※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。
この記事の結論
- 月1万円で欧州の個別株を買うと、最低手数料だけで負担率4.1〜10.9%かかり、手数料負けします
- 3万円まで貯めても1.4〜3.6%。片道の手数料を1%前後まで下げるには、目安として約10万円が必要です
- だから当サイトが勧める現実解は2つ。①月1万円は欧州ETFの積立に回す ②個別株は10か月貯めて10万円で1銘柄買う
- この2つは併用できます。「少額から個別株を」と誘うのは、この手数料体系では読者の不利益になると考えています
「欧州株は月1万円から始められますか」。この検索でたどり着いた方に、まず正直に答えます。欧州の個別株を月1万円ずつ買う方法は、手数料の面で成立しません。最低手数料だけで負担率が4.1〜10.9%に達し、値上がりする前に目減りしてしまうからです。
「少額から始められます」と書いて個別株に誘導するサイトも見かけますが、この手数料体系を実測すると、それは読者の不利益になると当サイトは考えています。この記事では、なぜ月1万円で個別株が割に合わないのかを数字で示したうえで、同じ月1万円という入金力を活かせる現実解を2つ紹介します。
月1万円で欧州個別株を買うと、手数料だけで4.1〜10.9%消える
サクソバンク証券クラシック口座の公式手数料表をもとに、月1万円・3万円・10万円で欧州の個別株を1回買った場合の負担率を計算しました。取引所ごとに最低手数料が異なるため、最も安いパリ市場(仏)と、最も重いスイス市場を並べます。
| 積立額 | パリ市場(仏・最安) | スイス市場(最も重い) |
|---|---|---|
| 1万円 | 408円(4.1%) | 1,089円(10.9%) |
| 3万円 | 408円(1.4%) | 1,089円(3.6%) |
| 10万円 | 408円(0.4%) | 1,089円(1.1%) |
片道だけでこの負担率です。実際に売るときにも同じ手数料がかかるので、往復では単純計算で2倍になります。1万円を投資した瞬間に4〜11%も目減りするのでは、勝負になりません。
なぜ手数料負けするのか:最低手数料という壁
理由は単純です。サクソバンク証券の手数料は「約定金額×料率」と「最低手数料」のうち高いほうが適用されます。パリ市場なら料率0.088%・最低2.20ユーロ、スイス市場なら料率0.132%・最低5.50フランです。約定金額が小さいうちは、ほぼ確実に最低手数料のほうが効きます。
この最低手数料が「効かなくなる」金額、つまり料率だけで手数料が決まるようになる境目は、パリで約46万円、スイスで約82万円です。月1万円という金額は、この境目からあまりに遠いところにあります。取引所ごとの料率・最低手数料の一覧は手数料の負担率早見表の記事にまとめています。
現実解①:月1万円は欧州ETFの積立に回す
個別株では成立しない月1万円という金額を活かす方法が、ETFの積立です。米国に上場している欧州ETF、たとえばバンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK、経費率0.06%)は、SBI証券などの国内ネット証券から買えます。買付手数料は証券会社ごとの条件によりますが、個別株のような最低手数料の壁はなく、月1万円からでも継続的に積み立てられます。
NISAのつみたて投資枠や成長投資枠で使える場合もあります。対象になるかは証券会社や商品によって異なるため、NISAで欧州株を買う条件を整理した記事で確認してください。ETFの選び方自体は欧州ETFの比較記事で扱っています。
現実解②:個別株は「10か月貯めて10万円で1銘柄」
それでも欧州の個別企業を選んで持ちたいという方には、買い方を変える現実解があります。月1万円ずつ買うのではなく、10か月かけて10万円を貯め、年に1〜2回まとめて1銘柄を買うという方法です。
先ほどの表のとおり、10万円まで貯めれば負担率はパリで0.4%、最も重いスイスでも1.1%まで下がります。欧州株では、1回あたりの金額を大きくすること、つまり買う回数を減らすこと自体が、そのまま節約になります。
日本からサクソバンク証券以外で欧州の個別株を扱っているネット証券はほぼありません。10万円を貯めてから買うという運用は、同社の口座を前提にした話になります。
この2つは併用できる。効くのは商品選びより入金力
ETFの積立と個別株のスポット購入は、対立するものではありません。月1万円は自動で欧州ETFに積み立て、個別株は年1〜2回のイベントとして10万円貯まったタイミングで買う、という組み合わせが現実的だと思います。
もうひとつ、当たり前のことも一言添えておきます。月1万円は年間にすると12万円です。どの商品を選ぶかより、毎月の入金額そのものを増やせるかどうかのほうが、資産形成の速度には効きます。ここでは複利のシミュレーションはしません。将来の金額を約束できるものではないからです。
まとめ:月1万円は個別株ではなくETFから
- 月1万円で欧州の個別株を買うと、最低手数料だけで負担率4.1〜10.9%。3万円でも1.4〜3.6%で、成立しません
- 片道の手数料を1%前後まで下げるには、目安として約10万円が必要です
- 現実解は2つ。①月1万円は欧州ETF(VGKなど)の積立に回す ②個別株は10か月貯めて10万円で1銘柄買う
- 2つは併用できます。「少額から個別株を」という誘導は、この手数料体系では読者の不利益になると考えています
- 商品選びより、毎月の入金額を上げられるかどうかのほうが効きます
今日、個別株を1株も買わなくても遅れにはなりません。まずはETFの積立から始め、個別株は10万円が貯まってから。それで十分だと思います。
この記事の検証方法
- サクソバンク証券の手数料は公式手数料表とECB参照レート(2026年8月27日)による円換算をもとに、当サイトが計算しています
- VGK(バンガード・FTSE・ヨーロッパETF)の経費率は公式ファクトシートを出典としています
- 最低手数料が効かなくなる約定金額(パリ約46万円・スイス約82万円)は、料率と最低手数料から当サイトが逆算した金額です
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の商品を保有しているとは限りません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
あわせて読みたい
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・証券会社の利用を推奨するものではありません。記載の手数料・料率・経費率は本文記載の各時点で確認した情報に基づく概算であり、変更される場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

コメント