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この記事の結論
- 今回実測した欧州株201銘柄の権利落ち日を実測した結果、年1回払いが119社で最多(約6割)でした
- 権利落ちの時期は4〜6月の3か月に集中し、なかでも5月が66社と突出しています
- ドイツとスイスは、実測した全社が年1回払い。イギリスだけが年2回超で、米国株に近い頻度でした
- この集計は当サイトが取り上げた銘柄に限った独自調査であり、欧州市場全体を代表するものではありません
米国株に慣れていると、「配当は年4回、どこかの銘柄が毎月払ってくれる」という感覚が当たり前になります。では欧州株はどうなのか。実は、この問いに数字で答えているブログを筆者は見たことがありません。そこで今回、2026年8月28日に、当サイトが記事化している欧州株について、権利落ち日(ex-dividend date)の履歴を機械的に取得し、直近12か月の支払回数と時期を集計しました。
結論から言うと、欧州株の配当は「年1回・春にまとめて」が基本形です。米国株のような「毎月どこかから配当が入る」設計を欧州株だけで作るのは、かなり難しいことが数字から見えてきました。以下、実測データを示しながら理由と対処法を整理します。
201銘柄を実測|年1回払いが119社で最多
調査方法はこうです。stockanalysis.comの各銘柄の配当ページから権利落ち日の履歴を取得し、直近12か月(2025年9月〜2026年8月)に権利落ちした回数を「年間の支払回数」としました。当サイトが取り上げている欧州株のうち、データを取得できた201銘柄が対象です(一部は取得できず除外)。
結果が次の表です。
| 支払回数 | 社数 |
|---|---|
| 年1回 | 119社 |
| 年2回 | 54社 |
| 年3回 | 22社 |
| 年4回 | 6社 |
年1回が119社で全体の約6割を占め、最多です。年2回が54社で続き、年3回は22社、年4回に至っては6社しかありません。米国株では「年4回払い」がむしろ標準ですが、欧州株ではそれが少数派だということが、この実測でわかります。
※この集計は、当サイトが取り上げた銘柄に限った独自調査です。欧州市場全体(数千社規模)を代表する数字ではない点は、あらかじめお断りしておきます。
権利落ちはいつ集中するのか|5月が66社で突出
次に、権利落ちが実際に何月に起きているかを、月ごとに集計しました(1銘柄が年に複数回権利落ちする場合は、その月ごとにカウントしています)。
| 月 | 社数 | 月 | 社数 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 17 | 7月 | 26 |
| 2月 | 8 | 8月 | 14 |
| 3月 | 19 | 9月 | 13 |
| 4月 | 51 | 10月 | 17 |
| 5月 | 66 | 11月 | 17 |
| 6月 | 35 | 12月 | 15 |
4月・5月・6月の3か月に権利落ちが集中しており、なかでも5月が66社と突出しています。一方で最も少ないのは2月の8社です。1年のうち、この3か月にだけ配当の入金が偏り、それ以外の月、とくに2月や12月は静かになる。これが欧州株201銘柄を実測して見えてきた実態です。
なぜ5月に集中するのか|株主総会と12月決算の仕組み
理由は、配当の決め方の仕組みにあります。欧州の多くの企業は、日本や米国のように取締役会だけで配当を決めるのではなく、年次株主総会(AGM)で配当を承認してから支払うという手順を踏みます。決算期は12月末が多いため、決算内容をまとめて株主総会にかけるのは翌年の春になり、承認後の権利落ち・支払いも自然と4〜6月にまとまります。
イギリスだけやや事情が違います。イギリス企業は中間配当と期末配当の年2回払いが慣行で、権利落ちが4月と8〜10月に分かれます。今回の実測でもイギリスの年間平均支払回数は2.35回と、他国より明確に多くなっています(詳しくは次の章で示します)。
※この説明は一般的な仕組みの解説であり、個別企業の配当方針は各社の開示によります。
国によって全然違う|ドイツ・スイスは実測した全社が年1回
集計を国(取引所)別に分けると、傾向の違いがさらにはっきりします。
| 国 | 年間平均支払回数 | 権利落ちが多い月(社数) |
|---|---|---|
| イギリス | 2.35回 | 4月(14) 8月(11) 10月(11) 5月(8) |
| スペイン | 2.15回 | 7月(12) 1月(8) 6月(8) 4月(5) |
| デンマーク | 1.64回 | 3月(5) 4月(5) 5月(2) 10月(2) |
