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オルカンだけで欧州株は足りるのか|上位10銘柄に欧州企業ゼロという中身【2026年】

オルカンだけで欧州株は足りるのか|上位10銘柄に欧州企業ゼロという中身【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • オルカンの中身は63.1%がアメリカで、月報の国別上位10か国に入る欧州は4か国・合計9.3%です(2026年7月31日時点)
  • 組入上位10銘柄に、欧州企業は1社もありません(米国9社+台湾1社)
  • それでも、ほとんどの人はオルカンだけで足りるというのが筆者の正直な意見です
  • そのうえで欧州株を足すなら、ETFはSBI証券などでも買え、個別株はサクソバンク証券が入り口になります

「全世界に分散したいならオルカン」。この結論は、いまや日本の個人投資家の共通認識になりました。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の純資産総額は約13兆8,000億円(2026年8月27日時点)に達し、国内の投資信託として最大級の規模です。信託報酬は年率0.05775%。低コストで約2,400銘柄に一度に投資できるのですから、人気に不思議はありません。

当サイトは欧州株を扱うブログですが、だからこそ最初に正直に答えておきたい問いがあります。「オルカンを持っていれば、欧州にも投資できているのか」。答えは「できている。ただし、思っているよりずっと薄く」です。この記事では、オルカンの月報を実測した数字でその「薄さ」を確かめたうえで、それでもオルカンだけで足りる人と、欧州株を足す意味がある人の線引きを、筆者の意見も交えて整理します。

目次

オルカンの中身:アメリカ63.1%、欧州は上位10か国で合計9.3%

オルカンは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動します。MSCIの公式サイトによると、この指数は先進国23か国+新興国24か国の計47か国・約2,500銘柄で構成されます。ファンドの実際の組入銘柄数は2,414銘柄でした(2026年7月31日時点の月次レポート)。

では、その中身はどんな配分なのか。月次レポート(2026年7月31日時点)の国・地域別構成比率がこちらです。

順位国・地域構成比率
1アメリカ63.1%
2日本5.0%
3イギリス3.2%
4カナダ3.0%
5台湾2.8%
6フランス2.1%
7スイス2.1%
8韓国2.0%
9ドイツ1.9%
10オーストラリア1.4%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート(2026年7月31日時点)より

上位10か国に入る欧州は、イギリス3.2%・フランス2.1%・スイス2.1%・ドイツ1.9%の4か国・合計9.3%です。オランダやイタリア、スペインなど上位10か国に入らない欧州の国を足せばもう少し大きくなりますが、それでもアメリカ1か国の63.1%には遠く及びません。オルカンは「全世界に均等に分散する商品」ではなく、時価総額の大きい順に持つ商品です。世界の株式市場の時価総額はアメリカに集中しているので、オルカンの中身もアメリカに集中する。これは欠陥ではなく、この商品の設計そのものです。

組入上位10銘柄に、欧州企業は1社もない

国別よりもはっきり実態が見えるのが、組入上位銘柄です。同じ月次レポート(2026年7月31日時点)の上位10銘柄を並べます。

順位銘柄比率
1アップルアメリカ4.8%
2エヌビディアアメリカ4.4%
3マイクロソフトアメリカ3.1%
4アマゾンアメリカ2.2%
5アルファベット(A)アメリカ1.9%
6ブロードコムアメリカ1.7%
7TSMC台湾1.6%
8アルファベット(C)アメリカ1.5%
9メタ・プラットフォームズアメリカ1.2%
10マイクロン・テクノロジーアメリカ1.0%
同月次レポートより。米国9社・台湾1社で、欧州企業は0社

米国企業が9社、台湾のTSMCが1社。欧州企業はゼロです。ネスレも、LVMHも、ASMLも、SAPも、上位10銘柄には入っていません。もちろん2,414銘柄の中には数百の欧州企業が含まれていますが、10位のマイクロンで1.0%ですから、上位10位に入っていない欧州企業はどれも1%未満ということになります。オルカンを持つことは、実質的には「アメリカのテック企業を6割持ち、残りを薄く世界に散らす」ことに近い、というのが数字から見える実態です。

