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地政学リスクを欧州株にどう織り込むか|予測せずに備える【2026年】

地政学リスクを欧州株にどう織り込むか|予測せずに備える【2026年】

※本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれます。

この記事の結論

  • この記事は、地政学リスクの予測記事ではありません。どの国・地域で何が起きるか、どの業種が上がる・下がるかは一切書いていません。書いているのは、地政学の出来事が起きたときに何が効きやすいかという構造だけです
  • 地政学そのものは読めなくても、関税・炭素の制度・金融政策といった制度の変化は、予測ではなく事実として追うことができます
  • 国を選ぶと業種が決まるため、分散は国の数ではなく業種で考えたほうがよいと思います。取引所を複数に分けても、業種が偏っていれば分散になっていません
  • 「やめる条件」は何かが起きる前に決めておくことをおすすめします。年1回の点検で見るのは配当性向・株数の増減・連続増配が止まっていないかです

戦争や政治の混乱が起きたとき、欧州株はどうなるのか。保有していると、こう考える場面が誰にでもあると思います。ただ、先に言っておきたいのは、この記事はその答えを予測する記事ではないということです。どの国や地域で何が起きるか、どの業種が上がって、どの業種が下がるか——そういったことは一切書きません。当サイトはこれまでも将来の株価やリターンを断定しない方針で書いてきましたが、この記事はその延長線上にあります。

代わりにこの記事で書くのは、地政学の出来事そのものではなく、それが投資に効いてくる経路です。何が起きるかを当てにいくのではなく、起きたときに自分がどこを見ればよいかをあらかじめ整理しておく。それだけでも、実際に何かが起きたときの動き方はだいぶ変わってくると思います。

目次

まず、予測はしません

最初にもう一度はっきりさせておきます。この記事は「次にどこで何が起きるか」「その結果どの業種が伸びるか」を当てるものではありません。地政学の出来事は、起きてから振り返って初めて意味が分かることがほとんどで、事前に精度よく言い当てることは、当サイトの手に負える範囲を超えています。

だからこそ、この記事で書けるのはそこではなく、地政学の出来事が実際に起きたとき、何が効きやすいかという構造のほうです。出来事そのものを当てにいくのではなく、出来事が投資判断にどう波及してくるかという通り道を先に知っておく。そのほうが、実際に何かが起きたときに落ち着いて動けると考えています。

制度の変化は、予測ではなく事実として追える

地政学そのものは読めなくても、その結果として制度がどう変わったかは公表されます。当サイトがこれまでに確認してきた3つの制度を並べると、次のとおりです。

追えるものいま分かっていること
関税米EUは15%上限の枠組み合意。ただし法的拘束力のない政治合意で、EUの対抗措置は撤回ではなく停止されているだけです(参考記事)
炭素の制度CBAM(炭素国境調整措置)が2026年1月から本格適用。対象はセメント・鉄鋼・アルミ・肥料・電力・水素です(参考記事)
金融政策ECBの政策金利は公表され、会合日程も事前に分かります。2025年に4回下げたあと、2026年6月17日に利上げへ転じました(参考記事)

この3つに共通しているのは、「何が起きるか」は読めなくても、「何が決まったか」は追えるという点です。関税の水準や炭素規制の対象、政策金利の会合日程は、地政学の出来事そのものと違って、公表された時点で確認できます。当サイトがこれらの記事を書いているのも、起きることを当てるためではなく、決まったことを後から見返せるようにしておくためです。

地政学のニュースを追いかけるより、こうした制度の公表を定期的に確認するほうが、投資判断としては現実的だと私は考えています。何が起きるかは分からなくても、制度がどう変わったかは、後から確認しても遅くありません。

分散は国ではなく業種で考える

地政学リスクへの備えというと、複数の国に分けて投資することをまず思い浮かべる方が多いと思います。ただ、当サイトが7か国の顔ぶれを実測した記事で確認したとおり、国を選ぶと、その国に多い業種もほぼ決まります。イタリア・スペインは銀行と公益、ドイツは医薬と自動車、イギリスは小売が多いというように、国ごとの偏りは実際にあります。