| フランス | 1.46回 | 5月(12) 6月(8) 4月(4) 7月(3) |
| イタリア | 1.40回 | 5月(19) 11月(7) 6月(5) 4月(3) |
| ドイツ | 1.00回 | 5月(18) 4月(6) 6月(5) 3月(2) |
| スイス | 1.00回 | 4月(14) 3月(6) 5月(6) 6月(2) |
ドイツとスイスは、実測した全社が年1回払いでした。年間平均が1.00回ということは、例外なく全社が年1回だったということです。対照的に、イギリスは2.35回と唯一2回を超えており、米国株に近い頻度になっています。スペインも2.15回とやや多めですが、こちらは7月に権利落ちが集中する点がドイツ・スイス・フランスとは異なります。同じ「欧州株」でも、どの国の取引所に上場しているかで配当の入り方はまったく違う、というのがこの実測から言えることです。
年4回払いは例外|実名6社と「空白月」の埋め方
今回の実測で年4回払いだったのは、201銘柄のうちわずか6社でした。トリグ(デンマーク・損害保険)、インペリアル・ブランズ(イギリス・たばこ)、エブロ・フーズ(スペイン・食品)、D/Sノルデン(デンマーク・海運)、ゲームズワークショップ(イギリス・ミニチュアゲーム)、ミケル・イ・コスタス(スペイン・特殊紙)の6社です。欧州株で「年4回」は、あくまで例外的な存在だということが、実名を見てもわかります。なお、このうちゲームズワークショップは配当が不定期・変動制であり、年4回という回数も今後の決算次第で変わりうる点は添えておきます。
ここまでの実測を踏まえると、「毎月配当」を欧州株だけで作るのは簡単ではありません。年1回払いが6割を占め、しかも春に集中しているからです。それでも空白月を埋めたいなら、選択肢は3つあります。①イギリス株を混ぜて年2回払いの銘柄を増やす、②今回挙げたような年4回払いの例外的な銘柄を組み込む、③欧州ETFの分配金(多くは四半期ごと)を併用する、という方法です。
③のETFであれば、欧州ETFの比較記事で書いたとおりSBI証券などでも購入でき、分配のタイミングを個別株よりコントロールしやすくなります。①②のように個別株で企業を選んで組み込みたい場合、日本からはサクソバンク証券がほぼ唯一の入り口です。
まとめ:欧州株の配当は「年1回・春にまとめて」が基本形
- 今回実測した欧州株201銘柄を実測した結果、年1回払いが119社で最多(約6割)
- 権利落ちは4〜6月に集中し、5月が66社と突出。最も少ないのは2月の8社
- 理由は年次株主総会で配当を承認してから支払う仕組みと、12月決算の企業が多いこと
- ドイツ・スイスは実測した全社が年1回。イギリスだけが年2回超で米国株に近い
- 年4回払いは201銘柄中わずか6社で、欧州株では例外的な存在
空白月を埋める方法はいくつかありますが、配当月を揃えるために銘柄を選ぶのは、本末転倒だと思います。企業の中身で選び、入金が春にまとまることを受け入れるほうが、素直なやり方ではないでしょうか。
この記事の検証方法
- 2026年8月28日に、当サイトが記事化している欧州株について、stockanalysis.comの各銘柄の配当ページから権利落ち日(ex-dividend date)の履歴を機械的に取得しました
- 取得できたのは201銘柄です(一部は取得できずデータから除外しています)
- 直近12か月(2025年9月〜2026年8月)に権利落ちした回数を「年間の支払回数」とし、その月を集計しています
- この集計は当サイトが取り上げた銘柄に限ったものであり、欧州市場全体を代表するものではありません。あくまで独自調査としてご覧ください
- 筆者はポルトガル在住で、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)の口座から欧州株ETFを中心に保有しています(本記事の集計対象の全銘柄を保有しているわけではありません)
この記事を書いた人:Kawa
ヨーロッパ在住30代・サイドFIRE中の兼業投資家。日本の証券会社では買えない欧州株を、現地から実際の数字で解説しています。詳しいプロフィール
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の権利落ち日・支払回数の集計は、本文記載の日時に当サイトが独自に取得したデータに基づくものであり、将来の配当時期や金額を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。当サイトは本記事の情報に基づく損失について一切の責任を負いません。

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