it/en/about-the-authority/structure-and-role)。
投資家にとっては、規制インフラという事業の安定性の裏返しとして、収益の水準そのものが規制当局の判断に左右されるということです。見直しは会社にとって有利にも不利にも働き得るため、規制収入が安泰だと決めつけることはできません。
事業地盤がイタリア北中部に集中
ヘラの事業地盤はボローニャなどイタリア北中部に集中しています。
投資家にとっては、全国規模で事業を分散する会社と比べて、特定地域の経済動向や人口動向の影響を受けやすいということです。地盤とする地域に景気後退や人口減少が起きた場合、事業全体への影響が相対的に大きくなります。
イタリアの源泉税は最大26%、NISAの非課税では持てない
イタリアの現地源泉税は最大26%とされ、日伊租税条約を適用できれば15%になるとされていますが、実際にどちらが適用されるかは証券会社の手続き次第です。加えて、購入窓口となるサクソバンク証券はNISAに対応していません。
投資家にとっては、配当を受け取るたびに現地源泉税と日本側の課税(20.315%)の両方がかかり、かつ非課税枠を使えないということです。税引き後の実質的な手取りは、表面利回りより確実に低くなります。
1株買いの手数料負担率は142.19%、200株単位が前提
サクソバンク証券クラシックの手数料は約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ(約1,021円)です。ヘラの株価は1株約718円と安いため、1株だけを買うと手数料負担率は約142.19%にのぼり、手数料の方が投資額より大きくなります。
投資家にとっては、少額の1株買いは実質的に選択肢にならないということです。200株単位(約14万3,600円)でのまとめ買いが前提になります。
ヘラはどんな会社か
ヘラは、イタリア北中部を地盤に、電力・ガス・水道・廃棄物処理をまとめて手がける総合公益企業です。ボローニャなどが主要な事業地盤で、日常生活に欠かせないインフラを幅広く担っています。当サイトでは、日本の企業や自治体との具体的な事業上の接点は確認できていません。
直近の決算では、会社発表によると2024年12月期の売上高は130億4,000万ユーロ(前年比−16.2%)、EBITDAは15億8,760万ユーロ(同+6.2%)、純利益は4億6,430万ユーロ(同+31.8%)でした(出典:ヘラ公式 https://investornews.gruppohera.it/en/focus-on-fy-2024-results/)。
売上が16.2%も減っているのに純利益が31.8%増えているのは一見矛盾して見えますが、会社発表によると理由ははっきりしています。ヘラは電力やガスを仕入れて販売する事業も手がけており、2023年まで続いたエネルギー価格の高騰局面では、仕入れ値・販売価格ともに大きく膨らんでいました。その価格が正常化したことで、売上高(仕入れて売る金額の合計)そのものが縮んだのが減収の内訳です。事業の規模や顧客数が縮小したわけではありません。
一方で、料金が規制当局ARERAによって定められるネットワーク事業(送配電網・ガス導管網など)の利益は、エネルギー価格の変動を受けにくく安定しています。報道によると、EBITDAに占める規制ネットワーク事業の比率は32%から38%へ高まっており、価格変動の影響が大きい仕入れ販売事業の比重が下がったことも、純利益の増加を後押ししました。つまり「売上は市況要因で縮んだが、利益の土台である規制事業は堅調」という構造です。
同じ総合公益・インフラの会社としては、送電のテルナやガス輸送のスナムがしばしば比較対象になります。いずれもイタリアの規制インフラを軸にしていますが、扱う事業の範囲や規制の枠組みは会社ごとに異なります。
配当と税金
ヘラの1株配当は0.16ユーロで、会社発表によると22年連続での配当実施となります。実測の表面利回りは約4.19%(配当性向45.42%)で、本記事の基本データ表(8月23日時点の株価3.868ユーロで計算)では4.14%です。
イタリアの現地源泉税は最大26%とされ、日伊租税条約を適用できる場合は15%になるとされています。ただし、実際にどちらの税率が適用されるかは証券会社の手続き次第のため、口座開設時に必ず確認してください。日本側ではさらに、現地源泉後の金額に20.315%が課税されます。
源泉税率が確定していないため、本記事では税引き後の実質利回りの目安は計算していません。
最新の株価チャートで水準を確認する
本記事の株価は2026年8月23日時点のものです。発注前に必ず最新の水準を確認してください。
ヘラ株の日本からの買い方
ヘラの上場市場はイタリア証券取引所(ミラノ)のみで、ティッカーは「HER」です。米国預託証券(ADR)は発行されておらず、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。
| 証券会社 | ヘラ株の取扱い |
|---|---|
| SBI証券 | × 取扱いなし |
| 楽天証券 | × 「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記 |
| マネックス証券 | × 取扱いなし |