つまり、1国に集中して投資するということは、その国の政治情勢だけでなく、その国に多い業種の構成にもあわせて賭けていることになります。国を分散させたつもりでも、選んだ国の顔ぶれに偏りが集まっていれば、業種としては分散になっていない、ということが起こり得ます。

サクソバンク証券が扱う欧州の取引所はドイツ・フランス・イギリス・イタリア・スペイン・スイス・デンマークの7か国で、それ以外の国は当サイトで確認できていません。この7取引所に分けて投資しても、選んだ銘柄の業種が偏っていれば、分散にはなっていないという点は変わりません。国の数を増やすことより、業種の顔ぶれを確認することのほうが、地政学リスクへの備えとしては効くと考えられます。

買う前に決めておく

当サイトでは以前、買った理由を書き残しておく記録の作り方という記事で、「やめる条件」をあらかじめ決めておくことの大切さを書きました。これは地政学リスクへの向き合い方にもそのまま当てはまると思います。景気後退時の記事でも書いたとおり、下がってから「どうしよう」と考え始めるのは、実は一番決めにくいタイミングです。ニュースや株価を見ながらだと、不安が判断に混ざりやすくなるためです。

だからこそ、まだ何も起きていない平常時のうちに、点検の項目を決めておくことをおすすめします。当サイトが年1回の点検の記事で挙げているのは、配当性向が上がっていないか、株数の増減に変化がないか、連続増配が止まっていないか、といった数字で確認できる項目です。

地政学の出来事が実際に起きたとき、感覚で判断しようとすると迷いが生まれます。あらかじめ決めておいた項目を点検するだけの状態にしておけば、何が起きても、やることは同じ手順の繰り返しになります。それが、この記事で一番伝えたいことです。

まとめ:予測せずに、点検の手順を決めておく

  • この記事は地政学リスクの予測ではありません。どの国・地域で何が起きるか、どの業種が上がる・下がるかは書いていません。
  • 関税・炭素の制度・金融政策といった制度の変化は、予測ではなく事実として追えます
  • 国を選ぶと業種が決まるため、分散は国の数ではなく業種の顔ぶれで考えたほうがよいと思います。
  • 「やめる条件」は何かが起きる前に決めておくと、実際に起きたときにやることは点検だけになります。

地政学は当てられません。当てようとするより、何が起きても点検の手順が変わらない状態を作っておくほうが、私には現実的に思えます。

この記事の検証方法

  • この記事は数値の実測記事ではなく、地政学リスクへの向き合い方を整理した記事です。どの国・地域で何が起きるか、その結果どの業種が上がる・下がるかといった見通しは含んでいません
  • 記事中で引用した制度(米EUの関税合意、CBAM、ECBの政策金利)は、当サイトが別記事で確認した内容にもとづいています。確認日はそれぞれのリンク先の記事に記載しています
  • 当サイトは将来の地政学上の出来事や、それに伴う株価・業種の動きを予測するものではなく、この記事でもそうした見通しは書いていません
  • 個別銘柄を推奨するものではなく、特定の銘柄の売買を勧める記事でもありません
  • 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています

この記事を書いた人:Kawa

ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール

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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記事中で引用した制度の内容は、各リンク先の記事で確認した時点の情報にもとづいており、その後変更される場合があります。本記事は地政学上の出来事や、それに伴う株価・業種の動きを予測するものではなく、将来の株価・業績・配当を保証するものでもありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

Kawa
サイドFIRE生活中
ヨーロッパ在住30代。兼業投資家として株式投資、FX、不動産投資を行う。株式投資やFX取引では、ダウ理論とグランビルの法則を用いたテクニカル分析メインで、ファンダメンタルズ分析も組み合わせて投資判断を行う。欧州の不動産市場にも注力し、賃貸収入やキャピタルゲインを狙った長期的な投資を狙う。夢はボルゾイを飼うこと。
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