この構造は、米国株と欧州株のどちらを買うべきかを整理した記事で書いたS&P500の集中度の話と地続きです。「全世界」という名前の器の中でも、集中は起きています。

それでも、ほとんどの人はオルカンだけで足りると思います

欧州株のブログとしては「だから欧州株を買いましょう」と続けたいところですが、正直に書きます。ほとんどの人は、オルカンだけで足ります。これが筆者の意見です。

理由は3つあります。第一に、年率0.05775%という信託報酬は、個別株投資では到底実現できない低コストだからです。第二に、アメリカへの63.1%という集中は「時価総額どおり」の配分であり、これを意図的に崩すことは、市場平均に対して自分の判断を上乗せする行為だからです。上乗せには手間と根拠が要ります。第三に、NISAのつみたて投資枠でそのまま積み立てられるので、税制面の効率も揃っているからです。この3点が崩れていない限り、無理に何かを足す必要はないと思います。

欧州株を「足す」意味がある3つのケース

そのうえで、オルカンを土台にしたまま欧州株を上乗せする意味がある人もいます。筆者が考えるのは次の3つのケースです。

  1. 配当を「金額」で受け取りたい人。オルカンは配当をファンド内で再投資するため、手元に現金は入りません。欧州には配当利回りの高い企業が多く、当サイトの高配当ランキングで扱っている銘柄には表面利回り5%を超えるものもあります。配当という現金の流れを作りたいなら、インデックスファンドの外に出る必要があります
  2. 「企業を選んで持ちたい」人。オルカンの中の欧州企業は1社1%未満の薄さです。ネスレやエアバス、ラインメタルといった企業を「意味のある比率で」持ちたいなら、個別株かETFで足すしかありません
  3. アメリカ63.1%という一極集中を、自分の判断で薄めたい人。これは市場平均への逆張りなので万人向けではありませんが、通貨(ユーロ・ポンド・フラン)と地域を意図的に分散させる考え方はありえます。欧州株のメリット・デメリットの記事で書いたとおり、良い面だけの選択ではない点は添えておきます

筆者自身は、オルカンではなく欧州ETF(VEUR)と欧州の個別株を組み合わせて保有しています。ただしこれはポルトガル在住で欧州の証券口座(IBKR)を使えるという筆者の事情による部分が大きく、日本にお住まいの方にそのまま勧められる形ではありません。

足すと決めたら:ETFで足すか、個別株で足すか

足し方は2通りです。

欧州ETFで足す欧州の個別株で足す
買える証券会社SBI証券・楽天証券など(米国上場ETF)サクソバンク証券(SBI・楽天・マネックスでは買えない)
分散1本で数百銘柄自分で選ぶ
手間ほぼゼロ銘柄選び・決算確認が要る
向く人比率だけ調整したい人企業を選んで持ちたい人・配当を作りたい人

手軽さで選ぶならETFです。欧州ETFの比較記事で書いたとおり、SBI証券などで買える米国上場の欧州ETFがあり、オルカンに1本足すだけで欧州比率を自分の好きな水準に調整できます。

企業を選んで持ちたい場合は、日本からはサクソバンク証券がほぼ唯一の入り口になります。SBI証券・楽天証券・マネックス証券は欧州の現地市場を取り扱っていないためです(理由はこちらの記事で解説しています)。手数料は取引所ごとに異なり、たとえばドイツ株は約定金額の0.088%・最低3.30ユーロです。少額だと最低手数料の負担が重くなるので、1銘柄あたり数万円以上のまとまった単位で買うのが現実的です。

まとめ:オルカンを土台に、欧州は「上乗せ」で考える

  • オルカンの中身はアメリカ63.1%、上位10か国に入る欧州は4か国・合計9.3%(2026年7月31日時点の月次レポート)
  • 組入上位10銘柄に欧州企業はゼロ。オルカンの実態は「米国6割+残りを薄く世界へ」
  • それでもほとんどの人はオルカンだけで足りる、が筆者の正直な意見
  • 足す意味があるのは「配当を金額で受け取りたい」「企業を選んで持ちたい」「米国集中を自分の判断で薄めたい」の3ケース
  • 足し方は、手軽さならETF(SBI証券などで可)、企業を選ぶならサクソバンク証券の個別株

オルカンを崩す必要はありません。土台はそのままに、欧州を「どのくらい上乗せするか」だけを自分の言葉で決められれば、それで十分だと思います。

この記事の検証方法

  • オルカンの国別構成比率・組入上位10銘柄・組入銘柄数は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の月次レポート(2026年7月31日時点)を出典としています
  • 純資産総額・信託報酬は2026年8月27日に証券会社のファンドページで確認した値です
  • MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの構成国数・銘柄数はMSCI公式サイトを出典としています
  • サクソバンク証券の手数料は公式手数料表から計算しています
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の商品を保有しているとは限りません)

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の純資産総額・構成比率・信託報酬・手数料は本文記載の各時点で確認した情報に基づいており、変更される場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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