企業の規模ではなく、上場している市場だけで買えるかどうかが決まります。この仕組みについてはなぜSBI証券・楽天証券では欧州株が買えないのかで詳しく解説しています。
サクソバンク証券で買う流れ
- 口座開設を申し込む(オンラインで完結。マイナンバーと本人確認書類が必要)
- 審査・口座開設を待つ(通常は数営業日)
- 日本円を入金する
- ユーロに両替する
- ティッカー「HER」で検索し、株数を指定して発注
手数料(サクソバンク証券クラシック)
| 買う株数 | 約定金額の目安 | 手数料 | 負担率 |
|---|---|---|---|
| 1株 | 約718円 | 1,021円 | 142.19% |
| 200株 | 約143,600円 | 1,021円 | 0.71% |
手数料は約定金額の0.132%、最低5.5ユーロ(約1,021円)です。ヘラは1株約718円と株価が安いため、1株買いの手数料負担率は142.19%と極めて重く、手数料の方が投資額を上回ります。現実的には200株単位(約14万3,600円)のまとめ買いが前提になり、その場合の負担率は0.71%まで下がります。
ヘラ株はどんな人に向くか
| 向く人 | 理由 |
|---|---|
| 配当の継続性を重視する人 | 22年連続で配当を実施 |
| 売上高の増減より利益の中身を見極めたい人 | 売上−16.2%でも純利益は+31.8%増 |
| 200株単位でまとめ買いできる人 | 手数料負担率が0.71%まで下がる |
| 向かない人 | 理由 |
|---|---|
| NISAの非課税で持ちたい人 | サクソバンク証券はNISA非対応(IB証券という選択肢もある) |
| 少額の1株買いをしたい人 | 手数料負担率が142.19%と極めて重い |
| 規制収入の変動リスクを避けたい人 | ARERAの料金見直し次第で収益が変わる |
よくある質問
ヘラ株はSBI証券や楽天証券で買えますか?
買えません。上場市場がイタリア証券取引所(ミラノ)のみのためです。米国預託証券(ADR)も発行されておらず、ニューヨーク証券取引所にもナスダックにも上場していません。楽天証券は「OTC市場の銘柄は新規の買付けを受け付けておりません」と明記しています。
最低いくらから買えますか?
1株約718円から購入は可能ですが、手数料負担率は1株で142.19%と、手数料の方が投資額より大きくなってしまいます。現実的には200株単位(約14万3,600円)でのまとめ買いが前提です。
売上が16.2%も減っているのに、投資して大丈夫な会社ですか?
会社発表によると、この減収はエネルギー価格が高騰局面から正常化したことで、仕入れて売る金額そのものが小さくなったことによるもので、事業の規模が縮んだわけではありません。実際、同じ期間に純利益は+31.8%、EBITDAは+6.2%増えています。規制で守られたネットワーク事業の利益が安定して増えていることが背景です。ただし、これは過去の決算の説明であり、将来の業績を保証するものではありません。
配当にかかる税金はどうなりますか?
イタリアの現地源泉税は最大26%とされ、日伊租税条約を適用できれば15%になるとされていますが、実際の適用は証券会社の手続き次第です。口座開設時に必ず確認してください。これに加えて日本側でさらに20.315%が課税されます。源泉税率が確定していないため、本記事では税引き後の実質利回りは計算していません。
NISAで保有できますか?
サクソバンク証券はNISAに対応していません。特定口座または一般口座での取引となります。NISAの非課税枠で欧州株を持ちたい場合は、IB証券という選択肢もあります。
まとめ
- メリット:22年連続配当、実測利回り約4.19%/売上−16.2%でも純利益+31.8%増/EBITDAに占める規制ネットワーク事業の比率が32%から38%へ上昇
- デメリット:規制当局ARERAの料金見直し次第で収益が変わる/事業地盤がイタリア北中部に集中/1株買いの手数料負担率は142.19%と極めて重い
- 買い方:SBI・楽天・マネックスでは買えず、サクソバンク証券なら1株約718円から。200株単位のまとめ買いで手数料負担率は0.71%
この記事の検証方法
- 手数料はサクソバンク証券の公式手数料表から計算しています
- 株価・為替レートは本文記載の基準日に実測した値です
- 業績・配当は企業の公式IR資料(一次資料)を基本とし、公式資料で確認できなかった項目は本文中に出典を明記しています
- 筆者はヨーロッパ在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座で欧州株を実際に保有しています
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の株価・為替レート・手数料・税制は2026年8月23日時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。業績数値はヘラ社の公表資料に基づきます。実際の取引条件および税務の取扱いは、各証券会社の公式サイトおよび税務専門家にご確認ください。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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