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欧州の自動車株をどう見るか|PER12.93倍が全業種で最も低い理由【2026年】

欧州の自動車株をどう見るか|PER12.93倍が全業種で最も低い理由【2026年】

※この記事の数字は、2026年9月に集計の誤りを直したうえで取り直したものです。経緯は末尾の「この記事の検証方法」に書いています。

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この記事の結論

  • 2026年9月2日、欧州の自動車関連株13社のPER・配当利回り・配当性向を同じ日に一斉取得しました。業種の中央値は利回り3.98%・PER12.93倍です
  • この記事は、公開後に集計の誤りが見つかったため数字を全面的に見直したものです。当初の集計には初期に取り上げた完成車メーカー4社(BMW・メルセデス・ベンツ・フォルクスワーゲン・ポルシェ)が含まれていませんでした
  • 13社で取り直すと、配当利回り上位4社はすべて完成車メーカーで、いずれも7%台です
  • PER12.93倍は8業種の中で最も低い水準ですが、割安ではなく業績の振れの大きさを映していると考えられます

欧州はフランス・ドイツ・イタリア・スペインに完成車メーカーと部品メーカーが集積する、世界有数の自動車産業地域です。株価という切り口でこの業種をまとめて見る機会はあまりなく、個別の銘柄ごとにPERや配当利回りを見ることはあっても、業種全体としてどんな水準にあるのかは分かりにくいものです。

そこで今回、欧州の自動車関連株13社について、2026年9月2日に株価データサイト(stockanalysis.com)からPER・配当利回り・配当性向を機械的に取得し直しました。266銘柄を同じ日に一斉に取り直しており、この記事の数字はすべてその取り直し後のものです。

目次

実測結果:13社の中央値は利回り3.98%・PER12.93倍

今回実測した13社を、配当利回りが高い順に並べるとこうなりました。

会社利回りPER配当性向事業
ルノー7.69%8.31倍66%自動車
メルセデス・ベンツ7.50%8.82倍66%自動車
BMW7.29%5.81倍42%自動車
フォルクスワーゲン7.03%7.32倍50%自動車
ピレリ5.12%12.93倍4%タイヤ
ミシュラン4.01%15.30倍59%タイヤ
コンチネンタル3.98%自動車部品・タイヤ
ヴァレオ3.08%16.85倍53%自動車部品
ブレンボ3.02%13.66倍42%ブレーキシステム
CIEオートモーティブ西3.02%8.83倍32%自動車部品
ポルシェ2.29%47.57倍98%自動車
ゲスタンプ西2.25%8.77倍61%自動車部品
クノールブレムゼ1.93%28.24倍52%鉄道・商用車ブレーキ
2026年9月2日、当サイトが機械的に取得。13社

配当利回りの中央値は3.98%(コンチネンタル)、PERの中央値は12.93倍(ピレリ)、配当性向の中央値は53%(ヴァレオ)です。国別の内訳は独6・仏3・伊2・西2で、ドイツが最も多くなっています。

配当利回り上位4社はすべて完成車メーカー、ポルシェだけ景色が違う

配当利回りの上位4社を見ると、ルノー7.69%・メルセデス・ベンツ7.50%・BMW7.29%・フォルクスワーゲン7.03%と、いずれも7%台で完成車メーカーが並びます。今回13社で取り直す前の集計では、このうちBMW・メルセデス・ベンツ・フォルクスワーゲンが対象から抜けており、部品メーカーが多いという結果になっていました。13社で見ると、利回り上位は完成車メーカーが占めています。

同じ完成車メーカーでも、ポルシェだけ景色が違います。利回りは2.29%、PERは47.57倍、配当性向は98%で、BMWのPER5.81倍とは8倍の開きがあります。BMW・メルセデス・ベンツ・ポルシェ・フォルクスワーゲンの4社を比較した欧州自動車株4社比較の記事でも、この差を詳しく取り上げています。

PER12.93倍が全業種で最も低いのは「割安」ではない

業種別に配当利回りとPERを比較した記事で8業種を並べたところ、自動車のPER中央値12.93倍は8業種の中で最も低い数字でした。

ここで「自動車株は割安」と考えたくなりますが、それは違うと思います。欧州株のPERを実測した記事で書いたとおり、利益がピークのときほどPERは低く見えます。自動車業種は景気や部品供給、為替の影響を受けやすく、利益の振れが大きい業種です。今のPERの低さは、割安の証拠というより、利益が相対的に高い局面にあることの裏返しだと考えられます。

利回り7%台でも、配当性向を見ると意味が変わる

配当利回り上位4社を配当性向で見ると、BMW42%・フォルクスワーゲン50%・メルセデス・ベンツ66%・ルノー66%で、いずれも利益を大きく超えて配ってはいません。同じ7%台の利回りでも、BMWとフォルクスワーゲンは利益の半分ほど、メルセデス・ベンツとルノーは3分の2ほどを配当に回している計算です。ポルシェの配当性向98%とは、この点でも景色が異なります。

まとめ:自動車株のPERは他業種と同じ物差しで見ない

  • 2026年9月2日に13社を同じ日で実測した結果、業種の中央値は利回り3.98%・PER12.93倍
  • 公開後に見つかった集計の誤りを訂正した結果、配当利回り上位4社はすべて完成車メーカーになった(ルノー・メルセデス・ベンツ・BMW・フォルクスワーゲン)
  • 同じ完成車メーカーでもポルシェだけPER47.57倍・配当性向98%と景色が違う
  • PER12.93倍は8業種で最も低いものの、割安の証拠ではなく業績の振れの大きさを映していると考えられる

自動車株のPERは、他の業種と同じ物差しで見ないほうがよいと思います。何年分かの利益を並べてから判断すると、見え方が変わります。

この記事の検証方法

  • PER・配当利回り・配当性向は、2026年9月2日に株価データサイト(stockanalysis.com)から機械的に取得しました
  • 対象は欧州の自動車関連株13社です
  • この記事は公開後に集計の誤りが見つかったため訂正したものです。当初の集計は当サイトが初期に取り上げた銘柄が対象から抜けており、2026年9月2日に266銘柄を同じ日に取り直しました
  • アドミラル・グループ(英)は取得元の分類では自動車業種に含まれますが、自動車保険会社であるため、この集計からは除外しています
  • コンチネンタルはPERを算出できなかったため、PERの中央値の計算には含めていません(配当利回り・配当性向の中央値には含めています)
  • この記事の数値は当サイトが取り上げた銘柄に限った集計であり、欧州の自動車業種全体を代表するものではありません
  • 業種・国別の比較先である8業種の中央値は、業種別配当利回りの記事で同じ日に取得したものです
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事に登場する銘柄を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載のPER・配当利回り・配当性向は2026年9月2日時点で取得した情報にもとづいており、市場の変動により変更される場合があります。特定の銘柄が割安・割高であることを示すものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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